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第三章 王家との対立
第31話 亜人は亜人。獣人にはなれない。
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「あんっ。て、なんだよ」
「ぶったね。父上にもぶたれ……」
あわてて口を押さえる。
「その台詞は駄目だ。言ってはいけない」
睨み付けると、うんうんと頷く。
「とにかく。不本意だが、橋は造った。これで良いな」
そう言い残して、その場を後にしようとすると、また飛びつかれて、ズボンを下ろされそうになる。
こいつ、狙っているのじゃないか? そんなことが脳裏に浮かぶ。さっき『あん』とか言ったし、まさか。
ズボンをおさえながら、後ずさる。
そして一気に向きを変えて、走り出そうとすると、追いかけてくる。
今の俺は、多分かなり強化されている。と思う。
だが、しかし、トラは早かった。
内股で、両拳は胸の前。そしてくねくねと、俗に言うお姉走り。
だが早い。
くっ。これでは、捕まってしまう。
体を巡る魔力を、身体強化へと使い、一気に加速。
だが、背後から来る気配も変わる。
まるで、トラだ。おまえはトラになるんだと言わんばかりで、目は爛々と輝き。体も一回り大きくなる。
そして、一気に追い抜いていった。凄い勢いで。
「あれ?」
その場で、スピードを落とし、ぼーっと見ていると、雄叫びを上げながら、彼は道の彼方へと、ものすごいスピードで走って行った。
「あーうん。まあいいか」
俺はとぼとぼと、歩き始める。
遠くのほうには、まだ遠ざかっていく土煙がみえる。
水の玉を出して、二個三個と飲み、周りの景色を眺める。
「ほう。これは麦か。あっちは、葡萄かな?」
添え木がされた、蔓性の低木が日本のような棚仕立てではなく、垣根仕立てで栽培されている。田舎の農村。
そこで、驚愕する。
私、見てしまったんです。
ええ。獣人ではない。いや獣人だが、平たい顔。だが耳はピンと立っている。まだ遠く、尻尾の有無は確認できないが、人間に近い。
そちらへ向かい、走って行くが、その歩みは徐々に遅くなっていく。
足にはめられた枷。
服はぼろ布。そこから見える肌には鞭で打たれたような傷。
そして、おっさんだった。
「おいあんた。ひどい有様だが、大丈夫か?」
力の無い目でこちらを向くが、右目は陥没し見えていないようだ。
「珍しいな。亜人か。俺は、この有様だ。近寄ると仲間だとみられて、捕まってしまう」
自分の状態にもかかわらず、こちらを心配してくれる。良い奴だな。
「何をしたんだ?」
「仲の良い女の子ができて、一緒に逃げただけだ。俺らは飼い主が決めた相手と適当に繁殖以外は認められない。それでまあ、彼女と逃げたら捕まってな」
「その彼女は?」
「連れて行かれてしまった」
そう言って、力なく泣き始める。
男のくせになんだ、連れ戻せ。そんなことを言いたくなるが、それは、無責任で傲慢だろう。彼の体に残る怪我を見れば、自分のできる範囲で抵抗し、今の状態なのだろう。
「まあ、これでも食え」
黄色と赤の樹の実を渡す。
「先に黄色。次に赤だ」
渡した樹の実を見て、じっと眺める。
「毒じゃない。腹の足しにはならんが、体は楽になる」
ふっと、彼の辛そうな表情が抜け、聞いてくる。
「苦しむのか?」
そんな訳の分からないことを聞いてきた。
「少しは、苦しいかも」
前に与えた、ハウンド侯爵の次女、ブランシュが治るときの姿を思い出す。
「ありがとう」
そう言って、二つともぽいっと口に放り込む。
するとだ、少し『ぐっ』とか言って、俯いたが、短いと思っていた尻尾が生えてきた。切られていたらしい。
囓られたようになっていた耳も、陥没していた目も復活。
相変わらず、オオカムズミの実は凄いな。
「これは」
「楽になったか?」
「ああ。思っていたのとは違うが、楽になった」
俺は首をひねる。
彼は俺を見ながら、言ってくる。
「俺の姿を見て、口では毒じゃないとは言ったが、きっと毒をくれたのだと思った。まさかこんな奇跡のような。……とてもじゃないが、対価を払えない。俺は奴隷だしな」
「奴隷? いつからだ?」
そう聞くと彼は、怪訝そうな顔をする。
「当然。ヒュウマコンチネンティブ大陸との戦争。その時に俺達の種族は半人半獣とか呼ばれ、投獄され、亜人と呼ばれる奴隷になった。どうして知らないんだ? あんたどこから来た?」
「エクシチウムの樹海と言う所だ」
そう言った瞬間、彼の尻尾が膨らむ。
「あんた、もしかして。いや、そんな気の抜けた邪神はいないな。ちなみに、半人半獣は、人が獣人で、獣はヒューマンと呼ばれるあんたみたいな種族の事だ。戦争当初に、俺達の仲間は多く連れ攫われた。その時に獣人達は、俺らが、手引きをしたのだと思ったようだな。じいさん達に聞けば、それこそ、捕獲されたという状況だったようだが」
「あーうん。説明ありがとう。じゃあ、元気になったし、彼女を探しに行こうか?」
そう言うと、彼の顔が曇る。
「居るところは分かっている。多分お屋敷に捕まっているはずだ」
「お屋敷?」
「ここいらは、コンストリュイール男爵の荘園だ」
「聞いた名だな。まあこれでも食え」
この世界に来て最高の武器。魚の燻製を出す。
猫まっしぐら。飛びついてきた。なんとなく、今度液状のおやつを作ってみたくなった。
元の世界で、猫は仕方なく魚を食っていると聞いたが、凄い勢いだったな。
さて、あの気持ちが悪い、ヌフ・コンストリュイールと話をする必要ができたが、奴はどこまで行ったのだろうか?
「ぶったね。父上にもぶたれ……」
あわてて口を押さえる。
「その台詞は駄目だ。言ってはいけない」
睨み付けると、うんうんと頷く。
「とにかく。不本意だが、橋は造った。これで良いな」
そう言い残して、その場を後にしようとすると、また飛びつかれて、ズボンを下ろされそうになる。
こいつ、狙っているのじゃないか? そんなことが脳裏に浮かぶ。さっき『あん』とか言ったし、まさか。
ズボンをおさえながら、後ずさる。
そして一気に向きを変えて、走り出そうとすると、追いかけてくる。
今の俺は、多分かなり強化されている。と思う。
だが、しかし、トラは早かった。
内股で、両拳は胸の前。そしてくねくねと、俗に言うお姉走り。
だが早い。
くっ。これでは、捕まってしまう。
体を巡る魔力を、身体強化へと使い、一気に加速。
だが、背後から来る気配も変わる。
まるで、トラだ。おまえはトラになるんだと言わんばかりで、目は爛々と輝き。体も一回り大きくなる。
そして、一気に追い抜いていった。凄い勢いで。
「あれ?」
その場で、スピードを落とし、ぼーっと見ていると、雄叫びを上げながら、彼は道の彼方へと、ものすごいスピードで走って行った。
「あーうん。まあいいか」
俺はとぼとぼと、歩き始める。
遠くのほうには、まだ遠ざかっていく土煙がみえる。
水の玉を出して、二個三個と飲み、周りの景色を眺める。
「ほう。これは麦か。あっちは、葡萄かな?」
添え木がされた、蔓性の低木が日本のような棚仕立てではなく、垣根仕立てで栽培されている。田舎の農村。
そこで、驚愕する。
私、見てしまったんです。
ええ。獣人ではない。いや獣人だが、平たい顔。だが耳はピンと立っている。まだ遠く、尻尾の有無は確認できないが、人間に近い。
そちらへ向かい、走って行くが、その歩みは徐々に遅くなっていく。
足にはめられた枷。
服はぼろ布。そこから見える肌には鞭で打たれたような傷。
そして、おっさんだった。
「おいあんた。ひどい有様だが、大丈夫か?」
力の無い目でこちらを向くが、右目は陥没し見えていないようだ。
「珍しいな。亜人か。俺は、この有様だ。近寄ると仲間だとみられて、捕まってしまう」
自分の状態にもかかわらず、こちらを心配してくれる。良い奴だな。
「何をしたんだ?」
「仲の良い女の子ができて、一緒に逃げただけだ。俺らは飼い主が決めた相手と適当に繁殖以外は認められない。それでまあ、彼女と逃げたら捕まってな」
「その彼女は?」
「連れて行かれてしまった」
そう言って、力なく泣き始める。
男のくせになんだ、連れ戻せ。そんなことを言いたくなるが、それは、無責任で傲慢だろう。彼の体に残る怪我を見れば、自分のできる範囲で抵抗し、今の状態なのだろう。
「まあ、これでも食え」
黄色と赤の樹の実を渡す。
「先に黄色。次に赤だ」
渡した樹の実を見て、じっと眺める。
「毒じゃない。腹の足しにはならんが、体は楽になる」
ふっと、彼の辛そうな表情が抜け、聞いてくる。
「苦しむのか?」
そんな訳の分からないことを聞いてきた。
「少しは、苦しいかも」
前に与えた、ハウンド侯爵の次女、ブランシュが治るときの姿を思い出す。
「ありがとう」
そう言って、二つともぽいっと口に放り込む。
するとだ、少し『ぐっ』とか言って、俯いたが、短いと思っていた尻尾が生えてきた。切られていたらしい。
囓られたようになっていた耳も、陥没していた目も復活。
相変わらず、オオカムズミの実は凄いな。
「これは」
「楽になったか?」
「ああ。思っていたのとは違うが、楽になった」
俺は首をひねる。
彼は俺を見ながら、言ってくる。
「俺の姿を見て、口では毒じゃないとは言ったが、きっと毒をくれたのだと思った。まさかこんな奇跡のような。……とてもじゃないが、対価を払えない。俺は奴隷だしな」
「奴隷? いつからだ?」
そう聞くと彼は、怪訝そうな顔をする。
「当然。ヒュウマコンチネンティブ大陸との戦争。その時に俺達の種族は半人半獣とか呼ばれ、投獄され、亜人と呼ばれる奴隷になった。どうして知らないんだ? あんたどこから来た?」
「エクシチウムの樹海と言う所だ」
そう言った瞬間、彼の尻尾が膨らむ。
「あんた、もしかして。いや、そんな気の抜けた邪神はいないな。ちなみに、半人半獣は、人が獣人で、獣はヒューマンと呼ばれるあんたみたいな種族の事だ。戦争当初に、俺達の仲間は多く連れ攫われた。その時に獣人達は、俺らが、手引きをしたのだと思ったようだな。じいさん達に聞けば、それこそ、捕獲されたという状況だったようだが」
「あーうん。説明ありがとう。じゃあ、元気になったし、彼女を探しに行こうか?」
そう言うと、彼の顔が曇る。
「居るところは分かっている。多分お屋敷に捕まっているはずだ」
「お屋敷?」
「ここいらは、コンストリュイール男爵の荘園だ」
「聞いた名だな。まあこれでも食え」
この世界に来て最高の武器。魚の燻製を出す。
猫まっしぐら。飛びついてきた。なんとなく、今度液状のおやつを作ってみたくなった。
元の世界で、猫は仕方なく魚を食っていると聞いたが、凄い勢いだったな。
さて、あの気持ちが悪い、ヌフ・コンストリュイールと話をする必要ができたが、奴はどこまで行ったのだろうか?
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