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第四章 世界との関わり

第38話 その日俺は、神を拾う

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 ちょっとした木の救済が切っ掛けで、色々とおかしな事になり、変な力を受け取った。
 何というか、いまなら世界中の魔力の流れが、コントロールできそう。

 それで、なぜか。
 俺の一部が、元気になって世界樹状態。
 なんだろう。大昔にあったドリンク剤よろしく、二四時間戦っても勝てる気がする。

「どうしたの? 座り込んで」
 好実が、やっと神秘体験から復活したようだ。
 世界樹が俺から魔力を奪い取って、光り輝き。逆再生のように修復をしていく。
 元は、根本付近にうろがあったようだが、それも無くなっている。

 後日、城に居着いたエリーナから話を聞く。
 そのうろが、女性のあれに似ていて、エルフ達の神聖な場所だった。
 でまあ、見た目があれなので誰ともなく文句が出て、広げて祈りの場として活用し、年とともに拡張したらしい。そんな、よく分からない話を聞いた。

 古老達の時代。木のうろで、儀式的に子作りの神事を行っていたようだ。

 それでまあ、子供を授かる儀式信仰の流れから、モンスターに襲われない、樹の上の方に家を作り始め、皆がシロアリか何かのように穴を開けたという事だ。

 まあそれは良い。良くないけれど良い。

 もっと悪いのは、あふれ出る力と、立った望が立ったわ状態のからだ。
 早々に、好実と帰った。

 ところがね、治まらないんだ。これが。
 最終的には、好実にもうやめてと言われて、殴られた。

 ものと、高ぶった気持ちを静めるため、地下にある図書館へ行く。
 
 少しひんやりして、少し乾燥した室内。
 気持ちを静めるには適した環境。

 適当に本を選び、読み始める。
 本には悪いが、お茶を入れ、まったりと過ごす。

 だが、やはりやってくる、脳内に響くキンキン声。

「聞こえているのでしょう? ここに居るの。何とかして」
 悲痛な叫び。
 こいつだよ。来ると必ず、何かを感知しているのか声が響く。
 最初は上品な上から目線だったが、最近は何でもするからという懇願状態。
 もうちょっとすると、精神的に突き抜けて、刺されそうだが、怖くて探せなかった。
 
 だが、好実に教えられた通り、浄化の準備をしながら本を探していく。

 禁書扱いの中に『我が愛する、星。プラネータ=デェ=ドムン』という、何かすごい力を持つ本がある。
「これか?」
 手に取ってみる。

 そして開くと、こいつがだな、人を本の中へ引っ張り込もうとする。
 本の表と裏。見返し部分にびっしりと書かれた魔方陣? が、表表紙と裏表紙の内側で、閉回路となり空間を閉じるようになっている様だ。
 これ自身が、亜空間収納庫と言えば分かりやすいだろうか?
 そして、本を開いた者を文字通り本に引き込む。

「内容じゃなく、物理的に引き込んでどうするんだよ」
 作者名というか、制作者名がプローペ=ディウム?

「これって、意図的に創ったのか。禁書の中に居る変な奴用のほいほい?」
 いい加減引かれるのが鬱陶しくなり、魔力の流れに干渉をして止める。
 するとだね、本から豊満なおまんじゅうが二つ、目の前に出てきた。

 あわてて干渉をやめて、閉じようかとしたが間に合わず。

 綺麗なお姉さんに、押し倒される。
「あっ。いまは駄目なのにぃ」
 つい変な声が出る。

「うーん出してくれたのは良いけれど、随分直接的で。まあ生物としては本能かしら? この星の生物として、おかしくない容姿をしているはずだし。肉体的な接触など、何十億年ぶりかしらね。興味もあるし、やっちゃえ」
 何か人の上で、勝手に暴走し始めた女の人。

 体勢も変わらず、だが勝手にぬがされ、ふにっとした感触が一部に感じる。
「あっだめっ」
 だが末に遅く、にゅるっとした感触。

 その瞬間に、何かと繋がり、確かに色々な情報の流れが、頭の中へ流れ込んでくる。
 物質の組成や変化。生物の流れ、世界の決まり事。
「これは走馬灯…… じゃない。アカシックレコード?」
「人と繋がった瞬間に、真理。世界の深淵を覗くとは。あなた何者? せっかく受肉して繋がっているのに、アストラル体での結合。信じられない」
 お姉さんは何か、感動? しながら、感じているのか動きが止まらない。

 ああだめだ、これは。生命体としての真理。
 放出とともに、何かを持って行かれて、逆に大量の知識が流れ込んでくる。

 おもわず、我は神だと叫びたくなるような妙な全能感。
 その時、世界が変わった。
 そして、好実の悲しそうな顔が脳裏に浮かび、猛り狂っていたあれが、急速にしぼんでいく。

「あー、良いわねこれ。気に入っちゃった」
 原因は、何か恍惚とした表情を浮かべて喜んでいる。

「君の名は?」
「ああ、名乗っていなかったわね。私はフレイヤ。プラネータ=デェ=ドムンの唯一神。すべてを司るもの」
「はっ? 本に取り付いた、悪神では無くて?」
「さっき、私のすべてを覗いたでしょう。悪い人。一般の生物ではない。あなたは何者?」
「私は、えーと。此処の王。精霊を従えるもの」
 そう言うと、じっと目を見てくる。

 金色の瞳。金色の髪。
 シミ一つ無い美しい肌と、欧米的なメリハリのきいた顔とアジア系の中間?
 そう、すべての中間だが、綺麗な顔立ち。
 すこし、細面で。きっと誰もが美人だと言うだろう。

 だめだ、立てちゃ駄目だ。
 彼女は、まだ上に乗っている。
 その日その時、初めて浮気をした。
 事故だよね。

 言い訳をするが、脳裏に浮かぶ好実の顔が、何時しか般若となり。
 背筋に冷たい物が流れる。
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