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第3章 周辺国との協力と発展
第44話 静に騒乱の種はまかれる
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メリディオナル王国で、噂が持ちあがる。
アルトゥロ=パチェコ男爵に、謀反の可能性がある。
強力な武器の生産と、よく分からないものが、領都において運用されている。
そんな噂が、王であるベッティル=ハルト=メリディオナルの耳へと入ってくる。
いや、意図的に流す連中がいる。
過去の因縁や、それ以降の見下すはずの存在だった。
それが今。彼の領には人が流入して、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展を続ける。
何をしたのか知らないが、単位面積当たりの収量は他の領に比べてかなり多い。
しかも、見慣れない道具を使い、少ない人数で大きな農地を管理している。
慶子は牛用の農具である、無床犂を記憶にあった歴史の教科書から思いだして試作。これにより、深く耕すことが出来るようになった。土を耕し、深く空気を入れる。それが土壌改善の基本。
荷運び用の牛や馬を、空き時間にこき使った。
慶子には、特殊技術も専門知識もある訳ではない。
だが、日本での生活。その中で、子供の頃から見て、その動きを理解した機械は、未知のものではない。考え試行錯誤をすることで、そこそこ再現できる。
本からの知識で、発酵肥料の作り方などは知っているし、窒素とリン酸。カリなど。そこに、補助機能を持つカルシウムとマグネシウムを加え、肥料の五要素という言葉も知っている。
カルシウムは植物の組織全体を強化する。そして、マグネシウムはリンの吸収を助けて、植物内の酵素を活性化する。
領内で苦灰石が発見をされたのも大きい。
石灰石とマグネシウムの混合物。
要するに苦土石灰だ。
それまでは、焼き畑なども試してみた。
土のpH調整と、殺菌。
栄養素のバランスを取れば、作物の収量は増える。
木酢酢による消毒や虫除けも試した。
そんな、試行錯誤を積み重ねてきた。
その結果よかったものを、手順書として民に教えて、ついでに読み書きと簡単な四則演算も教えた。
兵については、初手が弓。次にファランクス。混戦で剣となる戦術を見直した。
短弓として、威力のあるクロスボウを採用。
そして、矢を二種類作る。
盾を構えられた時用に、貫通力重視タイプと、殺傷力重視の反しが付いたもの。
隊を、三列で組み。矢を放った者達は、その場でしゃがむ。最後列のものが矢をつがえながら最前列へ移動。こうやって順に前進をしていく。
その後ろに、長弓部隊。
短弓で、敵の進軍を止めながら、直接相手の本隊を攻撃をする。
防ごうと思えば、全兵が盾を装備しなければ無理だ。
その間に遊撃部隊が側面へ周り、やはり弓。
つまり基本は遠くから敵を殲滅。
そして時間があれば、落とし穴を造る。
試してみると、この戦法が意外と使えて、騎士などが近くに来られない。
馬はどうしたって背が高いため、徴用兵から浮いてしまう。
そして我慢が出来ず、無理矢理に前に出てきて、落とし穴へはまる。
「強いな。人数は変わっていないのに圧倒的じゃないか」
アルトゥロとセルソ=エスピノ。セルソは友人であり、騎士爵を持っている。
二人が呆れる。
運用は、簡単。相手の出方に合わせて、合図を送れば。勝手に決まっている所へ兵が移動をする。
合図は、太鼓や笛。
簡単なもので、一回打ち間をおく。
その後また一回と繰り返す。
これを、ドドンと二連続とか、三連続で意味を変える。
このため、作戦中はかなり賑やかで、意外と楽しいし、兵によってはもう太鼓と笛がないと駄目だと言い出した。
気分の高揚に、効果があるようだ。
そして、うろ覚えだった黒色火薬ができた頃。
紙に包んだ火薬と玉で、簡易な紙製薬莢を慶子は作る。
銃自体は、ライフリングがない火縄銃だったが。
すぐに、クロスボウ部隊は、両方を装備。
基本は、長槍のかわりなので問題はない。
そんな姿は、王の放った間者に見られていた。
むろん、報告もされている。
だがそれは正確ではなく。
間者はたまにしか聞こえない、銃の音をそれが何かをしらなかった。
それに王は、自分に対して謀反など。そう思って放置をしていた。
ヘンリク領の鉱山の話もあるし、それによりパチェコ男爵領は潤ったはずだ。
当然間者を放ち定期的に、情報を拾っている。
謀反の兆候などはない。
だが、噂は流れてくる。
「王の間者に、ばれるようなことをするはずがない」
そんな忠告が、当然のように耳に入ってくる。
そんな話は、王へ向かってくるだけではない。
「王家が、先祖に対して行ったことは許してはならん」
また親や、叔父。
思い出したように言い始める。
「証拠は? 何か見つかりましたか?」
「新たには無い。だが十分だ」
叔父はそう言うだけで、決して自ら動かない。
謀反を起こせば、一族が滅ぶ。それだけは出来ない。
だが、許す訳にはいかん。
昔から、ずっとそれの繰り返し。
だが今、再び目立ち始めた、パチェコ男爵領。
民を奪われたり、品質の差で、売り上げが下がった領もある。
やっかいな叔父が、目を付けられるのも必然。
共に王家を倒そう。
何か、強力な武器はないのか?
そう聞かれた叔父は、床下で、硝石を作っている、かくれ里を教えてしまう。
「あそこで、秘密裏に何かを作っている」
そんな話が持ち込まれる。
そして王は、強制調査を命じる。
調べてみれば良い。それだけだ。
だが命令を受けた、オリヴェル領
ジャンパオロ=オリヴェル。
エルヴィ=ヘンリクと手を組み、鉱山の生産量を誤魔化し、儲けを出していた。
だが、王の手が入り、その儲けが消えた。
そして、パチェコ男爵領からの野菜や、金属類。
面白い仕組みの道具が領内で売られ、さらに、自領の工作物が品質が悪く、売れなくなった。
さらに、リクハルド領。ここも、当然絡んでいた。
両者からまともな調査など、上がってくる訳もない。
パチェコ男爵がなにも知らないまま、懲罰が決まってしまう。
そして、懲罰軍は、王の命令をかさにきて、パチェコ男爵領で、悪さを始める。
そのため、当然だが防衛のためにこれらを制圧。
王と、パチェコ男爵。共に詳細が分からないまま、相対する事になる。
その結果、王としては最悪の結果となる。
アルトゥロ=パチェコ男爵に、謀反の可能性がある。
強力な武器の生産と、よく分からないものが、領都において運用されている。
そんな噂が、王であるベッティル=ハルト=メリディオナルの耳へと入ってくる。
いや、意図的に流す連中がいる。
過去の因縁や、それ以降の見下すはずの存在だった。
それが今。彼の領には人が流入して、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展を続ける。
何をしたのか知らないが、単位面積当たりの収量は他の領に比べてかなり多い。
しかも、見慣れない道具を使い、少ない人数で大きな農地を管理している。
慶子は牛用の農具である、無床犂を記憶にあった歴史の教科書から思いだして試作。これにより、深く耕すことが出来るようになった。土を耕し、深く空気を入れる。それが土壌改善の基本。
荷運び用の牛や馬を、空き時間にこき使った。
慶子には、特殊技術も専門知識もある訳ではない。
だが、日本での生活。その中で、子供の頃から見て、その動きを理解した機械は、未知のものではない。考え試行錯誤をすることで、そこそこ再現できる。
本からの知識で、発酵肥料の作り方などは知っているし、窒素とリン酸。カリなど。そこに、補助機能を持つカルシウムとマグネシウムを加え、肥料の五要素という言葉も知っている。
カルシウムは植物の組織全体を強化する。そして、マグネシウムはリンの吸収を助けて、植物内の酵素を活性化する。
領内で苦灰石が発見をされたのも大きい。
石灰石とマグネシウムの混合物。
要するに苦土石灰だ。
それまでは、焼き畑なども試してみた。
土のpH調整と、殺菌。
栄養素のバランスを取れば、作物の収量は増える。
木酢酢による消毒や虫除けも試した。
そんな、試行錯誤を積み重ねてきた。
その結果よかったものを、手順書として民に教えて、ついでに読み書きと簡単な四則演算も教えた。
兵については、初手が弓。次にファランクス。混戦で剣となる戦術を見直した。
短弓として、威力のあるクロスボウを採用。
そして、矢を二種類作る。
盾を構えられた時用に、貫通力重視タイプと、殺傷力重視の反しが付いたもの。
隊を、三列で組み。矢を放った者達は、その場でしゃがむ。最後列のものが矢をつがえながら最前列へ移動。こうやって順に前進をしていく。
その後ろに、長弓部隊。
短弓で、敵の進軍を止めながら、直接相手の本隊を攻撃をする。
防ごうと思えば、全兵が盾を装備しなければ無理だ。
その間に遊撃部隊が側面へ周り、やはり弓。
つまり基本は遠くから敵を殲滅。
そして時間があれば、落とし穴を造る。
試してみると、この戦法が意外と使えて、騎士などが近くに来られない。
馬はどうしたって背が高いため、徴用兵から浮いてしまう。
そして我慢が出来ず、無理矢理に前に出てきて、落とし穴へはまる。
「強いな。人数は変わっていないのに圧倒的じゃないか」
アルトゥロとセルソ=エスピノ。セルソは友人であり、騎士爵を持っている。
二人が呆れる。
運用は、簡単。相手の出方に合わせて、合図を送れば。勝手に決まっている所へ兵が移動をする。
合図は、太鼓や笛。
簡単なもので、一回打ち間をおく。
その後また一回と繰り返す。
これを、ドドンと二連続とか、三連続で意味を変える。
このため、作戦中はかなり賑やかで、意外と楽しいし、兵によってはもう太鼓と笛がないと駄目だと言い出した。
気分の高揚に、効果があるようだ。
そして、うろ覚えだった黒色火薬ができた頃。
紙に包んだ火薬と玉で、簡易な紙製薬莢を慶子は作る。
銃自体は、ライフリングがない火縄銃だったが。
すぐに、クロスボウ部隊は、両方を装備。
基本は、長槍のかわりなので問題はない。
そんな姿は、王の放った間者に見られていた。
むろん、報告もされている。
だがそれは正確ではなく。
間者はたまにしか聞こえない、銃の音をそれが何かをしらなかった。
それに王は、自分に対して謀反など。そう思って放置をしていた。
ヘンリク領の鉱山の話もあるし、それによりパチェコ男爵領は潤ったはずだ。
当然間者を放ち定期的に、情報を拾っている。
謀反の兆候などはない。
だが、噂は流れてくる。
「王の間者に、ばれるようなことをするはずがない」
そんな忠告が、当然のように耳に入ってくる。
そんな話は、王へ向かってくるだけではない。
「王家が、先祖に対して行ったことは許してはならん」
また親や、叔父。
思い出したように言い始める。
「証拠は? 何か見つかりましたか?」
「新たには無い。だが十分だ」
叔父はそう言うだけで、決して自ら動かない。
謀反を起こせば、一族が滅ぶ。それだけは出来ない。
だが、許す訳にはいかん。
昔から、ずっとそれの繰り返し。
だが今、再び目立ち始めた、パチェコ男爵領。
民を奪われたり、品質の差で、売り上げが下がった領もある。
やっかいな叔父が、目を付けられるのも必然。
共に王家を倒そう。
何か、強力な武器はないのか?
そう聞かれた叔父は、床下で、硝石を作っている、かくれ里を教えてしまう。
「あそこで、秘密裏に何かを作っている」
そんな話が持ち込まれる。
そして王は、強制調査を命じる。
調べてみれば良い。それだけだ。
だが命令を受けた、オリヴェル領
ジャンパオロ=オリヴェル。
エルヴィ=ヘンリクと手を組み、鉱山の生産量を誤魔化し、儲けを出していた。
だが、王の手が入り、その儲けが消えた。
そして、パチェコ男爵領からの野菜や、金属類。
面白い仕組みの道具が領内で売られ、さらに、自領の工作物が品質が悪く、売れなくなった。
さらに、リクハルド領。ここも、当然絡んでいた。
両者からまともな調査など、上がってくる訳もない。
パチェコ男爵がなにも知らないまま、懲罰が決まってしまう。
そして、懲罰軍は、王の命令をかさにきて、パチェコ男爵領で、悪さを始める。
そのため、当然だが防衛のためにこれらを制圧。
王と、パチェコ男爵。共に詳細が分からないまま、相対する事になる。
その結果、王としては最悪の結果となる。
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