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第2章 異変の始まりと世界の終焉
第43話 残った書類
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通常とおり、契約書を交わして表へ出る。
いやだと思いながら、気合いを入れて、横一線。
複数ある蛇の頭が、それだけで、すかーんと切れて落ちてくる。
俺は、その光景を見て首をひねる。
「いやあ、さすがだね。さっ、後は雑魚の掃討だ」
自衛隊の攻撃と、俺達の一振り。
どう考えても、刀の方が効率が良い。
ここに来て、辻岡一尉も気になったようだ。
辻岡一尉も、クリスタルをいくつか取り込んでいる。
「どう使うんだい?」
聞いてきた、辻岡一尉に一本刀を渡す。
「体の中で気を錬って、それを刀に渡す感じで、後は刀が光れば、撃ち出す感じで振れば出ます」
「気? 気ねえ」
「分かりませんか?」
「教えます。手を繋ぎましょう」
そう言って、一志と辻岡一尉が向かい合って両手を繋ぎ、戦場で立つ。
ほのぼのした雰囲気が流れる。
周りでは、今だ銃弾やミサイルが飛び交っている。
ここだけ、手を繋ぐ男同士を、周りが生暖かい目で見ている。
「おっ。分かった流れた。これか」
辻岡一尉はそう言って、刀を掴み。二メートルほど前へと出て行く。気合いを入れ横一線に刀で薙ぐ。
見事に、白い斬撃が飛び、着地する寸前のミサイルを輪切りにする。
まあ、モンスターも切ったけれど。
「そんな感じです。自衛隊にも、装備として売りましょうか?」
「いや、装備をいきなりというわけにもイケないから、まず選定理由書を書いて、金額にもよるが、仕様書も必要だし。どうしよう。今、随意での発注は、面倒の元なんだよな」
ぶつぶつと言いながら、悩んでいると思ったら、いきなり顔が上がる。
「そうだ、撮影して、有効性を撮影。上部へ進言しよう。同じモンスターで効き目に差があれば、通るだろう」
そう言って、他の隊員とともに、いきなりプロモーションフィルムの撮影に入ったようだ。
最初の挨拶だけで、テイクファイブくらい撮り直して、その後、お試しモンスターはカバタイプに決めたようだ。まず自動小銃で、連射して倒す。弾数と時間を報告。
その後、刀を一閃。一発で上下にカバが分かれる。
「見てください。この威力。消耗品は己の気のみ。非常に強力でお買い得です。なおゴースト系も切れるそうです。是非購入をよろしくお願いします」
そう言って、撮影を終了させる。
満足そうな顔で、やりきったようだ。
今晩にでも、クラウド経由で、上官へ申請するようだ。
意外とモンスターは多かったが、何とか駆逐して、ダンジョンへ赴く。
もうすでに、勝手知ったる遺跡型ダンジョン。
一応、やたちゃんの案内に従い、サクサク進む。
意外と深く、六十階層あった。
そのため、モンスターも大きかったのかもしれない。
だとすると、育ったダンジョンからは、強力な物が出てくると言うこと。
会長にも、その情報は共有しておこう。
そうして、ダンジョンを攻略して、報告がてら基地へ帰ってきた。
今後のことについて説明し、できれば、一月に一回クリスタルを破壊することをお願いする。
ゴースト系には、銃も効かず、剣を通して、気を撃ち出せば倒せると説明しできるかどうかを聞く。
無理だと思ったが、何とかすると、断言をしたのでお願いすることにする。
ここもまた、氾濫を起こして、結局お願いをしてくるのだが。
「日本は帰ったか?」
「はい」
「氾濫と、ダンジョンの制覇は終了したか」
「無事、終了いたしました」
「よしよし。これで一安心だ」
「大統領これを」
一枚の書類が提出される。
「これは?」
「今回の契約書でございます」
「何故契約をした、せっかく頭まで下げたのに。口約束だけで済ませば……」
「はばかりながら、大統領と副大統領のやり取りが、こちらですべて流れておりました。配信事故です」
「配信事故? やり取りがすべてだと。ううむ。まあ、事故なら仕方が無いな」
書類をじっと眺める大統領。
「よし。済んだことは仕方が無い。氾濫終結。触れを出せ」
「はっ」
その後アフリカの掃討を終え、俺達は帰ってきた。
その翌日、会長から招集が掛かる。
「どうしたんですか? 報告に行こうかと思っていたのに」
一枚の紙が、会長から机の上に出される。
『辞令』の文字。
新生物ハンター協会会長の任を解き防衛省へ、うんたらかんたら。
「移動ですか?」
「そうだな。軌道に乗ってきて、海外からも評価が高くなった。お偉いさんが来るらしい」
「あらまあ」
「まあお前達は、協会のトップチームとして登録している。頼んだ」
「いやですよ」
「いやって言ったって、一月に一回、世界中のダンジョンを何とかしないと、氾濫が起こる」
「辻岡一尉がプロモーションビデオを作っていたから、刀の購入をするでしょう。特殊弾もあるし」
「それにしたって。大丈夫かな?」
「国防より、大学の卒業です。非常にまずい状態で」
「例の情報は使わなかったのか?」
「あんな不倫情報やらなんやら、危なくて使えませんよ。まあ困ったら使うかもしれませんが」
「頑張れ」
「お互いに」
そう言って、乾杯をした。
会長の呪いか、その後、ダンジョンはステップアップをしたようだ。
新任の協会会長が、何をして良いのか分からず、自身がパニックを起こし、世界規模の混乱に拍車が掛かる。
いやだと思いながら、気合いを入れて、横一線。
複数ある蛇の頭が、それだけで、すかーんと切れて落ちてくる。
俺は、その光景を見て首をひねる。
「いやあ、さすがだね。さっ、後は雑魚の掃討だ」
自衛隊の攻撃と、俺達の一振り。
どう考えても、刀の方が効率が良い。
ここに来て、辻岡一尉も気になったようだ。
辻岡一尉も、クリスタルをいくつか取り込んでいる。
「どう使うんだい?」
聞いてきた、辻岡一尉に一本刀を渡す。
「体の中で気を錬って、それを刀に渡す感じで、後は刀が光れば、撃ち出す感じで振れば出ます」
「気? 気ねえ」
「分かりませんか?」
「教えます。手を繋ぎましょう」
そう言って、一志と辻岡一尉が向かい合って両手を繋ぎ、戦場で立つ。
ほのぼのした雰囲気が流れる。
周りでは、今だ銃弾やミサイルが飛び交っている。
ここだけ、手を繋ぐ男同士を、周りが生暖かい目で見ている。
「おっ。分かった流れた。これか」
辻岡一尉はそう言って、刀を掴み。二メートルほど前へと出て行く。気合いを入れ横一線に刀で薙ぐ。
見事に、白い斬撃が飛び、着地する寸前のミサイルを輪切りにする。
まあ、モンスターも切ったけれど。
「そんな感じです。自衛隊にも、装備として売りましょうか?」
「いや、装備をいきなりというわけにもイケないから、まず選定理由書を書いて、金額にもよるが、仕様書も必要だし。どうしよう。今、随意での発注は、面倒の元なんだよな」
ぶつぶつと言いながら、悩んでいると思ったら、いきなり顔が上がる。
「そうだ、撮影して、有効性を撮影。上部へ進言しよう。同じモンスターで効き目に差があれば、通るだろう」
そう言って、他の隊員とともに、いきなりプロモーションフィルムの撮影に入ったようだ。
最初の挨拶だけで、テイクファイブくらい撮り直して、その後、お試しモンスターはカバタイプに決めたようだ。まず自動小銃で、連射して倒す。弾数と時間を報告。
その後、刀を一閃。一発で上下にカバが分かれる。
「見てください。この威力。消耗品は己の気のみ。非常に強力でお買い得です。なおゴースト系も切れるそうです。是非購入をよろしくお願いします」
そう言って、撮影を終了させる。
満足そうな顔で、やりきったようだ。
今晩にでも、クラウド経由で、上官へ申請するようだ。
意外とモンスターは多かったが、何とか駆逐して、ダンジョンへ赴く。
もうすでに、勝手知ったる遺跡型ダンジョン。
一応、やたちゃんの案内に従い、サクサク進む。
意外と深く、六十階層あった。
そのため、モンスターも大きかったのかもしれない。
だとすると、育ったダンジョンからは、強力な物が出てくると言うこと。
会長にも、その情報は共有しておこう。
そうして、ダンジョンを攻略して、報告がてら基地へ帰ってきた。
今後のことについて説明し、できれば、一月に一回クリスタルを破壊することをお願いする。
ゴースト系には、銃も効かず、剣を通して、気を撃ち出せば倒せると説明しできるかどうかを聞く。
無理だと思ったが、何とかすると、断言をしたのでお願いすることにする。
ここもまた、氾濫を起こして、結局お願いをしてくるのだが。
「日本は帰ったか?」
「はい」
「氾濫と、ダンジョンの制覇は終了したか」
「無事、終了いたしました」
「よしよし。これで一安心だ」
「大統領これを」
一枚の書類が提出される。
「これは?」
「今回の契約書でございます」
「何故契約をした、せっかく頭まで下げたのに。口約束だけで済ませば……」
「はばかりながら、大統領と副大統領のやり取りが、こちらですべて流れておりました。配信事故です」
「配信事故? やり取りがすべてだと。ううむ。まあ、事故なら仕方が無いな」
書類をじっと眺める大統領。
「よし。済んだことは仕方が無い。氾濫終結。触れを出せ」
「はっ」
その後アフリカの掃討を終え、俺達は帰ってきた。
その翌日、会長から招集が掛かる。
「どうしたんですか? 報告に行こうかと思っていたのに」
一枚の紙が、会長から机の上に出される。
『辞令』の文字。
新生物ハンター協会会長の任を解き防衛省へ、うんたらかんたら。
「移動ですか?」
「そうだな。軌道に乗ってきて、海外からも評価が高くなった。お偉いさんが来るらしい」
「あらまあ」
「まあお前達は、協会のトップチームとして登録している。頼んだ」
「いやですよ」
「いやって言ったって、一月に一回、世界中のダンジョンを何とかしないと、氾濫が起こる」
「辻岡一尉がプロモーションビデオを作っていたから、刀の購入をするでしょう。特殊弾もあるし」
「それにしたって。大丈夫かな?」
「国防より、大学の卒業です。非常にまずい状態で」
「例の情報は使わなかったのか?」
「あんな不倫情報やらなんやら、危なくて使えませんよ。まあ困ったら使うかもしれませんが」
「頑張れ」
「お互いに」
そう言って、乾杯をした。
会長の呪いか、その後、ダンジョンはステップアップをしたようだ。
新任の協会会長が、何をして良いのか分からず、自身がパニックを起こし、世界規模の混乱に拍車が掛かる。
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