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第2章 異変の始まりと世界の終焉
第20話 会長の無茶振り
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「なんですと?」
思いも寄らない言葉が出た。
「だから、おまえ達に、遺跡型ダンジョンを攻略してほしい」
「会長、顔がおかしいと思ったら、頭まで」
「顔じゃない、顔色だろ?」
「まあ、顔もおかしいよ。むくんでいるし」
皆が口々に、好き勝手言い始める。
「この前、自衛隊が突っ込んだって言っていなかった?」
「負けた。退却した。いや、戦略的撤退した」
「その前、警察もだよね」
「戦略的撤退した」
「武装は?」
あんずがそう聞くと、嫌そうな顔になる。
「警官の失敗を教訓に、各種センサーで罠を警戒しつつ進み、大きな罠が作動。全員が死にかかったようだ。センサー類や計測器は、赤外線から始まり超音波、音響その他諸々。最後は、ドローンが、罠を踏んで部屋全体に仕掛けられた罠が作動したらしい」
「そんな危ないところへ、素人を行かせるって、無理でしょ」
「無理でも何でも実行しないと、ダンジョンのアミューズメント化が進まない。するとだ。お金がないんだ」
考え込んでいた、匠が疑問を質問する。
「遺跡を放っておいて、他だけ開けば良いじゃ無いか」
うんうんと会長は頷く。
「その意見はもっともだ。だがな、他のダンジョンまで遺跡化する。今のところ、原因は知らないが、遺跡にある期間アクセスしないと、増えるんだ。昨日まで普通だったダンジョンが突然遺跡になる」
「ありゃぁ、それはキツいわね。それって、二つになったのを置いておくと、四つになるの?」
あんずに言われて、ガバッと顔が上がる会長。
「やめてくれ、倍々だとすぐに全部が遺跡になるぞ」
「全部が遺跡になったら、次にステップアップしたりして」
「さらに強力な奴にか?」
「うん」
会長は口を開け、ガーンという顔になる。
初めて見た。
突然、会長はどこかへ電話を始める。
『ああ、遙子か。今日は来ないか? ……俺はもう、だめかもしれない』
「あん。だめよ、文仁。遙子が下手だからって、そんなの。ううんっ」
『ああ。皆で飲んでる。あんずの馬鹿はいつものおふざけだ。……うん? ああ良いよ場所は送るよ』
「ちぇ、つまんない。最初は真っ赤になって怒っていたのに」
「おまえのおかげで、幾度も修羅場を越えたからな」
「入り口だけで、良いんでしょうか?」
「さあ、どうだろうな?」
「無理じゃない。先っちょだけとか言っておいて、我慢できなくなるのよ」
「どっちが?」
「あんた、初めての時そうだったじゃない、あんず。ちょっとだけとか言って」
「あんときは、おまえも興味芯々で、俺がおまえが痛そうだから遠慮したのに、強引に」
そこまで言って、すぐ横の機嫌が悪そうな匠先輩が目に入ったようだ。
言葉が止まる。
「どうした? 続きは?」
匠先輩の声が、静かに響く。
「あーいやまあ。こんな所で言う事でもないし」
「そうなのか?」
しらっと言っているが、機嫌は悪そうだ。
元彼が友人というのも、なんだかなあ。
高校生二人は完全に引いているし。
おバカな事を言っていると、遙子先輩が来た。
「あれ? 皆いるじゃない。どうして私ハブられたの? 泣くわよ」
「いや悪い。元々、こいつらにダンジョンへ行ってくれないかとお願いをしていたんだ」
「それはそれ、これはこれよ。今日は飲み会じゃない。それに見た事ない新人もいるし。陰陽師研究サークルよ。良かったら入ってね」
すささと、名刺を差し出す。
「あっいえ。すみません。高校生なので」
「ホント。良いわね。お姉さんに若さ頂戴」
そう言って、一志に抱きつく遙子さん。
当然、水希ちゃんから蹴りが入る。
「何するのよ」
「あっごめんね。彼女さんだったの?」
「えっ。いや彼女というわけじゃ」
「じゃあ良いじゃ無い」
遙子さんの手が伸びる。
「駄目です。私のですから」
ぎゅっと、抱きしめられる一志。
「あーまあ。良いけれど。それで話はどうなったの?」
「ダンジョンの謎特性を、明らかにしようかどうしようかと思って、失敗すると地獄を見る」
「ねえ、文仁。ちょっと見なかっただけだけど、顔色悪いわよ。飲んでいて大丈夫?」
「ああ。今日は寝るから大丈夫」
「寝るの?」
「寝たい」
「帰ろうか?」
「……一緒に」
「まあ、良いけど。寝られないわよきっと」
「……まあ。なんとか」
結局、押し切られて、明後日土曜日。
食料やら寝袋。
陰陽師研究サークル、修行装備Bで集合となった。
修行装備Aは着の身、着のまま。
合宿という名のキャンプだとか、海水浴とか行ったよな。
懐かしい。
高校生達は、条例違反になる前に帰らせました。
翌日、朝っぱらに、あんずさんからとんでもない写真が、送られて来ていたことに気がつく。匠先輩が焼き餅を始めて焼いてくれたそうで、はじけたらしい。
だけど、今度会ったら、どんな顔すれば良いのか分からない写真だった。
凪海に見られると、やばそうだけど、消すのもちょっと。
悩んでいると、さらに大量に送られてきた。
あの人の中で、俺は一体どういう存在なんだ?
思いも寄らない言葉が出た。
「だから、おまえ達に、遺跡型ダンジョンを攻略してほしい」
「会長、顔がおかしいと思ったら、頭まで」
「顔じゃない、顔色だろ?」
「まあ、顔もおかしいよ。むくんでいるし」
皆が口々に、好き勝手言い始める。
「この前、自衛隊が突っ込んだって言っていなかった?」
「負けた。退却した。いや、戦略的撤退した」
「その前、警察もだよね」
「戦略的撤退した」
「武装は?」
あんずがそう聞くと、嫌そうな顔になる。
「警官の失敗を教訓に、各種センサーで罠を警戒しつつ進み、大きな罠が作動。全員が死にかかったようだ。センサー類や計測器は、赤外線から始まり超音波、音響その他諸々。最後は、ドローンが、罠を踏んで部屋全体に仕掛けられた罠が作動したらしい」
「そんな危ないところへ、素人を行かせるって、無理でしょ」
「無理でも何でも実行しないと、ダンジョンのアミューズメント化が進まない。するとだ。お金がないんだ」
考え込んでいた、匠が疑問を質問する。
「遺跡を放っておいて、他だけ開けば良いじゃ無いか」
うんうんと会長は頷く。
「その意見はもっともだ。だがな、他のダンジョンまで遺跡化する。今のところ、原因は知らないが、遺跡にある期間アクセスしないと、増えるんだ。昨日まで普通だったダンジョンが突然遺跡になる」
「ありゃぁ、それはキツいわね。それって、二つになったのを置いておくと、四つになるの?」
あんずに言われて、ガバッと顔が上がる会長。
「やめてくれ、倍々だとすぐに全部が遺跡になるぞ」
「全部が遺跡になったら、次にステップアップしたりして」
「さらに強力な奴にか?」
「うん」
会長は口を開け、ガーンという顔になる。
初めて見た。
突然、会長はどこかへ電話を始める。
『ああ、遙子か。今日は来ないか? ……俺はもう、だめかもしれない』
「あん。だめよ、文仁。遙子が下手だからって、そんなの。ううんっ」
『ああ。皆で飲んでる。あんずの馬鹿はいつものおふざけだ。……うん? ああ良いよ場所は送るよ』
「ちぇ、つまんない。最初は真っ赤になって怒っていたのに」
「おまえのおかげで、幾度も修羅場を越えたからな」
「入り口だけで、良いんでしょうか?」
「さあ、どうだろうな?」
「無理じゃない。先っちょだけとか言っておいて、我慢できなくなるのよ」
「どっちが?」
「あんた、初めての時そうだったじゃない、あんず。ちょっとだけとか言って」
「あんときは、おまえも興味芯々で、俺がおまえが痛そうだから遠慮したのに、強引に」
そこまで言って、すぐ横の機嫌が悪そうな匠先輩が目に入ったようだ。
言葉が止まる。
「どうした? 続きは?」
匠先輩の声が、静かに響く。
「あーいやまあ。こんな所で言う事でもないし」
「そうなのか?」
しらっと言っているが、機嫌は悪そうだ。
元彼が友人というのも、なんだかなあ。
高校生二人は完全に引いているし。
おバカな事を言っていると、遙子先輩が来た。
「あれ? 皆いるじゃない。どうして私ハブられたの? 泣くわよ」
「いや悪い。元々、こいつらにダンジョンへ行ってくれないかとお願いをしていたんだ」
「それはそれ、これはこれよ。今日は飲み会じゃない。それに見た事ない新人もいるし。陰陽師研究サークルよ。良かったら入ってね」
すささと、名刺を差し出す。
「あっいえ。すみません。高校生なので」
「ホント。良いわね。お姉さんに若さ頂戴」
そう言って、一志に抱きつく遙子さん。
当然、水希ちゃんから蹴りが入る。
「何するのよ」
「あっごめんね。彼女さんだったの?」
「えっ。いや彼女というわけじゃ」
「じゃあ良いじゃ無い」
遙子さんの手が伸びる。
「駄目です。私のですから」
ぎゅっと、抱きしめられる一志。
「あーまあ。良いけれど。それで話はどうなったの?」
「ダンジョンの謎特性を、明らかにしようかどうしようかと思って、失敗すると地獄を見る」
「ねえ、文仁。ちょっと見なかっただけだけど、顔色悪いわよ。飲んでいて大丈夫?」
「ああ。今日は寝るから大丈夫」
「寝るの?」
「寝たい」
「帰ろうか?」
「……一緒に」
「まあ、良いけど。寝られないわよきっと」
「……まあ。なんとか」
結局、押し切られて、明後日土曜日。
食料やら寝袋。
陰陽師研究サークル、修行装備Bで集合となった。
修行装備Aは着の身、着のまま。
合宿という名のキャンプだとか、海水浴とか行ったよな。
懐かしい。
高校生達は、条例違反になる前に帰らせました。
翌日、朝っぱらに、あんずさんからとんでもない写真が、送られて来ていたことに気がつく。匠先輩が焼き餅を始めて焼いてくれたそうで、はじけたらしい。
だけど、今度会ったら、どんな顔すれば良いのか分からない写真だった。
凪海に見られると、やばそうだけど、消すのもちょっと。
悩んでいると、さらに大量に送られてきた。
あの人の中で、俺は一体どういう存在なんだ?
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