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第二章 チーム戦?

第14話 幼馴染みの変化

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 近くで人が死んだけど、攻撃をしていないから。変化は無いよな。

「なっ。おまえ。いつの間に。マスターお知り合いですか?」
「ああ。知り合いだけど。しばらく合わないうちに、少しは鍛えたの?」
「うんまあ。守ってくれる人がいなくてね。一美。久しぶりだね。それじゃあ。また」
「ばかね。現場を見られて。帰らせる訳がないでしょう?」
 俺はそれを聞いて、ニヒルに笑い。

「こういう場面では、素直に帰す方が。被害が少ないし。お互いのためなんだよ。我が愛する。一美」
「きも。なに? しばらく合わないうちに。おかしくなったの?」
「いや昔から。好きだったけど」
 この際告白して、情に訴える。
 一美ならきっと、答えてくれる。

「良いもう良い。幼馴染みだけど。きもい方向に進化したみたいだし。食って良い」
「えっ。本気か? 僕はこんなにも、君を愛しているのに」
 僕は両の手を広げ、訴える。一美は、何も言わず。手を上げる。あれ?

 するとまあ、来るよね。
 明智君もこの際だ、仲間になって貰うか。
 真の仲間に。

「おい。おい明智君」
「何だよ、この状況」
「やかましい。おまえが、軟派なんかするせいだろう」
 明智君を砲弾にして、一人にぶつける。

 よかった。攻撃されなかったようだ。
 よろめいた、そいつを。食らう。
「気を付けろ、こいつ能力持ちだ」
 その情報に間違いないが、すでに俺は、明智君を小脇に抱えて逃走中。

「何処だ。さがせ」
 そんな声が聞こえるが、すでに影へと潜り。明智君家の前。


「明智君。おい」
「んあ? 奴らは?」
「もういない。家まで来たぞ。歩けるか」
「ああ。助かったのか」
「多分熱が出るから。明後日。大丈夫かな?」
「はっ。舐めるな。這ってでも行く」
 やれやれという感じで、答えてくる。
「おう。頑張れ」


 その頃。
「見つかりません」
「えっ。あっ。分かった。もう良い」
 私はパニックを起こしていた。

 数年ぶりに会った、幼馴染み。
 総は、小学生の時。いつもいじめられていた。
 私は、助けるのを理由として、周りの奴らを腕試しに使っていた。

 いつも、私の足下で、変な顔をして、泣いていた総。
 あの力は何? 
 普段出てくるのは、昆虫の力が多い。
 でも、あれは。あの力は、全く違う。
 人が、一瞬で消えた。
 全くの異質。私の背中に冷たい汗が流れる。

 中学3年生の時。私をレイプしようとした奴に、襲われたとき以来。
 あの時、私の中にまだ、恐怖はあまりなかった。

 だけど、練習帰りの疲れと、素人だという侮り。
 襲ってきた奴の肘が、たまたまだろう。私の頭に当たり、ふらついた隙に本気で殴られた。
 私は初めて、体に力が入らず。動けなくなった。
 そう。その時、初めて。怖いということを知った。

 でも、何とかその時は、抵抗しなくなった私に安心したのか。
 間抜けにも、隙を見せた男。

 先生の、言っていた言葉を思い出す。。
 ――男相手なら、困った時は、とりあえず。金的。次が目潰しよぉ――

 私は寝ていて、相手は、立っている。
 躊躇無く。とりあえず金的。
 股間を蹴り上げ、蹲った所に。
 私は手近にあった、土留め用のコンクリートブロックを落とした。
 幾度も。幾度も。

 動かなくなった、その男。
 足が震え、口の中はからから。

 そして、あれがやって来た。
 ひ弱な私を、助けてくれる力。
 意識したところから、凶悪な口が出て、その男は餌となった。
 そう。周りの雑魚とは違う。動物系の力。
 その後、1週間も熱が出て。寝込んだけどね。

「まあいい。今日は撤収」
「「「はい」」」
「一美。あの男はどうするの?」
 声を掛けてきたのは、数少ない私の親友。
 桐谷奏。
 髪はロングで、清楚な感じの超美人。
 普段は図書館で、静かに笑みをたたえ。座っている。

 中学生になって、男子の良くある。
 異性としての興味から始まった、いじめを受けていた。
 それを、助けてからの付き合い。 

「あいつは、知り合いだから。何とかするわ」
「そう。早めに何とかしないと、まずくなるわよ」
「分かっているわ」

 そして、二日後。
「よう一美。奇遇だなあ」
 駅前。10時前。
 脇にかわいい女がべったりと張り付き、横には体調が悪そうな男。

 それにしても。驚きだけど、どう見ても彼女。
 こんなのがいるのに、あの晩私に言った。愛しているは何だったのよ。
 好きでも何でも無いけれど、妙に腹が立つ。

「良い根性しているわね」
「うん? そうか」

 そこへ、また一人。女が来た。
「先輩。やっと復活です」
 そう言って、総に抱きつく。

 なっ。こいつも?
「くみ。熱は引いたのか」
 ためらいもなく。総の手が、くみと言う女の額へ、あてられる。
「あん。熱引いたでしょ。でっ。この子は? 紹介するのは千夏でしょ」
「そうよ。ねえ、総。この子誰?」
 花蓮の物言いと、態度の変化にくみが気づく。

「ああ。この子は、俺の幼馴染み。不破一美。子供の時は、泣かされていた俺を助けてくれた恩人だよ」
「ふーんそうなんだ。そんなことより、花蓮あんた何? そんなに甘えて」
「うん? えへっ。くみごめんねぇ」
 その表情、その言葉。
 てめえ。やりやがったな。

 くみと花蓮の視線上で、火花が幻視される。

 あたしを紹介されて、ふーんの一言。
 何? なんなの、この状況。

「お待たせしました」
 そして、また一人。

「千夏おそーい。あっこの人が、明智さん。じゃあ後は、お二人で」
 そう言った後。何かテンパった、くみは。俺の手を引き。どこかへ行こうとする。
「どうしたんだ。くみ」
「どうしたもこうしたも、花蓮だけなんてずるいです。ホテルにゴー」
 そう言って、右手を突き上げる。

「朝っぱらから、何を言っているの? とりあえずデートからでしょ」
 花蓮が常識的発言をして、たしなめる。くみがぐぬぬとなる。

「じゃあ。俺たちデートだから。またな」
 そう言って、奴らは雑踏に消えていった。
 ぽつんと取り残された一美。

 なに? この言いようのない敗北感。
 それに、彼女2人? ホテルにゴー? なによそれ。

 その晩。駅周辺は、徹底的なナンパ狩りがされたとか。
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