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第三章 奇術団
第18話 帝国は知らずに蝕まれる
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いやまあ、酒場の親父達と少し仲良くなった頃、一振りの剣をもらった。
この谷で名工と言われている御仁の作品。
「なんたって、切れ味が違うからなぁ。あっちょっと待て。ああっ」
「ほい。二十一だ。オッサンはBUSTだな、十八で次が五だったか。まあ残念だが負け。金がないなら、その剣で許してやる」
そんな感じで、貰ったのだが……
「うーん。単なる鉄製。研ぎとバランス……」
その頃には、金儲けのために三徳包丁や鍋。フライパンを売っていたおれ。
当然刃の部分には炭素などを混ぜ、異なる鋼材を重ね合わせて作っている。
刃は堅く、地金はしなやかに。
「この剣、しなやかで強く。よく切れると言ったが、駄目だな」
研ぎも、彼らは手作業でやっているのだろう。
そして大きな違いは、ブレイドやグリップに入った装飾。
剣の中心である、フラーと呼ばれる所から両側に刃が付いているが、その脇には装飾がびっしりと入っている。
「西洋の剣だなあ。グリップには宝石も埋められている」
いま俺の剣には、窯の中で赤くなるだけで溶けない何かを集めて、まぶして刃に埋めている。
元素分析できないため、はっきりとは判らないが、タングステンだと信じている。
その辺りのオッサンが打った剣なら、二回打ち合えば折ることができる。
この世界の基本は、結構重めで、遠心力でたたき切る剣達。
ニクラス達にも頼んで、俺の創った剣を試して貰っている。
そして、エステリ達には、カム付きの複合弓。
引き切ってからの保持に力がかからず、狙いやすいそうだ。
そしてクロスボウ。
さらに、皆にも秘密だが、薬莢付きの弾。
そう銃だ。
火薬は、黒色ではなく、ニトロセルロース。
原料はあるし手法は、八世紀に発見されていた。硝石と…… ごにょごにょして後は、作るだけ。
ああそうだ、材料の硫黄を取りに行ったら、死の谷村は吹っ飛んで無くなっていた。
一応、ミルダとガキどもにも伝える。
こそっと蒸気機関を作り、自動化して子供達にも安全に物が作れるようにした。
またギルドに行って、麓の方に倉庫用の土地を買う。
水飴にハチミツも付けて、一晩説得をした。
すると、なんだかどこかの野球場何個分かの土地が俺の物になっていた。うっとりした顔で、書類を渡してきたので、もう一晩頑張った。
ああそうだ。この頃には、俺は魔法使いでは無くなっていた。
ジャンナ達が、二十歳を越えてしまうと、泣きながらやって来た。
あなたのせいで、女として終わってしまうとか何とか?? 何かそんな風習とか言い伝えがあるのかと思ったら、「えっ、越えるだけ?」「そう言ったでしょ」そう、騙された。まあおかげで、よく分からないが、男として何か自信が付いた。
流石に、王族としてはまずいため、ミカンの皮から作られた油で界面活性剤を使った、それ用の軟膏を売っていたので試した。だがまあ、デキるならできろと考えていたんだが、言わないでおこう。
きっちりと計画を進めれば、どさくさで皆を貴族にすることができる。
まあ、それにより皆の仲が円滑になるなら、それでも良いと思っていたし。
―― 本当だよ。
話はそれたが、元に戻そう。
生活用品を、帝国中に売りまくって金を稼ぐ。
むろん、行商のみで店舗を構えない。
各町に、バイヤーを決めて、バイヤーが俺達から仕入れて販売員に商品を分ける。
そうだよ、会員がさらに別の人に商品を買わせて会員にする、連鎖販売取引マルチ商法。
これを国単位でやってやった。
これの良いところは、実店舗が無いから、この国の体制だと税金を取られない。
そして、帝国内からメーヴィス王国へは、実質検査無しで品物が送り込める。
今では、そこら中で売っているし、使っているが、何処で商品を作っているのか、販売元が判らない。そんな怪しいものが広がっていく。
そして、ジャガイモの皮を剥く、ピーラーやスライサーなどの便利グッズ。
他人に売れば、月に一回お小遣いがやって来るため、販売員達は頑張る。
考えれば、その分が乗って高値になっている商品なんだが、そこはまあ気が付かないのが国民の良いところ。そうマージンを乗せても、普通に売っているものより安いし使いやすい。たまに遠征して、マジックショーのついでに、包丁の実演販売もする。
「ほら。おくさん、この切れ味。悪さをする旦那のあそこもスパッといけるよ」
などと言いながら、普段食べない野菜。
そうゴボウとか。
とげとげの花を見つけたので、掘ってみて、あく抜きをして炒めて食ってみた。
そして、なんともなかったので、お披露目でなんちゃってきんぴらを作る。
炒めた香ばしさと、塩味だがそこそこいける。
包丁と、ピーラー、フライパンに鍋が売れることになる。
むろん、会員になって貰い、他を勧誘すれば、その人が売った分も御礼が貰えるよと。
「ほら二十人も誘えば、無料みたいなもんだ」
「それは良いわね……」
そして、大量に流れる商品流通に混ざり、大量の武器がメーヴィス王国へと運び込まれていく。
そんな悪事の本部では、孤児だった皆が喜んで働き、戦闘理論や訓練を含めた勉強をして腹一杯食べる。むろん算数や、読み書きも教える。
帝国の法律や決まりについて、こういう穴があるという事も……
手が欲しいし、他の町や村を回ったときに、さらに親のいない子供達を集める。
たまに、初心者盗賊達も連れてきて、『お前達の生活が苦しいのは、帝国の上層部が他国に侵略を繰り返しているからだ。田畑を捨て盗賊になるしか無かった…… 君達と同じような人間を増やしてはならない。正義のために働き、英雄になれ。子供達に胸を張れる父親となるんだ』とまあ、適当に言いくるめる。
まあ中には、本当に駄目な奴もいる。そういう奴は、なぜかいなくなるんだよ。
きっと、山で埋まっているだろう。知らんけど。
「おい。オネスティの野郎は、何をやっているんだ?」
「さあな。この前見に行ったら、鍋を作っていたぞ」
「鍋だぁ? この前は、俺から剣を持って行きやがったくせに」
そう、あくまでも鍛冶見習いとして、デルヘーストの町では行動をしている。
子供達ばかりが、うろうろしている妙な家。
たまに、人が居るところに出て行き、簡単なマジックと、トランプやダイスの販売。町の皆は、それが商売の基本だと思ってくれている。
だが意外と串焼きはつまみとして売れるし、水飴もリピーターは多い。
そして役人も、この町では細かに調べることはできない。
各鍛冶屋の親方も、このくらいとしか言わないから。
元々、鍛冶師の親方達。字が書けないからなぁ。
最近、いくつかの町で、小売に対して、目を付けられたようだが、バイヤー達に最初に言っていたとおり、販路に教会を混ぜると、苦情が止まったようだ。
教会も、孤児院を持っていたりする。
経営は厳しいので、少し囁けば乗ってくる。
俗に言う、悪魔の囁き……
そうして静かに、オネスティの考案した、お金をがっぽり稼いで、貯まれば周りにばら撒いて、帝国を泣かせよう大作戦は帝国を侵食していた。
そうして、新たに仲間になった者達を役職に就けて、仕事をさせる。
その間に、オネスティは帝国の冒険者『夢の奪還者』として、隣国エルドランド王国へやって来ていた。
最少の人数と、冒険者として少しの荷物で。
持ち物は小さい荷車一つ。表向きは装備やテント。
ただ、普通と違うのは、いきなり王城へ行く。
「たのもうぉ……」
「おい、それは違うだろ。剣術の道場破りかよ。ここ王城だぞ」
危ないからと、なぜかくっ付いてきた、ニクラスに突っ込まれた……
この谷で名工と言われている御仁の作品。
「なんたって、切れ味が違うからなぁ。あっちょっと待て。ああっ」
「ほい。二十一だ。オッサンはBUSTだな、十八で次が五だったか。まあ残念だが負け。金がないなら、その剣で許してやる」
そんな感じで、貰ったのだが……
「うーん。単なる鉄製。研ぎとバランス……」
その頃には、金儲けのために三徳包丁や鍋。フライパンを売っていたおれ。
当然刃の部分には炭素などを混ぜ、異なる鋼材を重ね合わせて作っている。
刃は堅く、地金はしなやかに。
「この剣、しなやかで強く。よく切れると言ったが、駄目だな」
研ぎも、彼らは手作業でやっているのだろう。
そして大きな違いは、ブレイドやグリップに入った装飾。
剣の中心である、フラーと呼ばれる所から両側に刃が付いているが、その脇には装飾がびっしりと入っている。
「西洋の剣だなあ。グリップには宝石も埋められている」
いま俺の剣には、窯の中で赤くなるだけで溶けない何かを集めて、まぶして刃に埋めている。
元素分析できないため、はっきりとは判らないが、タングステンだと信じている。
その辺りのオッサンが打った剣なら、二回打ち合えば折ることができる。
この世界の基本は、結構重めで、遠心力でたたき切る剣達。
ニクラス達にも頼んで、俺の創った剣を試して貰っている。
そして、エステリ達には、カム付きの複合弓。
引き切ってからの保持に力がかからず、狙いやすいそうだ。
そしてクロスボウ。
さらに、皆にも秘密だが、薬莢付きの弾。
そう銃だ。
火薬は、黒色ではなく、ニトロセルロース。
原料はあるし手法は、八世紀に発見されていた。硝石と…… ごにょごにょして後は、作るだけ。
ああそうだ、材料の硫黄を取りに行ったら、死の谷村は吹っ飛んで無くなっていた。
一応、ミルダとガキどもにも伝える。
こそっと蒸気機関を作り、自動化して子供達にも安全に物が作れるようにした。
またギルドに行って、麓の方に倉庫用の土地を買う。
水飴にハチミツも付けて、一晩説得をした。
すると、なんだかどこかの野球場何個分かの土地が俺の物になっていた。うっとりした顔で、書類を渡してきたので、もう一晩頑張った。
ああそうだ。この頃には、俺は魔法使いでは無くなっていた。
ジャンナ達が、二十歳を越えてしまうと、泣きながらやって来た。
あなたのせいで、女として終わってしまうとか何とか?? 何かそんな風習とか言い伝えがあるのかと思ったら、「えっ、越えるだけ?」「そう言ったでしょ」そう、騙された。まあおかげで、よく分からないが、男として何か自信が付いた。
流石に、王族としてはまずいため、ミカンの皮から作られた油で界面活性剤を使った、それ用の軟膏を売っていたので試した。だがまあ、デキるならできろと考えていたんだが、言わないでおこう。
きっちりと計画を進めれば、どさくさで皆を貴族にすることができる。
まあ、それにより皆の仲が円滑になるなら、それでも良いと思っていたし。
―― 本当だよ。
話はそれたが、元に戻そう。
生活用品を、帝国中に売りまくって金を稼ぐ。
むろん、行商のみで店舗を構えない。
各町に、バイヤーを決めて、バイヤーが俺達から仕入れて販売員に商品を分ける。
そうだよ、会員がさらに別の人に商品を買わせて会員にする、連鎖販売取引マルチ商法。
これを国単位でやってやった。
これの良いところは、実店舗が無いから、この国の体制だと税金を取られない。
そして、帝国内からメーヴィス王国へは、実質検査無しで品物が送り込める。
今では、そこら中で売っているし、使っているが、何処で商品を作っているのか、販売元が判らない。そんな怪しいものが広がっていく。
そして、ジャガイモの皮を剥く、ピーラーやスライサーなどの便利グッズ。
他人に売れば、月に一回お小遣いがやって来るため、販売員達は頑張る。
考えれば、その分が乗って高値になっている商品なんだが、そこはまあ気が付かないのが国民の良いところ。そうマージンを乗せても、普通に売っているものより安いし使いやすい。たまに遠征して、マジックショーのついでに、包丁の実演販売もする。
「ほら。おくさん、この切れ味。悪さをする旦那のあそこもスパッといけるよ」
などと言いながら、普段食べない野菜。
そうゴボウとか。
とげとげの花を見つけたので、掘ってみて、あく抜きをして炒めて食ってみた。
そして、なんともなかったので、お披露目でなんちゃってきんぴらを作る。
炒めた香ばしさと、塩味だがそこそこいける。
包丁と、ピーラー、フライパンに鍋が売れることになる。
むろん、会員になって貰い、他を勧誘すれば、その人が売った分も御礼が貰えるよと。
「ほら二十人も誘えば、無料みたいなもんだ」
「それは良いわね……」
そして、大量に流れる商品流通に混ざり、大量の武器がメーヴィス王国へと運び込まれていく。
そんな悪事の本部では、孤児だった皆が喜んで働き、戦闘理論や訓練を含めた勉強をして腹一杯食べる。むろん算数や、読み書きも教える。
帝国の法律や決まりについて、こういう穴があるという事も……
手が欲しいし、他の町や村を回ったときに、さらに親のいない子供達を集める。
たまに、初心者盗賊達も連れてきて、『お前達の生活が苦しいのは、帝国の上層部が他国に侵略を繰り返しているからだ。田畑を捨て盗賊になるしか無かった…… 君達と同じような人間を増やしてはならない。正義のために働き、英雄になれ。子供達に胸を張れる父親となるんだ』とまあ、適当に言いくるめる。
まあ中には、本当に駄目な奴もいる。そういう奴は、なぜかいなくなるんだよ。
きっと、山で埋まっているだろう。知らんけど。
「おい。オネスティの野郎は、何をやっているんだ?」
「さあな。この前見に行ったら、鍋を作っていたぞ」
「鍋だぁ? この前は、俺から剣を持って行きやがったくせに」
そう、あくまでも鍛冶見習いとして、デルヘーストの町では行動をしている。
子供達ばかりが、うろうろしている妙な家。
たまに、人が居るところに出て行き、簡単なマジックと、トランプやダイスの販売。町の皆は、それが商売の基本だと思ってくれている。
だが意外と串焼きはつまみとして売れるし、水飴もリピーターは多い。
そして役人も、この町では細かに調べることはできない。
各鍛冶屋の親方も、このくらいとしか言わないから。
元々、鍛冶師の親方達。字が書けないからなぁ。
最近、いくつかの町で、小売に対して、目を付けられたようだが、バイヤー達に最初に言っていたとおり、販路に教会を混ぜると、苦情が止まったようだ。
教会も、孤児院を持っていたりする。
経営は厳しいので、少し囁けば乗ってくる。
俗に言う、悪魔の囁き……
そうして静かに、オネスティの考案した、お金をがっぽり稼いで、貯まれば周りにばら撒いて、帝国を泣かせよう大作戦は帝国を侵食していた。
そうして、新たに仲間になった者達を役職に就けて、仕事をさせる。
その間に、オネスティは帝国の冒険者『夢の奪還者』として、隣国エルドランド王国へやって来ていた。
最少の人数と、冒険者として少しの荷物で。
持ち物は小さい荷車一つ。表向きは装備やテント。
ただ、普通と違うのは、いきなり王城へ行く。
「たのもうぉ……」
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