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第3章 本格的侵攻開始   か?

第42話 株式会社 特別指定外来種対策会社の1日

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 今日は、株式会社 特別指定外来種対策会社の魔道具部門の営業で、某郵便業務を扱う会社に来ている。

 小包なんかを仕分けする東京側倉庫の奥に、あらかじめ指定された場所があり、そこにゲートを設置する。

 そして、相手側。
 大阪側倉庫の設置場所に、担当者を呼び出してもらう。
 俺は自分のゲートを使い大阪側へと移動する。

 大阪側の倉庫でゲートを取り出して『起動』と言って動作させた後、歩いて起動したゲートを超えて東京側へ帰って来た。

 納品ができて、自分でテストもしたので、受け取りのサインを頂く。
 背中側では、すでにゲートを超えて荷物を流通させるべく、ベルトコンベアが双方向で設置されて着々と大阪と東京がつながっていく。

 
 最初、設置まで含めて1千万くらいかなと考えていたのだが、某仲介法律事務所が最低1億からです。
 そう言い切って全く譲らなかったので、お値段1億円となった。
 中間で従来払っていた流通経費で、すぐにペイできる程度の金額ですと、ぶちぶち言っていた俺の文句もペイされた。

 一応何かの折に装置が止まると中間にいたものはすっぱり切れるので、なるべくまたぐ時間は短く、そしてなるべく人間は通らないでといったが、今でも言った傍からガンガンと通っている。

 まあこっちは説明したという書類と、理解したという書類にサインは貰ってある。こういうところも仲介法律事務所は厳しいのだ。

 その足で、同倉庫に沖縄ゲートと、北海道ゲートを取り付けた。

 沖縄は、生活物資の運休が無くなると喜んでくれた。
 台風などがあると、船や飛行機が止まり、長引くと非常に困っていたらしい。


 次は、重要施設に転移と物理、魔法攻撃防止。
 お得タイプシールドを設置するために、飛び回ることになる。
 これにも、注意書きがある。
 動作中は、飛行機の離発着や車、人の入退ができません。その注意を理解をした旨の念書がある。
 サインは貰った。よし、次。

 当然離島にも、EEZに合わせて動作可能なものを設置した。
 一緒に移動した偉い手さんは、気温差でダメージを受けたようだ。
 いやー日本は広い。

 一部離島は、動作させっぱなしでほっとくようだ。
 そのため、動作中に入れる許可魔道具を作成した。
 なんだか訳がわからなくなったが、離島特に日本海側は、とてもややこしいらしい。

 その許可魔道具を使えば、シールドを張りっぱなしで良いじゃないかと話が出てきたが、それを聞いた俺が忠告をする。
 これを積んだ飛行機が、突っ込むテロが起きても知らないよ。
 一応、警告はした。

 その3日後。
 重要施設用と、国土用でシールドの許可を変えろと言いだして、受注を受けた。
 本気で専守防衛を実践するらしい。

 それが実行されれば、許可の下りてない漁船や潜水艦はEEZ内を航行ができなくなるけどいいのかね。
 そう聞くと、「証拠を示すまで、当面はとぼける」とのことだ。

 まあ潜水艦なら、通さなくてもいいか。
 このシールド、完全防御。つまり遮断ではなく空間をゆがめてベクトルを180度回転させるようにしてある。
 突っ込んできて、ある点を越えると元来た方向へ帰る仕組み。
 制御の甘いミサイルなら、自国へ戻っていく。

 夕方、一旦帰って休憩。
 みんなが帰って来たら、高校生組を連れて、つぶす予定のダンジョンへ放り込む。
 開始時間は日により4時から4時半開始。
 リミットは、2時間。
 命大事にといい残し、俺はその間に、潰す予定のダンジョンをひたすら潰していく。

 日によって違うが、6時から6時半頃に迎えに行く。
 その周辺の開いてるお店で、30分から1時間ほど買い物をさせて、みんなを連れて帰宅。
 これは、つぶす予定のダンジョンが日本中にあるので、観光とお土産を買いたいと言われたからだ。

 遅くても、8時には解散することにしている。
 ちなみに、史跡、名跡があるような、本気の観光地は土日に合わせている。

 さすがに、疲れた。
 風呂で、フレイヤとフェンを連れて伸びている。
 最近、岩盤浴用の場所を作り、その横に打たせ湯も作った。

 ここはダンジョンなので、遠赤外線だけではなく魔素も放射されているようだ。
 フレイヤとフェンもお気に入りで、姿が見えないときには、ここで伸びている。

 ごそごそと這い出して、脱衣所へと向かい。
 ビールを一本開ける。

 室内着用の作務衣を着る。
 ぽてぽてと、ダンジョンを出てダイニングへ向かう。

 山芋の短冊に、鰹節とワサビ。
 さらっと醤油をかけて、残りの山芋をおろす。
 ねぎと出汁を入れて、その中に卵を入れてかき混ぜ、フライパンで焼く。
 マヨネーズをかけて頂く。
 うん、うまい。

 向かい側に美月がグラスを持ってきて、ビールを飲みながら俺の作ったつまみを取っていく。

 そうしていると、徐々にみんなが集まる。
 晩飯用にかつ丼が喰いたくなって、カツを揚げ始める。
 すると、手の空いたやつが、千切りキャベツを作ったり、どんぶり用の出汁を作ったり色々。

 メニューは、いろいろだが、とりあえずみんなが揃ってから「頂きます」をする。
 なぜか、一翔や川瀬なつみちゃんや伊織霞ちゃんが混ざっているが問題ない。
 瀬尾さんは、完全にうちの子になっている。

 カツが気に入ったらしく、高校生組が明日弁当に持って行くと言い出したので、スティック状のカツを追加で揚げていく。
 ロース肉一枚分だけ、味変にからし充填タイプは作ったが、トンカツばかりだと飽きるだろうと、優しい俺は、さらにヘルシーな鳥むね肉一枚分で、何本かスティック状チキンカツを入れておく。
 やっぱり鶏肉には、梅肉だよな。
 表面ではなく、肉に袋状に切れ目を入れて、たっぷり塗り込み? いや充填(じゅうてん)して、さらに肉の表面に青紫蘇(あおしそ)を張ってカツを作る。
 少し太くなったし、見たら違いが分かるだろうと他のカツに混ぜる。
 
 つまみ食いしている一翔が、やはり当たりを引いたらしく、呻いているところで、2人が視界に入る。
 そういえば、最近ダンジョン潰しに忙しくて、ずっと家にいるよな。
「土日も仕事や観光をしているが、家は良いのか?」
 気になって川瀬さんや伊織さんに聞く。
「もうすでに、自宅では居ない事にされていた」
 と、ぼやいていた。
 ああまあ、そうだな。

「そのうち、弟でも増えるんじゃないか?」
 笑いながら俺が言うと、二人の表情が少し曇る。
 冗談にならなかったらしく、ちょっと見ない間に、ものすごく親の仲が良くなっているらしい。
 
 まあ、そのせいもあって、存在を忘れられないようにと、飛んだ先でお土産を買って足しげく届けているようだ。
 
 そんなことをして、夜が更けていく。


 そして、夜が明ければ皆を送り出して、今日の約束の場所へと、ゲートを開く。
 それが、ある日の家の日常。
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