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第3章 本格的侵攻開始 か?
第15話 久々の松沼家
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さすがに、ゲートでの移動はまずそうなので、電車と歩きで久しぶりに松沼家を訪れる。
途中で、開いている店へと立ち寄る。
年賀なら酒でいいかと思ったら、クッキーとかもいると言い出し、年賀というより買い出しになってしまった。
子供たちは、美月の実家と聞いてうれしそうにしていたが、神地さんは実家に帰るか悩んでいたようだ。
しかし結局こっちへ来た。
若干顔が引きつっているが、大丈夫だろうか?
到着してチャイムを押そうと手を伸ばすが、それより先に、美月がドアを開けて、
「ただいまー」
と言って、どんどん入ってしまった。
こちらを振り返って、
「来ないの?」
と聞かれたが、家人が出てこないのにいいのかと、一瞬思ったが、美月は勝手に家に入り浸っているだけでこの家の人間だった。
「お邪魔します」
と言って、ぞろぞろと入っていく。
8帖が2間の座敷があり、そこに皆が集まっていた。
松沼両親が上座に座り、見慣れない子供を連れた家族が座っていた。
「あら姉さん達も、来ていたの?」
「正月だし、人手が必要でしょ」
美月に似た感じだが、落ち着きがあるまともそうな人。
こちらを見て、問いかけてきた。
「大人数だけど、この方たちは?」
「この人が、神崎一司。婚約したの」
何時だよ? ぺこりと、頭を下げ、
「神崎です。明けましておめでとうございます。お忙しいところにお邪魔をしてしまい申し訳ありません」
と挨拶をする。
「あら、いいのよ。どうせ美月にも、手伝ってもらうし」
「まあ、毎年だしね」
と珍しく美月が素直だ。
一応皆も紹介するか、
「後ろは、事情があって面倒を見ることになった子供たちと、仕事仲間です」
「少林芳雄です」「真魚です」「壮二です」
「明けましておめでとうございます。神地玲己です。できることがあれば、お手伝いします」
「あら、でもお客様にお手伝いさせるわけには……」
そこに、美月が口をはさむ。
「その子は良いのよ。手伝ってくれるならこっちよ」
「はーい」
美月が神地さんをつれて、台所に行ってしまった。
「あっ、私は詩織。結婚して高瀬よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
「適当に、と言うよりは、こちらにテーブルをもう一つ出すわ」
「お手伝いします」
「ありがとう」
その後、自分たちの座るテーブルに、高そうな料理が出された。
子供たちが座った後、おれは松沼親に挨拶をしに行く。
「お邪魔しています。子供たちも、置いてくるわけにはいかないので、連れて来ました。すいません」
「いやいいよ。それはそうと、正月早々すまなかったね」
「何が、ですか?」
「モンスターだよ。○○町で暴れていたのを退治してくれただろう」
「耳が早いですね」
「そこで指揮を執っていたのが、そこにいるからな」
と松沼父が、一人の男性を指さす。
「指さすなんて失礼よ」
と、奥さんから突っ込みが入る。
「あっ、いやまあ、おおい木村君」
「はい、何でしょう?」
「こいつだろう。今朝見た、魔人と言うのは?」
木村さん? は俺を見て。
「えっ。アッほんとうだ。似ていますね。現場ではあっという間に、居なくなったので、確認ができなかったのですが。そうですか、松沼家の関係者でしたか。これからもお手数をかけると思いますが、よろしくお願いします。私は、新しくできた害獣対策課の木村と申します」
と言って、頭を下げてくる。
俺も頭を下げながら、
「『株式会社 特別指定外来種対策会社』の神崎一司です。よろしくお願いします。しかし、警察に害獣対策課ができたのですか?」
「役所だけじゃ対応ができないし、警察としては対人と装備が違うしね。標準装備のニューナンブなど、ゴブリンくらいしか、相手に出来ないからね」
と笑っていた。警察は何を持ち出して来るんだろう。
「それなんですが、弾を意識して目的に確実に当たるまで、弾から意識を外さなければ効くそうですよ」
「そうなのかい? どこからそんな情報を?」
「企業秘密です」
と笑って返した。
松沼父が、呼んだ要件を思い出したようだ。
「そう言えば、今朝言っておったな。地球上の魔素濃度が上がると、強い奴もダンジョンから出てき始める。と言うのはどういうことだ? ある程度の大型のモンスターは出てきても2日もすれば死んでおっただろう」
情報源はフレイヤとは言えんな、どうするか?
「あーとまあ、いろいろとダンジョンを攻略していると、情報が頭に降ってきましてね。その中にあった情報によると、大型が死ぬのは、環境の魔素濃度が足りないからだそうですよ。ダンジョンができて、今順に地球上の魔素濃度は上昇をしています。最近は、外でも魔法が使えるでしょう。こんな感じに」
と手のひらに氷を出して回転させる。
氷をグラスに、放り込む。
「おお凄いな。それで地球上の魔素濃度が上がれば、今出てきても死んでいるモンスターが死ななくなると言う事だね」
「そうです。モンスターの体は、基本的に魔素で構築をされているため、周りの魔素が薄いと体を保っていられない。しかし、これから先は生き残るようになってきます。それとさっきの銃の弾ですが、魔素を纏わさないと効かないので、発砲から着弾まで意識的に追う必要があると言う事です」
木村さんはその話を聞きながら、何かを思案している。
「じゃあ、打撃武器とかが、よく効くのは使う人間が意識できるスピードだからと言う事だね。銃の弾は、早すぎるのかい?」
「そうなります」
「まいったなあ。少し計画を変更しなきゃいかんな。神崎くん有益な情報をありがとう」
それまで黙っていた、松沼父が口を開く。
「一司君その情報、広げても構わないかね。君の損にはさせんから安心してくれ。もっと有益な物も持っていそうだが。まあ、言えるようになったら追々教えてくれればいい」
「まあ、そうですね。追々ですね」
と言いながら、松沼父と見つめ合ってしまった……。
途中で、開いている店へと立ち寄る。
年賀なら酒でいいかと思ったら、クッキーとかもいると言い出し、年賀というより買い出しになってしまった。
子供たちは、美月の実家と聞いてうれしそうにしていたが、神地さんは実家に帰るか悩んでいたようだ。
しかし結局こっちへ来た。
若干顔が引きつっているが、大丈夫だろうか?
到着してチャイムを押そうと手を伸ばすが、それより先に、美月がドアを開けて、
「ただいまー」
と言って、どんどん入ってしまった。
こちらを振り返って、
「来ないの?」
と聞かれたが、家人が出てこないのにいいのかと、一瞬思ったが、美月は勝手に家に入り浸っているだけでこの家の人間だった。
「お邪魔します」
と言って、ぞろぞろと入っていく。
8帖が2間の座敷があり、そこに皆が集まっていた。
松沼両親が上座に座り、見慣れない子供を連れた家族が座っていた。
「あら姉さん達も、来ていたの?」
「正月だし、人手が必要でしょ」
美月に似た感じだが、落ち着きがあるまともそうな人。
こちらを見て、問いかけてきた。
「大人数だけど、この方たちは?」
「この人が、神崎一司。婚約したの」
何時だよ? ぺこりと、頭を下げ、
「神崎です。明けましておめでとうございます。お忙しいところにお邪魔をしてしまい申し訳ありません」
と挨拶をする。
「あら、いいのよ。どうせ美月にも、手伝ってもらうし」
「まあ、毎年だしね」
と珍しく美月が素直だ。
一応皆も紹介するか、
「後ろは、事情があって面倒を見ることになった子供たちと、仕事仲間です」
「少林芳雄です」「真魚です」「壮二です」
「明けましておめでとうございます。神地玲己です。できることがあれば、お手伝いします」
「あら、でもお客様にお手伝いさせるわけには……」
そこに、美月が口をはさむ。
「その子は良いのよ。手伝ってくれるならこっちよ」
「はーい」
美月が神地さんをつれて、台所に行ってしまった。
「あっ、私は詩織。結婚して高瀬よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
「適当に、と言うよりは、こちらにテーブルをもう一つ出すわ」
「お手伝いします」
「ありがとう」
その後、自分たちの座るテーブルに、高そうな料理が出された。
子供たちが座った後、おれは松沼親に挨拶をしに行く。
「お邪魔しています。子供たちも、置いてくるわけにはいかないので、連れて来ました。すいません」
「いやいいよ。それはそうと、正月早々すまなかったね」
「何が、ですか?」
「モンスターだよ。○○町で暴れていたのを退治してくれただろう」
「耳が早いですね」
「そこで指揮を執っていたのが、そこにいるからな」
と松沼父が、一人の男性を指さす。
「指さすなんて失礼よ」
と、奥さんから突っ込みが入る。
「あっ、いやまあ、おおい木村君」
「はい、何でしょう?」
「こいつだろう。今朝見た、魔人と言うのは?」
木村さん? は俺を見て。
「えっ。アッほんとうだ。似ていますね。現場ではあっという間に、居なくなったので、確認ができなかったのですが。そうですか、松沼家の関係者でしたか。これからもお手数をかけると思いますが、よろしくお願いします。私は、新しくできた害獣対策課の木村と申します」
と言って、頭を下げてくる。
俺も頭を下げながら、
「『株式会社 特別指定外来種対策会社』の神崎一司です。よろしくお願いします。しかし、警察に害獣対策課ができたのですか?」
「役所だけじゃ対応ができないし、警察としては対人と装備が違うしね。標準装備のニューナンブなど、ゴブリンくらいしか、相手に出来ないからね」
と笑っていた。警察は何を持ち出して来るんだろう。
「それなんですが、弾を意識して目的に確実に当たるまで、弾から意識を外さなければ効くそうですよ」
「そうなのかい? どこからそんな情報を?」
「企業秘密です」
と笑って返した。
松沼父が、呼んだ要件を思い出したようだ。
「そう言えば、今朝言っておったな。地球上の魔素濃度が上がると、強い奴もダンジョンから出てき始める。と言うのはどういうことだ? ある程度の大型のモンスターは出てきても2日もすれば死んでおっただろう」
情報源はフレイヤとは言えんな、どうするか?
「あーとまあ、いろいろとダンジョンを攻略していると、情報が頭に降ってきましてね。その中にあった情報によると、大型が死ぬのは、環境の魔素濃度が足りないからだそうですよ。ダンジョンができて、今順に地球上の魔素濃度は上昇をしています。最近は、外でも魔法が使えるでしょう。こんな感じに」
と手のひらに氷を出して回転させる。
氷をグラスに、放り込む。
「おお凄いな。それで地球上の魔素濃度が上がれば、今出てきても死んでいるモンスターが死ななくなると言う事だね」
「そうです。モンスターの体は、基本的に魔素で構築をされているため、周りの魔素が薄いと体を保っていられない。しかし、これから先は生き残るようになってきます。それとさっきの銃の弾ですが、魔素を纏わさないと効かないので、発砲から着弾まで意識的に追う必要があると言う事です」
木村さんはその話を聞きながら、何かを思案している。
「じゃあ、打撃武器とかが、よく効くのは使う人間が意識できるスピードだからと言う事だね。銃の弾は、早すぎるのかい?」
「そうなります」
「まいったなあ。少し計画を変更しなきゃいかんな。神崎くん有益な情報をありがとう」
それまで黙っていた、松沼父が口を開く。
「一司君その情報、広げても構わないかね。君の損にはさせんから安心してくれ。もっと有益な物も持っていそうだが。まあ、言えるようになったら追々教えてくれればいい」
「まあ、そうですね。追々ですね」
と言いながら、松沼父と見つめ合ってしまった……。
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