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第2章 魔法の使える世界

第7話 白い悪魔登場

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「病院どうだった?」
「うん…… 特に異常はなさそうだから様子見てだって。先生に、はたら○細胞の白○球みたいで、なかなか、いけていますって言われたよ」

 それを聞いて、悩みだす美月。
「ちょっとイメージが違うよね、もう少し線が細い感じのキャラ…… う~んと、渚○ヲルくんとか、意地悪なところはアクセ○レータとか南雲○ジメとかかな?」
「ほう、俺は意地悪か? でも、立場的にはヒロインのはずなのに、お前はテ○オ枠だな」

 それを聞いて、あたふたし始める。自覚はあるのか。
「えー…… 普通だよ?」
「自分でも疑問形じゃないか。よくしっぽもつけているしな、まんまだろ」
「でも縛られたり…… 興味はあるけど ……あんなに、はあはあ言わないもん」
 それだけかよ。

「パイルバンカー試してみるか?」
「んー、美月の歴史に新しい性癖がまた一ページ……。 とかって銀○伝のナレーションで…… おねがい」
「叱られそうだから却下」

 と馬鹿なことを言っていて、思い出した。
「……それで何の話だったか…… ああそうか。それで胸に3cmくらいの空間も開いているって。気になるようならまた来いとか言われた」
「胸に3cm? 魔石じゃないの? 一司くんモンスターになったの?」
「魔石なんて言うことは…… ないだろう……」
 まさかな? と思っていると。

〈おお、できたのか?〉
〈うん?フレイヤなにか知っているのか?〉
〈体が、魔素に対応して魔石ができただけのことにゃ〉
〈魔石が?俺もう人じゃないのか?〉

〈何を言っているのかな、このご主人は……〉
 猫なのに、ジト目をして人を見やがった。
〈普通にモンスターに近いものになっている。当然じゃないか〉

 俺は、フレイヤの言葉を聞いて膝から崩れ落ちた……
〈大丈夫、他の人間も順応したらできてくるから。人間においての、先だけ……? 先っちょ? うにゃ? 先駆け。そうそう先駆け(さきがけ)にゃん〉

〈魔法の威力も上がるし、寿命も伸びるけど問題なし。人間かどうかなんて些細な問題。うんうん〉
〈大きな問題だよ……〉
〈今度管理者のクリスタル見つけたら、美月にやればいいじゃない〉
〈ちょっと待て、管理者って少ないんだろう?〉

〈でももうすでに3個、ありえないことじゃにゃ…… にゃうん? 思い出した。なんか、伝承があった気がする…… 新たなる大地に白い悪魔が降り立つとき、世に新たなる理が生まれ、世は新たなる王のもと新たなる世界が開かれん。だったっけ? ちょうど白くもなったしこの伝承に合わせて王になったら良いにゃ〉

 どこの伝承だよ。またドゥアップか?
〈何だ、その取って付けたような伝承。それにどれだけ新たなる押しだよ、お前俺の姿見て勝手に作っただろう?〉
〈いや、今は居ないけど昔は魔王が居たのよ。だからその時だから4~5千年前くらいの話。こっちにもみんなウロウロ来ていたから似たような伝承。聞いたことあるんじゃないかな〉
〈そんな話なんか聞いたことがない。ちょっと待て、探してみる……〉

 しばしネットを徘徊する。
〈同じじゃないけど、ゲルマン神話にバルドルが降り立ち、云々カンヌンというのがある。バルドルは君主とか白いとか光の神って書いてある。ロキの悪巧みによって、盲目の弟ヘズの射たヤドリギの矢を受け、非業の死…… て死ぬって書いてあるじゃん。ラグナロクの後、バルドルは新しい大地にヘズと共に降り立ち、ラグナロクを生き延びる異母弟のヴァーリ、ヴィーザルと再会。オーディンの息子達が新たなる世界の神々となります〉

〈なんだか似ているといえば似ているけど、違うといえば違う……。 けどバルドルは君主とか白いとか光の神って書いてあるのが、ラグナロクの後、バルドルは新しい大地にヘズと共に降り立ち…… か、似ているといえば似ているか……〉

〈ラグナロクが起こり死に絶えるか〉

「何を、フレイヤと見つめ合っているの?」

「ああ、俺が死んでラグナロクの後。復活して王になるらしい」 
「えっ、どうして?」
「白い王に成るためらしいな」

 多分話を聞いても、ちんぷんかんぷんだろう。俺にもよく分からんし。
「怪物たちがとき放たれ、巨人族とともに進撃。神々も巨人も死に絶え、旧世界は一掃される……。世に新たなる理が生まれ、世は新たなる王のもと新しい世界が開かれんか……」
「それって、有名な火の七日間かな? 風の強く吹く谷を探さなきゃ」
 美月が、やばそうな方へ話を持って行き出した。話を変えよう。
「それよりも、ロキは誰かな?それと俺を殺すヤドリギの矢か…… 一応覚えておこう」


 その時電話が鳴り、相手を確認する。高梨さんか。
「もしもし、今日はなんでしょう?」
「神崎くん今忙しい?」
「いえ、たしかに人生において、非常に深刻で高尚な出来事に直面して。その事に対し、思考をめぐらしておりもうして、ともすると世の中に大変なことが起きるとか起きないとか?」
「ああ、忙しいところ申し訳ないね……。 また、人命救助の依頼で階層が、変化前は20階層だったみたいだけど行けるかな?」
 せっかく話していたのに、ぶった切られた。

「わかりました、どこですか?」
「マップのデータを送るから。それと要救助者は5人。男3人に女2人、大学生だそうだ」

「いつから入ったんですか?」
「2日前の朝だそうだ。警官が昨日来て見に入ったけど、すぐ出てきたみたいで。自衛隊が出てくるかもしれないけど、まあなんとかして」
「じゃあ救出は誰の依頼なのですか?」
「要救助者の親……。 役所にダンジョン管理しているなら探しにいけと文句言いに来て。上司が剣幕に負けて、はいって言っちゃったのだよ」
「じゃあ割増で引き受けましょ」
「うんまあ、そこそこで」
「10階30万が基本で30階だから90万。人員救助の消耗品別でコミコミ100万かな。でもモンスターのランクによって変動と言うことで、ダンジョンのランクで価格は上昇と言うことで良いでしょうか?」

「まあ良心的だね、上司に伝えておくよ」

「そんじゃあ、かずし行きま~す」
「何だいそれ?」
「なんとなく?」
「……」
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