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第二章 冒険者時代
第12話 イベント
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「もう良いだろう」
兵達と、周囲を見回す。
よく見れば、安っぽい剣や槍を持った奴らが、結構うろうろしている。
あれが冒険者なのかと、皆は理解をする。
「まあ場も落ち着いたようだし、ギルドとやらに行って見るか」
「そうだな」
ギルドは、町の入り口にあった、石とレンガで造られた丈夫そうな建物だった。
「見た感じは、三階建てぽいな」
「なんか要塞みたいだ」
「イベントがあるかなぁ」
みんなが口々に感想を言う中、大塚がそんな事を言って、ワクワクした感じだ。
「イベントってなんだ?」
そう聞くと、にまっと笑う。
「行って見りゃ分かるよ」
まず様子を見るため、俺達が先に入る。
少し遅れて全員。
でだ、俺達が入ると、おっ、初見の野郎だみたいな感じで、強面のオッサンが絡んでくる。
「変な格好をしやがって、ここは餓鬼の来る所じゃねえ。いえにかえ……」
そう…… 威勢は良かったのだが、こちとら四十人。
酒場と、ギルドカウンターのあるフロアに別れているが、ギルド側を埋め尽くす。
オッサンは、固まったままなにも言わなくなった。
「なんか用事か、おっさん」
「誰がオッサンだ、オレはまだ二十一歳のピチピチだ」
絶対嘘だろう、ひげ面の…… いやよく見れば若いのか?
「そりゃすまなかった、それで?」
「おまえら、傭兵か?」
よく判らんが、話をあわせる。
「そんなもんだ、縁があってこの町に来たら、町中大騒ぎだろう、手がいるかと思ってな」
「おお。奴ら、固てえし、なかなか退治ができんから困っていたんだ」
なあ皆という感じで、オッサンが後ろを振り返ると、皆が頷いていた。
「それなら大体退治をした。あんなのはよく来るのか?」
「ああ、ここいらじゃ季節ごと、新月の夜にとか、赤い満月の時に来るな」
月が関係するだけで、昼間っから出るのか。
「そうか」
全然よくわからんが、なんとなく格好を付けて話を終わらせる。
「登録は、あのカウンターぽいな」
ドヤドヤと皆が移動する。
その中で、半数は女の子だ。
冒険者達の目が、まあ一部だが怪しく光る。
後日聞くと、力が無く、守って貰うのが必要な女の子は舐められるらしく、下手なチームに入ると、マスコット扱いになるようだ。
無論マスコットというのは、性処理係兼用だな。
だが中には、恐れられるチームがあるらしい。
女の子だけのチーム『煉獄の薔薇』。
このチーム名は、色々な意味が含められるようだ。
どんな意味かは、誰も知らないらしいが……
なんじゃそりゃである。
隊長は、ブラッディマリー。
彼女が歩けば、血の花が咲くとか言われている。
アガサ、アカシア、コラーダ、ヴェス。
この五人が一軍。
エクス、エンジュ、フィズ、カシス、コレット。
この五人が二軍
その他多数。
色々な元被害者が所属しているため、男が近付くと危ないらしい。
気に入られると、やられるとか……
色々とやばい噂があるらしい。
そしてまあ、受付のお姉さんが泣きそうになりながら登録をする。
受け取ったカードに血を塗りつけると、登録ができるらしく、資格ができれば勝手にカードの色や材質が変わる謎仕様らしい。
「無くしたときは?」
「大丈夫です。無くなりませんから、落としても勝手に帰ってきます。そして壊れません」
ささやかな胸を張って、説明をしてくれる受付のお姉さん。
さっきまで、飯塚 豪に叱られて、泣きそうになっていた。
飯塚は、医者の息子で、ナイフを使い回して血をカードに塗りつけろと言われて、『混ぜちゃいかん、それに病気の感染も考えられる。危険だぁーーー』。と言う事で叱られた。
まあ文化レベルが低そうだから、仕方が無いだろう。
日本でも、昭和六十三年くらいまでは、注射器の使い回しをしていたらしいしな。
そんな感じで、一組がインセプトラ―王国サンカウロスの町で、冒険者登録をしていた頃。
島の一部で騒動が起こっていた。
「わたしは、将文君が好きなの」
「そう言われても、オレは真澄ちゃんが好きなんだよ」
「えっわたし、明宏君が好き」
「おれ、叶恵ちゃんが……」
ちょっとしたことで始まった、告白合戦。
まあ川にこけそうになった、高野 叶恵を山田 明宏が助けて支えた。
その時に、良いチャンスとばかりに、告白をした。
だがその答えは、恐ろしい物だった。
そう、些細なことだが、本人達にしてみれば大騒動。
見事に、ズレた……
この一年くらい、比較的仲良く一緒に行動をしていた。
だが、ここに来て選択を迫られる。
高野 叶恵、山田 明宏、山路 将文、富田 真澄。
この四人、それぞれが好きな相手が違っていた。
そう、これは究極の選択ともいえる。
その結果、じゃんけん。
男の好みを優先か、女の子の好みを優先か。
負けられぬ戦いが始まった。
「うぬう。我に挑むのか?」
「きゃあ、頑張って明宏くん」
真澄がつい応援をしてしまう。
「明宏君が頑張っちゃ駄目でしょ」
「あっそうね」
緊張の一瞬。
「「「「じゃんけんぽいぃ」」」」
静まりかえる場。
グーが三人、パーが一人。
パーを出したのは、頑張った明宏君だった。
「じゃあ、まあ男の好きな相手と、一週間」
「その後、絶対交代だからね」
微妙に落ちこむ女の子達、念押しをされる。
さてその結果は……
兵達と、周囲を見回す。
よく見れば、安っぽい剣や槍を持った奴らが、結構うろうろしている。
あれが冒険者なのかと、皆は理解をする。
「まあ場も落ち着いたようだし、ギルドとやらに行って見るか」
「そうだな」
ギルドは、町の入り口にあった、石とレンガで造られた丈夫そうな建物だった。
「見た感じは、三階建てぽいな」
「なんか要塞みたいだ」
「イベントがあるかなぁ」
みんなが口々に感想を言う中、大塚がそんな事を言って、ワクワクした感じだ。
「イベントってなんだ?」
そう聞くと、にまっと笑う。
「行って見りゃ分かるよ」
まず様子を見るため、俺達が先に入る。
少し遅れて全員。
でだ、俺達が入ると、おっ、初見の野郎だみたいな感じで、強面のオッサンが絡んでくる。
「変な格好をしやがって、ここは餓鬼の来る所じゃねえ。いえにかえ……」
そう…… 威勢は良かったのだが、こちとら四十人。
酒場と、ギルドカウンターのあるフロアに別れているが、ギルド側を埋め尽くす。
オッサンは、固まったままなにも言わなくなった。
「なんか用事か、おっさん」
「誰がオッサンだ、オレはまだ二十一歳のピチピチだ」
絶対嘘だろう、ひげ面の…… いやよく見れば若いのか?
「そりゃすまなかった、それで?」
「おまえら、傭兵か?」
よく判らんが、話をあわせる。
「そんなもんだ、縁があってこの町に来たら、町中大騒ぎだろう、手がいるかと思ってな」
「おお。奴ら、固てえし、なかなか退治ができんから困っていたんだ」
なあ皆という感じで、オッサンが後ろを振り返ると、皆が頷いていた。
「それなら大体退治をした。あんなのはよく来るのか?」
「ああ、ここいらじゃ季節ごと、新月の夜にとか、赤い満月の時に来るな」
月が関係するだけで、昼間っから出るのか。
「そうか」
全然よくわからんが、なんとなく格好を付けて話を終わらせる。
「登録は、あのカウンターぽいな」
ドヤドヤと皆が移動する。
その中で、半数は女の子だ。
冒険者達の目が、まあ一部だが怪しく光る。
後日聞くと、力が無く、守って貰うのが必要な女の子は舐められるらしく、下手なチームに入ると、マスコット扱いになるようだ。
無論マスコットというのは、性処理係兼用だな。
だが中には、恐れられるチームがあるらしい。
女の子だけのチーム『煉獄の薔薇』。
このチーム名は、色々な意味が含められるようだ。
どんな意味かは、誰も知らないらしいが……
なんじゃそりゃである。
隊長は、ブラッディマリー。
彼女が歩けば、血の花が咲くとか言われている。
アガサ、アカシア、コラーダ、ヴェス。
この五人が一軍。
エクス、エンジュ、フィズ、カシス、コレット。
この五人が二軍
その他多数。
色々な元被害者が所属しているため、男が近付くと危ないらしい。
気に入られると、やられるとか……
色々とやばい噂があるらしい。
そしてまあ、受付のお姉さんが泣きそうになりながら登録をする。
受け取ったカードに血を塗りつけると、登録ができるらしく、資格ができれば勝手にカードの色や材質が変わる謎仕様らしい。
「無くしたときは?」
「大丈夫です。無くなりませんから、落としても勝手に帰ってきます。そして壊れません」
ささやかな胸を張って、説明をしてくれる受付のお姉さん。
さっきまで、飯塚 豪に叱られて、泣きそうになっていた。
飯塚は、医者の息子で、ナイフを使い回して血をカードに塗りつけろと言われて、『混ぜちゃいかん、それに病気の感染も考えられる。危険だぁーーー』。と言う事で叱られた。
まあ文化レベルが低そうだから、仕方が無いだろう。
日本でも、昭和六十三年くらいまでは、注射器の使い回しをしていたらしいしな。
そんな感じで、一組がインセプトラ―王国サンカウロスの町で、冒険者登録をしていた頃。
島の一部で騒動が起こっていた。
「わたしは、将文君が好きなの」
「そう言われても、オレは真澄ちゃんが好きなんだよ」
「えっわたし、明宏君が好き」
「おれ、叶恵ちゃんが……」
ちょっとしたことで始まった、告白合戦。
まあ川にこけそうになった、高野 叶恵を山田 明宏が助けて支えた。
その時に、良いチャンスとばかりに、告白をした。
だがその答えは、恐ろしい物だった。
そう、些細なことだが、本人達にしてみれば大騒動。
見事に、ズレた……
この一年くらい、比較的仲良く一緒に行動をしていた。
だが、ここに来て選択を迫られる。
高野 叶恵、山田 明宏、山路 将文、富田 真澄。
この四人、それぞれが好きな相手が違っていた。
そう、これは究極の選択ともいえる。
その結果、じゃんけん。
男の好みを優先か、女の子の好みを優先か。
負けられぬ戦いが始まった。
「うぬう。我に挑むのか?」
「きゃあ、頑張って明宏くん」
真澄がつい応援をしてしまう。
「明宏君が頑張っちゃ駄目でしょ」
「あっそうね」
緊張の一瞬。
「「「「じゃんけんぽいぃ」」」」
静まりかえる場。
グーが三人、パーが一人。
パーを出したのは、頑張った明宏君だった。
「じゃあ、まあ男の好きな相手と、一週間」
「その後、絶対交代だからね」
微妙に落ちこむ女の子達、念押しをされる。
さてその結果は……
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