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第二章 冒険者時代
第9話 魔の者達
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「なんか騒がしいな」
俺達は、建物の中で久しぶりの安眠をむさぼっていた。
そう、外ではどうしたって獣やモンスターが来る。
そして人間も……
警戒は必要だし、深く眠るなんてできなかった。
だから安心できる場所ということで、騒ぎに気がつくのが遅れた……
窓にかぶっている板を少し跳ね上げる。
日本家屋なら、書院作りの蔀戸みたいな奴。
響き渡る叫び声、逃げていく人。
それを追いかける、翼の生えた黒い人影。
魔法に剣。
町の人達が容赦なく殺される。
今俺達がいるのは二階で、見下ろす感じで見ている。
「うん? 外が騒がしいな。どうした」
杉原も爆睡をしていたようだ。
珍しく寝ぼけた感じだ。
口の前に指を立て、声を出すなと合図をする。
その瞬間に、ぼーっとしていた目が変わる。
窓を挟んで反対側に張り付き外を見始める。
「こりゃ……」
言いかけて、あわてて自分の口を押さえる。
そっとしゃがみ込み俺達は答え合わせをする。
「モンスターに襲われているのか」
「だろうな。見た感じは西洋の使い魔というか小型の悪魔のような姿だな」
「大物になると顔が山羊になるのか?」
「バフォメットだな」
そんな事を言っていると、皆が起き出す。
他の部屋からも皆が起き出して、俺達の部屋に集まってくる。
「どうする?」
「とりあえず、ここは安全そうだが」
「あいつら見たか?」
「ああ。まるで悪魔だ」
だがまあ、一階の方でも騒ぎが起こり始める。
「来たのか、一応武器がないか聞いて、あれば貰おう」
「そうだな、ナイフだけじゃな」
皆は静に一階を見に行く。
サイズは、ゴブリンより少し大きく翼があり、火系列の魔法を使い、建物が燃えているじゃないか。
「うおい、水を出せ、火を消せ」
「「「おう」」」
水の弾が飛んでいく。
「何か武器はないか?」
あたふたしている兵に聞く。
「手伝うならこい。こっちが武器庫だ」
「おう」
一瞬何かを考えた感じだったが、それよりも何とかしようと思い直したようだ。
武器庫に入り込むと、汗臭い匂い。
「くさぁ」
女の子達が鼻をつまむ。
風が流れ込み、匂いと湿気を押し流す。
誰かが魔法を使ったようだ。
ここには防具や剣、盾や槍、バトルアックスまで何でもあり。
それに、弓やムチ……
奥側は、取り調べ用の拷問用具なんだろうな、結構キツそうなものが置いてあった。座ると自重で座面が下がり、杭が出てくるのとか、有名なまたがるところが尖った木馬とか……
ただ幾人かの女の子が、興味深そうに見たり、匂いを嗅いでいた……
「重ーい」
真剣で、しかも大剣を持とうとする、小川 由香 と南 あゆみ。
「もっと軽いのがあるだろう」
そう言うと、エーという顔をされる。
「やっぱり花形は、大剣使いでしょ」
小川がそう言って胸を張る。
つい手が、出そうになってしまった。
意思で押しとどめる。
「使えないなら意味がないだろう。死にたいのか? ほれ」
レイピアではないが、細身の剣を渡す。
この二人、ゲーム好きなんだそうだ。
後は弓なども装備。
無論防具も着けるのだが、この革が汗を吸って臭いんだよ。
まるで剣道の面を付けたような。いや小手か……
「浄化魔法が欲しい」
誰かが叫ぶ。
「なんだそれは?」
皆がラノベとかに詳しい大塚 哲の周りに、集まって話を聞く。
「浄化魔法とは、聖魔法で教会の人間が使える、光系魔法だ。字のごとく、すべてを浄化して、魔を滅する。ついでに物も綺麗になる」
小川 と南もあっそういえばという感じで頷いている。
きっとゲームの中に出たのだろう。
「ふむふむ」
皆が試し始める。
「光」
「浄化……」
皆がぶつぶつと念仏のように唱え始める。
そう、イメージを自分の中に定着をさせる。
この魔法は、こういう物という明確なイメージがないと発動をしない。
だが、以外と……
「アッできたかも、綺麗になれって汚れを落とすイメージ」
「ああ―なるほど。繊維から汚れがはがれるイメージね」
誰かが成功をして、そのイメージを伝え始めると、それが切っ掛けとなり、次々に成功していく。
まあそんな事で時間を使っていたら、何とか抑えていた兵達が押し負けたようで、あの黒い奴がやって来た。
だが丁度、皆が浄化魔法の練習中。
光が当たった瞬間、黒いモンスターが崩れるように消えてしまう。
なんか、うわーやられたぁという感じで、右手を挙げてもろもろと崩れていく……
「何だ今の?」
「さあ? まあ状態はやばそうだ。行こうぜ」
装備をそろえて出てみれば、兵士達は劣勢。
「浄化!!」
「おおっ、効くぞ」
それを聞いて、皆が張り切る。
「クリーン」
「滅菌」
「ハ○ター」
「カビ○ラー」
皆イメージしやすい物で唱えるが、非常にまずい。
「バカ、やばい気がする。商品名は駄目だ」
「じゃあ、どうするんだよ?」
「次亜塩素酸ナトリウムとか次亜塩素酸カルシウムとか、そうだカルキとか……」
そう言ったらクレームが来る。
「長い。もっと短く」
「消えろとかは?」
だがそれは、予想外な結果を生み出す。
「消えろ」
確かに消えた。
だが、崩れる感じではなく、バシュッと消えた。
「おいぃ。消え方が違ったぞ。何を考えたぁ?」
「いや消えろとしか……」
消し去ったなら良いが、どこかに転移させたとかならやばそうだ……
「サン○ール」
「それはだめだぁ、酸性の洗剤だぁ。混ぜると危険……」
そう、塩素ガス発生……
混ざったらしく、周囲をガスではなく、金色の光が包んだ。
「あっ……」
俺達は、建物の中で久しぶりの安眠をむさぼっていた。
そう、外ではどうしたって獣やモンスターが来る。
そして人間も……
警戒は必要だし、深く眠るなんてできなかった。
だから安心できる場所ということで、騒ぎに気がつくのが遅れた……
窓にかぶっている板を少し跳ね上げる。
日本家屋なら、書院作りの蔀戸みたいな奴。
響き渡る叫び声、逃げていく人。
それを追いかける、翼の生えた黒い人影。
魔法に剣。
町の人達が容赦なく殺される。
今俺達がいるのは二階で、見下ろす感じで見ている。
「うん? 外が騒がしいな。どうした」
杉原も爆睡をしていたようだ。
珍しく寝ぼけた感じだ。
口の前に指を立て、声を出すなと合図をする。
その瞬間に、ぼーっとしていた目が変わる。
窓を挟んで反対側に張り付き外を見始める。
「こりゃ……」
言いかけて、あわてて自分の口を押さえる。
そっとしゃがみ込み俺達は答え合わせをする。
「モンスターに襲われているのか」
「だろうな。見た感じは西洋の使い魔というか小型の悪魔のような姿だな」
「大物になると顔が山羊になるのか?」
「バフォメットだな」
そんな事を言っていると、皆が起き出す。
他の部屋からも皆が起き出して、俺達の部屋に集まってくる。
「どうする?」
「とりあえず、ここは安全そうだが」
「あいつら見たか?」
「ああ。まるで悪魔だ」
だがまあ、一階の方でも騒ぎが起こり始める。
「来たのか、一応武器がないか聞いて、あれば貰おう」
「そうだな、ナイフだけじゃな」
皆は静に一階を見に行く。
サイズは、ゴブリンより少し大きく翼があり、火系列の魔法を使い、建物が燃えているじゃないか。
「うおい、水を出せ、火を消せ」
「「「おう」」」
水の弾が飛んでいく。
「何か武器はないか?」
あたふたしている兵に聞く。
「手伝うならこい。こっちが武器庫だ」
「おう」
一瞬何かを考えた感じだったが、それよりも何とかしようと思い直したようだ。
武器庫に入り込むと、汗臭い匂い。
「くさぁ」
女の子達が鼻をつまむ。
風が流れ込み、匂いと湿気を押し流す。
誰かが魔法を使ったようだ。
ここには防具や剣、盾や槍、バトルアックスまで何でもあり。
それに、弓やムチ……
奥側は、取り調べ用の拷問用具なんだろうな、結構キツそうなものが置いてあった。座ると自重で座面が下がり、杭が出てくるのとか、有名なまたがるところが尖った木馬とか……
ただ幾人かの女の子が、興味深そうに見たり、匂いを嗅いでいた……
「重ーい」
真剣で、しかも大剣を持とうとする、小川 由香 と南 あゆみ。
「もっと軽いのがあるだろう」
そう言うと、エーという顔をされる。
「やっぱり花形は、大剣使いでしょ」
小川がそう言って胸を張る。
つい手が、出そうになってしまった。
意思で押しとどめる。
「使えないなら意味がないだろう。死にたいのか? ほれ」
レイピアではないが、細身の剣を渡す。
この二人、ゲーム好きなんだそうだ。
後は弓なども装備。
無論防具も着けるのだが、この革が汗を吸って臭いんだよ。
まるで剣道の面を付けたような。いや小手か……
「浄化魔法が欲しい」
誰かが叫ぶ。
「なんだそれは?」
皆がラノベとかに詳しい大塚 哲の周りに、集まって話を聞く。
「浄化魔法とは、聖魔法で教会の人間が使える、光系魔法だ。字のごとく、すべてを浄化して、魔を滅する。ついでに物も綺麗になる」
小川 と南もあっそういえばという感じで頷いている。
きっとゲームの中に出たのだろう。
「ふむふむ」
皆が試し始める。
「光」
「浄化……」
皆がぶつぶつと念仏のように唱え始める。
そう、イメージを自分の中に定着をさせる。
この魔法は、こういう物という明確なイメージがないと発動をしない。
だが、以外と……
「アッできたかも、綺麗になれって汚れを落とすイメージ」
「ああ―なるほど。繊維から汚れがはがれるイメージね」
誰かが成功をして、そのイメージを伝え始めると、それが切っ掛けとなり、次々に成功していく。
まあそんな事で時間を使っていたら、何とか抑えていた兵達が押し負けたようで、あの黒い奴がやって来た。
だが丁度、皆が浄化魔法の練習中。
光が当たった瞬間、黒いモンスターが崩れるように消えてしまう。
なんか、うわーやられたぁという感じで、右手を挙げてもろもろと崩れていく……
「何だ今の?」
「さあ? まあ状態はやばそうだ。行こうぜ」
装備をそろえて出てみれば、兵士達は劣勢。
「浄化!!」
「おおっ、効くぞ」
それを聞いて、皆が張り切る。
「クリーン」
「滅菌」
「ハ○ター」
「カビ○ラー」
皆イメージしやすい物で唱えるが、非常にまずい。
「バカ、やばい気がする。商品名は駄目だ」
「じゃあ、どうするんだよ?」
「次亜塩素酸ナトリウムとか次亜塩素酸カルシウムとか、そうだカルキとか……」
そう言ったらクレームが来る。
「長い。もっと短く」
「消えろとかは?」
だがそれは、予想外な結果を生み出す。
「消えろ」
確かに消えた。
だが、崩れる感じではなく、バシュッと消えた。
「おいぃ。消え方が違ったぞ。何を考えたぁ?」
「いや消えろとしか……」
消し去ったなら良いが、どこかに転移させたとかならやばそうだ……
「サン○ール」
「それはだめだぁ、酸性の洗剤だぁ。混ぜると危険……」
そう、塩素ガス発生……
混ざったらしく、周囲をガスではなく、金色の光が包んだ。
「あっ……」
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