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第十三局【支援編】
2巡目◉増える支援者
しおりを挟む春になり、竹田杏奈たち3年生も高校を卒業。就職や進学をしていた。
杏奈はバイトしていた喫茶店にそのまま就職。ユウが講師をする麻雀教室と喫茶店のホール係をやることにした。
倉住祥子もそのまま喫茶店のキッチン担当として就職した。意外にもショウコは機械に強く、家ではパソコンを何年も前からいじっているそうで、その知識を借りてユウの麻雀教室のホームページを作成してもらった。ショウコの腕はたいしたものでプロに依頼したかのような立派なホームページが完成した。
浅野間聡子は大学進学をして教育学部へと進んだ。いずれはサトコも麻雀を人に教える仕事をしたいが、今はまだ教育する立場としては未熟だし、サトコは不器用なのでユウみたいに誰とでも上手くは話せない。
それにまだサトコは勉強がしたかった。学んでいくことが楽しい。なので大学進学だけはしておきたいと思ったのだ。
今日は卒業組をお祝いしようの会で麻雀部が喫茶店に集合した。
「いらっしゃいーサトコ。これで主役は揃ったわね」「サトコ以外の主役はさっきまで働いてたからね」
お祝いには財前香織と財前真実の他に野本夏実や井川美沙都、飯田雪とその2人の仕事場の店長である小宮山が来ていた。
「今日はミサトちゃんの後輩の卒業会なんだろ? ここはおれが出すから気にせずなんでも注文してくれ!」
「やったー! ありがとうございます店長!」
「いやいや、ミサトちゃんのおかげでウチの店も完全に軌道に乗ったし、恩返しが出来て良かったよ」
「いや、私のおかげなんて… 私はただ働いてただけです。みんな店長の手柄ですって」
「いーからいーから。おれが感謝してるって言うんだからミサトちゃんのおかげなんだって。だから今日は気にしないでおごられてよ」
実はミサトはメイド喫茶『リンリン』で人気No.1メイドなのである。守備派雀士のミサトは細かいことに気が付くので気働きの出来るメイドになり切った。その結果、本物のメイドかのような擬似体験が出来るのでこの子がいい。という客が多くなり、そこに気付いた小宮山はミサトの気働きを他の従業員にも教育した。そうして学んでいくことで店全体がクオリティを高くして売り上げが上がり全店舗でも売り上げ上位に位置する店舗へとなったのである。都内にある店舗をぶち抜いて新店舗の水戸店が上位にランクインしたのはとんでもない偉業であった。
「そうだ、今度『接客マニュアル』を作ることにしたからミサトちゃんも協力してくれないかな。もちろんギャラは弾むから」
「お仕事ならば、やりましょう」
「写真とか撮るけど、いいかな」
「可愛く撮ってくださいね♪」
「アイスコーヒーお待たせしました」
「あっそれオレの! ……………なにこれウマっ!!」
この日をきっかけに小宮山も喫茶店グリーンのアイスコーヒーの虜となった。このコーヒーのコツが学びたいと思った小宮山はグリーンにいつの間にか毎日通うようになり、いつしかユウたちの麻雀教室も手伝う支援者になるのだが、その話はまた別の機会に…。
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