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第十一局【麻雀教室編】
12巡目◉こたみか
しおりを挟む女流リーグ最終節を終えたその日の夜。マナミが機嫌良く入浴している間、3人(人?)は話していた。
《いやー、おめでとうございます。カオリはやっぱり強いですねー。それにしてもマナミさんの逆転優勝は驚きました! 同テンなのに直撃取るなんて普通ありえないですから劇的勝利でしたね!》
〈強くなりましたよねマナミも。正直、私はもうマナミに必要ないのかも知れません。実はもう何日も前から私はマナミに指示を出していませんから〉
(ラーシャもマナミに話しかけてみたらいいのに)
〈彼女はそれを望んでいませんので…〉
《案外、仲良くなれるかもしれませんよ》
(そうそう、私たちみたいにね)
バン
風呂場の扉を開閉した音が聞こえる。マナミが風呂をあがったようだ。
(あ、マナミがあがったから私もお風呂の準備するね。womanたちはまだお話ししてたら?)
〈いや、私の声はマナミに届いてしまうので〉
(あれ? そう言えば私はふたりのどちらの声も聞こえるけど)
《カオリはセンサーが高性能な神探知機みたいなものです。普通、こちらが話しかけても届かないのが人間と神の関係ですから。まして、自分に憑いている神以外と会話する人間なんてカオリだけですよ》
(へえ… 私のおばあちゃんは巫女だったし覚醒遺伝的な神力があるのかな?)
《おばあちゃんが巫女……》
(?)
するとマナミが部屋に帰ってきた。
「カオリー。お風呂あいたよー。入るでしょー?」
「うん。入る」
暑かった季節は終わりを告げ、今日はもう肌寒くて湯船がとっても気持ち良かった。
そろそろコタツが恋しくなってきた。財前家にはコタツはない。佐藤家のコタツでぬくぬくしながら麻雀してた高校時代を思い出す。
(明日は麻雀部に寄ってこーかな…)
次の日、みかんを買ってカオリは麻雀部にやってきた。その部室には
【マナミ! 祝! 女流B優勝。カオリ、ミサト3人とも昇級おめでとう!】という文字がホワイトボードにデカデカと書かれいた。
「こ、これは?」
「ああ、ホワイトボード? 今度から麻雀教室を始めることにしたからここで練習するために買ってきたのよ。とにかく、おめでとう。カオリ」
「そうなんだ。ありがとう。みかん食べる?」
「うん」
カオリとユウはコタツに入ってみかんを食べながら二人麻雀をして楽しんだ。
「やっぱりコタツといえば麻雀とみかんよね」
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