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第六局【規格外の新人編】
16巡目◉店長❤︎石井奈央
しおりを挟むペガサスはオープンして間もない綺麗な雀荘だった。スタッフはまだ少なくてバタバタしているようだった。そう言えば入り口にスタッフ急募の張り紙があった。
「あ、いらっしゃいませ!」
元気なお姉さんがテンマに気付いた。おしぼりを持って駆け寄ってくる。
「お飲み物は何に致しますか?」
「あ~、じゃあ、アイスコーヒーをミルクだけでください」
「当店ではアイスコーヒーは有料商品となりますがよろしいでしょうか?」
(あ、ほんとだ。200円って書いてある。まあ、いいか。それならきっと美味しいんだろうし)
「大丈夫です。支払いは今すぐですか?」
「はい、すぐで、お願いしてもいいですか」
「分かりました」
テンマは200円を支払った。
「ドリンク代いただきました。ありがとうございます! ……失礼ですが当店のご利用は…」
「初めてです」
「初めてのご来店ありがとうございます。それでは卓へ移動してルールの説明をさせていただきます。こちらへご移動お願いします」
「はい」
「はい、ではルール説明をさせていただきます。私、店長の石井です。よろしくお願いします」
名札には『店長❤︎石井奈央ちゃん(独身)』と手書きで書いてあった。対応はすごく堅苦しくてバカ丁寧だったけど実は面白い人なのかもしれない。
————
———
——
「…という感じなのだけど。大丈夫そうですか? ご不明な点ございましたら質問受け付けます」
「いえ、大丈夫です」
「それでしたらこちらに①お名前②お電話番号③ご住所④ご来店の動機をご記入して下さい。ご住所などはざっとでも構いませんので」
テンマはキッチリと記入した。
「泉天馬さん!? ペガサスじゃないですか!!」
「だから気になって入ってみました」
「あらー。まるで運命の出会いね! よろしくねテンマさん」
この店長に惹かれて、テンマは雀荘『ペガサス』通うようになるのであった。
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