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第伍局【少女たちの挑戦編】

15巡目◉本戦会場へ

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『ドアが閉まります。ご注意下さい。次の電車をご利用下さい』ピンポーンピンポーン
「だあああーーー! 待ってえええぇ!!」

 滑り込むように乗り込む女がいた。迷惑な女である。大会本戦に向かう佐藤ユウだ。
(はー、危なかった。あんなに早起きしておいて遅刻したりしたらシャレにならないわ)
「はあ、はあ、はあ、ふーーーー……………。




…あっ!!」(せっかくテンマくんに会えたのに連絡先交換してない!!)
 奇跡の再会を果たしたというのにその機会を無駄にしたことにこの時になって気付いた。
(私はなんて愚かなんだろう。買い物袋の中身なんか見せてる時間があったら電話番号でも聞いとけっていうの!)
 その後悔があまりにも大きくてモヤモヤとずっとテンマのことを考えていたら今度は降りる駅で降り損なう所だった。
「やばっ!」
 急いで降りた。なんとか試合には間に合いそうだ。しかし……

「あっ!! 袋!」

 池袋で買い物した袋を電車に忘れてきてしまう。取りに行く時間はない。

「もうやだ」
 自分のドジさ加減にほとほと嫌気がさした。ふつふつと怒りが込み上げてくる。
「この怒りはもう、優勝することでしか癒せないわね」そう呟くと怒りを闘志に変えて本戦会場へ気合いバッチリで突入するユウなのであった。

「許さん!」
 時刻は午後1時

 謎の怒りを力に変えて佐藤ユウが本戦に挑む————
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