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第伍局【少女たちの挑戦編】
12巡目◉大会予選決勝卓
しおりを挟むユウは大会予選で予選決勝卓に勝ち進んでいた。ここで勝てれば予選通過。そういう対局の南2局。親から7巡目リーチが入ってしまう。ドラは①。
その時のユウの手はというと
ユウ手牌
二三伍六七②④⑤⑥⑦567
という勝負手。ドラの①こそないが理想的に進めば跳満になる。しかしここに引いた牌は——
ツモ⑦
どうする。②を切ればテンパイなのは知ってる。だが、理想の567三色は崩れた。そして出す②はというと親の捨て牌4巡目に⑥が切られており③④⑥から捨てましたという予想が脳裏によぎる。そうでなくてもドラソバでかなり危険だ。理想の三色テンパイならそれでも危険承知で勝負する価値があるが、三色が崩れた手からそこを押すのはバランスが悪いと考え——
打二
一旦後退。萬子下は全体的に安全性が高く迂回可能だった。しかしあの手が三色をほぼ諦めて迂回になってしまうとは悔しい! そう思っていたのだが、次巡のツモは……
「!」
(まさか、この感触は…。また…アレだ!)
ツモ⑦
「リーチ!!」
伍六七②④⑤⑥⑦⑦⑦567
諦めていた三色に復活して張り直す。しかも危険だと感じている②を見事に活用して。リーチ合戦で負けたらとかそんな考えはこの時のユウからは飛んでいた。ただ、この時は『最高!』という気分しか無かった。我慢して得たこのテンパイは最高以外の何物でもない。ここから先がどうなろうと知ったことか。そんなハイテンションで引きに行った一発目のツモは……
ツモ③
「ツモ」
鼻血が出そうなくらい興奮した。
「3000.6000です」
このリードを守ってユウは予選優勝。初めて参加した競技大会でさっそく本戦出場を決めるのであった。
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