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第四局【プロ雀士編】
16巡目◉プロテスト開始
しおりを挟む白山シオリは帰りたかった。(はあーー。なんで私がこんな仕事をしなきゃなんないのかしら。試験官なんて私の時はもっと重鎮が出てきてやってたじゃない。なんで私に招集がかかるのよ! でも、これをやれば他の行事を今年はパスしてもいいって言われちゃあやるしかないか…… パーティに出て女王位おめでとうとか壇上で言われたりすんのは面倒くさいし、今年のパーティは休ませてもらうわ)
そう思ってシオリは今回のプロテストで試験官を務めた。名簿に目を通してみると財前という名前が二人いる。(姉妹かしら、珍しいわね)
試験会場の椅子や長テーブルの設置を手伝ったりして朝早くから忙しいシオリであった。
(ったく、何で私が)
そう思いつつも女王シオリは汗をかきながら自分の仕事をしっかりやった。
————
10時00分
試験受付が始まった。今度は入り口で記入をお願いする係をシオリが担当。もう疲れたから座ってられる仕事をしようと思ったのだ。そこに一番手で受付に来たのは派手な髪色をした、それでいてライオンのような堂々たる佇まいを見せる立ち姿の美しい美少女だった。
(おお…… 強者の雰囲気があるな。この子は合格しそうだ)とシオリは一目で思った。
「はい、こちらにお名前を記入して右手奥から階段を上がり二階の手前左の部屋へ行って下さい」
「はい」
井川美沙都
それから数分後また別の美少女がきた、しかも今度は2人だ。
「はい、こちらにお名前を記入して右手奥から階段を上がり二階の手前左の部屋へ行って下さい」
「はい」「はい」
財前真実
財前香織
(今の子たちもすっごくキレイだったわ~。彼女たちが全員合格すれば女流リーグも盛り上がってくかもしれないわね)
そう思ってシオリは少しだけ嬉しかった。
————
カオリたちは試験会場の二階の部屋へと入った。そこでキレイな金髪系美女が目に入った。
「あれ! ミサト!?」
「え…… あれ? あなた達2人もプロテスト受けるの? そんなこと一言も言ってなかったじゃん!」
「それは…… ミサトだって言わなかったじゃないの」
「だって落ちたら恥ずかしいし…」
「私達も、いらないプレッシャー感じたくないからほとんど誰にも言ってない…」
「だよねー。分かる。今日はお互い頑張りましょう!」
これで受かれば同期に高校からの友達がいる。プロのステージでもお互いに切磋琢磨出来るのだと思うと楽しみで、なんとしても受かるぞ! という気持ちに3人ともなった。
11時15分
「えー、全員プリントは届いたでしょうか。それでは、今から45分間。プロテスト筆記試験開始します。始めて下さい」そう言ってシオリが黒板に付けているタイマーをピッと押した。
プロテスト開始!
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