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第四局【プロ雀士編】
4巡目◉右腕
しおりを挟む少し離れた土地で麻雀をするだけ。それだけのことかもしれない。
牌はいつもと変わらないし、ルールもほぼ同じでやる事は一緒。
だが、この一戦はスグルには大きな挑戦だった。『東京で勝つ』そういう意味があった。
自然と指に汗がにじむ。いつも通りの麻雀なはずなのに緊張して固くなる。
(落ち着け…… 毎日やってることを今日もやる。それだけだ)
少し手が震える。格好悪い。止まれ。震えるな。止まれよ。
スグルがそう思っても簡単に制御できるものでもない。震えは気付かれませんようにと願うしかないが、多分全員気付いてる。みっともなくて恥ずかしい。
せめて、せめて麻雀は勝たないと。みっともない姿でみっともない成績を出すことなど絶対あってはならない。男として。
だが、それは叶わないことになる。スグルの東京挑戦初日はボロ負け。
(だめだ、使い物にならないと思われたに違いない。畜生! 畜生畜生!!)
そう思っていたスグルだが。
「佐藤さんお疲れ様。今日はついてなかったけどスタッフには向いてるね。初めてで緊張したんでしょ? そのくらい気を引き締めてるような人の方が私はこの仕事に向いていると思ってる。初めてなのに気を緩めてるような人は信頼できないしね。明日からもよろしく頼みます。ウチに来てくれてありがとう」と萬屋に言われた。萬屋は人を見る目がある。
「こちらこそ、ありがとうございます。よろしくお願いします」
散々な成績を出した初日だったがスグルの性格を萬屋マサルは初日で見抜きそれ以降萬屋マサルは佐藤スグルを自分の右腕になれるよう仕事に麻雀にと仕込んでいくのであった。
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