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第二局【カオリ覚醒編】
14巡目◉声
しおりを挟む「しかし、毎回思うけどアン先輩の麻雀はびっくりするよね。あんなリャンメン鳴いてどうすんの? って思ったけど、まさかアガリを目指すことが目的じゃない鳴きだったなんて」
「まんまとスグルさん嵌められてたね」
ヤチヨとヒロコが後ろから見ながらアンの麻雀に感心していた。ヤチヨの歯には青のりが付いている。いつの間にかのり塩も開けたようだ。
「ヤチヨ、歯に青のり付いてるよ」
「あ、大丈夫です。今日は金曜日ですからね。最初から長居するつもりだったので歯ブラシは持参してます」
「用意がいいね」
南3局
アンからの先制リーチ。リーチのみだがこれを一発でツモり裏1で満貫。
南4局ドラ六
ミサト手牌
一三④⑥⑧156789白白
ミサトがこの配牌から1巡目に4をチー。
打一
その次巡⑤もチー。
打三
現状トップ目のスグルは2着目のミサトが少しアガった所でトップか2着でトーナメント勝ち上がりなので絞る必要が無かった。
ミサトは自力で2を持ってきてペン3待ちイッツーのみ。アガれば2着で勝ち上がりだ。
その時、満貫条件のカオリの手はというと。
四四伍伍六六③⑤11366
113という形をどうするか悩む場面だった。そこにツモ④! 決断の時だ。カオリはまだチートイツ変化などの対応が可能な3切りにしようとした。その時。
《ダメ、当たるよ》
どこからか声がする。
「何?」後ろを振り返るが誰もいない。
「カオリの切り番だよ。はやくー」
「あ、ああ、ごめん」
また、3を掴もうとすると
《だからダメだって! それ》とまた聞こえた。仕方ないので1を掴むと声は聞こえない。この声はなんだったのだろう。幻聴? そんなに疲れていたのだろうか。自覚はない。だいたい幻聴にしてはハッキリ聞こえすぎる。
その後アンからの超弩級リーチが入るがカオリがツモり決着。
Bグループ勝ち上がりは
1位通過
佐藤スグル
2位通過
財前カオリ
こうして決勝卓の4人が確定した。
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