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第一局【女子高生雀士集結編】
17巡目◉ミサトの手順
しおりを挟むピンポーン
『…はい、ああカオリちゃん。ユウならまだ帰ってきてないよ。上がって待ってれば』とスグルが眠そうな声でインターホンごしに言う。どうやら今日は寝ていたらしい。悪いことをした。
「お休みの所すみません、おじゃまします」と3人は靴を揃えて上がる。
「いいんだよ、もう起きようと思ってたとこだ。今日は新人さんもいるんだね」
「はじめまして、こんにちは。井川です。カオリさんのクラスに今日から転校してきました。よろしくお願いします」
「はじめまして、今日からならあまり遅くなると家の人が心配するだろう。今日はいつもより少し早く切り上げようか」
ということで今日はユウとマナミを待たずにもうスタートした。
準備が整い試合開始。と同時に玄関のドアが開いた。
ガチャ、バン!
「ただいまーー!」「おじゃまします」
ユウとマナミだ。
「あー、もうはじめてるー!」「あれ? そちらの方は?」
「はじめまして。井川ミサトです」それ以上は言えなかった。いまは喋ってる場合ではない。もうミサトの手はかなり整ってきていた。親番のミサトは今が集中の時なので口を動かしていられない。
ユウとマナミはミサトの手を見に後ろに回った。
東1局親番の7巡目ドラ1
ミサト手牌
二三四六七八⑤⑥12345 伍ツモ
ミサトはここから最終形の強さと打点を考慮して打5とした。ドラ重なりに備える優秀な一手だ。しかし、次巡のツモは…ツモ5!
ミサト手牌
二三四伍六七八⑤⑥1234 5ツモ
「~~~~~!!」
(わあ、最悪)(でも仕方ないね)とユウとマナミはアイコンタクトで会話する。
打1
(だろうね)(まあそうなるかな、2でもいい気もしたけど)
次巡
ツモ1
ミサト手牌
二三四伍六七八⑤⑥2345 1ツモ
「!!」
これにはユウとマナミも笑いを堪えるのが大変だった。
「…そんなんあんの」と少しボヤいて打1
次巡
ツモ⑤
ミサト手牌
二三四伍六七八⑤⑥2345 ⑤ツモ
打2
イッツーも見えてきた。
すると、上家のアンの捨て牌が横になる。
「リーチ」
一発目に引いた牌は二。
ミサト手牌
二三四伍六七八⑤⑤⑥345 二ツモ
考える余地はない。
「リーチ!」
打⑤
「ロン!」
アン手牌
四伍六④④④⑥456678 ⑤ロン
「どないせっつーねん!!」とミサトが壊れた。
「はははははは!! ウケるー!!」
「ミサト、東京の人だよね?」とカオリが突っ込むが
「エセ関西弁も出るわこんなん! なんやねんこれ! しかも⑥でも当たりかよ、ふざけおって!」
「ひあーー…ウケる。…けどまあ、手順いいわ。結果はギャグみたいだったけど井川さんミスないね。いや、上手ですよ。たいしたもんだ」とマナミ。
「キャラもいいし面白い人連れてきたね。歓迎するわ。井川さん。麻雀部へようこそ!」
「納得いかんわ~。あれが放銃になるかフツー。まあ… そういう時もあるか… あらためてよろしくお願いします。井川ミサトです。ミサトって呼んで下さい」
ミサトも加わることによって麻雀部は誰かしらが委員会などで休んでても卓が囲めるようになり、より活動は捗るようになるのであった。
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