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※風紀委員長の本音
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…???
すき、隙…?.
.……好き??
「……は?」
「天堂、俺はおまえが好きだ。勿論恋愛的な意味で。」
は?
訳が、分からない。なんで、どうして、いつどこで。俺達、喧嘩しかしてないだろう。悪意なら分かる。だがこいつは俺に好意を伝えてきた。本当に訳が分からない。顔が熱い。俺は柊の予想外の返事にて固まっていた。
「はあ……天堂。」
「な、なん、」
熱っぽく息を吐く柊。目の前に迫り来る顔面。固まったままの俺はすんなりと柊の唇を受け入れてしまったのだった。
「ゔ、?ん!?んぐ!??」
俺の、ファーストキスが……嫌いな奴に…とショックを受けているとぬる、と舌が入ってきて身体が跳ねる。柊の舌は俺の口内を蹂躙して、キス初心者の俺は何が何だか分からずに目を回していた。
「んぅ”、む、ん…」
奥で縮こまる俺の舌を擽って、甘噛みして、絡ませて。息の仕方が分からない俺は口の合間から必死に息を吸い込もうとして声が漏れる。その声には色が乗り、卑猥な雰囲気を醸し出していた。
死にたい死にたい死にたいこんなの俺じゃないなんだこの声はなんでこんなに気持ちいいんだもしかしてこいつキス上手いのかああ息が出来ないどうしたらいいんだ
酸素が頭に回らず朦朧としてくる。俺は流石にもう限界だ、と必死に柊の胸板を叩いて抗議した。そうしてようやく離れた柊をギ、と睨み、視線が交わる。柊の瞳にじくじくと燻る熱を感じて怯みそうになったが、それでも俺は柊を睨むことをやめなかった。
「おま、なんのつもりで、こんな、ひっぃ”、ゃ…」
しかし柊は俺が言葉を紡ごうとしているところを無視して首を噛んできた。痛い。絶対に血が出た。噛んだ後の首を舐める柊に屈辱と恐怖で視界が滲むのがわかった。
首から顔を離した柊は震える俺をじっと見つめて堪らないとでもいうようにゆるりと目を細める。
「美味そうだな。」
「ひぐ、ぅ”、」
低い声で恐ろしいことを呟いた柊に俺は大声で泣き出したくなった。美味そうって、美味そうってなんだよ。柊と大して身長もガタイも変わらない俺が美味いわけないだろ。
「ひっゃ、やだ……」
色を孕んだ瞳で見られるのが耐えられなくて、俺は目を伏せる。柊が再度首筋に顔を近づけてきた。首筋にちくりと一瞬痛みを感じて身体が強ばる。その時、柊の股の辺りに何か違和感を感じた。
「ぁ、」
こいつ、勃ってる。
かっと全身が熱くなるのが分かった。俺はその身体を勢いよく突き飛ばす。意外にも柊はすんなりと俺の上を退いた。なぜ上を退ける気になったのか知らないがこれはチャンスだ。今逃げないと俺の貞操が危ない。俺は上手く力が入らない身体を叱責して立ち上がる。いつの間にか脱がされていたブレザーを手に取り柊をこれでもかという目付きで睨んだ。
「しね変態野郎!!!」
震える手で内鍵を開けて風紀室を飛び出す。そして寮に戻って布団に蹲る。あいつの手が、視線が、声が脳裏に焼き付いて離れない。顔が燃えるように熱い。今日はもう、授業を受ける気にはなれなかった。
ー風紀室ー
「はあ…。」
天堂が風紀室を飛び出した後、柊はソファーで1人頭を抱えていた。
あんな襲うような真似をするつもりは無かった。押し倒したのだってほんの出来心で、いつも余裕そうなあいつの表情を崩してやりたいなんて、ただそれだけの事だった。
『おま、なんのつもりで、こんな、ひっぃ”、ゃ…』
どう見ても“そういうこと”に慣れてない反応をされて柄にもなく舞い上がってしまった自覚はある。俺が少し触るだけで跳ねる身体にどうしようもなく興奮した事も。
真っ赤になって震える天堂はあまりにも魅惑的で、思わず美味そう、なんて言ってしまったのは良くなかった。
『ひぐ、ぅ”、』
信じられない、というような顔をしながら涙目で怯える天堂はあまりにも目に毒で、このまま全て喰らい尽くしてやりたいなんて本気で思ってしまった。
『しね変態野郎!!!』
乱れた制服、首に散らされた噛み跡と鬱血痕。本当は怖いくせに、果敢に睨むその態度にどれだけ俺が煽られたと思ってるんだ。
「本当に、堪らない。」
口元が歪むのが抑えられなかった。あの生徒会長様があんな戯れ程度で翻弄されるなんて、全くもって嬉しい誤算だ。やっとこの時が来た。絶対に逃がさない。既に外堀は埋めてある。俺がどれだけ今日を待ちわびたことか。今まではあいつに合わせて好意なんてない振りをしてやっていたが、もうそんな我慢も終わりだ。お前が泣いたって嫌がったって逃がしてやらない。
そのまま、俺に耽溺するといい
すき、隙…?.
.……好き??
「……は?」
「天堂、俺はおまえが好きだ。勿論恋愛的な意味で。」
は?
訳が、分からない。なんで、どうして、いつどこで。俺達、喧嘩しかしてないだろう。悪意なら分かる。だがこいつは俺に好意を伝えてきた。本当に訳が分からない。顔が熱い。俺は柊の予想外の返事にて固まっていた。
「はあ……天堂。」
「な、なん、」
熱っぽく息を吐く柊。目の前に迫り来る顔面。固まったままの俺はすんなりと柊の唇を受け入れてしまったのだった。
「ゔ、?ん!?んぐ!??」
俺の、ファーストキスが……嫌いな奴に…とショックを受けているとぬる、と舌が入ってきて身体が跳ねる。柊の舌は俺の口内を蹂躙して、キス初心者の俺は何が何だか分からずに目を回していた。
「んぅ”、む、ん…」
奥で縮こまる俺の舌を擽って、甘噛みして、絡ませて。息の仕方が分からない俺は口の合間から必死に息を吸い込もうとして声が漏れる。その声には色が乗り、卑猥な雰囲気を醸し出していた。
死にたい死にたい死にたいこんなの俺じゃないなんだこの声はなんでこんなに気持ちいいんだもしかしてこいつキス上手いのかああ息が出来ないどうしたらいいんだ
酸素が頭に回らず朦朧としてくる。俺は流石にもう限界だ、と必死に柊の胸板を叩いて抗議した。そうしてようやく離れた柊をギ、と睨み、視線が交わる。柊の瞳にじくじくと燻る熱を感じて怯みそうになったが、それでも俺は柊を睨むことをやめなかった。
「おま、なんのつもりで、こんな、ひっぃ”、ゃ…」
しかし柊は俺が言葉を紡ごうとしているところを無視して首を噛んできた。痛い。絶対に血が出た。噛んだ後の首を舐める柊に屈辱と恐怖で視界が滲むのがわかった。
首から顔を離した柊は震える俺をじっと見つめて堪らないとでもいうようにゆるりと目を細める。
「美味そうだな。」
「ひぐ、ぅ”、」
低い声で恐ろしいことを呟いた柊に俺は大声で泣き出したくなった。美味そうって、美味そうってなんだよ。柊と大して身長もガタイも変わらない俺が美味いわけないだろ。
「ひっゃ、やだ……」
色を孕んだ瞳で見られるのが耐えられなくて、俺は目を伏せる。柊が再度首筋に顔を近づけてきた。首筋にちくりと一瞬痛みを感じて身体が強ばる。その時、柊の股の辺りに何か違和感を感じた。
「ぁ、」
こいつ、勃ってる。
かっと全身が熱くなるのが分かった。俺はその身体を勢いよく突き飛ばす。意外にも柊はすんなりと俺の上を退いた。なぜ上を退ける気になったのか知らないがこれはチャンスだ。今逃げないと俺の貞操が危ない。俺は上手く力が入らない身体を叱責して立ち上がる。いつの間にか脱がされていたブレザーを手に取り柊をこれでもかという目付きで睨んだ。
「しね変態野郎!!!」
震える手で内鍵を開けて風紀室を飛び出す。そして寮に戻って布団に蹲る。あいつの手が、視線が、声が脳裏に焼き付いて離れない。顔が燃えるように熱い。今日はもう、授業を受ける気にはなれなかった。
ー風紀室ー
「はあ…。」
天堂が風紀室を飛び出した後、柊はソファーで1人頭を抱えていた。
あんな襲うような真似をするつもりは無かった。押し倒したのだってほんの出来心で、いつも余裕そうなあいつの表情を崩してやりたいなんて、ただそれだけの事だった。
『おま、なんのつもりで、こんな、ひっぃ”、ゃ…』
どう見ても“そういうこと”に慣れてない反応をされて柄にもなく舞い上がってしまった自覚はある。俺が少し触るだけで跳ねる身体にどうしようもなく興奮した事も。
真っ赤になって震える天堂はあまりにも魅惑的で、思わず美味そう、なんて言ってしまったのは良くなかった。
『ひぐ、ぅ”、』
信じられない、というような顔をしながら涙目で怯える天堂はあまりにも目に毒で、このまま全て喰らい尽くしてやりたいなんて本気で思ってしまった。
『しね変態野郎!!!』
乱れた制服、首に散らされた噛み跡と鬱血痕。本当は怖いくせに、果敢に睨むその態度にどれだけ俺が煽られたと思ってるんだ。
「本当に、堪らない。」
口元が歪むのが抑えられなかった。あの生徒会長様があんな戯れ程度で翻弄されるなんて、全くもって嬉しい誤算だ。やっとこの時が来た。絶対に逃がさない。既に外堀は埋めてある。俺がどれだけ今日を待ちわびたことか。今まではあいつに合わせて好意なんてない振りをしてやっていたが、もうそんな我慢も終わりだ。お前が泣いたって嫌がったって逃がしてやらない。
そのまま、俺に耽溺するといい
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