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第四章 料理と仕事
アダルトグッズとタカシの服選び
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店の中に入ると、チンポがたくさん並んでいた。いや、正確にはいろんなバイブだが、他にもローターみたいな物や抱き枕的な物もある。
だが、手を繋いでいるエマちゃんがおっぱいを強く押し付けて、少し怯えている感じだ。大丈夫かな?
「エマちゃん、大丈夫?」
エマ「あ、はい。でもタカシさんのおチンチン以外は、ちょっと怖くて⋯⋯。でも興味もあります。タカシさんはエマにエッチな道具を使って欲しいですか?」
なんて可愛いんだこの子は。オナニーをした事ないから、いきなりエッチな道具をたくさん見せられて怖いんだな。
「いや、まだあまり使って欲しくないけど、俺がエマちゃんに使ってみたいかな」
エマ「タカシ様が⋯⋯エマにエッチな道具を⋯⋯♡ そ、それ、凄く興味があります!」
俺がエマちゃんに使うと言うと、急に欲情した感じになった。だがバイブはまだ早いな。俺のチンポでたくさんセックスしてからじゃないと嫌だ。アイリには使ってみたいな。バイブで激しく弄りながらチンポを咥えさせたい。
エマちゃんには、まだローターとかで十分だろう。ローターを手に取って見てみるが、ローターの形をしているだけで、別にブルブル震える機能は無いみたいだ。よく考えたら電池もないし、動くアダルトグッズなんて、魔法でも付与しないと無いよな。バイブもチンポの形をしているだけだ。
「アイリ。このバイブは何で出来てるの?」
アイリ「ばいぶ? これはニンチンっていって、オクトパースという海の生物の骨から出来ているんです」
に、ニンチン? 人間のチンポだからニンチン? なんて安易な名前だ。それにオクトパースって、たぶんタコだよな? タコって骨あったっけ? あったような気もするけど、こんなシリコンみたいな感触なのか。タコが居るならタコ焼き作りたいな。でもバイブの素材になるなら、なんか微妙だ。
「ニンチンというのか。あ、エマちゃんが発情期になった時、アイリが股間に着けてたな!」
アイリ「そ、そうですけど、忘れてくださいよぅ⋯⋯」
あの変態な姿は、流石に恥ずかしかったみたいだ。
ミーシャ「アイリったらタカシさんに出会う前、私にあの格好させて、セックスしてって言ってきたんです」
アイリ「ああぁぁ、ミーシャ! タカシさんに言わないでよ!」
凄いレズプレイだな。ミーシャは美人でカッコイイから、ちょっと気持ちはわかる。ミーシャと2人でアイリを攻める3Pとかしたら、変態なアイリが喜びそうだ。
ユーリ「この店なら、タカシさんの好きなウィードネクターも、たくさん種類がありますよ」
ユーリに案内されてウィードネクターコーナーへ行くと、匂い付きの物や、色が付いた物、それから粘度が細かく違う物なんかがあった。
ユーリ「精子みたいに見える、白いウィードネクターが1番人気なんです」
なるほど。ユナ達は精子を掛けられるのが好きだもんな。
「これでパイズリしたら、凄くイヤらしいだろうね」
ユーリ「はい。か、買いますか?」
「そうだな。少し買っておくよ。粘度はどれがいいかな?」
ユーリ「そうですねぇ。ねっとりした物からサラサラした物まで10種類ありますが、好みによるので⋯⋯。粘度4くらいが女性のエッチなお汁と同じくらいです」
流石ユーリ、詳しいな。愛液と同じなら、それがいいか。でも濃いのも買って、お風呂で薄めてソーププレイを⋯⋯。ヤバッ! 勃起してきた。
「粘度10と粘度4を買っておくよ」
白い粘度4を1ケースと、透明な粘度10を樽で買う事にして、他の商品も見に行く。
「水に濡れても大丈夫な、柔らかいマットみたいな物はないかな? お風呂で使いたいんだけど⋯⋯」
アイリ「あ、ありますよ! お風呂で使うエッチグッズコーナーに行きましょ!」
アイリに腕をグイグイ引っ張られ、2階に上がって行く。アダルトグッズに夢中で気付かなかったが、周りの客がみんな俺を欲情した顔で見ている。獣人女性やハーフエルフ女性ばかりだが、人間の女性も1人居るな。
やはり人間女性もオナニーくらいするから、エッチな道具に興味があっても不思議じゃない。ユナ達が凄くエッチだから、この世界の人間女性はエッチに興味がないような気がしていた。
オナホールみたいな物は売ってないから、人間男性はこういう店に来ないのかな?
「男性用のエッチな道具は無いの?」
ユーリ「獣人男性はオナニーしないですから、ハーフエルフ男性用のエッチな道具くらいしか見た事ないですね」
「人間男性用は無いの?」
アイリ「人間男性はこの店に来ないと思いますから、タカシさんが初めてじゃないですか?」
なんだと! それはちょっとマズくないか? 女性にエッチな道具を使う鬼畜だと思われてしまいそうだ。
「人間男性用のエッチな道具が売ってるお店もあるの?」
ユーリ「う~ん⋯⋯そう言えば、聞いた事ないですね」
詳しいユーリが知らないなら、無いのかも知れないな。でも人間男性も娼館とかに行くんだから、オナニーくらいしてるだろう。ジェニーなんて娼館の話ばかりしてるしな。
ハーフエルフ男性用のエッチな道具を見てみると、小さなオナホールだった。これもタコの骨から出来てるらしいが、小さいから俺のチンポは入らないな。
ユナ「タカシさんが射精したくなったら、いつでも私達に言ってください。エッチな道具なんかより気持ち良くしますから♡」
俺にはユナ達が居るから、オナホールなんて必要ないな。もうオナニーする気にならないし、俺がこっそりオナニーしてたら怒られそうだ。
「うん。ありがとうユナ」
嬉しそうなユナ達と、お風呂で使うエッチな道具コーナーへ行くと、正に俺が求めていたマットが飾ってあった。空気が入っていて、ソープのエアマットその物だ。
アイリ「どんな道具が欲しいんですか?」
「これだよ。これが欲しい!」
ユーリ「え? こ、これですか? これは前から飾ってあって、たぶん1つしか無いと思いますし、かなり高価ですよ?」
1つしか無いって、高価だからかな? 確かにあまりこの世界で見た事ない素材だ。空気を入れて膨らませる物も見た事ない。値段を見ると金貨8枚でなかなか高価だが、どうしても必要だから買わないとダメだ!
店主「ユーリちゃん、いらっしゃい。素敵な人間男性と一緒に来たって常連さんから聞いて、我慢できなくなって来ちゃった」
ユーリ「ミダラさん。あの、あまり騒がないでね。タカシさんが困っちゃうから」
ミダラさんって⋯⋯。名前の通り淫らなんだろうか。「鑑定」すると『ミダラ 夜魔族 女 134歳 魔法種火魔法』と出た。
夜魔族ってサキュバスだよな。なら名前の通りだと考えた方がいい。俺の事を素敵な人間男性と言っているから、つまみ食いされたりしないだろうか? 期待半分、不安半分な気持ちだ。
ミダラ「タカシさんっていうのね。そのお風呂用マットに興味があるなんて、やっぱり人間男性だわ」
妖艶な笑みを浮かべ、俺の身体を舐め回すように見ている。流石にユーリよりは小さいが、十分爆乳で露出の高い服を着ている。魔族だから134歳なのに30歳くらいにしか見えないな。それにサキュバスだからなのか、男を誘うフェロモンが出ているような見た目だ。
ユーリ「このマットって、人間男性がお風呂で使う物なの?」
ミダラ「そうよ。娼館に行くと、これをお風呂の床に敷いて使うの。ウィードネクターをお湯で薄めた物を娼婦が身体に塗って、男性の身体に密着するプレイがあるのよ」
流石サキュバス、詳しいな。マットプレイまで知っているとは。ユーリは知らなかったみたいだから、エロ本にマットプレイは出て来ないのかな? ミダラさんはユーリより詳しいから、店のオーナーみたいだ。
マットの説明をすると、他のお客に呼ばれて、ミダラさんが名残惜しそうに去っていった。
ユナ「タカシさん、そういうのがしたかったんですか?♡」
ユーリ「そう言えば、ウィードネクターをたくさん買って、お風呂でして欲しい事があるって⋯⋯♡」
バレてしまった。
「う、うん。実は⋯⋯。娼館には行った事ないけど、そういうプレイがあるって聞いてね」
ユナ「なら買ってください。ウィードネクターも買って、ヌルヌルプレイを⋯⋯♡」
アイリ「お風呂でウィードネクターまみれのエッチ⋯♡」
エマ「明日の夜は、一緒にお風呂に入ってくれるっておっしゃいましたよね?♡」
初のマットプレイはエマちゃんとか⋯。エマちゃんと初めてエッチするのに、マットプレイなんてしていいのかな? 優しくしてあげたいのに、暴走してしまいそうだ。
ユナ「エマが羨ましい⋯⋯」
エマ「誕生日だから⋯⋯。ごめんねお姉ちゃん」
ミーシャ「後で感想聞かせてね」
みんな欲情して盛り上がっている。ミダラさんに目を付けられたみたいだが、大丈夫かな?
「ミダラさんってサキュバスだよな? 俺、大丈夫かな?」
ユーリ「ミダラさんはこの店の店長なんです。確かにサキュバスですが、タカシさんが私達とセックスしてくれる人間男性だとバレなければ大丈夫だと思います」
バレるとヤバイのか。必要な物を買って、とっとと退散した方が良さそうだな。
ミーシャ「アイリ、余計な事を言わないようにね」
アイリ「わ、わかってるよぅ⋯⋯」
近くに居た獣人女性店員にマットを梱包してもらい、ウィードネクターとニンチン、あとローターも買って、ミダラさんから逃げるように店を出た。
ユーリ「ニンチンやクリボーまで買ったんですね」
クリボー? ローターはクリボーっていうのか。某ゲームに出てくる雑魚キャラみたいな名前だな。
「クリボーっていうんだな。実はあれに魔法を付与してみようと思ってね。楽しみにしてて」
ユーリ、アイリ「「わぁぁぁ♡」」
変態2人が嬉しそうに返事をした。エッチな道具を俺に使って欲しいみたいだな。
ブルブル震える魔法を、無種魔法の魔法書で見た気がする。役に立たない魔法だと思って読み飛ばしたが、意外な所で役に立つな。いや、それ以外の使い所が思い付かない。
エマちゃんにまた「透明」の魔法をかけて、今度はユナの案内で調味料屋に行った。
店主「あらユナちゃん。いらっしゃい」
店主らしき獣人女性が、親しい感じでユナに話し掛けた。ユナは常連みたいだな。「鑑定」すると、『マヤ 犬族の獣人 ♀ 52歳 魔法種無し』と出た。ケモ耳がゴールデンレトリバーみたいだ。
ユナ「今日はちょっと珍しい調味料を見せて欲しくて⋯⋯」
マヤ「珍しい? 変わった調味料って事ね。ユナちゃん、また新しい料理に挑戦するのかい?」
ユナ「そうじゃないんだけど、珍しい料理に合う調味料を探してらして⋯」
ユナが俺を店主に紹介するので、俺から名乗った。
「ユナの知り合いで、タカシっていいます。実は調味料を探してまして⋯⋯」
マヤ「ユナちゃん、こんな素敵な人間男性と知り合いなのかい? 羨ましいね」
ユナが照れている。犬族の獣人女性だが、結構歳上だから欲情している訳ではなさそうだ。
「黒ジョウ汁より塩気が強い、豆を発酵させた黒い調味料ってありませんか?」
マヤ「発酵させた? 凄い調味料を知っているんだねぇ。それって醤汁の事じゃないかい?」
醤汁? たぶん醤油だろう。あるのか?
店主「えーっとね⋯⋯。あぁ、これだ。これじゃないかい?」
茶色の壺を開けて、小皿に少し出してくれたので、小指に付けて舐めてみると、濃口醤油だった。探せばあるんだな。
「これこれ! これですよ! これ、壺ごと売ってもらえますか?」
マヤ「そりゃ構わないけど、これは黒ジョウ汁を作る時に、少しずつしか採れない物だから、少し高価だよ」
「お金はあるので大丈夫です。いや~、ずっと探してたんですよ!」
店主「そうかい、そうかい。お役に立てて良かったよ」
なんか世話好きな近所のおばさんって感じで親しみやすい人だな。
「あと、この醤汁に手を加えた、もう少し酸っぱい感じで、ドロッとした調味料はありますか?」
店主「う~ん、聞いた事ないけど、どんな料理に使うんだい?」
俺は少し興奮し、収納からトンカツを出した。
「この料理に掛けて食べたいんです」
マヤ「あ、あんた今、何処から出したんだい?」
しまった。トンカツソースが欲しくて、収納魔法を目の前で使ってしまった。
「あ、いや、俺は収納魔法が使えるんで⋯⋯。すみませんが内緒にしてもらえますか?」
マヤ「収納魔法が⋯⋯。凄い人間男性だねぇ。私は口が堅いから大丈夫だよ。それより美味しそうな匂いだ。食べていいかい?」
「ええ。食べてみて、これに合うソースを教えて欲しいです」
口が堅い人で助かった。マヤさんがトンカツを指で摘まんで食べる。
マヤ「んん~! これは⋯⋯豚肉かい? 凄く美味しい料理だねぇ」
ユナ「豚肉に卵を付けて、パンを細かく卸した物をまぶして、熱した油の中に入れて調理するの。油で揚げるっていう料理方法よ」
ユナが自慢気に説明しているが、小麦粉を付ける工程が抜けている。
マヤ「熱した油で⋯⋯。へぇ~、そんな調理方法聞いた事無かったよ。この料理に合う調味料ねぇ。油を吸ってカリカリしたパンくずで覆ってあるみたいだし、豚肉だから⋯⋯。あ、醤汁の酸っぱい感じだったね。なら、これはどうだい?」
マヤさんが店の奥から壺を出そうとしているので、俺も手伝う。
マヤ「ありがとね。この3つの調味料を試してみるといいよ」
3種類もあるのか。マヤさんが小皿3つに少しずつ出してくれたので、順番に味見してみる。
ユナ「あ、タカシさん、私も」
ユナも順番に味見していく。左のは甘い感じで、真ん中のは普通、右のは少し辛いが、全部ソースだ。トンカツに掛けるなら真ん中だな。左のはタコ焼きソースで、右のは焼きそばソースって感じだ。
ユナ「黒ジョウ汁よりドロッとしてて酸っぱいんですね。タカシさん、これですか?」
「うん。この真ん中のがトンカツに合うソースだよ。でも左のも右のも他の料理に合うから、全部壺ごと売ってもらえますか?」
マヤ「ぜ、全部かい? あまり売れないから構わないけど、これも高価だよ? それに傷みやすいから、早く使わないといけないよ?」
「お金は大丈夫ですし、収納魔法で収納しておけば傷まないんです」
マヤ「そりゃ凄い魔法だねぇ。傷まないなんて、調味料の店をやってる私には羨ましいよ」
調味料は傷みやすい物もあるから、収納箱を作ってあげたら喜んでくれそうだな。
ユナ「タカシさん⋯⋯」
ユナも同じ事を思ったらしく、俺に目で訴えてくる。ユナにそんな目で見られたら、俺には逆らえないし、マヤさんは口が堅くていい人だから大丈夫だろう。
「内緒にしてくれるなら、収納魔法を付与した収納箱を作ってあげますよ。何か箱はありますか?」
マヤ「収納魔法を付与って、そんな事まで出来るのかい? それにそんな凄い魔道具を⋯⋯」
ユナ「私達も作ってもらったの」
マヤ「そうなのかい。ユナちゃん、幸せそうだね。私も安心だよ」
ユナ「マヤおばさん⋯⋯」
ユナと特別親しい関係みたいだな。後で詳しく聞いてみよう。
マヤさんが木箱を出してきたので、マヤさんしか使えないように収納魔法を付与して、試しに使ってもらった。
マヤ「こりゃ便利だね。いくらでも入って、しかも中の時間が止まるなんて、凄過ぎるよ」
「気に入ってもらえて良かったです」
マヤ「こんな便利な魔道具をくれた人からお金は貰えないから、調味料は持って帰っていいよ」
「いや、それはちょっと⋯⋯」
ユナ「マヤおばさん。タカシさんはそういうの困る人だから、普通にお会計して」
ユナは俺の気持ちがよくわかっている。今日買う調味料は全部高価だと言っていたしな。
マヤ「いや、でも⋯⋯。そ、そうかい?」
「はい。ちゃんと会計してもらわないと、次から買い物しにくいですよ。この店は、俺が欲しい調味料がたくさん売っているみたいだから、頻繁に買いに来ると思いますし」
マヤ「タカシさんは優しい人間男性なんだねぇ。ユナちゃんの事をよろしくお願いします」
え? なんか「娘を頼みます」、みたいな言い方だな。ユナとマヤさんは、そんな関係なんだろうか? ならエマちゃんの事を心配しているかも知れない。今は他にお客も居ないから大丈夫だろう。
俺は「念話」でエマちゃんに伝えてから、「透明」の魔法を解除した。
マヤ「え⋯⋯? え、エマちゃん!? 帰ってきたのかい?」
エマ「マヤおばさん!」
ずっと我慢していたのか、エマちゃんがマヤさんに駆け寄って抱き付いた。マヤさんは泣きながらエマちゃんを抱き締めている。
エマ「タカシさんに助け出してもらったの」
マヤ「そうかい。良かったね。ずっと心配してたんだよ。ユナちゃんが昔みたいに明るくなった訳がわかったよ」
「軍の関係者に見付かると危険なので、魔法で姿を消していたんです。ごめんねエマちゃん。我慢させちゃったね」
エマ「いえ、私が見付かるとみんなが危険だから仕方ないです」
マヤ「タカシさん、本当にありがとうございます。私は2人の親と幼馴染みで、2人の事を気にかけて欲しいって言われていたので⋯⋯」
「そうでしたか。2人の事は俺が守りますから安心してください。こう見えてもSSランクの冒険者なんですよ」
マヤ「SS⋯⋯。そりゃ安心だよ。タカシさんは獣人女性と仲良しなんだねぇ」
エマ「うん。とっても優しい人間男性なの」
マヤ「本当に良かったね」
エマちゃんとの再会を喜んでくれたマヤさんにお会計をしてもらうと、全部で金貨8枚だった。なかなか高価だが、5リットルくらい入る壺だし、あまり売ってない調味料だから高いとは思えない。
エマちゃんが嬉しそうなマヤさんに元気に手を振って、また「透明」の魔法をかけて店を出た。エマちゃんは俺の腕を抱き締めるようにくっついている。見えないから、足を踏まないように気をつけないと⋯⋯。
ミーシャ「つ、次は防具屋へ行きましょうか?」
ミーシャが我慢できないという感じで提案してきた。そんなに俺の鎧姿が見たいのか。今夜は鎧を着けてエッチしてあげよう。
ちょっと気になるので、防具屋に向かいながら、ユーリに小声で聞いてみる。
「ミーシャって、そういうエッチな本が好きだったりする?」
ユーリ「はい。ミーシャはカッコイイ人間男性の冒険者が、獣人女性を魔物から助けて、優しくエッチしてくれる内容の本が好きです。でも強い冒険者に無理矢理犯される本も、私の店で買っていました」
なるほど。そういうのに憧れているのか。イメクラみたいなエッチをするのも楽しいかもな。
ちなみにユナも同じようなエロ本が好きらしい。まさに俺に出会った時と同じ内容だ。アイリが好きなエロ本は、やはり変態な内容で、ユーリの口からは言えないという。なんか不安になってきた。ユーリが好きなエロ本は、次にエッチする時まで内緒らしい。不安だが、楽しみにしておこう。
防具屋に着くと、ミーシャが俺の腕に腕を絡めて、グイグイと引っ張って行くので、エマちゃんをユナに預けて、軽装鎧のコーナーへ向かった。
「あまり動きにくいのは困るから、軽装の鎧にしてね」
ミーシャ「はい♪ 強い冒険者ほど、鎧は軽装ですから」
そういうものか。確かに全身鎧姿のヤツは、見た目だけで弱いイメージがある。弱いから鎧で固めているんだろう。
ミーシャがかなり悩みながらいろいろ選んでいるので、俺も見てみる。軽装の鎧は、胸当てや肩当てがあり、あとの部分は革で出来ている感じだな。
ユナやアイリも付いて来たので、店の奥の高価な鎧コーナーにも行ってみる。ユーリは鎧に興味がないのか、アクセサリーみたいな物を見ている。なんで防具屋にアクセサリーが売っているんだろう?
ユナ達と奥に行くと、高そうだがカッコイイ軽装鎧がマネキンに飾られていた。黒や青の鎧もあり、凄くカッコイイ。深い青の胸当てを見てみると、金で縁取りされていて高級感がある。黒もカッコイイが、ちょっと怖い感じだな。
ミーシャ「あ、タカシさん。こっちにいらっしゃったんですね」
「ああ。鎧は選べた? 俺、この軽装鎧が気になってるんだけど⋯⋯」
ミーシャ「わぁぁぁ、深い青でカッコイイ! ちょ、ちょっと装備してみてくれませんか?」
ミーシャだけでなく、ユナとアイリも期待した顔で見てくるので、店員にマネキンから外してもらい、ミーシャに手伝ってもらいながら装備してみた。
ミーシャ達「「「わぁぁぁ、素敵♡」」」
ハモって歓声を上げたな。みんな鎧フェチなのか?
腕を振ったり、足を上げたりしてみたが、関節部分が革なので凄く動きやすい。悪くないな、これ。
店の大きな鏡で見てみるが、オスカルらしさが増している。まさに男装の麗人だ。これでギルドに行ったら、アイリスが何て言うだろう。
ユーリ「タカシさん、これを着けてみてくれますか?」
ん? 同じ深い青のイヤリングのような物をユーリが持ってきた。これを着けたら、益々オスカルにならないか?
よく見ると片方だけで、ピアスでもイヤリングでもなく、耳に掛けて着けるようだ。
みんな「「「きゃぁぁぁ、素敵♡」」」
みんなが悲鳴を上げた。エマちゃんの声も聞こえたぞ。
「これって、女性が着けるアクセサリーじゃないの?」
ミーシャ「それは火耐性の耳飾りで、装備すると火に強くなるので、男性冒険者が装備してても可笑しくないです」
アイリ「いろんな耐性の耳飾りがあって、本に登場する強い男性冒険者がよく装備しているんです」
ユナ「ペルセウス様ね!」
みんな「「「そう、ペルセウス様!」」」
ペルセウスって、メデューサの首を切り落としたギリシャ神話の⋯⋯。ユナ達の読むエロ本で、有名な冒険者みたいだ。
「気に入ったから、これにしようかな? ミーシャ、いいかな?」
ミーシャ「はい! で、でも、かなり高価ですが⋯⋯」
鎧の値段を見ると、金貨120枚だった。軽装なのに240万か。ちょっと高いけど、みんなが気に入ってくれているから、これにしよう。金の使い道もあまり無いしな。ちなみに耳飾りは金貨55枚もした。魔法が付与されてるから仕方ないが、魔法が付与できる俺には高いと感じるな。
鎧を脱いで会計してもらい、エマちゃんと手を繋いで外へ出た。みんなが鎧を着たままでと言ってきたが、次は服を買いに行くのでどうせ脱ぐから、と言って納得してもらった。
みんなで男性用の服屋へ行き、次々持って来られる服を着せ替え人形のように着せられ、明らかにみんなそれぞれの趣味が入った服を買わされた。
ああ、俺がみんなにエッチな服を選んでる時、こんな感じだったのか。いや、みんな嬉しそうだったから、今の俺とは少し違うな。みんなが嬉しそうだからいいが、流石にちょっと疲れた。
ユナ「タカシさん。し、下着も選んでいいですか?」
え? 下着って、トランクスみたいなのしか無い気がするんだが⋯⋯。俺も下着姿で試着した方がいいのか? いや、みんな欲情してしまうから止めておこう。
「う、うん、いいけど⋯⋯。お手柔らかにね」
そう言うと、みんなが男性用の下着コーナーへ行って物色し始めた。エマちゃんもユナと一緒に選んでいるようだ。
ハーフエルフの男性店員が何か言いたそうだが、俺が選んでもらっているので何も言って来ない。差別している訳じゃなく、人間男性に欲情する獣人女性が、人間男性用の下着を選んでいる事に問題があるんだろう。俺が居なかったら、人間男性用の下着を漁る変態獣人女性になってしまうな。
ユナ「タカシさん。こ、これを⋯⋯」
ユナが持ってきた下着は、いわゆるブーメランパンツだった。布面積が少ないし、お尻に食い込みそうだな。しかしTバックやオマンコ丸見えの下着をユナに選んだ俺に拒否権は無い。
「う、うん。あの、普通の下着も頼むね」
ユナ「あ、はい。すみません、興奮しちゃって⋯⋯」
まあユナ達の下着を選ぶ時に暴走していた俺に、文句を言う権利も無い。
それから、みんなが次々持ってくる下着を全部買う事にして、会計してもらうと金貨12枚だった。意外に人間男性用の服や下着は高いなと思ったが、ユナ達が選んだ服が高価な物ばかりだったようだ。なんでも、俺には高価な服を着て欲しいし、俺は高価な服を着るべきだと言う。
よくわからないが、金貨12枚なら別にいいだろう。王都の西区に行く事もあるから、あまり貧相な服を着ていると場違いになる。ハイデルベルク社長の所にも行かないといけないしな。
だが、手を繋いでいるエマちゃんがおっぱいを強く押し付けて、少し怯えている感じだ。大丈夫かな?
「エマちゃん、大丈夫?」
エマ「あ、はい。でもタカシさんのおチンチン以外は、ちょっと怖くて⋯⋯。でも興味もあります。タカシさんはエマにエッチな道具を使って欲しいですか?」
なんて可愛いんだこの子は。オナニーをした事ないから、いきなりエッチな道具をたくさん見せられて怖いんだな。
「いや、まだあまり使って欲しくないけど、俺がエマちゃんに使ってみたいかな」
エマ「タカシ様が⋯⋯エマにエッチな道具を⋯⋯♡ そ、それ、凄く興味があります!」
俺がエマちゃんに使うと言うと、急に欲情した感じになった。だがバイブはまだ早いな。俺のチンポでたくさんセックスしてからじゃないと嫌だ。アイリには使ってみたいな。バイブで激しく弄りながらチンポを咥えさせたい。
エマちゃんには、まだローターとかで十分だろう。ローターを手に取って見てみるが、ローターの形をしているだけで、別にブルブル震える機能は無いみたいだ。よく考えたら電池もないし、動くアダルトグッズなんて、魔法でも付与しないと無いよな。バイブもチンポの形をしているだけだ。
「アイリ。このバイブは何で出来てるの?」
アイリ「ばいぶ? これはニンチンっていって、オクトパースという海の生物の骨から出来ているんです」
に、ニンチン? 人間のチンポだからニンチン? なんて安易な名前だ。それにオクトパースって、たぶんタコだよな? タコって骨あったっけ? あったような気もするけど、こんなシリコンみたいな感触なのか。タコが居るならタコ焼き作りたいな。でもバイブの素材になるなら、なんか微妙だ。
「ニンチンというのか。あ、エマちゃんが発情期になった時、アイリが股間に着けてたな!」
アイリ「そ、そうですけど、忘れてくださいよぅ⋯⋯」
あの変態な姿は、流石に恥ずかしかったみたいだ。
ミーシャ「アイリったらタカシさんに出会う前、私にあの格好させて、セックスしてって言ってきたんです」
アイリ「ああぁぁ、ミーシャ! タカシさんに言わないでよ!」
凄いレズプレイだな。ミーシャは美人でカッコイイから、ちょっと気持ちはわかる。ミーシャと2人でアイリを攻める3Pとかしたら、変態なアイリが喜びそうだ。
ユーリ「この店なら、タカシさんの好きなウィードネクターも、たくさん種類がありますよ」
ユーリに案内されてウィードネクターコーナーへ行くと、匂い付きの物や、色が付いた物、それから粘度が細かく違う物なんかがあった。
ユーリ「精子みたいに見える、白いウィードネクターが1番人気なんです」
なるほど。ユナ達は精子を掛けられるのが好きだもんな。
「これでパイズリしたら、凄くイヤらしいだろうね」
ユーリ「はい。か、買いますか?」
「そうだな。少し買っておくよ。粘度はどれがいいかな?」
ユーリ「そうですねぇ。ねっとりした物からサラサラした物まで10種類ありますが、好みによるので⋯⋯。粘度4くらいが女性のエッチなお汁と同じくらいです」
流石ユーリ、詳しいな。愛液と同じなら、それがいいか。でも濃いのも買って、お風呂で薄めてソーププレイを⋯⋯。ヤバッ! 勃起してきた。
「粘度10と粘度4を買っておくよ」
白い粘度4を1ケースと、透明な粘度10を樽で買う事にして、他の商品も見に行く。
「水に濡れても大丈夫な、柔らかいマットみたいな物はないかな? お風呂で使いたいんだけど⋯⋯」
アイリ「あ、ありますよ! お風呂で使うエッチグッズコーナーに行きましょ!」
アイリに腕をグイグイ引っ張られ、2階に上がって行く。アダルトグッズに夢中で気付かなかったが、周りの客がみんな俺を欲情した顔で見ている。獣人女性やハーフエルフ女性ばかりだが、人間の女性も1人居るな。
やはり人間女性もオナニーくらいするから、エッチな道具に興味があっても不思議じゃない。ユナ達が凄くエッチだから、この世界の人間女性はエッチに興味がないような気がしていた。
オナホールみたいな物は売ってないから、人間男性はこういう店に来ないのかな?
「男性用のエッチな道具は無いの?」
ユーリ「獣人男性はオナニーしないですから、ハーフエルフ男性用のエッチな道具くらいしか見た事ないですね」
「人間男性用は無いの?」
アイリ「人間男性はこの店に来ないと思いますから、タカシさんが初めてじゃないですか?」
なんだと! それはちょっとマズくないか? 女性にエッチな道具を使う鬼畜だと思われてしまいそうだ。
「人間男性用のエッチな道具が売ってるお店もあるの?」
ユーリ「う~ん⋯⋯そう言えば、聞いた事ないですね」
詳しいユーリが知らないなら、無いのかも知れないな。でも人間男性も娼館とかに行くんだから、オナニーくらいしてるだろう。ジェニーなんて娼館の話ばかりしてるしな。
ハーフエルフ男性用のエッチな道具を見てみると、小さなオナホールだった。これもタコの骨から出来てるらしいが、小さいから俺のチンポは入らないな。
ユナ「タカシさんが射精したくなったら、いつでも私達に言ってください。エッチな道具なんかより気持ち良くしますから♡」
俺にはユナ達が居るから、オナホールなんて必要ないな。もうオナニーする気にならないし、俺がこっそりオナニーしてたら怒られそうだ。
「うん。ありがとうユナ」
嬉しそうなユナ達と、お風呂で使うエッチな道具コーナーへ行くと、正に俺が求めていたマットが飾ってあった。空気が入っていて、ソープのエアマットその物だ。
アイリ「どんな道具が欲しいんですか?」
「これだよ。これが欲しい!」
ユーリ「え? こ、これですか? これは前から飾ってあって、たぶん1つしか無いと思いますし、かなり高価ですよ?」
1つしか無いって、高価だからかな? 確かにあまりこの世界で見た事ない素材だ。空気を入れて膨らませる物も見た事ない。値段を見ると金貨8枚でなかなか高価だが、どうしても必要だから買わないとダメだ!
店主「ユーリちゃん、いらっしゃい。素敵な人間男性と一緒に来たって常連さんから聞いて、我慢できなくなって来ちゃった」
ユーリ「ミダラさん。あの、あまり騒がないでね。タカシさんが困っちゃうから」
ミダラさんって⋯⋯。名前の通り淫らなんだろうか。「鑑定」すると『ミダラ 夜魔族 女 134歳 魔法種火魔法』と出た。
夜魔族ってサキュバスだよな。なら名前の通りだと考えた方がいい。俺の事を素敵な人間男性と言っているから、つまみ食いされたりしないだろうか? 期待半分、不安半分な気持ちだ。
ミダラ「タカシさんっていうのね。そのお風呂用マットに興味があるなんて、やっぱり人間男性だわ」
妖艶な笑みを浮かべ、俺の身体を舐め回すように見ている。流石にユーリよりは小さいが、十分爆乳で露出の高い服を着ている。魔族だから134歳なのに30歳くらいにしか見えないな。それにサキュバスだからなのか、男を誘うフェロモンが出ているような見た目だ。
ユーリ「このマットって、人間男性がお風呂で使う物なの?」
ミダラ「そうよ。娼館に行くと、これをお風呂の床に敷いて使うの。ウィードネクターをお湯で薄めた物を娼婦が身体に塗って、男性の身体に密着するプレイがあるのよ」
流石サキュバス、詳しいな。マットプレイまで知っているとは。ユーリは知らなかったみたいだから、エロ本にマットプレイは出て来ないのかな? ミダラさんはユーリより詳しいから、店のオーナーみたいだ。
マットの説明をすると、他のお客に呼ばれて、ミダラさんが名残惜しそうに去っていった。
ユナ「タカシさん、そういうのがしたかったんですか?♡」
ユーリ「そう言えば、ウィードネクターをたくさん買って、お風呂でして欲しい事があるって⋯⋯♡」
バレてしまった。
「う、うん。実は⋯⋯。娼館には行った事ないけど、そういうプレイがあるって聞いてね」
ユナ「なら買ってください。ウィードネクターも買って、ヌルヌルプレイを⋯⋯♡」
アイリ「お風呂でウィードネクターまみれのエッチ⋯♡」
エマ「明日の夜は、一緒にお風呂に入ってくれるっておっしゃいましたよね?♡」
初のマットプレイはエマちゃんとか⋯。エマちゃんと初めてエッチするのに、マットプレイなんてしていいのかな? 優しくしてあげたいのに、暴走してしまいそうだ。
ユナ「エマが羨ましい⋯⋯」
エマ「誕生日だから⋯⋯。ごめんねお姉ちゃん」
ミーシャ「後で感想聞かせてね」
みんな欲情して盛り上がっている。ミダラさんに目を付けられたみたいだが、大丈夫かな?
「ミダラさんってサキュバスだよな? 俺、大丈夫かな?」
ユーリ「ミダラさんはこの店の店長なんです。確かにサキュバスですが、タカシさんが私達とセックスしてくれる人間男性だとバレなければ大丈夫だと思います」
バレるとヤバイのか。必要な物を買って、とっとと退散した方が良さそうだな。
ミーシャ「アイリ、余計な事を言わないようにね」
アイリ「わ、わかってるよぅ⋯⋯」
近くに居た獣人女性店員にマットを梱包してもらい、ウィードネクターとニンチン、あとローターも買って、ミダラさんから逃げるように店を出た。
ユーリ「ニンチンやクリボーまで買ったんですね」
クリボー? ローターはクリボーっていうのか。某ゲームに出てくる雑魚キャラみたいな名前だな。
「クリボーっていうんだな。実はあれに魔法を付与してみようと思ってね。楽しみにしてて」
ユーリ、アイリ「「わぁぁぁ♡」」
変態2人が嬉しそうに返事をした。エッチな道具を俺に使って欲しいみたいだな。
ブルブル震える魔法を、無種魔法の魔法書で見た気がする。役に立たない魔法だと思って読み飛ばしたが、意外な所で役に立つな。いや、それ以外の使い所が思い付かない。
エマちゃんにまた「透明」の魔法をかけて、今度はユナの案内で調味料屋に行った。
店主「あらユナちゃん。いらっしゃい」
店主らしき獣人女性が、親しい感じでユナに話し掛けた。ユナは常連みたいだな。「鑑定」すると、『マヤ 犬族の獣人 ♀ 52歳 魔法種無し』と出た。ケモ耳がゴールデンレトリバーみたいだ。
ユナ「今日はちょっと珍しい調味料を見せて欲しくて⋯⋯」
マヤ「珍しい? 変わった調味料って事ね。ユナちゃん、また新しい料理に挑戦するのかい?」
ユナ「そうじゃないんだけど、珍しい料理に合う調味料を探してらして⋯」
ユナが俺を店主に紹介するので、俺から名乗った。
「ユナの知り合いで、タカシっていいます。実は調味料を探してまして⋯⋯」
マヤ「ユナちゃん、こんな素敵な人間男性と知り合いなのかい? 羨ましいね」
ユナが照れている。犬族の獣人女性だが、結構歳上だから欲情している訳ではなさそうだ。
「黒ジョウ汁より塩気が強い、豆を発酵させた黒い調味料ってありませんか?」
マヤ「発酵させた? 凄い調味料を知っているんだねぇ。それって醤汁の事じゃないかい?」
醤汁? たぶん醤油だろう。あるのか?
店主「えーっとね⋯⋯。あぁ、これだ。これじゃないかい?」
茶色の壺を開けて、小皿に少し出してくれたので、小指に付けて舐めてみると、濃口醤油だった。探せばあるんだな。
「これこれ! これですよ! これ、壺ごと売ってもらえますか?」
マヤ「そりゃ構わないけど、これは黒ジョウ汁を作る時に、少しずつしか採れない物だから、少し高価だよ」
「お金はあるので大丈夫です。いや~、ずっと探してたんですよ!」
店主「そうかい、そうかい。お役に立てて良かったよ」
なんか世話好きな近所のおばさんって感じで親しみやすい人だな。
「あと、この醤汁に手を加えた、もう少し酸っぱい感じで、ドロッとした調味料はありますか?」
店主「う~ん、聞いた事ないけど、どんな料理に使うんだい?」
俺は少し興奮し、収納からトンカツを出した。
「この料理に掛けて食べたいんです」
マヤ「あ、あんた今、何処から出したんだい?」
しまった。トンカツソースが欲しくて、収納魔法を目の前で使ってしまった。
「あ、いや、俺は収納魔法が使えるんで⋯⋯。すみませんが内緒にしてもらえますか?」
マヤ「収納魔法が⋯⋯。凄い人間男性だねぇ。私は口が堅いから大丈夫だよ。それより美味しそうな匂いだ。食べていいかい?」
「ええ。食べてみて、これに合うソースを教えて欲しいです」
口が堅い人で助かった。マヤさんがトンカツを指で摘まんで食べる。
マヤ「んん~! これは⋯⋯豚肉かい? 凄く美味しい料理だねぇ」
ユナ「豚肉に卵を付けて、パンを細かく卸した物をまぶして、熱した油の中に入れて調理するの。油で揚げるっていう料理方法よ」
ユナが自慢気に説明しているが、小麦粉を付ける工程が抜けている。
マヤ「熱した油で⋯⋯。へぇ~、そんな調理方法聞いた事無かったよ。この料理に合う調味料ねぇ。油を吸ってカリカリしたパンくずで覆ってあるみたいだし、豚肉だから⋯⋯。あ、醤汁の酸っぱい感じだったね。なら、これはどうだい?」
マヤさんが店の奥から壺を出そうとしているので、俺も手伝う。
マヤ「ありがとね。この3つの調味料を試してみるといいよ」
3種類もあるのか。マヤさんが小皿3つに少しずつ出してくれたので、順番に味見してみる。
ユナ「あ、タカシさん、私も」
ユナも順番に味見していく。左のは甘い感じで、真ん中のは普通、右のは少し辛いが、全部ソースだ。トンカツに掛けるなら真ん中だな。左のはタコ焼きソースで、右のは焼きそばソースって感じだ。
ユナ「黒ジョウ汁よりドロッとしてて酸っぱいんですね。タカシさん、これですか?」
「うん。この真ん中のがトンカツに合うソースだよ。でも左のも右のも他の料理に合うから、全部壺ごと売ってもらえますか?」
マヤ「ぜ、全部かい? あまり売れないから構わないけど、これも高価だよ? それに傷みやすいから、早く使わないといけないよ?」
「お金は大丈夫ですし、収納魔法で収納しておけば傷まないんです」
マヤ「そりゃ凄い魔法だねぇ。傷まないなんて、調味料の店をやってる私には羨ましいよ」
調味料は傷みやすい物もあるから、収納箱を作ってあげたら喜んでくれそうだな。
ユナ「タカシさん⋯⋯」
ユナも同じ事を思ったらしく、俺に目で訴えてくる。ユナにそんな目で見られたら、俺には逆らえないし、マヤさんは口が堅くていい人だから大丈夫だろう。
「内緒にしてくれるなら、収納魔法を付与した収納箱を作ってあげますよ。何か箱はありますか?」
マヤ「収納魔法を付与って、そんな事まで出来るのかい? それにそんな凄い魔道具を⋯⋯」
ユナ「私達も作ってもらったの」
マヤ「そうなのかい。ユナちゃん、幸せそうだね。私も安心だよ」
ユナ「マヤおばさん⋯⋯」
ユナと特別親しい関係みたいだな。後で詳しく聞いてみよう。
マヤさんが木箱を出してきたので、マヤさんしか使えないように収納魔法を付与して、試しに使ってもらった。
マヤ「こりゃ便利だね。いくらでも入って、しかも中の時間が止まるなんて、凄過ぎるよ」
「気に入ってもらえて良かったです」
マヤ「こんな便利な魔道具をくれた人からお金は貰えないから、調味料は持って帰っていいよ」
「いや、それはちょっと⋯⋯」
ユナ「マヤおばさん。タカシさんはそういうの困る人だから、普通にお会計して」
ユナは俺の気持ちがよくわかっている。今日買う調味料は全部高価だと言っていたしな。
マヤ「いや、でも⋯⋯。そ、そうかい?」
「はい。ちゃんと会計してもらわないと、次から買い物しにくいですよ。この店は、俺が欲しい調味料がたくさん売っているみたいだから、頻繁に買いに来ると思いますし」
マヤ「タカシさんは優しい人間男性なんだねぇ。ユナちゃんの事をよろしくお願いします」
え? なんか「娘を頼みます」、みたいな言い方だな。ユナとマヤさんは、そんな関係なんだろうか? ならエマちゃんの事を心配しているかも知れない。今は他にお客も居ないから大丈夫だろう。
俺は「念話」でエマちゃんに伝えてから、「透明」の魔法を解除した。
マヤ「え⋯⋯? え、エマちゃん!? 帰ってきたのかい?」
エマ「マヤおばさん!」
ずっと我慢していたのか、エマちゃんがマヤさんに駆け寄って抱き付いた。マヤさんは泣きながらエマちゃんを抱き締めている。
エマ「タカシさんに助け出してもらったの」
マヤ「そうかい。良かったね。ずっと心配してたんだよ。ユナちゃんが昔みたいに明るくなった訳がわかったよ」
「軍の関係者に見付かると危険なので、魔法で姿を消していたんです。ごめんねエマちゃん。我慢させちゃったね」
エマ「いえ、私が見付かるとみんなが危険だから仕方ないです」
マヤ「タカシさん、本当にありがとうございます。私は2人の親と幼馴染みで、2人の事を気にかけて欲しいって言われていたので⋯⋯」
「そうでしたか。2人の事は俺が守りますから安心してください。こう見えてもSSランクの冒険者なんですよ」
マヤ「SS⋯⋯。そりゃ安心だよ。タカシさんは獣人女性と仲良しなんだねぇ」
エマ「うん。とっても優しい人間男性なの」
マヤ「本当に良かったね」
エマちゃんとの再会を喜んでくれたマヤさんにお会計をしてもらうと、全部で金貨8枚だった。なかなか高価だが、5リットルくらい入る壺だし、あまり売ってない調味料だから高いとは思えない。
エマちゃんが嬉しそうなマヤさんに元気に手を振って、また「透明」の魔法をかけて店を出た。エマちゃんは俺の腕を抱き締めるようにくっついている。見えないから、足を踏まないように気をつけないと⋯⋯。
ミーシャ「つ、次は防具屋へ行きましょうか?」
ミーシャが我慢できないという感じで提案してきた。そんなに俺の鎧姿が見たいのか。今夜は鎧を着けてエッチしてあげよう。
ちょっと気になるので、防具屋に向かいながら、ユーリに小声で聞いてみる。
「ミーシャって、そういうエッチな本が好きだったりする?」
ユーリ「はい。ミーシャはカッコイイ人間男性の冒険者が、獣人女性を魔物から助けて、優しくエッチしてくれる内容の本が好きです。でも強い冒険者に無理矢理犯される本も、私の店で買っていました」
なるほど。そういうのに憧れているのか。イメクラみたいなエッチをするのも楽しいかもな。
ちなみにユナも同じようなエロ本が好きらしい。まさに俺に出会った時と同じ内容だ。アイリが好きなエロ本は、やはり変態な内容で、ユーリの口からは言えないという。なんか不安になってきた。ユーリが好きなエロ本は、次にエッチする時まで内緒らしい。不安だが、楽しみにしておこう。
防具屋に着くと、ミーシャが俺の腕に腕を絡めて、グイグイと引っ張って行くので、エマちゃんをユナに預けて、軽装鎧のコーナーへ向かった。
「あまり動きにくいのは困るから、軽装の鎧にしてね」
ミーシャ「はい♪ 強い冒険者ほど、鎧は軽装ですから」
そういうものか。確かに全身鎧姿のヤツは、見た目だけで弱いイメージがある。弱いから鎧で固めているんだろう。
ミーシャがかなり悩みながらいろいろ選んでいるので、俺も見てみる。軽装の鎧は、胸当てや肩当てがあり、あとの部分は革で出来ている感じだな。
ユナやアイリも付いて来たので、店の奥の高価な鎧コーナーにも行ってみる。ユーリは鎧に興味がないのか、アクセサリーみたいな物を見ている。なんで防具屋にアクセサリーが売っているんだろう?
ユナ達と奥に行くと、高そうだがカッコイイ軽装鎧がマネキンに飾られていた。黒や青の鎧もあり、凄くカッコイイ。深い青の胸当てを見てみると、金で縁取りされていて高級感がある。黒もカッコイイが、ちょっと怖い感じだな。
ミーシャ「あ、タカシさん。こっちにいらっしゃったんですね」
「ああ。鎧は選べた? 俺、この軽装鎧が気になってるんだけど⋯⋯」
ミーシャ「わぁぁぁ、深い青でカッコイイ! ちょ、ちょっと装備してみてくれませんか?」
ミーシャだけでなく、ユナとアイリも期待した顔で見てくるので、店員にマネキンから外してもらい、ミーシャに手伝ってもらいながら装備してみた。
ミーシャ達「「「わぁぁぁ、素敵♡」」」
ハモって歓声を上げたな。みんな鎧フェチなのか?
腕を振ったり、足を上げたりしてみたが、関節部分が革なので凄く動きやすい。悪くないな、これ。
店の大きな鏡で見てみるが、オスカルらしさが増している。まさに男装の麗人だ。これでギルドに行ったら、アイリスが何て言うだろう。
ユーリ「タカシさん、これを着けてみてくれますか?」
ん? 同じ深い青のイヤリングのような物をユーリが持ってきた。これを着けたら、益々オスカルにならないか?
よく見ると片方だけで、ピアスでもイヤリングでもなく、耳に掛けて着けるようだ。
みんな「「「きゃぁぁぁ、素敵♡」」」
みんなが悲鳴を上げた。エマちゃんの声も聞こえたぞ。
「これって、女性が着けるアクセサリーじゃないの?」
ミーシャ「それは火耐性の耳飾りで、装備すると火に強くなるので、男性冒険者が装備してても可笑しくないです」
アイリ「いろんな耐性の耳飾りがあって、本に登場する強い男性冒険者がよく装備しているんです」
ユナ「ペルセウス様ね!」
みんな「「「そう、ペルセウス様!」」」
ペルセウスって、メデューサの首を切り落としたギリシャ神話の⋯⋯。ユナ達の読むエロ本で、有名な冒険者みたいだ。
「気に入ったから、これにしようかな? ミーシャ、いいかな?」
ミーシャ「はい! で、でも、かなり高価ですが⋯⋯」
鎧の値段を見ると、金貨120枚だった。軽装なのに240万か。ちょっと高いけど、みんなが気に入ってくれているから、これにしよう。金の使い道もあまり無いしな。ちなみに耳飾りは金貨55枚もした。魔法が付与されてるから仕方ないが、魔法が付与できる俺には高いと感じるな。
鎧を脱いで会計してもらい、エマちゃんと手を繋いで外へ出た。みんなが鎧を着たままでと言ってきたが、次は服を買いに行くのでどうせ脱ぐから、と言って納得してもらった。
みんなで男性用の服屋へ行き、次々持って来られる服を着せ替え人形のように着せられ、明らかにみんなそれぞれの趣味が入った服を買わされた。
ああ、俺がみんなにエッチな服を選んでる時、こんな感じだったのか。いや、みんな嬉しそうだったから、今の俺とは少し違うな。みんなが嬉しそうだからいいが、流石にちょっと疲れた。
ユナ「タカシさん。し、下着も選んでいいですか?」
え? 下着って、トランクスみたいなのしか無い気がするんだが⋯⋯。俺も下着姿で試着した方がいいのか? いや、みんな欲情してしまうから止めておこう。
「う、うん、いいけど⋯⋯。お手柔らかにね」
そう言うと、みんなが男性用の下着コーナーへ行って物色し始めた。エマちゃんもユナと一緒に選んでいるようだ。
ハーフエルフの男性店員が何か言いたそうだが、俺が選んでもらっているので何も言って来ない。差別している訳じゃなく、人間男性に欲情する獣人女性が、人間男性用の下着を選んでいる事に問題があるんだろう。俺が居なかったら、人間男性用の下着を漁る変態獣人女性になってしまうな。
ユナ「タカシさん。こ、これを⋯⋯」
ユナが持ってきた下着は、いわゆるブーメランパンツだった。布面積が少ないし、お尻に食い込みそうだな。しかしTバックやオマンコ丸見えの下着をユナに選んだ俺に拒否権は無い。
「う、うん。あの、普通の下着も頼むね」
ユナ「あ、はい。すみません、興奮しちゃって⋯⋯」
まあユナ達の下着を選ぶ時に暴走していた俺に、文句を言う権利も無い。
それから、みんなが次々持ってくる下着を全部買う事にして、会計してもらうと金貨12枚だった。意外に人間男性用の服や下着は高いなと思ったが、ユナ達が選んだ服が高価な物ばかりだったようだ。なんでも、俺には高価な服を着て欲しいし、俺は高価な服を着るべきだと言う。
よくわからないが、金貨12枚なら別にいいだろう。王都の西区に行く事もあるから、あまり貧相な服を着ていると場違いになる。ハイデルベルク社長の所にも行かないといけないしな。
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