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第一章 異世界の獣人女性

光魔法とリーダーのケモ耳女性

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 寝室でユナの中に2回出してから抱き合っていると、窓の外が暗くなっていた。まだ2人とも欲情が収まってなかったが、一応落ち着いた。

「そろそろ晩御飯にしようか?」

「はい。でも夜もまた可愛がってくださいね♡」

「もちろん。今日は先に夕食を食べてから、一緒にお風呂に入ろうか?」

「はい♡」

 ユナがチンポを口で綺麗にしてくれた後、二人とも濡れたタオルで身体を拭き、リビングに行く。
 収納からまた肉を出してユナに渡す。角切りにした肉もあるので、肉いっぱいのシチューを作ってくれるらしい。

 何もしないのは悪いので、俺は風呂に行き、「洗浄」と念じて風呂を綺麗にした後、風呂にお湯を溜めていく。ついでに「洗浄」で、風呂中を綺麗にした。掃除が楽過ぎる。服もパンツも一発じゃね? ユナは何で使わないんだろう? 基礎魔力ってのが足りないのかな?

 料理ができるまでの間に、付与魔法を試してみる。
 付与魔法の説明を読んだ時から考えていた事を実行する為、リビングに戻りユナに大きめの空箱がないか聞いたら、庭の納屋に大きめの木箱があると言うので、庭に行き納屋から木箱を出し「洗浄」をかけて綺麗にした。
 そのまま庭で木箱に手を当て「付与魔法」と念じるが、何も起こらない。あれ? またかよ! これ毎回めんどくさいな⋯。

「付与」「取り付け」「設置」「張り付け」⋯⋯ダメだ。発動しないな。
 なんだろうな? 魔法を付与するんだから⋯⋯。
「魔法付与」⋯⋯⋯木箱に触れている手が薄く光り「対象指定」と出た。このパターンか。対象を「収納魔法」にして木箱に付与した。これで何でも入る木箱ができたぞ!

 ユナ喜ぶかな~と考えながら、収納魔法を付与した木箱を台所に持っていき、ユナに説明した。

「え? じゃ、じゃあ、タカシさんの収納魔法と同じ事が、この木箱で出来るんですか?」

「そうだ! これに食材を入れておけば腐らないし、いくらでも入る」

「す、凄いです! 付与魔法も難しく、失敗が多いと聞いてます。だから魔道具は高価なんです。ましてや収納魔法の魔道具なんて凄すぎますよ!」

「一応やってみて。俺以外使えない可能性もあるから」

「どうやって使うのでしょう? 詠唱は?」

 詠唱か⋯。そうだったなぁ。木箱の蓋を開けてみると真っ暗だった。暗いというか闇のようだ。試しに近くに置いてあったファプールの実を入れてみると、魔法陣が浮かび、ファプールの実が消えた。

「ごめん、ちょっと待ってて。付与はできているけど、使い方がわからない」

 カッコ悪いな、俺⋯。ユナが喜ぶと思ってうかれていた。俺は念じるだけだから普通じゃない。ユナが料理を再開した。モフモフの尻尾が左右に振られ、つい目で追ってしまう。いかん! 今はそれ所じゃない!
 収納するのは蓋を開けて入れるだけだ。問題は出す時だな。俺の場合は「取り出し」だ。無種魔法の魔法書を取り出し探してみる。収納魔法なんて載ってるのかな? 
 しばらく探していると見付かった。長い詠唱の最後に「アウト」と書いてある。

「ユナ。木箱に手を当てて『アウト』と唱えてみてくれ。 ダメだったら、この無種魔法の魔法書に書いてある詠唱をしてみよう」

「はい」

 ユナが蓋の開いた木箱に手を当て、「アウト」と唱えた後こっちを見た。

「『ファプール』という文字が箱の中に見えます」

「『ファプール』と唱えてみてくれ」

 ユナが「ファプール」と唱えると、魔法陣が現れ、その上にファプールが出てきた。成功だ!

「凄いです! 私にも使えました。タカシさん凄過ぎです!」

「喜んでもらえた?」

「あたり前ですぅぅ♡ これは便利過ぎですよ! いくらでも収納できるのも凄いですが、食材が腐らないなんて最高ですよ! ここにある食材を貯蔵する為の魔道具は、中に氷魔法が付与されていて、食材や飲み物を冷やしたり凍らせたりできる物なんですが、お風呂にある魔道具と同じくらい高価なんです。でもこれはそれ以上ですよ!」

 冷蔵庫みたいな物があるんだな。ユナの家には高価な魔道具があるが、親が買ったのかな?

「喜んでもらえて良かった。あと何個か作って魔物の内臓を入れる箱や薬草を入れる箱にしようか?」

「いいですね、それ! 凄く便利です。薬草も新鮮な内に精製しないといけないので助かります」

「その食材を貯蔵する魔道具も親が買ったの?」

「いえ、これは精製した薬を売りまくって頑張って買いました。私は料理が好きなんで、どうしても欲しくて⋯。買うのに5年かかりました」

「この木箱には物を冷やしたりする効果は無いから、その魔道具で冷やしてから木箱に移したらいいよ。料理もたくさん作って入れておけば、作り立てをいつでも食べられる」

「そうでしたね! もう、素敵過ぎますよこの魔道具♡」

 ユナのテンションが爆上がりだ。尻尾を嬉しそうにブンブン振っている。付与魔法、使えるな。魔法を付与して魔道具作って高値で売る、なんて事もできそうだ。金に困ってる訳じゃないからやらないけど。

「とりあえず収納してる肉を全部入れておくから、好きに使って」

「はい。ファプールも傷みやすいので入れておきます。まだ森にたくさん生ってたから、明日また取ってきます。アイリが大好きなんですよ」

「ならユナが持ってる背負い袋に収納魔法を付与してあげるから、明日持って行くといい。いくらでも入るし、重くもならないから」

「ありがとうございますタカシさん♡ タカシさんと出会ってから毎日が夢のようです♡」

「人生は楽しいのが一番だよ」

 俺は庭の納屋へ行き、3個残ってた木箱全部に「洗浄」をかけ収納魔法を付与した。付与魔法を使えば、地球の機械より便利な物が作れそうだ。
 リビングに行き収納魔法を付与した木箱を置いて、ユナがいつも使っている背負い袋に「洗浄」を掛け、収納魔法を付与しておいた。

 料理ができるまで、ソファーに座って無種魔法の魔法書を読む。無種魔法だけは種類が多いから、役に立つ魔法を探すのが大変だ。
 魔法書を読んでいると、玄関のドアノッカーの音が激しく鳴った。アイリかな?

「ユナ! いたら開けて!」

 女性の声がする。やけに慌てているようだ。
 ユナが料理の火を止め、足早に玄関に向かいドアを開けると、アイリを抱えた獣人女性がいた。腕や足に切り傷があり、血を流している。抱えられているアイリはグッタリしたままだ。

 アイリを抱えた獣人女性は、髪は薄い金髪で短く、ボーイッシュな感じだが、アイリと同じくらいの巨乳で美人だ。髪と同じ色の猫っぽい耳が生えている。格好はアイリと同じように、民族衣装の上に鉄の胸当てと肩当てと膝当てで、大きな大剣を背中に背負っていた。冒険者だな。かなり息があがっている。
 一瞬俺を見てビックリしたが、すぐにユナに視線を移し、家の中に入ってきた。

「ミーシャ! 酷い怪我。大丈夫? アイリはどうしたの?」

「はぁはぁ⋯ユナ! アイリがブラウンスネークの魔物に噛まれて毒をもらったの。あんたなら、解毒薬を作れない?」

「ブラウンスネークの毒! 解毒薬を精製するには時間がかかるわ。解毒薬用の薬草はあるけど、ブラウンスネークの毒には効かないかもしれない。それに作っても間に合わないよ!」

「あんたならって思ったんだけど⋯。どうしよう⋯、アイリが! アイリが!」

 2人とも泣いてしまっている。解毒魔法なら俺が使えるはずだ。

「ユナ、俺が診てみるよ」

「え? タカシ⋯さん?」

 説明してる場合じゃないので、驚く獣人女性に構わず、彼女が抱えたままのアイリに手をかざし、「解毒」と念じてアイリを指定した。手が薄く光り、その光がアイリに吸い込まれていく。するとアイリが目を開け、パチパチと瞬きをした。

「あれ? ここは? タ、タカシさん⋯♡」

「大丈夫そうだな、良かったぁ」

 ユナとアイリを抱えた獣人女性が固まっている。

「え? ユナ? ミーシャ? どうしたの?」

 アイリが訳がわからずあたふたしている。

「あ、あの⋯タカシさん? 今のは⋯?」

「解毒魔法だよ。間に合って良かったぁ。ええっと、ミーシャさん? あなたも酷い怪我だから治してあげるよ。アイリ、降りて」

「あ、はい⋯⋯」

 抱えられていたアイリがミーシャさんから降りる。まだ固まっているミーシャさんに構わず手をかざした。
 かなり深い傷だから「治癒」ではダメだろう。「完治」と念じてミーシャさんを指定した。同じように手の光がミーシャさんの身体に吸い込まれ、腕と足の切り傷が逆再生のように治っていく。

「え? あれ?⋯⋯⋯治ってます!」

 ようやく我に返ったミーシャさんが、自分の身体を確めてビックリしている。

「大丈夫? もうどこも痛くない?」

「は、はい! ありがとう⋯ございました」

 ミーシャさんが深く頭を下げる。全員状況が飲み込めてないこの空気⋯どうしたらいいのか。治癒魔法はあるんだから、そんなに驚く事なのかな?

「えっと、ユナ? とりあえず晩御飯食べようか? もうできた?」

「はい、もう少しでできます。2人も食べる?」

「「う、うん⋯」」

 状況が飲み込めてないアイリとミーシャさんが、リビングの隅に着ていた鎧を外し、剣を置いて洗面所に去って行った。
 俺が食卓用のテーブルに皿やコップを4人分並べていると、ユナが尊敬したような表情で話し掛けてきた。

「タカシさん、光魔法が使えるんですね。無種魔法も使えて光魔法まで⋯。解毒魔法も特殊な鍛練を積んだ人しか使えないはずですよ。昼間にタカシさんが言ってた事がわかりました」

「まあそういう事だ。馴れてもらうしかない。あの2人には何て説明しようかな⋯⋯」

「ミーシャはアイリの冒険者パーティーのリーダーで、仲間思いのしっかりした子ですから大丈夫です。ましてやタカシさんのような人間の男性の事を言い触らしたりしませんよ」

「ユナがそう言うなら安心だ。あの子は何の獣人なの?」

「ミーシャはライオン族の獣人で、Aランクの冒険者なんです」

「Aランクか⋯。強いんだな」

 料理ができたのでテーブルに並べていると、アイリとミーシャさんが戻ってきた。

「ユナごめん。タオル借りた」

「うん、いいよ」

「あの、アイリと私を助けてくれて、ありがとうございました。 私はミーシャ。パーティーのリーダーをしています」

「ああ、気にしないで。俺はアカギ タカシ。ユナとアイリと仲良くさせてもらってるんだ」

「あの、獣人の女の私が一緒のテーブルで食事をして平気ですか?」

「もちろん大丈夫だよ。俺は獣人女性に嫌悪感とか無い人間だから、一緒に食べてくれたら嬉しいよ」

「そ、そうですか♡ タカシさんのような人間の男性と、同じテーブルで食事をできて光栄です♡」

 全員でテーブルについた。俺の隣にユナ、向い側にアイリとミーシャさんが座った。
 俺が「いただきます」と言うと、ケモ耳美女3人が「「「いただきます」」」と言って夕食は始まった。

「凄いご馳走ね。バッファローの肉なんて久しぶりだわ。しかもこんなたくさん⋯。いいの?」

 前のアイリと同じ反応だな。ライオン族ならアイリ以上に肉を食べるだろう。

「それはタカシさんが狩った物よ」

「肉はたくさんあるから、遠慮しないで食べてくれていいよ」

「そうなんですね。ありがとうございます」

 ミーシャさんが嬉しそうに肉にかぶりついていると、隣のアイリが申し訳なさそうに俺を見ていた。

「タカシさん。ミーシャから聞きました。あたしの毒を解毒してくれて、ありがとうございました。命を助けてもらったのにお礼が遅れてすみません。あたし、ブラウンスネークに噛まれてから記憶がなくて⋯」

「俺とアイリの仲じゃないか。気にしないで。助けられて良かったよ」

 エッチしてアナルまで舐めた仲だからな。

「⋯⋯タカシさん♡」

 目を潤ませて照れているアイリを見て、ミーシャさんが訝しんでいる。

「それにしても解毒魔法が使えるなんて、タカシさんって凄いんですね。私の傷も凄く深かったはずなんですが⋯。かなり光魔法の鍛練をされたのですね。詠唱無しで魔法を行使されるなんてビックリしました」

「そうだ! 詠唱無しだった! そんな事ができる人いるんですね」

 失念していたが、詠唱無しって目立つな。でも念じるだけだし、逆に詠唱しても魔法使えないんだよな。

「うん、まあ⋯あれくらいは⋯ははは」

 乾いた笑いを浮かべる俺の隣で、ユナが何とも言えない顔をしている。

「あの、こんな事聞いていいかわからないんですが、ユナとアイリとは、どういった経緯で知り合いに?」

 ユナとアイリが動揺しながら答える。

「わ、私は森でガイズベアーの亜種に襲われている所を助けてもらったの♡」
「あ、あたしは、ユナの家に遊びに来たらタカシさんがいて、その⋯仲良くしてもらって⋯♡」

 2人とも怪しすぎるぞ。普通に答えなさいな。

「ガイズベアーの亜種!? だ、大丈夫だったの?」

「うん。襲われる前にタカシさんが倒してくれたから⋯♡」

 ミーシャさんが目を見開いて俺を見ている。

「凄過ぎですね、それ! 1人でガイズベアーの亜種を倒す人なんて、聞いた事ないですよ!」

 みんなビックリするけど、刀一人振りだったから、ガイズベアーの凄さがさっぱりわからないんだよな⋯。

「いやぁ、まあ⋯ははは」

 何を言ってもボロが出そうだ。もう開き直る方が楽だな。ユナの話じゃミーシャさんは大丈夫そうだけど、ユナとアイリとエッチしまくった事だけは内緒にしとこう。でも2人の反応からバレそうだな⋯。2人とも隠せてなさ過ぎる。

「あの⋯よ、良かったら、私とも仲良くしてくださいませんか?」

「もちろん。こちらこそよろしく!」

 と言って手を差し出すと、頬を赤く染めておずおずと手を握ってくれた。

「私の事も2人のように、ミーシャって呼び捨てにして欲しいです♡」

「うん、ミーシャ。仲良くしよう」

 そうして楽しく話しながら夕食を食べていって、ご馳走がなくなると、ユナがファプールの実を切ってデザートに出してくれた。

「わぁぁ♡ ファプール! 新鮮で美味しそう♪」

 アイリが嬉しそうに言った。ユナがアイリの好物だって言ってたもんな。ミーシャも嬉しそうに食べている。肉食なのに木の実も好きなんだな。そこは女の子って事か⋯。

「まるで捥ぎたてみたいに美味しいね♡」

「今日、森の中でたくさん生ってるの見つけたの。明日も採ってくるよ」

「あんまり採っても傷んじゃうよ?」

「それは大丈夫だから♪」

「そうなの? ならいいけど⋯。それよりユナ。きょ、今日も泊まってもいい?」

 顔を真っ赤にしながら俺を見て言うなよ⋯。考えてる事がバレバレだ。またミーシャが訝しんでいる。

「え? なんで? あんた帰らなくていいの?」

 ミーシャがアイリに不思議そうに聞いている。

「う、うん。今日はその⋯泊まりたくなっちゃって⋯♡」

 アイリが銀色のケモ耳をピクピク動かし、真っ赤な顔で手をモジモジさせ、俺を上目遣いで見ながら言った。

「あんたさっきから何かおかしいよ? お酒も飲んでないのに顔が真っ赤だし⋯。毒が抜けきってないんじゃないの? もう一回解毒魔法かけてもらう?」

「ち、違うよ! タカシさんに失礼でしょ!」

「泊まるのは別に構わないよ。ね? タカシさん♡」

 俺に確認したらおかしいでしょうが。ダメだこの2人。欲情してポンコツになっている。

「なんでタカシさんに聞くの? ねぇ2人とも、私に何か隠してない?」

 真っ赤な顔で目を逸らす2人。もう無理だろう。
 俺から言うか⋯⋯。

「ミーシャ。俺は今、ユナの家に住ませてもらってるんだ」

「ええぇぇぇ!! それってどういう⋯?」

「つまりその、なんて言うか⋯。一緒に風呂に入って、一緒のベッドで⋯⋯寝てる」

「え? え? ええぇぇぇぇ! 何それ! ユナ! アイリ! あんたたちだけ⋯⋯ずるい!」

「いや、隠してた訳じゃないんだけど⋯」
「とりあえず落ち着いて、ミーシャ」

 2人がしどろもどろになっている。今日はユナとお風呂プレイをする予定だったんだが⋯。

「タカシさん! あ、あの⋯あの⋯。わ、私はダメ⋯ですか? 私も⋯私もぉ⋯♡」

 チラっとユナとアイリを見ると、「やれやれ仕方ない」みたいな顔をしている。おいっ!

「ミーシャさえ良ければ、いいよ、俺は。ミーシャも美人だし、魅力的だから」

「⋯⋯っ♡♡♡ ありがとうございます♡」

 ミーシャが満面の笑みを浮かべ感激している。今日は4Pか⋯。朝になったら干からびているんじゃないだろうか。
 とりあえず夕食の食器を洗って片付けたら、4人でお風呂に入る事になった。
 この家のお風呂は大きいから余裕だな。
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