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第33話 異形の軍勢
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荒野を往く数多の異形達。細長くも筋肉質な六脚で高速移動するソレは、胴体こそ蜘蛛にも似た丸みを帯びた楕円状であるが、その前方部からヒトの上半身が生えており出来損ないのケンタウロスのようでもある。
自然の中で育まれたとは思えない歪さは芸術性すら感じさせるも、光を反射しない漆黒の目には感情は無く、自動機械に似た無機質さで一様に同じ目的地を目指していた。
マリカ達の住む、フリーデブルクへと……
夕刻、店内の改装を終えたマリカは一息ついてカウンター内の椅子に腰かける。エーデリアやカティアの協力を受けたことにより清掃まで完了し、これなら明日から営業再開できることだろう。
「お疲れ様です、マリカ様。すっかりお店の中が綺麗になって、アオナ様も驚かれることでしょうね」
「陳列もキチンとやり直したし、これで少しはお客さんも商品を見やすくなったかな。ホント、以前までのウチの店の雑多さはなんだったんだ……」
後はバニースーツを纏うカティアの集客効果を確かめ、今後の経営を姉と相談すればいい。その姉はまだ酔いつぶれているので今日は不可能だろうが。
「よし、じゃあカティア用の装備修復を再開しようか。さっき倉庫から見つけたコレを使えるんでしょ?」
マリカが店の奥に置いてある二門の大型魔道キャノンを指さす。この装備はオプションユニットのタンクパックと併用して使用できる魔道兵器であり、カティアの武装を充実させることも魔物から身を守るために必要なのだ。
「さあ、いくよ…リペアスキル!」
迸る青白い閃光が大型魔道キャノンを包み込み、ヒビ割れていた外装から一切のキズが消え去る。これで再び使用可能になって、タンクパックを着用したカティアの背中に当てがう。
「認証完了。大型魔道キャノンも稼働状態は良好です」
「キャノンパックの魔道キャノンよりも重いのに、上手く戦場で使えるかな?」
「問題ありません。無限軌道の積載重量なら、ある程度の機動性を維持したまま運用できます」
正座のように脚を折りたたみ、ふくらはぎに取り付けられた無限軌道が接地する。そして履帯を動かすことで大型魔道キャノンを背負ったまま素早く方向転換してみせた。
「これなら戦場においても多数の敵と渡り合えますよ。接近された場合に備えて杖や剣といった魔具も搭載すれば遠近両方に対応可能になります」
「ますますカティアが兵器化していく……」
「こうした攻撃型オプションユニットは本来、戦闘用アンドロイドのために開発されたものですが、わたしのようなメイド型とも規格が共有されていて良かったと思います。これで大切なマリカ様をお守りすることができますから」
物騒な装備で全身を固めながらもカティア本来の明るい笑顔は失われていない。武器は人の心を攻撃的にするが、マリカを守るという確固たる目標のあるカティアの思考が乱れることはないのだ。
「旧世界には他にも様々なオプションユニットが存在していたので、全てコンプリートできたらいいですね」
「集めてコレクションアイテムとして並べて飾るか」
このような物騒な装備は世界が平和になれば無用の長物と化して、それこそ旧世界の史料としてコレクトアイテムのような扱いにもなるだろう。しかし現実として魔物という脅威が人類の前から消えるなど有り得ない話であり、これからも対魔物の切り札として有効活用されていくのは間違いない。
「さて…お姉ちゃんはいい加減に酔いは醒めただろうか」
アオナの様子を見に行こうとした時、外が何か騒がしいことに気が付いたマリカは店の扉を開ける。
「なんだ? 人が逃げていく……」
店前の路地を荷物を担いだ人々が足早に歩いていた。どうやら皆は街の中心地を目指しているようで、この光景にマリカはハッとしてカティアの元に戻る。
「カティア、この街に魔物が近づいているらしいよ」
「魔物がですか?」
「非戦闘員の一般市民は街の中心区画にある避難所に向かっているみたい。これは魔物の襲撃が発生した場合に定められていることなんだ」
「緊急避難行動ということですね」
魔物を街の外で食い止められればいいのだが、防衛線を突破されて侵入を許してしまうこともある。そうした場合に市民が自宅に残っているのでは魔物の餌食になるし、魔導士も戦闘がしにくい。そのことから街の中心区画には巨大な避難スペースが設けられており、市民には避難義務が課せられている。
「魔物の相手は基本的に防衛隊が担当するんだけど、私のような防衛隊に所属していない魔導士にも協力要請がくるんだ。そして援護や避難した人達の護衛を行うの」
街への魔物の襲撃は災害のようなもので、時折発生して人々を恐怖に陥れる。災害では救助隊が活躍するが、こういう場合は魔物に対抗する力を持った魔導士の出番であり、マリカのような魔導士も防衛隊の支援として参加することがあるのだ。
マリカは急いでアオナを叩き起こし、自身の魔具である剣を担ぐ。
「ほら、お姉ちゃんも急いで!」
「んにゃ…眠いですぅ、マリカちゃ~ん」
「まったくダメ人間なんだから…!」
引きずるようにして姉を寝室から運び出し、タンクパックを装備したままのカティアと共に店を出る。
見た所、避難は順調に進んでいるようで大きな混乱も無い。魔物の襲撃はそれほど大規模ではないのだろうかという楽観的な考えにマリカは囚われそうになるも、戦闘では何が起こるか分からないのだと肝に銘じて気を引き締めた。
「おーい! ここにいたか、マリカ。魔物が近づいてきているってさ」
「カナエか。魔物の接近は確かなんだね?」
「間違いないよ。西灯台の篝火台に火が灯されたんだ」
「西灯台か……」
少し前、アオナの紹介で西灯台の篝火台を修復する仕事を請け負ったのがマリカだ。その時の事を思い出し、自分の仕事が役に立ったことを実感する。もしマリカが修復しなければ今も破損したままで、魔物の襲撃を街に知らせることはできなかっただろう。
「私の仕事が無駄ではなかったって嬉しいことだけど……」
「マリカ様のリペアスキルが皆さんの命を救ったのですね!」
「大袈裟だよ。まだ魔物を退けたわけじゃないからね」
「きっと魔物だって倒せます。わたしも頑張りますから!」
「だね。一緒に頑張ろう」
しかも今回はマリカ達だけでなく大勢の魔導士達が戦列を形成するわけで、この思い入れのある街を守るため、そして大切な人を守るためにも全員が死力を尽くして戦うのだから簡単に負けることはないだろう。
「カナエも防衛隊に協力するんでしょ?」
「まあな。エーデリアにカッコイイところを見せてやりたいし」
「エーデリアとシェリーさんはドコに?」
「二人とも先に行ってるよ。西門で防衛隊以外の魔導士を集めているんだ。そこで合流する手筈だよ」
「じゃあ私達も行こう」
マリカはアオナを背負い上げ、カナエとカティアと共に街の西門へと急行する。
既に西門には魔導士達が多数集合しており、そこに役所の保安課に所属しているバタムの姿があった。彼女がアオナを通じてマリカに篝火台の修復を依頼した人物で、マリカ達を見つけて手を振っている。
「お久しぶりです、マリカさん。来て下さったのですね」
「有事の際には協力するとお約束しましたからね。それと、ちゃんと姉も連れてきました」
「アオナさん、酔っているようですが……」
まだ酒臭さを漂わせている姉にウンザリしながら、マリカは身内の恥をあまり晒したくないとドサッと地面に降ろして座らせておく。
「そ、それはともかく、私達はどこで戦えばいいですか?」
「防衛隊は最前線部隊として西灯台に配置されていますので、皆さんには街の外郭付近で待機していただきたい。前衛を突破して魔物が街に近づいてきた際に迎え撃ってほしいのです」
「最終防衛ラインを担当するということですね」
「はい。街への魔物の侵入を許すわけにはいかないので、皆様こそが文字通り最後の砦となるわけです」
前線での迎撃をすり抜けて街まで魔物が辿り着いてしまった場合、それを阻止するのがマリカ達に与えられた役目であり、かなり責任重大だと言える。もしマリカ達が魔物を取り逃がしてしまったら街に甚大な被害が出てしまうのだ。
「マリカさん達もいらっしゃったのですね。って、アオナ……」
甲冑に身を包んだシェリーがエーデリアを引き連れて合流した。こういう時に王都騎士団のシェリーは心強く、今この時に居てくれて良かったとマリカ達は思う。
「シェリーさん、お姉ちゃんは戦えるか分かりません……」
「大丈夫です。尻を引っ叩いてでも戦場に連れていきます」
シェリーはアオナに肩を貸し、マリカにウインクする。彼女もまたアオナの扱いには慣れているだろうから、このまま任せてしまってもいいだろう。
「シェリーは尻を叩くよりも叩かれるほうが好きなクセに~」
「う、うるさいですね! さっさと目を覚ましてホラ!」
アオナはボケたままだが異形の軍勢は着実にフリーデブルクへ近づいている。
西門が開かれ、集まった魔導士達と共にマリカも仲間と出陣していくのだった。
自然の中で育まれたとは思えない歪さは芸術性すら感じさせるも、光を反射しない漆黒の目には感情は無く、自動機械に似た無機質さで一様に同じ目的地を目指していた。
マリカ達の住む、フリーデブルクへと……
夕刻、店内の改装を終えたマリカは一息ついてカウンター内の椅子に腰かける。エーデリアやカティアの協力を受けたことにより清掃まで完了し、これなら明日から営業再開できることだろう。
「お疲れ様です、マリカ様。すっかりお店の中が綺麗になって、アオナ様も驚かれることでしょうね」
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後はバニースーツを纏うカティアの集客効果を確かめ、今後の経営を姉と相談すればいい。その姉はまだ酔いつぶれているので今日は不可能だろうが。
「よし、じゃあカティア用の装備修復を再開しようか。さっき倉庫から見つけたコレを使えるんでしょ?」
マリカが店の奥に置いてある二門の大型魔道キャノンを指さす。この装備はオプションユニットのタンクパックと併用して使用できる魔道兵器であり、カティアの武装を充実させることも魔物から身を守るために必要なのだ。
「さあ、いくよ…リペアスキル!」
迸る青白い閃光が大型魔道キャノンを包み込み、ヒビ割れていた外装から一切のキズが消え去る。これで再び使用可能になって、タンクパックを着用したカティアの背中に当てがう。
「認証完了。大型魔道キャノンも稼働状態は良好です」
「キャノンパックの魔道キャノンよりも重いのに、上手く戦場で使えるかな?」
「問題ありません。無限軌道の積載重量なら、ある程度の機動性を維持したまま運用できます」
正座のように脚を折りたたみ、ふくらはぎに取り付けられた無限軌道が接地する。そして履帯を動かすことで大型魔道キャノンを背負ったまま素早く方向転換してみせた。
「これなら戦場においても多数の敵と渡り合えますよ。接近された場合に備えて杖や剣といった魔具も搭載すれば遠近両方に対応可能になります」
「ますますカティアが兵器化していく……」
「こうした攻撃型オプションユニットは本来、戦闘用アンドロイドのために開発されたものですが、わたしのようなメイド型とも規格が共有されていて良かったと思います。これで大切なマリカ様をお守りすることができますから」
物騒な装備で全身を固めながらもカティア本来の明るい笑顔は失われていない。武器は人の心を攻撃的にするが、マリカを守るという確固たる目標のあるカティアの思考が乱れることはないのだ。
「旧世界には他にも様々なオプションユニットが存在していたので、全てコンプリートできたらいいですね」
「集めてコレクションアイテムとして並べて飾るか」
このような物騒な装備は世界が平和になれば無用の長物と化して、それこそ旧世界の史料としてコレクトアイテムのような扱いにもなるだろう。しかし現実として魔物という脅威が人類の前から消えるなど有り得ない話であり、これからも対魔物の切り札として有効活用されていくのは間違いない。
「さて…お姉ちゃんはいい加減に酔いは醒めただろうか」
アオナの様子を見に行こうとした時、外が何か騒がしいことに気が付いたマリカは店の扉を開ける。
「なんだ? 人が逃げていく……」
店前の路地を荷物を担いだ人々が足早に歩いていた。どうやら皆は街の中心地を目指しているようで、この光景にマリカはハッとしてカティアの元に戻る。
「カティア、この街に魔物が近づいているらしいよ」
「魔物がですか?」
「非戦闘員の一般市民は街の中心区画にある避難所に向かっているみたい。これは魔物の襲撃が発生した場合に定められていることなんだ」
「緊急避難行動ということですね」
魔物を街の外で食い止められればいいのだが、防衛線を突破されて侵入を許してしまうこともある。そうした場合に市民が自宅に残っているのでは魔物の餌食になるし、魔導士も戦闘がしにくい。そのことから街の中心区画には巨大な避難スペースが設けられており、市民には避難義務が課せられている。
「魔物の相手は基本的に防衛隊が担当するんだけど、私のような防衛隊に所属していない魔導士にも協力要請がくるんだ。そして援護や避難した人達の護衛を行うの」
街への魔物の襲撃は災害のようなもので、時折発生して人々を恐怖に陥れる。災害では救助隊が活躍するが、こういう場合は魔物に対抗する力を持った魔導士の出番であり、マリカのような魔導士も防衛隊の支援として参加することがあるのだ。
マリカは急いでアオナを叩き起こし、自身の魔具である剣を担ぐ。
「ほら、お姉ちゃんも急いで!」
「んにゃ…眠いですぅ、マリカちゃ~ん」
「まったくダメ人間なんだから…!」
引きずるようにして姉を寝室から運び出し、タンクパックを装備したままのカティアと共に店を出る。
見た所、避難は順調に進んでいるようで大きな混乱も無い。魔物の襲撃はそれほど大規模ではないのだろうかという楽観的な考えにマリカは囚われそうになるも、戦闘では何が起こるか分からないのだと肝に銘じて気を引き締めた。
「おーい! ここにいたか、マリカ。魔物が近づいてきているってさ」
「カナエか。魔物の接近は確かなんだね?」
「間違いないよ。西灯台の篝火台に火が灯されたんだ」
「西灯台か……」
少し前、アオナの紹介で西灯台の篝火台を修復する仕事を請け負ったのがマリカだ。その時の事を思い出し、自分の仕事が役に立ったことを実感する。もしマリカが修復しなければ今も破損したままで、魔物の襲撃を街に知らせることはできなかっただろう。
「私の仕事が無駄ではなかったって嬉しいことだけど……」
「マリカ様のリペアスキルが皆さんの命を救ったのですね!」
「大袈裟だよ。まだ魔物を退けたわけじゃないからね」
「きっと魔物だって倒せます。わたしも頑張りますから!」
「だね。一緒に頑張ろう」
しかも今回はマリカ達だけでなく大勢の魔導士達が戦列を形成するわけで、この思い入れのある街を守るため、そして大切な人を守るためにも全員が死力を尽くして戦うのだから簡単に負けることはないだろう。
「カナエも防衛隊に協力するんでしょ?」
「まあな。エーデリアにカッコイイところを見せてやりたいし」
「エーデリアとシェリーさんはドコに?」
「二人とも先に行ってるよ。西門で防衛隊以外の魔導士を集めているんだ。そこで合流する手筈だよ」
「じゃあ私達も行こう」
マリカはアオナを背負い上げ、カナエとカティアと共に街の西門へと急行する。
既に西門には魔導士達が多数集合しており、そこに役所の保安課に所属しているバタムの姿があった。彼女がアオナを通じてマリカに篝火台の修復を依頼した人物で、マリカ達を見つけて手を振っている。
「お久しぶりです、マリカさん。来て下さったのですね」
「有事の際には協力するとお約束しましたからね。それと、ちゃんと姉も連れてきました」
「アオナさん、酔っているようですが……」
まだ酒臭さを漂わせている姉にウンザリしながら、マリカは身内の恥をあまり晒したくないとドサッと地面に降ろして座らせておく。
「そ、それはともかく、私達はどこで戦えばいいですか?」
「防衛隊は最前線部隊として西灯台に配置されていますので、皆さんには街の外郭付近で待機していただきたい。前衛を突破して魔物が街に近づいてきた際に迎え撃ってほしいのです」
「最終防衛ラインを担当するということですね」
「はい。街への魔物の侵入を許すわけにはいかないので、皆様こそが文字通り最後の砦となるわけです」
前線での迎撃をすり抜けて街まで魔物が辿り着いてしまった場合、それを阻止するのがマリカ達に与えられた役目であり、かなり責任重大だと言える。もしマリカ達が魔物を取り逃がしてしまったら街に甚大な被害が出てしまうのだ。
「マリカさん達もいらっしゃったのですね。って、アオナ……」
甲冑に身を包んだシェリーがエーデリアを引き連れて合流した。こういう時に王都騎士団のシェリーは心強く、今この時に居てくれて良かったとマリカ達は思う。
「シェリーさん、お姉ちゃんは戦えるか分かりません……」
「大丈夫です。尻を引っ叩いてでも戦場に連れていきます」
シェリーはアオナに肩を貸し、マリカにウインクする。彼女もまたアオナの扱いには慣れているだろうから、このまま任せてしまってもいいだろう。
「シェリーは尻を叩くよりも叩かれるほうが好きなクセに~」
「う、うるさいですね! さっさと目を覚ましてホラ!」
アオナはボケたままだが異形の軍勢は着実にフリーデブルクへ近づいている。
西門が開かれ、集まった魔導士達と共にマリカも仲間と出陣していくのだった。
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