304 / 406
因縁に決着をつける吸血少女
不吉の森
しおりを挟む
レイドエリアに挑む日がやってきた。『不吉な森』と『死霊術士の墓場』の二ヶ所だけど、今日は不吉の森に向かう。不吉の森がある場所は、ジャングルだ。身近なレイドエリアという事で有名らしい。
アク姉達が挑戦してこなかったのは、レイドエリアという事もあって警戒していたからだそうだ。私は、存在すら知らなかったけど。
「ハ~ク~ちゃ~ん!」
ログインした先にいたアク姉に捕まる。そのまま集会場まで連れて行かれて、膝の上で頭を撫でられる。
「おはよう、アク姉」
「おはよう。今日はよろしくね」
「うん。皆は?」
「もうそろそろ来るよ。アカリちゃんの方は?」
「さぁ? アク姉達みたいに、一緒に住んでいるわけじゃないから。でも、すぐに来ると思う。約束の時間は守る子だし」
そう言った直後に、私達の屋敷からアカリが出て来た。
「お待たせしました」
「ううん。メイティ達の方が遅いから気にしないで良いよ」
アク姉はそう言いながら、私の事を撫でる手を止めて、前に回していた手も離した。いつもなら、全員揃うまで無限に撫でてくるか抱きしめ続けるのに。
もしかしたら、アカリに遠慮しているのかもしれない。アク姉自身もお祝いしてくれたから、私とアカリが付き合っている事は知っている。それくらいしか、アク姉が手を止める理由が思い付かない。
アク姉から降りて、隣に座る。そして、私のもう片方の隣にアカリが座った。ぴったりと身体がくっつくくらいに近い。アカリの方も、少し嫉妬していたって事かな。ちょっと嬉しいかも。
三人で少し話していると、メイティさん達もやってきた。
「お待たせ」
「よし。じゃあ、全員揃ったから行こうか。ハクちゃんとアカリちゃんは、二人でパーティーを組んでね」
「オッケー」
アカリとパーティーを組んで、アク姉達一緒にジャングルへと移動する。道中は、召喚しておいたエアリーが近づいてくるモンスターを倒してくれる。そのまますんなりと不吉の森の入口に着いた。
「エアリーちゃんがいると、移動が楽になるわね」
『お褒め頂き光栄です』
エアリーは、ニコッと笑ってそう返していた。そんなエアリーの頭を撫でてあげつつ、アク姉の方を見る。
「ここからどうするの?」
「今から、ハクちゃんにレイド申請するから受け入れて」
「は~い」
アク姉の申請を受け入れて、レイドメンバーとなる。一応、レイドリーダーはアク姉だ。そっちの方が、私が楽だから。
「それじゃあ、入るよ」
「うん」
不吉の森へと転移する。転移した先は、ジャングルと同じような高い木が生えている。その木々が、太陽の光を阻み、辺りは薄暗い。不吉って部分は、この薄暗さにあるのかな。
今回は、【竜王息吹】と【蒼天】を外して、【光装術】と【闇装術】を装備する。皆を巻き込む可能性が高いものだったからだ。
「【召喚・マシロ】【召喚・ライ】」
この環境なら、灯りを出せるマシロとピンポイントで点攻撃が出来るライが良いと判断して、二人を喚んだ。
「【召喚・ラッキー】」
アク姉もラッキーを喚ぶ。ラッキーは、アク姉の肩に乗っかるという結構器用な事をしていた。
『にゃ~』
ラッキーが鳴くと、私達全員にバフが掛かった。掛かっているバフは、運の上昇らしい。幸運猫という名前は伊達じゃないらしい。
「それで、ここってどんなモンスターが出て来るの?」
「虫」
「虫?」
「虫。芋虫だったり、蜂だったり」
虫系モンスターかと思ったのと同時に、皆の前で噛み付くのかと考えて嫌だなとも思った。
「はぁ……私、吸血するから、しばらくは倒さないでね」
「どのくらい吸えば良いの?」
「う~ん……それぞれ十体くらいかな。ランダムで獲れるから、それで終わりではないかもだけど。あっ、拘束はエアリー達がしてくれるから」
「了解。倒して良くなったら言ってね」
「うん」
アク姉達に私のしたい事を伝えておく。私としては重要な事だからね。そんな話をしていると、【索敵】にモンスターの反応があった。
『お姉様』
「うん。お願い」
エアリーが風でモンスターの動きを止める。形的には、芋虫型のモンスターだ。
「マシロは照らして。ライは、アカリをお願い」
『分かったわ』
『……』こくり
エアリーが拘束してくれているモンスターの元に走る。アク姉達も私の後を追ってきた。皆で固まった方が安全だからね。モンスターの姿が見える。本当に芋虫型のモンスターだ。大きさは大人一人分というでかさだけど。名前は、ローリングキャタピラー。どう考えても転がってくる芋虫だ。エアリーの風で拘束されているので、今は転がる事も出来ないみたいだけど。
その芋虫に近づいて噛み付く。後ろから小さく悲鳴みたいなのが聞こえたけど、気にしないでおく。既に何でも飲みまくっている私に、抵抗なんてないのだ。そんな事を気にしていたら、吸血鬼なんて出来ない。
そのまま吸っていくと、既に持っている【回転】のスキルが手に入った。
「これは……期待出来ないかな」
そのまま近くに拘束されているローリングキャラピラーを四体程吸血したけど、全て私が持っているスキルだったので倒して良い事になった。
転がってくるローリングキャラピラーをトモエさんが盾で空中に弾いて、浮き上がったところにアメスさんの連続魔法が突き刺さった。見事な連携でさすがだなと思った。
そこからシルキーワームっていう巨大な蚕と腹に付いている針を飛ばしてくるミサイルホーネットと戦った。基本的にライが麻痺させたり、エアリーとマシロが拘束したりしたのを吸血して【繭】と【虫翅】を手に入れた。
────────────────────
【繭】:絹の糸で身体を覆う事が出来る。
【虫翅】:魔力によって出来た虫の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
「見て見てアク姉」
「うわっ!? キモっ!?」
【虫翅】の挙動を見たアク姉が驚きながらそう言った。ちなみに、私も同意見だ。
「あまり使わないでおこっと」
「私もそれが良いと思うわ」
アメスさんも封印に賛成した。実際、本当に虫の翅っぽいから、嫌な人は嫌だと思う。
「取り敢えず、もう獲れるスキルはないから全部倒して大丈夫」
『では』
エアリーが感知出来る範囲のモンスターを斬り刻む。
「おぉ……凄いな……」
エアリーの殲滅力にサツキさんも唸っていた。今回の虫モンスター達は、皆柔らかい部類だったからっていうのもあるのだけどね。
「あっ、あそこに宝箱がありますよ」
アカリが宝箱を見つけた。でも、アク姉達はすぐに飛びついたりはしなかった。アク姉達が動かないので、私も動かない。
「取りに行かないの?」
「う~ん……あれ、モンスターの可能性があるんだよね。出て来るまで分からないし……」
「後は、鍵が掛かっている可能性もありますの。解錠に失敗すると、状態異常になったりしますわ」
「へぇ~、じゃあ開けますね」
念のため、【解錠】を取ってから、宝箱に近づく。特に動き出す事はないので、そのまま宝箱に手を掛ける。
「開かない。これが鍵が掛かってる状態ですか?」
「うん。そうだよ。本当に開けるの? 結構危ないけど……」
メイティさんが心配そうにそう言う。本当に宝箱の罠は危険みたい。
「う~ん……まぁ、大丈夫だと思います」
いつも通り影を操って鍵穴に影を入れる。影から伝わる感覚で、鍵の構造を確認する。
「う~ん……ん? こうかな」
錠を弄っていたら、宝箱の鍵穴から針が飛びだしてきた。私の目の前で針は止まる。
『お姉様……』
「……てへっ!」
思いっきり罠に引っ掛かったから、エアリーからジト目で見られる。廃城下町エリアで色々と心配させるような事になっていたから、またですかって感じだと思う。
「多分、ここを無理矢理やれば開く。ほら!」
今度は鍵を開ける事が出来た。宝箱を開くと、中にはスキルの書が三つ入っていた。
「おぉ……本当にレアだ」
入っているスキルは、【操水】【聖気】【魔気】というラインナップだった。開けたのが、私だからこそのラインナップなのかな。
「いらなっ!」
全部持っているスキルなだけに、そう言わざるを得なかった。
「アク姉にあげる」
「ありがとう。アカリちゃんは、欲しいスキルある?」
「う~ん……特にはないですね」
「じゃあ、私は【操水】を貰おうかな」
「じゃあ、私は【聖気】で。回復に合うかもだから」
そこまで言って【魔気】が欲しいという声は出てこなかった。名前的に、自分に合うかどうかで悩んでいるって感じかな。
「【魔気】を育てると、【魔王】になりますよ。闇と暗黒属性に適性を持って、攻撃でHP吸収とMP吸収が常時発動します」
「なら、サツキじゃない?」
「アタッカーが持つべきか。なら、私が貰おう」
しっかりと話し合いで分配が決まった。私が要らないって言ったのも大きいかな。基本的に最初に見つけた人に決定権を与える人達だからだ。
それから何度か宝箱を見つけたけど、スキルの書は入っておらず、木の苗や絹糸などが入っているだけだった。それでも、私やアカリは嬉しいものなので無駄ではない。
モンスター達に関しては、エアリー、ライによって次々に倒される。マシロの灯りもあるから、周囲の探索もやりやすい。
「これがハクちゃんのいつもの探索ですか?」
「はい。エリアの調査とかは、いつもこんな感じです。廃城下町とか古城は、特に調べる場所が多いですし、モンスターも多いので」
「調べる事に集中したい時には良いかもしれないですね」
「はい。滅茶苦茶助かってます」
トモエさんも精霊がいる事の強みを改めて感じたみたいだ。レイドエリアだけど、ここら辺は全然余裕だ。精霊が居るという事もあるけど、それ以上にモンスターが弱い。結構初心者達用のレイドエリアなのかも。
問題はボスモンスターがどんな相手かってところかな。
アク姉達が挑戦してこなかったのは、レイドエリアという事もあって警戒していたからだそうだ。私は、存在すら知らなかったけど。
「ハ~ク~ちゃ~ん!」
ログインした先にいたアク姉に捕まる。そのまま集会場まで連れて行かれて、膝の上で頭を撫でられる。
「おはよう、アク姉」
「おはよう。今日はよろしくね」
「うん。皆は?」
「もうそろそろ来るよ。アカリちゃんの方は?」
「さぁ? アク姉達みたいに、一緒に住んでいるわけじゃないから。でも、すぐに来ると思う。約束の時間は守る子だし」
そう言った直後に、私達の屋敷からアカリが出て来た。
「お待たせしました」
「ううん。メイティ達の方が遅いから気にしないで良いよ」
アク姉はそう言いながら、私の事を撫でる手を止めて、前に回していた手も離した。いつもなら、全員揃うまで無限に撫でてくるか抱きしめ続けるのに。
もしかしたら、アカリに遠慮しているのかもしれない。アク姉自身もお祝いしてくれたから、私とアカリが付き合っている事は知っている。それくらいしか、アク姉が手を止める理由が思い付かない。
アク姉から降りて、隣に座る。そして、私のもう片方の隣にアカリが座った。ぴったりと身体がくっつくくらいに近い。アカリの方も、少し嫉妬していたって事かな。ちょっと嬉しいかも。
三人で少し話していると、メイティさん達もやってきた。
「お待たせ」
「よし。じゃあ、全員揃ったから行こうか。ハクちゃんとアカリちゃんは、二人でパーティーを組んでね」
「オッケー」
アカリとパーティーを組んで、アク姉達一緒にジャングルへと移動する。道中は、召喚しておいたエアリーが近づいてくるモンスターを倒してくれる。そのまますんなりと不吉の森の入口に着いた。
「エアリーちゃんがいると、移動が楽になるわね」
『お褒め頂き光栄です』
エアリーは、ニコッと笑ってそう返していた。そんなエアリーの頭を撫でてあげつつ、アク姉の方を見る。
「ここからどうするの?」
「今から、ハクちゃんにレイド申請するから受け入れて」
「は~い」
アク姉の申請を受け入れて、レイドメンバーとなる。一応、レイドリーダーはアク姉だ。そっちの方が、私が楽だから。
「それじゃあ、入るよ」
「うん」
不吉の森へと転移する。転移した先は、ジャングルと同じような高い木が生えている。その木々が、太陽の光を阻み、辺りは薄暗い。不吉って部分は、この薄暗さにあるのかな。
今回は、【竜王息吹】と【蒼天】を外して、【光装術】と【闇装術】を装備する。皆を巻き込む可能性が高いものだったからだ。
「【召喚・マシロ】【召喚・ライ】」
この環境なら、灯りを出せるマシロとピンポイントで点攻撃が出来るライが良いと判断して、二人を喚んだ。
「【召喚・ラッキー】」
アク姉もラッキーを喚ぶ。ラッキーは、アク姉の肩に乗っかるという結構器用な事をしていた。
『にゃ~』
ラッキーが鳴くと、私達全員にバフが掛かった。掛かっているバフは、運の上昇らしい。幸運猫という名前は伊達じゃないらしい。
「それで、ここってどんなモンスターが出て来るの?」
「虫」
「虫?」
「虫。芋虫だったり、蜂だったり」
虫系モンスターかと思ったのと同時に、皆の前で噛み付くのかと考えて嫌だなとも思った。
「はぁ……私、吸血するから、しばらくは倒さないでね」
「どのくらい吸えば良いの?」
「う~ん……それぞれ十体くらいかな。ランダムで獲れるから、それで終わりではないかもだけど。あっ、拘束はエアリー達がしてくれるから」
「了解。倒して良くなったら言ってね」
「うん」
アク姉達に私のしたい事を伝えておく。私としては重要な事だからね。そんな話をしていると、【索敵】にモンスターの反応があった。
『お姉様』
「うん。お願い」
エアリーが風でモンスターの動きを止める。形的には、芋虫型のモンスターだ。
「マシロは照らして。ライは、アカリをお願い」
『分かったわ』
『……』こくり
エアリーが拘束してくれているモンスターの元に走る。アク姉達も私の後を追ってきた。皆で固まった方が安全だからね。モンスターの姿が見える。本当に芋虫型のモンスターだ。大きさは大人一人分というでかさだけど。名前は、ローリングキャタピラー。どう考えても転がってくる芋虫だ。エアリーの風で拘束されているので、今は転がる事も出来ないみたいだけど。
その芋虫に近づいて噛み付く。後ろから小さく悲鳴みたいなのが聞こえたけど、気にしないでおく。既に何でも飲みまくっている私に、抵抗なんてないのだ。そんな事を気にしていたら、吸血鬼なんて出来ない。
そのまま吸っていくと、既に持っている【回転】のスキルが手に入った。
「これは……期待出来ないかな」
そのまま近くに拘束されているローリングキャラピラーを四体程吸血したけど、全て私が持っているスキルだったので倒して良い事になった。
転がってくるローリングキャラピラーをトモエさんが盾で空中に弾いて、浮き上がったところにアメスさんの連続魔法が突き刺さった。見事な連携でさすがだなと思った。
そこからシルキーワームっていう巨大な蚕と腹に付いている針を飛ばしてくるミサイルホーネットと戦った。基本的にライが麻痺させたり、エアリーとマシロが拘束したりしたのを吸血して【繭】と【虫翅】を手に入れた。
────────────────────
【繭】:絹の糸で身体を覆う事が出来る。
【虫翅】:魔力によって出来た虫の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
「見て見てアク姉」
「うわっ!? キモっ!?」
【虫翅】の挙動を見たアク姉が驚きながらそう言った。ちなみに、私も同意見だ。
「あまり使わないでおこっと」
「私もそれが良いと思うわ」
アメスさんも封印に賛成した。実際、本当に虫の翅っぽいから、嫌な人は嫌だと思う。
「取り敢えず、もう獲れるスキルはないから全部倒して大丈夫」
『では』
エアリーが感知出来る範囲のモンスターを斬り刻む。
「おぉ……凄いな……」
エアリーの殲滅力にサツキさんも唸っていた。今回の虫モンスター達は、皆柔らかい部類だったからっていうのもあるのだけどね。
「あっ、あそこに宝箱がありますよ」
アカリが宝箱を見つけた。でも、アク姉達はすぐに飛びついたりはしなかった。アク姉達が動かないので、私も動かない。
「取りに行かないの?」
「う~ん……あれ、モンスターの可能性があるんだよね。出て来るまで分からないし……」
「後は、鍵が掛かっている可能性もありますの。解錠に失敗すると、状態異常になったりしますわ」
「へぇ~、じゃあ開けますね」
念のため、【解錠】を取ってから、宝箱に近づく。特に動き出す事はないので、そのまま宝箱に手を掛ける。
「開かない。これが鍵が掛かってる状態ですか?」
「うん。そうだよ。本当に開けるの? 結構危ないけど……」
メイティさんが心配そうにそう言う。本当に宝箱の罠は危険みたい。
「う~ん……まぁ、大丈夫だと思います」
いつも通り影を操って鍵穴に影を入れる。影から伝わる感覚で、鍵の構造を確認する。
「う~ん……ん? こうかな」
錠を弄っていたら、宝箱の鍵穴から針が飛びだしてきた。私の目の前で針は止まる。
『お姉様……』
「……てへっ!」
思いっきり罠に引っ掛かったから、エアリーからジト目で見られる。廃城下町エリアで色々と心配させるような事になっていたから、またですかって感じだと思う。
「多分、ここを無理矢理やれば開く。ほら!」
今度は鍵を開ける事が出来た。宝箱を開くと、中にはスキルの書が三つ入っていた。
「おぉ……本当にレアだ」
入っているスキルは、【操水】【聖気】【魔気】というラインナップだった。開けたのが、私だからこそのラインナップなのかな。
「いらなっ!」
全部持っているスキルなだけに、そう言わざるを得なかった。
「アク姉にあげる」
「ありがとう。アカリちゃんは、欲しいスキルある?」
「う~ん……特にはないですね」
「じゃあ、私は【操水】を貰おうかな」
「じゃあ、私は【聖気】で。回復に合うかもだから」
そこまで言って【魔気】が欲しいという声は出てこなかった。名前的に、自分に合うかどうかで悩んでいるって感じかな。
「【魔気】を育てると、【魔王】になりますよ。闇と暗黒属性に適性を持って、攻撃でHP吸収とMP吸収が常時発動します」
「なら、サツキじゃない?」
「アタッカーが持つべきか。なら、私が貰おう」
しっかりと話し合いで分配が決まった。私が要らないって言ったのも大きいかな。基本的に最初に見つけた人に決定権を与える人達だからだ。
それから何度か宝箱を見つけたけど、スキルの書は入っておらず、木の苗や絹糸などが入っているだけだった。それでも、私やアカリは嬉しいものなので無駄ではない。
モンスター達に関しては、エアリー、ライによって次々に倒される。マシロの灯りもあるから、周囲の探索もやりやすい。
「これがハクちゃんのいつもの探索ですか?」
「はい。エリアの調査とかは、いつもこんな感じです。廃城下町とか古城は、特に調べる場所が多いですし、モンスターも多いので」
「調べる事に集中したい時には良いかもしれないですね」
「はい。滅茶苦茶助かってます」
トモエさんも精霊がいる事の強みを改めて感じたみたいだ。レイドエリアだけど、ここら辺は全然余裕だ。精霊が居るという事もあるけど、それ以上にモンスターが弱い。結構初心者達用のレイドエリアなのかも。
問題はボスモンスターがどんな相手かってところかな。
21
お気に入りに追加
161
あなたにおすすめの小説
病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。
べちてん
SF
生まれつき体の弱い少女、夏凪夕日は、ある日『サンライズファンタジー』というフルダイブ型VRMMOのゲームに出会う。現実ではできないことがたくさんできて、気が付くとこのゲームのとりこになってしまっていた。スキルを手に入れて敵と戦ってみたり、少し食事をしてみたり、大会に出てみたり。初めての友達もできて毎日が充実しています。朝起きてご飯を食べてゲームをして寝る。そんな生活を続けていたらいつの間にかゲーム最強のプレイヤーになっていた!!
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
余暇人のVRMMO誌〜就活前にハマっていたマイナーゲームにログインしなくなって五年、久しぶりにインしたら伝説になってた〜
双葉 鳴|◉〻◉)
SF
向井明斗25歳。通院中、会社からかかってきた要件は、これ以上業務を休むならもう来なくていいと言う実質上の首切り宣言だった。
就職難で漸く拾ってくれた会社にそれこそ身を粉にして働き、その結果が通院処分。精神と肉体を磨耗した明斗は、通院帰りに立ち寄ったゲームショップで懐かしいタイトルを発見する。
「New Arkadia Frontier」
プレイヤーを楽しませる要素を徹底的に廃し、しかしながらその細かすぎるくらいのリアルさに一部のマニアが絶賛するクソゲー。
明斗もまたそのゲームの虜になった一人だった。
懐かしさにそのタイトルをレジに持っていこうとして立ち止まる。あれ、これって確かPCゲームじゃなかったっけ? と。
PCゲームは基本、公式ホームページからのダウンロード。パッケージ販売などしていない筈だ。
おかしいぞとパッケージを見返してみれば、そこに記されていたのはVR規格。
たった五年、ゲームから離れてるうちにあのゲームは自分でも知らない場所に羽ばたいてしまっていた。
そもそも、NAFは言わずと知れたクソゲーだ。
5年前ですらサービス終了をいつ迎えるのかとヒヤヒヤしていた覚えがある明斗。一体どんなマジックを使えばこのゲームが全世界に向けてネット配信され、多くのプレイヤーから賞賛を受けることになるのか?
もはや仕事をクビになったことよりもそっちの方が気になり、明斗は当時のネーム『ムーンライト』でログインする事に。
そこでムーンライトは思いがけずそのゲームの根幹を築いたのが自分であることを知る。
そこで彼が見たものは一体なんなのか?
──これはニッチな需要を満たし続けた男が、知らず知らずのうちに大物から賞賛され、大成する物語である。
※この作品には過度な俺TUEEEE、無双要素は設けておりません。
一見して不遇そうな主人公がニッチな要素で優遇されて、なんだかんだ美味い空気吸ってるだけのお話です。
なお、多少の鈍感要素を含む。
主人公含めて変人多めの日常風景をお楽しみください。
※カクヨムさんで先行公開されてます。
NAF運営編完結につき毎日更新に変更。
序章:New Arkadia Frontierへようこそ【9.11〜9.30】19話
一章:NAF運営編【10.2〜10.23】23話
二章:未定
【お知らせ】
※10/10予約分がミスで11/10になってたのを10/11に確認しましたので公開にしておきました。一話分飛んでしまって申し訳ありません。
【完結】Atlantis World Online-定年から始めるVRMMO-
双葉 鳴|◉〻◉)
SF
Atlantis World Online。
そこは古代文明の後にできたファンタジー世界。
プレイヤーは古代文明の末裔を名乗るNPCと交友を測り、歴史に隠された謎を解き明かす使命を持っていた。
しかし多くのプレイヤーは目先のモンスター討伐に明け暮れ、謎は置き去りにされていた。
主人公、笹井裕次郎は定年を迎えたばかりのお爺ちゃん。
孫に誘われて参加したそのゲームで幼少時に嗜んだコミックの主人公を投影し、アキカゼ・ハヤテとして活動する。
その常識にとらわれない発想力、謎の行動力を遺憾なく発揮し、多くの先行プレイヤーが見落とした謎をバンバンと発掘していった。
多くのプレイヤー達に賞賛され、やがて有名プレイヤーとしてその知名度を上げていくことになる。
「|◉〻◉)有名は有名でも地雷という意味では?」
「君にだけは言われたくなかった」
ヘンテコで奇抜なプレイヤー、NPC多数!
圧倒的〝ほのぼの〟で送るMMO活劇、ここに開幕。
===========目録======================
1章:お爺ちゃんとVR 【1〜57話】
2章:お爺ちゃんとクラン 【58〜108話】
3章:お爺ちゃんと古代の導き【109〜238話】
4章:お爺ちゃんと生配信 【239話〜355話】
5章:お爺ちゃんと聖魔大戦 【356話〜497話】
====================================
2020.03.21_掲載
2020.05.24_100話達成
2020.09.29_200話達成
2021.02.19_300話達成
2021.11.05_400話達成
2022.06.25_完結!
言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい
工藤 流優空
SF
社畜?社会人4年目に突入する紗蘭は、合計10連勤達成中のある日、VRMMOの世界にダイブする。
ゲームの世界でくらいは、ほのぼのライフをエンジョイしたいと願った彼女。
女神様の前でステータス決定している最中に
「言霊の力が活かせるジョブがいい」
とお願いした。すると彼女には「言霊エンチャンター」という謎のジョブが!?
彼女の行く末は、夢見たほのぼのライフか、それとも……。
これは、現代とVRMMOの世界を行き来するとある社畜?の物語。
(当分、毎日21時10分更新予定。基本ほのぼの日常しかありません。ダラダラ日常が過ぎていく、そんな感じの小説がお好きな方にぜひ。戦闘その他血沸き肉躍るファンタジーお求めの方にはおそらく合わないかも)
いや、一応苦労してますけども。
GURA
ファンタジー
「ここどこ?」
仕事から帰って最近ハマってるオンラインゲームにログイン。
気がつくと見知らぬ草原にポツリ。
レベル上げとモンスター狩りが好きでレベル限界まで到達した、孤高のソロプレイヤー(とか言ってるただの人見知りぼっち)。
オンラインゲームが好きな25歳独身女がゲームの中に転生!?
しかも男キャラって...。
何の説明もなしにゲームの中の世界に入り込んでしまうとどういう行動をとるのか?
なんやかんやチートっぽいけど一応苦労してるんです。
お気に入りや感想など頂けると活力になりますので、よろしくお願いします。
※あまり気にならないように製作しているつもりですが、TSなので苦手な方は注意して下さい。
※誤字・脱字等見つければその都度修正しています。
蒼海の碧血録
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年六月、ミッドウェー海戦において日本海軍は赤城、加賀、蒼龍を失うという大敗を喫した。
そして、その二ヶ月後の八月、アメリカ軍海兵隊が南太平洋ガダルカナル島へと上陸し、日米の新たな死闘の幕が切って落とされた。
熾烈なるガダルカナル攻防戦に、ついに日本海軍はある決断を下す。
戦艦大和。
日本海軍最強の戦艦が今、ガダルカナルへと向けて出撃する。
だが、対するアメリカ海軍もまたガダルカナルの日本軍飛行場を破壊すべく、最新鋭戦艦を出撃させていた。
ここに、ついに日米最強戦艦同士による砲撃戦の火蓋が切られることとなる。
(本作は「小説家になろう」様にて連載中の「蒼海決戦」シリーズを加筆修正したものです。予め、ご承知おき下さい。)
※表紙画像は、筆者が呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)にて撮影したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる