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吸血少女と進展?
苦戦したはずの場所
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フレ姉が単独行動を取ってすぐに、こっちも交戦する。正面から三体のシャドウが出て来た。スピアシャドウ二体とボウシャドウ一体だ。
「ボウシャドウを優先! トモエは、二体を足止め!」
「了解。【シールドスイング】」
トモエさんが大きく盾を振り回して、スピアシャドウ二体の槍を弾き飛ばす。
「【二連】【雷霆の怒り】」
極太の稲妻が、二筋走った。その二筋の稲妻は、ボウシャドウの身体を貫いた。HPのほとんどを削られたボウシャドウは、身体を蹌踉めかせる。これで弓による攻撃はない。
「カティ」
「【正鵠一矢】」
カティさんの弓から放たれた矢は、正確にボウシャドウの頭を射貫いた。その際、ボウシャドウの身体を霧散させるでもなく、大きく弾いて倒した。物理攻撃のはずだと思っていたけど、カティさんの【矢生成】は、魔力を込めた矢を作り出す能力なのかもしれない。
そのおかげで、魔法と同列に扱われているのかもしれない。
「!? すみません! 抜かれました!」
一体のスピアシャドウは、トモエさんを狙ったままだけど、もう一体がこっちに向かって来ていた。今の攻撃で、アメスさんかカティさんにヘイトが移ったのかもしれない。そのスピアシャドウに、直接ダメージを負わせたわけじゃないけど、仲間を倒されたから、ヘイトが移ったって感じかな。
「ハク! アカリ! 守りを固めなさい!」
そう言って、ゲルダさんとサツキさんがスピアシャドウの前に出る。私とアカリは、アメスサンやカティさん達に近づかせないように、武器を構えておく。
「弾きなさい!!」
「【パワーウェイブ】!」
サツキさんが大剣を振うと、大きな斬撃が飛んで、スピアシャドウの槍を弾いた。手放させる事は出来なかったけど、それで足は止まる。そこに、ゲルダさんが飛び込む。
攻撃しようとするゲルダさんの爪が鋭く伸びる。そして、スピアシャドウの身体を連続で引っ掻いた。猫みたいな攻撃だけど、威力は私の双剣よりも高い。
スピアシャドウは、ゲルダさんをすり抜けて、まっすぐこっちに向かってきた。結局、ゲルダさんの攻撃も物理攻撃なので、足止めをする事は出来ない。そう思っていたら、ゲルダさんが、スピアシャドウの槍の石突きを掴んで止めた。もの凄い強引な止め方に、ちょっと驚いた。
「【回転投げ】」
槍を掴んだままゲルダさんが回転して、槍ごとスピアシャドウをトモエさんの前に投げた。まさかの方法で、スピアシャドウを後衛から離した。本体に触れられなくても武器には触れられる。そして、シャドウは、必ず武器を手に取る。武器を放さないシャドウを物理で離すには、良い方法なのかもしれない。武器だけを飛ばすよりも、位置の調整も出来そうだし。
トモエさんは、相手にしていたスピアシャドウから距離を取って、二体の前に立つ。
「【タウンティング】」
トモエさんが技を発動すると、スピアシャドウ二体のターゲットがトモエさんに集中した。ヘイトを稼ぐ技みたい。【挑発】の中の技だと思う。タンクは、こうやってヘイトを移すみたいだ。
「【ヴォイド】」
アク姉がそう詠唱すると、一体のスピアシャドウの身体の中心が歪み、最初から何も無かったかのように、上体が消えた。見ようによっては、吸い込まれる様な感じだったかもしれない。
その一撃でHPの九割が削れる。残った脚を正確にカティさんが射貫いて、トドメを刺した。
最後に残った一体の槍を、サツキさんが大きく弾く。蹌踉めきながら後退して、距離が開いたところで、アメスさんとアク姉の魔法が炸裂する。トモエさんが、チクチクとダメージを与えていてくれたおかげか、すぐに倒す事が出来た。
「……何もする事なかった」
「ね」
一応、私もアカリも短剣と細剣を抜いていたのだけど、私達が何かする前に、全てが終わった。
「心構えが大事なのよ。油断して、不意を突かれるよりマシでしょう?」
「そうですけど……あっ、その前に、フレ姉は」
「ん? 倒してきたぞ」
いつの前にか、フレ姉が戻って来て、私の頭を少し雑に撫でてきた。HPを見ても、ダメージを受けたような様子はない。
「一対一なら楽だな」
槍を使ってストレッチをしながら、フレ姉はそう言った。私としては、一対一なら倒せなくはないけど、楽だと思った事はない。つまり、楽に勝つには、フレ姉くらいの強さが必要って事かもしれない。
「物理装備でそう思うのは、フレイだけよ」
ゲルダさんが呆れたような声でそう言った。全面的に私も同意だ。でも、当のフレ姉は、特に驚いた様子もなく、私の頭をポンポンと叩く。
「そうか? サツキ辺りなら楽なんじゃないか?」
「いえ、私の場合は隙が大きいので、あの手の敵は、トモエがいてくれた方が楽です」
確かに、サツキさんが振う大剣は、高威力の反面、攻撃における全ての段階で隙が大きい。その隙を埋めるようにトモエさんが敵を引きつけてくれた方が、圧倒的に楽だろう。
「まぁ、そんなもんか」
フレ姉も私と同じ考えに至ったみたいで、サツキさんの言葉に頷いた。
「お前達もその内楽に感じるさ。通常エリアのこういう奴等は、物理無効って事もあるからな」
「それって、ゲームとしてどうなの?」
「一応、そういう奴にダメージを与えられる武器ってのもある。その代わり、実体のある敵には、大したダメージを与えられねぇけどな」
「ふ~ん」
一応、そのモンスターに適した武器があるみたい。夜だったら、夜霧の執行者を倒した称号で倒せるようになるけど、常に使える訳じゃないから、昼間も使えるものがあった方が良い。
「こっちは、どんな感じだ?」
「フレイがいない分、タンクが薄いという印象ね。アメスとアクアの魔法でどうにかなっているという感じよ。一応、まだハクとアカリ、メイティが戦闘に直接関わっていないから、まだ未知数ね」
「そうか」
「後、私の攻撃が微妙なのよね。素手だと、実体のない相手とは相性が悪いわ」
自身の爪で攻撃していたのを考えると、確かに相性は良くないように思えた。最後には、槍を掴んで振り回していたけど、あれで戦えているとは言い難かった。
「そこは見直すか。足止めは、どのくらい出来る?」
「そうね。槍や剣を利用したり、そのまま飛ばす事くらいは出来るわ」
「そうか。ハク、ゲルダとポジションを変われ」
「えっ……良いの?」
「ああ、物理アタッカーとしてなら、現状ゲルダよりも適任だろう」
「分かった」
ここからは、双剣の温存とかを考えない方が良さそうだ。アカリが選ばれなかったのは、私と違って生産職が本職だからだと思う。
「ゲルダは、指揮を頼む。メイティ、回復はハクとサツキを優先しろ」
「分かりました」
「よし、それじゃあ、進むぞ」
ゲルダさんとポジションを入れ替えて、先に進む。隣がアカリからサツキさんに替わった。
「その剣って重いですか?」
「ん? ああ、重い。多分、ハクちゃんが思っている以上にな。大剣は、重さが上がれば上がる程威力が増す仕組みになっているんだ。もっと上のものになると、身長よりも大きい剣になる。まぁ、どう考えても扱いにくいからな。このくらいがちょうどいい」
「確かに、身長よりも長くなると扱いづらそうですね」
大剣には大剣の悩みがあるみたい。短剣にも短剣の悩みがあるし、ゲルダさんの爪にも悩みはあった。こういうのは、どの武器にもあるものみたい。アカリの細剣や、フレ姉の槍にもありそうだ。
「フレイ。数が増えてきたわ。ここからが本番よ」
「中間くらいってところか。ここからは激しい戦闘になるな。全員気を引き締めろよ」
私とアカリじゃ行けなかった領域まで来た。中級エリアのブラックレオパルドもそうだった。段々と数が増えていく。つまり、本当に、ここからが洞窟の本領発揮というわけみたいだ。
「ボウシャドウを優先! トモエは、二体を足止め!」
「了解。【シールドスイング】」
トモエさんが大きく盾を振り回して、スピアシャドウ二体の槍を弾き飛ばす。
「【二連】【雷霆の怒り】」
極太の稲妻が、二筋走った。その二筋の稲妻は、ボウシャドウの身体を貫いた。HPのほとんどを削られたボウシャドウは、身体を蹌踉めかせる。これで弓による攻撃はない。
「カティ」
「【正鵠一矢】」
カティさんの弓から放たれた矢は、正確にボウシャドウの頭を射貫いた。その際、ボウシャドウの身体を霧散させるでもなく、大きく弾いて倒した。物理攻撃のはずだと思っていたけど、カティさんの【矢生成】は、魔力を込めた矢を作り出す能力なのかもしれない。
そのおかげで、魔法と同列に扱われているのかもしれない。
「!? すみません! 抜かれました!」
一体のスピアシャドウは、トモエさんを狙ったままだけど、もう一体がこっちに向かって来ていた。今の攻撃で、アメスさんかカティさんにヘイトが移ったのかもしれない。そのスピアシャドウに、直接ダメージを負わせたわけじゃないけど、仲間を倒されたから、ヘイトが移ったって感じかな。
「ハク! アカリ! 守りを固めなさい!」
そう言って、ゲルダさんとサツキさんがスピアシャドウの前に出る。私とアカリは、アメスサンやカティさん達に近づかせないように、武器を構えておく。
「弾きなさい!!」
「【パワーウェイブ】!」
サツキさんが大剣を振うと、大きな斬撃が飛んで、スピアシャドウの槍を弾いた。手放させる事は出来なかったけど、それで足は止まる。そこに、ゲルダさんが飛び込む。
攻撃しようとするゲルダさんの爪が鋭く伸びる。そして、スピアシャドウの身体を連続で引っ掻いた。猫みたいな攻撃だけど、威力は私の双剣よりも高い。
スピアシャドウは、ゲルダさんをすり抜けて、まっすぐこっちに向かってきた。結局、ゲルダさんの攻撃も物理攻撃なので、足止めをする事は出来ない。そう思っていたら、ゲルダさんが、スピアシャドウの槍の石突きを掴んで止めた。もの凄い強引な止め方に、ちょっと驚いた。
「【回転投げ】」
槍を掴んだままゲルダさんが回転して、槍ごとスピアシャドウをトモエさんの前に投げた。まさかの方法で、スピアシャドウを後衛から離した。本体に触れられなくても武器には触れられる。そして、シャドウは、必ず武器を手に取る。武器を放さないシャドウを物理で離すには、良い方法なのかもしれない。武器だけを飛ばすよりも、位置の調整も出来そうだし。
トモエさんは、相手にしていたスピアシャドウから距離を取って、二体の前に立つ。
「【タウンティング】」
トモエさんが技を発動すると、スピアシャドウ二体のターゲットがトモエさんに集中した。ヘイトを稼ぐ技みたい。【挑発】の中の技だと思う。タンクは、こうやってヘイトを移すみたいだ。
「【ヴォイド】」
アク姉がそう詠唱すると、一体のスピアシャドウの身体の中心が歪み、最初から何も無かったかのように、上体が消えた。見ようによっては、吸い込まれる様な感じだったかもしれない。
その一撃でHPの九割が削れる。残った脚を正確にカティさんが射貫いて、トドメを刺した。
最後に残った一体の槍を、サツキさんが大きく弾く。蹌踉めきながら後退して、距離が開いたところで、アメスさんとアク姉の魔法が炸裂する。トモエさんが、チクチクとダメージを与えていてくれたおかげか、すぐに倒す事が出来た。
「……何もする事なかった」
「ね」
一応、私もアカリも短剣と細剣を抜いていたのだけど、私達が何かする前に、全てが終わった。
「心構えが大事なのよ。油断して、不意を突かれるよりマシでしょう?」
「そうですけど……あっ、その前に、フレ姉は」
「ん? 倒してきたぞ」
いつの前にか、フレ姉が戻って来て、私の頭を少し雑に撫でてきた。HPを見ても、ダメージを受けたような様子はない。
「一対一なら楽だな」
槍を使ってストレッチをしながら、フレ姉はそう言った。私としては、一対一なら倒せなくはないけど、楽だと思った事はない。つまり、楽に勝つには、フレ姉くらいの強さが必要って事かもしれない。
「物理装備でそう思うのは、フレイだけよ」
ゲルダさんが呆れたような声でそう言った。全面的に私も同意だ。でも、当のフレ姉は、特に驚いた様子もなく、私の頭をポンポンと叩く。
「そうか? サツキ辺りなら楽なんじゃないか?」
「いえ、私の場合は隙が大きいので、あの手の敵は、トモエがいてくれた方が楽です」
確かに、サツキさんが振う大剣は、高威力の反面、攻撃における全ての段階で隙が大きい。その隙を埋めるようにトモエさんが敵を引きつけてくれた方が、圧倒的に楽だろう。
「まぁ、そんなもんか」
フレ姉も私と同じ考えに至ったみたいで、サツキさんの言葉に頷いた。
「お前達もその内楽に感じるさ。通常エリアのこういう奴等は、物理無効って事もあるからな」
「それって、ゲームとしてどうなの?」
「一応、そういう奴にダメージを与えられる武器ってのもある。その代わり、実体のある敵には、大したダメージを与えられねぇけどな」
「ふ~ん」
一応、そのモンスターに適した武器があるみたい。夜だったら、夜霧の執行者を倒した称号で倒せるようになるけど、常に使える訳じゃないから、昼間も使えるものがあった方が良い。
「こっちは、どんな感じだ?」
「フレイがいない分、タンクが薄いという印象ね。アメスとアクアの魔法でどうにかなっているという感じよ。一応、まだハクとアカリ、メイティが戦闘に直接関わっていないから、まだ未知数ね」
「そうか」
「後、私の攻撃が微妙なのよね。素手だと、実体のない相手とは相性が悪いわ」
自身の爪で攻撃していたのを考えると、確かに相性は良くないように思えた。最後には、槍を掴んで振り回していたけど、あれで戦えているとは言い難かった。
「そこは見直すか。足止めは、どのくらい出来る?」
「そうね。槍や剣を利用したり、そのまま飛ばす事くらいは出来るわ」
「そうか。ハク、ゲルダとポジションを変われ」
「えっ……良いの?」
「ああ、物理アタッカーとしてなら、現状ゲルダよりも適任だろう」
「分かった」
ここからは、双剣の温存とかを考えない方が良さそうだ。アカリが選ばれなかったのは、私と違って生産職が本職だからだと思う。
「ゲルダは、指揮を頼む。メイティ、回復はハクとサツキを優先しろ」
「分かりました」
「よし、それじゃあ、進むぞ」
ゲルダさんとポジションを入れ替えて、先に進む。隣がアカリからサツキさんに替わった。
「その剣って重いですか?」
「ん? ああ、重い。多分、ハクちゃんが思っている以上にな。大剣は、重さが上がれば上がる程威力が増す仕組みになっているんだ。もっと上のものになると、身長よりも大きい剣になる。まぁ、どう考えても扱いにくいからな。このくらいがちょうどいい」
「確かに、身長よりも長くなると扱いづらそうですね」
大剣には大剣の悩みがあるみたい。短剣にも短剣の悩みがあるし、ゲルダさんの爪にも悩みはあった。こういうのは、どの武器にもあるものみたい。アカリの細剣や、フレ姉の槍にもありそうだ。
「フレイ。数が増えてきたわ。ここからが本番よ」
「中間くらいってところか。ここからは激しい戦闘になるな。全員気を引き締めろよ」
私とアカリじゃ行けなかった領域まで来た。中級エリアのブラックレオパルドもそうだった。段々と数が増えていく。つまり、本当に、ここからが洞窟の本領発揮というわけみたいだ。
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