41 / 122
聖女の新たな日常
薬草園の手伝い
しおりを挟む
ガラス張りの温室の中に入ったクララは、さっきまでいた玄関口とは違う感覚を受け、周りを見回した。
「あれ? 思ったよりも涼しい……」
「薬草が育ちやすいように温度調節しているからだよ。外の気温よりは、ちょっとだけ低くなっているかな。クララの区画は、ここからあそこまで。大体、温室全体の四分の一かな」
「うぇっ!? そんなに!?」
クララは、自分のために割り当てられた区画の広さに驚く。その広さは、学校の体育館二つ分くらいある。その内の四分の一程に薬草が植えられていた。
「こんなに広い場所を貰っても大丈夫なの?」
「うん。ここの成り立ち自体が、クララのためだからね。優先して使う権利があるんだ。まぁ、この区画以上は、ここでは栽培出来ないけど、そこは了承してね」
「さすがに、これ以上の我が儘は言えないよ。そういえば、ここの薬草は、どのくらいで収穫出来るの?」
クララは、ちょっとした申し訳なさを感じつつ、この薬草達を見て、少し気になっていた事を訊いた。
「後、一週間ってところかな。他の要望の薬草は、こっちに届くのを待っているところ。元々こっちになかった薬草は、種で取り寄せるしかないからね。全部の薬草が収穫可能になるのは、一ヶ月後くらいかな。薬草の生育は早いし」
「そうなんだ。じゃあ、新しい薬を作れるのは、もう少し先かぁ」
言葉だけ聞けば、クララが残念がっているように思えるが、クララの表情は新しい薬を作れることが分かって、わくわくしているようだった。
「薬草の手入れとかもやってみる? 基本的には私が世話をするんだけど、クララちゃんがやってみたいなら、時々一緒にやるって事も出来るけど?」
「やってみたい!」
先程と同じようにわくわくした表情で、サラを見るクララ。クララの年相応の姿を見たサラは、あまりの可愛さに思わず吹き出しそうになる。それを必死に押し殺しながら、クララを手招きする。
「まずは、このモイスの実だね。これは、比較的簡単に手に入ったから、既に栽培しているんだ。これは、葉っぱじゃなくて実の方を使うから、わき芽を摘まないといけないんだ。ハサミを貸してあげるから、早速やってみよう」
「うん。ところで、わき芽って何?」
「え?」
クララが小首を傾げると、サラも小首を傾げていた。
「もしかして、クララってあまり植物の知識ない感じ?」
「うぅ……ごめん……」
薬学の知識ばかり優先していたので、植物に関する知識は名前と効能くらいしか覚えていなかった。
「いや! 全然良いよ!」
しょんぼりとしてしまったクララを見て、サラは慌ててそう言った。
「薬草園が欲しいって言っていたくらいだから、植物も好きなのかなって思っただけだから。せっかくだし、これから少しずつ覚えていけば良いよ」
「うん……」
サラがクララの頬を揉みながらそう言うと、クララの表情が少し緩んだ。
「わき芽っていうのは、枝とか葉っぱの付け根から生えている芽の事だよ。これを摘む事で、実を大きくしたり出来るんだ。モイスの実は大きい方が使いやすいから、大事な作業だよ」
「なるほど、分かった!」
「うん。じゃあ、下の方のわき芽をお願いね。私は、上の方をやるから」
「うん!」
クララは、サラに教えてもらった通りにわき芽を摘んでいく。サラは、それを見守りつつ、自分もわき芽を摘んでいった。その中で、二人は雑談に花を咲かせる。その内容は、クララがどうして魔族領に来たのかだった。
「ふぅん。それで、魔族領に来たんだ。聖女っていうのも大変だね」
「うん……能力が使えない私が悪いんだろうけど、まぁ、結果的にこうなって良かったかなって思うんだ」
「そうだろうね。話だけ聞いていると、こっちの方がクララに合った生活が出来る気がする。まぁ、向こうの教会とかが屑の集まりだったってだけだけど」
サラの言う通り、教会に連行される前は、クララも幸せに暮らしていた。順当に行けば、母親から薬について教わり、薬剤師にでもなっていただろう。だが、聖女となり、教会に連行されたことで、その将来は潰えた。
「教会に恨みはないの?」
「そりゃ、あるにはあるけど……どうしようもないじゃん? 私一人じゃ、教会を潰せないし」
「聖女の力で、どかんとかいけないの?」
「聖女の力は、回復や弱体化だよ? 恨みを持っているからって、そんな都合良く倒す事は出来ないと思う。弱体化に耐えきれないとかがないとね」
「ふ~ん、そういうものなんだ」
クララの気持ちで効果の程が変わるとはいえ、それだけで戦える程、聖女の能力は万能じゃない。まだ聖女の事をあまり知らないサラは、そこら辺を理解していなかった。
「そういえば、聖女には、物を神聖化して強化するみたいな事が出来るって聞いたんだけど、本当なの?」
「うん。私の杖は、私の魔力で聖別されているみたい。やろうと思えば、服とかも聖別出来るから、基本的に何でも出来るんじゃないかな」
「……作物も?」
「え?」
クララとサラは、顔を見合わせる。そのまましばらく固まっていた。
「いや、まだ試すのはやめとこう。下手すると、駄目になるかもしれないし」
「そ、そうだよね!」
この案は、一旦お預けとなった。クララとしても、この話は自分達だけで進めて良いものではないなと思っていたので有り難かった。
(後で、リリンさんと相談してみようかな。サラさんもやってみたそうだし)
念のため、リリンに相談しておこうと考えつつ、作業を進める。ここで、クララは逆にサラに質問してみることにした。
「サラさんは、ここに来る前は何をしていたの?」
「私? 私は、ここじゃなくて、もっと小さい街で作物の研究をしていたよ」
「作物の研究?」
作物の研究と聞いても、ピンとこないクララは、首を傾げている。
「うん。育つ環境の最低ラインとかを調べていたんだ。その事もあって、ここの管理人に推薦されたみたい。そこそこの実績を積んで置いて良かったよ」
「じゃあ、サラさんに任せていたら、絶対に大丈夫ってことだね」
「う~ん……そうでもないかな。ある程度の作物は調べられていたけど、基本的に食糧の方で、薬草系は少ししかやってないんだよね。だから、珍しい薬草とかだと、枯らす可能性はあるんだ」
「そうなんだ……それなら、ここで研究を続ければ良いんじゃない?」
「え?」
クララの提案に、サラは面食らっていた。ここに配属されている間は、研究をする事は出来ないと考えていたからだ。
「そうしたら、薬草とかも絶対枯らさないように出来るわけだし。カタリナさんに相談してみるよ」
「それは嬉しいけど……魔王妃様に取り付けられるの?」
「カタリナさんが忙しくなかったら、多分、すぐに取り付けられると思う。時々、私の部屋にサボりに来ているくらいだし」
「魔王妃様……」
カタリナの知らない一面を知ってしまい、何とも言えない顔になるサラ。クララからしたら、普段のカタリナがそういう存在なので、サラの反応に首を傾げていた。
二人がそんな会話をしながら、作業をしている間、リリンとサーファは、温室の端っこで二人を見ていた。
「クララちゃん、何だか嬉しそうですね」
「そうですね。薬草園の仕事が楽しいというのもあると思いますが、同年代(?)の友人が出来たというのもあるかもしれないですね」
「同年代……」
二人とも同年代の部分だけ、若干疑問を抱いているが、クララが気を許すことが出来る友人が出来た事を喜んでいた。二時間程作業を続けると、クララも出来る作業が全て終わった。
「ふぅ……ありがとう、クララ。二人でやったから、早く終わったよ」
「ううん。私がお願いして栽培して貰っているんだから、当たり前だよ。でも、私が出来るのは、ここまでなの?」
「うん。というか、やることがほぼないって感じかな。だから、もう魔王城に帰っても大丈夫だよ」
クララとサラがそう話していると、リリンとサーファが近づいてきた。
「作業は終わったみたいですね。軍手はしていたみたいですが、その手で汗を拭っていましたね。顔に土が付いていますよ」
リリンは、ハンカチでクララの顔を拭っていく。
「この分だと、一度お風呂で身体を洗った方が良いでしょうね。街に出るのは、その後にしましょう。泥んこのままでは、可愛らしい姿が台無しですからね」
「は~い」
クララとリリンのその姿を見ていたサラは、一つの感想が出て来る。
「何だか、親子みたい」
「ですよね。毎日こんな感じなんですよ」
サラの感想は、サーファも同感だった。毎日二人の様子を見ていたサーファがそう言うのだから、その通りなのだろう。
「年齢差だけで言えば、確かに親子くらい離れていますけど、そう言われるのは心外です」
クララの顔に付いていた泥を落とし終えたリリンは、ジト目で見ながらそう言った。サーファとサラは、スッと目を逸らして知らんぷりをしていた。
「まぁ、それは良いです。今日のところは、これで帰りますが、今後、こちらに来るのはどのくらいの頻度が良いでしょうか?」
「えっと、必ず来ないといけない日はないので、適当で大丈夫です。わき芽摘みは、五日おきくらいにやっているので、そのタイミングで来るのが良いかもです」
「五日おきですね。分かりました。日程が合う日で、クララさんが来たいと言った時に、来ることにします。なので、突然来ると思いますが、それでも大丈夫でしょうか?」
「はい。全然問題ありません。基本的に、私はここにいると思いますので。休みの日は、私の待機室の前に看板を掛けておきます」
サラはそう言って、先程説明した部屋とは反対側にある部屋を指さした。そちらは、ここの管理人であるサラの部屋となっている。一応寝泊まりも出来るようになっているが、余程の事が無ければ寝泊まりなどはしないだろう。
「分かりました。では、失礼します」
「ありがとう、サラさん。また来るね」
「うん。待ってる」
サラと笑い合いながら別れると、クララ達は、身体を洗うために魔王城へと戻っていった。
「あれ? 思ったよりも涼しい……」
「薬草が育ちやすいように温度調節しているからだよ。外の気温よりは、ちょっとだけ低くなっているかな。クララの区画は、ここからあそこまで。大体、温室全体の四分の一かな」
「うぇっ!? そんなに!?」
クララは、自分のために割り当てられた区画の広さに驚く。その広さは、学校の体育館二つ分くらいある。その内の四分の一程に薬草が植えられていた。
「こんなに広い場所を貰っても大丈夫なの?」
「うん。ここの成り立ち自体が、クララのためだからね。優先して使う権利があるんだ。まぁ、この区画以上は、ここでは栽培出来ないけど、そこは了承してね」
「さすがに、これ以上の我が儘は言えないよ。そういえば、ここの薬草は、どのくらいで収穫出来るの?」
クララは、ちょっとした申し訳なさを感じつつ、この薬草達を見て、少し気になっていた事を訊いた。
「後、一週間ってところかな。他の要望の薬草は、こっちに届くのを待っているところ。元々こっちになかった薬草は、種で取り寄せるしかないからね。全部の薬草が収穫可能になるのは、一ヶ月後くらいかな。薬草の生育は早いし」
「そうなんだ。じゃあ、新しい薬を作れるのは、もう少し先かぁ」
言葉だけ聞けば、クララが残念がっているように思えるが、クララの表情は新しい薬を作れることが分かって、わくわくしているようだった。
「薬草の手入れとかもやってみる? 基本的には私が世話をするんだけど、クララちゃんがやってみたいなら、時々一緒にやるって事も出来るけど?」
「やってみたい!」
先程と同じようにわくわくした表情で、サラを見るクララ。クララの年相応の姿を見たサラは、あまりの可愛さに思わず吹き出しそうになる。それを必死に押し殺しながら、クララを手招きする。
「まずは、このモイスの実だね。これは、比較的簡単に手に入ったから、既に栽培しているんだ。これは、葉っぱじゃなくて実の方を使うから、わき芽を摘まないといけないんだ。ハサミを貸してあげるから、早速やってみよう」
「うん。ところで、わき芽って何?」
「え?」
クララが小首を傾げると、サラも小首を傾げていた。
「もしかして、クララってあまり植物の知識ない感じ?」
「うぅ……ごめん……」
薬学の知識ばかり優先していたので、植物に関する知識は名前と効能くらいしか覚えていなかった。
「いや! 全然良いよ!」
しょんぼりとしてしまったクララを見て、サラは慌ててそう言った。
「薬草園が欲しいって言っていたくらいだから、植物も好きなのかなって思っただけだから。せっかくだし、これから少しずつ覚えていけば良いよ」
「うん……」
サラがクララの頬を揉みながらそう言うと、クララの表情が少し緩んだ。
「わき芽っていうのは、枝とか葉っぱの付け根から生えている芽の事だよ。これを摘む事で、実を大きくしたり出来るんだ。モイスの実は大きい方が使いやすいから、大事な作業だよ」
「なるほど、分かった!」
「うん。じゃあ、下の方のわき芽をお願いね。私は、上の方をやるから」
「うん!」
クララは、サラに教えてもらった通りにわき芽を摘んでいく。サラは、それを見守りつつ、自分もわき芽を摘んでいった。その中で、二人は雑談に花を咲かせる。その内容は、クララがどうして魔族領に来たのかだった。
「ふぅん。それで、魔族領に来たんだ。聖女っていうのも大変だね」
「うん……能力が使えない私が悪いんだろうけど、まぁ、結果的にこうなって良かったかなって思うんだ」
「そうだろうね。話だけ聞いていると、こっちの方がクララに合った生活が出来る気がする。まぁ、向こうの教会とかが屑の集まりだったってだけだけど」
サラの言う通り、教会に連行される前は、クララも幸せに暮らしていた。順当に行けば、母親から薬について教わり、薬剤師にでもなっていただろう。だが、聖女となり、教会に連行されたことで、その将来は潰えた。
「教会に恨みはないの?」
「そりゃ、あるにはあるけど……どうしようもないじゃん? 私一人じゃ、教会を潰せないし」
「聖女の力で、どかんとかいけないの?」
「聖女の力は、回復や弱体化だよ? 恨みを持っているからって、そんな都合良く倒す事は出来ないと思う。弱体化に耐えきれないとかがないとね」
「ふ~ん、そういうものなんだ」
クララの気持ちで効果の程が変わるとはいえ、それだけで戦える程、聖女の能力は万能じゃない。まだ聖女の事をあまり知らないサラは、そこら辺を理解していなかった。
「そういえば、聖女には、物を神聖化して強化するみたいな事が出来るって聞いたんだけど、本当なの?」
「うん。私の杖は、私の魔力で聖別されているみたい。やろうと思えば、服とかも聖別出来るから、基本的に何でも出来るんじゃないかな」
「……作物も?」
「え?」
クララとサラは、顔を見合わせる。そのまましばらく固まっていた。
「いや、まだ試すのはやめとこう。下手すると、駄目になるかもしれないし」
「そ、そうだよね!」
この案は、一旦お預けとなった。クララとしても、この話は自分達だけで進めて良いものではないなと思っていたので有り難かった。
(後で、リリンさんと相談してみようかな。サラさんもやってみたそうだし)
念のため、リリンに相談しておこうと考えつつ、作業を進める。ここで、クララは逆にサラに質問してみることにした。
「サラさんは、ここに来る前は何をしていたの?」
「私? 私は、ここじゃなくて、もっと小さい街で作物の研究をしていたよ」
「作物の研究?」
作物の研究と聞いても、ピンとこないクララは、首を傾げている。
「うん。育つ環境の最低ラインとかを調べていたんだ。その事もあって、ここの管理人に推薦されたみたい。そこそこの実績を積んで置いて良かったよ」
「じゃあ、サラさんに任せていたら、絶対に大丈夫ってことだね」
「う~ん……そうでもないかな。ある程度の作物は調べられていたけど、基本的に食糧の方で、薬草系は少ししかやってないんだよね。だから、珍しい薬草とかだと、枯らす可能性はあるんだ」
「そうなんだ……それなら、ここで研究を続ければ良いんじゃない?」
「え?」
クララの提案に、サラは面食らっていた。ここに配属されている間は、研究をする事は出来ないと考えていたからだ。
「そうしたら、薬草とかも絶対枯らさないように出来るわけだし。カタリナさんに相談してみるよ」
「それは嬉しいけど……魔王妃様に取り付けられるの?」
「カタリナさんが忙しくなかったら、多分、すぐに取り付けられると思う。時々、私の部屋にサボりに来ているくらいだし」
「魔王妃様……」
カタリナの知らない一面を知ってしまい、何とも言えない顔になるサラ。クララからしたら、普段のカタリナがそういう存在なので、サラの反応に首を傾げていた。
二人がそんな会話をしながら、作業をしている間、リリンとサーファは、温室の端っこで二人を見ていた。
「クララちゃん、何だか嬉しそうですね」
「そうですね。薬草園の仕事が楽しいというのもあると思いますが、同年代(?)の友人が出来たというのもあるかもしれないですね」
「同年代……」
二人とも同年代の部分だけ、若干疑問を抱いているが、クララが気を許すことが出来る友人が出来た事を喜んでいた。二時間程作業を続けると、クララも出来る作業が全て終わった。
「ふぅ……ありがとう、クララ。二人でやったから、早く終わったよ」
「ううん。私がお願いして栽培して貰っているんだから、当たり前だよ。でも、私が出来るのは、ここまでなの?」
「うん。というか、やることがほぼないって感じかな。だから、もう魔王城に帰っても大丈夫だよ」
クララとサラがそう話していると、リリンとサーファが近づいてきた。
「作業は終わったみたいですね。軍手はしていたみたいですが、その手で汗を拭っていましたね。顔に土が付いていますよ」
リリンは、ハンカチでクララの顔を拭っていく。
「この分だと、一度お風呂で身体を洗った方が良いでしょうね。街に出るのは、その後にしましょう。泥んこのままでは、可愛らしい姿が台無しですからね」
「は~い」
クララとリリンのその姿を見ていたサラは、一つの感想が出て来る。
「何だか、親子みたい」
「ですよね。毎日こんな感じなんですよ」
サラの感想は、サーファも同感だった。毎日二人の様子を見ていたサーファがそう言うのだから、その通りなのだろう。
「年齢差だけで言えば、確かに親子くらい離れていますけど、そう言われるのは心外です」
クララの顔に付いていた泥を落とし終えたリリンは、ジト目で見ながらそう言った。サーファとサラは、スッと目を逸らして知らんぷりをしていた。
「まぁ、それは良いです。今日のところは、これで帰りますが、今後、こちらに来るのはどのくらいの頻度が良いでしょうか?」
「えっと、必ず来ないといけない日はないので、適当で大丈夫です。わき芽摘みは、五日おきくらいにやっているので、そのタイミングで来るのが良いかもです」
「五日おきですね。分かりました。日程が合う日で、クララさんが来たいと言った時に、来ることにします。なので、突然来ると思いますが、それでも大丈夫でしょうか?」
「はい。全然問題ありません。基本的に、私はここにいると思いますので。休みの日は、私の待機室の前に看板を掛けておきます」
サラはそう言って、先程説明した部屋とは反対側にある部屋を指さした。そちらは、ここの管理人であるサラの部屋となっている。一応寝泊まりも出来るようになっているが、余程の事が無ければ寝泊まりなどはしないだろう。
「分かりました。では、失礼します」
「ありがとう、サラさん。また来るね」
「うん。待ってる」
サラと笑い合いながら別れると、クララ達は、身体を洗うために魔王城へと戻っていった。
1
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説
兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが
アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。
右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。
青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。
そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。
青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。
三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。
【登場人物紹介】
マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。
ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。
クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。
ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。
デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。
ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。
ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。
【お知らせ】
◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。
◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。
◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。
◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。
◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。
◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。
◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。
※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
神によって転移すると思ったら異世界人に召喚されたので好きに生きます。
SaToo
ファンタジー
仕事帰りの満員電車に揺られていたサト。気がつくと一面が真っ白な空間に。そこで神に異世界に行く話を聞く。異世界に行く準備をしている最中突然体が光だした。そしてサトは異世界へと召喚された。神ではなく、異世界人によって。しかも召喚されたのは2人。面食いの国王はとっととサトを城から追い出した。いや、自ら望んで出て行った。そうして神から授かったチート能力を存分に発揮し、異世界では自分の好きなように暮らしていく。
サトの一言「異世界のイケメン比率高っ。」
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる