30 / 122
何も知らない聖女
魔王城への帰路
しおりを挟む
アークと別れたクララ達は、馬車に乗って戦場から魔王城へと移動していた。
この馬車を引いているのは、ナイトウォーカーだ。リリンの要求通りにサーファが用意したのだ。御者に関しても、リリンの要求が通り、周辺軍の兵から選ばれていた。
これは、周辺軍からの詫びという面もあった。リリンの言った事が、図星だったため、レオング達も反省していたのだ。
移動速度は、行きよりも少しだけ遅いくらいだ。こちらに来た時と違って、全力で急ぐ必要がないからだ。それでも、一日程で魔王城に帰れる速度ではあった。
この馬車の中で、クララは、少しぼーっとしていた。魔族達の回復をするために、大量の魔力を消費したためだった。ファッジ草の煮汁で、ある程度の疲れは取れているものの、魔力までは、回復していなかった。
「クララさん、お疲れでしょうし、移動の間、お眠りになっても良いですよ?」
リリンが気を利かせて、クララにそう言った。だが、クララは首を横に振る。
「いえ、ぼーっとするだけで、あまり眠くは無いので、起きています」
「そうですか? 眠くなりましたら、遠慮せずに寝てください。ご無理だけはなさらないように」
「はい。分かりました」
気を利かせてくれたリリンに、クララは笑顔で答える。そこで、クララの頭にふと気になる事が湧いてきた。
「そういえば、さっきアークさんが、以前より魔力が上がっていると言っていましたよね?」
話の途中で、サーファが帰ってきた事によって、打ち切られたので、少し気になっていたのだ。
「嫌だったら答えなくてもいいんでけど、どうなのか気になってしまって」
リリンは、少し恥ずかしそうに、そして気まずそうにして目を逸らす。
(やっぱり、あまり言いたくないことなのかな)
クララが、別の話題に変えようと思ったのと同時に、リリンが口を開く。
「その……クララさんから、吸い取った精気なんです……」
「へ?」
リリンの答えに、クララは驚く。
「人族領にいた間は、クララさんの監視で、精気を集める余裕はなかったんです。さすがに、離れて行動するわけにもいきませんから。なので、こっちに戻ってきてから、ほんの少しだけ、クララさんから貰っていました」
クララは、自分が精気を吸われていた事に全く気付かなかった。それほどまでに、微量という事だろう。
クララへの申し訳なさと恥ずかしさで、リリンの顔は、ほんのりと赤い。
「そういえば、リリンさん達は、精気を吸わないとどうなるんですか?」
クララは、そもそも何故精気を吸うのかが分からないので、そこを質問してみた。
「単純に強くなれないというのと、少し元気が無くなる程度です。精気を吸うというのは、私達サキュバスやインキュバスにとって、食事に近いものになります。食事と違う部分は、必ずしも摂取しないといけないものではないという点です。イメージ的には、デザートといった感じでしょうか」
「デザートですか?」
「はい。クララさんもお好きなデザートです。あれば嬉しいですが、必ずしも必要なものとはいえないと思います。実は、人族領から魔族領へと運ぶ際にしたキスで思わず、少しだけ精気を吸ってしまったのですが、その時の味が……その……本当に美味しくて……」
リリンは、さらに顔を赤らめながら、美味しいものを食べたときのような顔をする。少し色っぽくもなっているその顔に、クララは、ぽかんとしてしまう。
リリンは、要らないことまで言ってしまったと思い、少し恥ずかしそうにしていた。
サーファは、この会話に入っていく事が出来ないので、少し遠い目をしていた。
「私って、そんなに美味しいんですか?」
「そうですね。私は、あまり精気を吸わないので、確かな事は言えませんが、クララさんの精気は本当に美味しかったです。今まで、女性魔族の友人から貰ったりしていましたが、比べ物になりません」
リリンは、女性魔族の友人から精気を貰っていただけで、男性からは、一度も精気を吸い取った事はなかった。そのため、サキュバスの中では、異端者となっている。
それでも、そこら辺の魔族よりも強いので、周りから何かを言われることは、かなり少なかった。
「もしかしたら、聖女の精気だから、かなり美味しかったのかもしれないですね」
「ああ、なるほど。私は、他の人とは全く違いますからね。必要でしたら、私から、じゃんじゃん吸ってくれても良いですよ。死なない程度でお願いしたいですけど」
クララは、自分の胸を叩きながらそう言った。リリンには、色々と世話になりすぎているので、そのくらい渡さないと申し訳ないと思ったのだ。
「リリンさんに吸われるのなら、私は、全く抵抗ありませんよ」
クララがそう言うと、リリンはホッと安堵した。これで、クララから嫌われたら、自業自得とは言え、悲しく感じてしまうからだ。
「でも、せめて、吸っていることは、教えて欲しかったです」
「それはすみませんでした。ちょっと、教えるのに抵抗がありまして……」
「良いですよ。許してあげます」
クララは、胸を張ってそう言った。その姿を見て可愛いと感じたリリンは、クララの頭を撫でてあげる。クララは、嬉しそうにしていた。
そんな二人の会話が終わったところで、クララとリリンは、話に入っていけずそわそわとしているサーファに気が付いた。
クララは、サーファと話しやすいように正面にいるサーファの横に移動しようとする。
そのタイミングで、馬車が大きく揺れてしまい、クララがバランスを崩してしまった。リリンとサーファが、支えようと動くが揺れが酷くなり、クララを支えるところまでいけない。
クララは、そのまま目の前にいるサーファの豊かな胸に顔を突っ込んだ。
「もぶっ……」
サーファは、そのままクララを受け止めて揺れが大人しくなるまで、抱きしめておく。サーファの胸に突っ込んだおかげで、クララ自身に怪我は無かった。
揺れが落ち着いたところで、サーファは、クララを隣に座らせる。
「馬車の中で、急に立ち上がると危険です。気を付けてください」
リリンは、真剣な顔でクララを叱る。本当に危ないことなので、ここは注意しないといけないのだ。叱られたクララは、シュンとなって落ち込んでしまう。
「ごめんなさい」
クララは、さすがに、自分でも迂闊なことをしたと思ったので、二人に謝る。ちゃんと反省している事が分かるので、リリンは優しく微笑み、サーファは、クララを抱きしめる。
サーファに抱きしめられているクララは、身長差のせいで、顔に胸を押しつけられている。そこで、クララは気になる事があった。
「そういえば、サーファさんって、何で胸が大きいんですか?」
「え?」
唐突なクララの疑問に、さすがのサーファも戸惑ってしまう。クララの視線は、押しつけられているサーファの胸に釘付けだった。
「えっと、十分な食事と運動かな? 私がやっている事と言ったら、それくらいしかないけど」
「……どっちも私に足りなかったものですね……じゃあ、これから成長するんでしょうか?」
「どうだろう? 魔族だと、基本的に種族によって変わってくるから、私と人族とでは、同じとは言えないんじゃないかな」
「そうですね。人族の成長範囲と同じくらいの種族は、私達サキュバスやインキュバスだと思いますよ? 元々は、魔族だけじゃなく、人族をも魅了していたと言いますから」
サーファの答えに、リリンが補足を加えた。
「へぇ~、じゃあ、リリンさんより大きい人も小さい人もいるんですね」
「はい。私は、小さい方ですので、大きい人が多いですね」
「ちなみに、私は、犬族の中でも大きい方だよ」
「私も、サーファさんくらいになりますかね……」
クララが、自分の胸を触りながらそう言う。リリンとサーファは、目を逸らして黙り込んでしまう。
「そんなに、成長しなさそうですか?」
心配になったクララが、二人に訊く。これに対して口を開いたのは、リリンの方だった。
「いえ、まだ、成長の余地はあります。なので、希望を捨てずにいきましょう。それに、胸が大きくても小さくても、クララさんはクララさんですので、お気になさらないでも良いと思います」
「そうだよ。もし、気になるなら、今度触らせてあげるから」
「本当ですか!?」
クララが、この会話で一番の食いつきを示した。サーファは、一瞬驚いていたが、
「うん。本当だよ」
と言って、クララを抱きしめた。リリンは、
(そもそも、抱きしめられている時点で、胸にも触っているはずですが……)
と思ったが、クララには言わないでおいた。それは、
(きっと、自分の手で触りたいのでしょうね)
と思ったためだった。
魔力不足で、ぼーっとしてしまっていたクララだったが、二人と話す事で、その感じもなくなっていた。
こうして、クララは、戦場からいつもの日常へと帰り始めた。
この馬車を引いているのは、ナイトウォーカーだ。リリンの要求通りにサーファが用意したのだ。御者に関しても、リリンの要求が通り、周辺軍の兵から選ばれていた。
これは、周辺軍からの詫びという面もあった。リリンの言った事が、図星だったため、レオング達も反省していたのだ。
移動速度は、行きよりも少しだけ遅いくらいだ。こちらに来た時と違って、全力で急ぐ必要がないからだ。それでも、一日程で魔王城に帰れる速度ではあった。
この馬車の中で、クララは、少しぼーっとしていた。魔族達の回復をするために、大量の魔力を消費したためだった。ファッジ草の煮汁で、ある程度の疲れは取れているものの、魔力までは、回復していなかった。
「クララさん、お疲れでしょうし、移動の間、お眠りになっても良いですよ?」
リリンが気を利かせて、クララにそう言った。だが、クララは首を横に振る。
「いえ、ぼーっとするだけで、あまり眠くは無いので、起きています」
「そうですか? 眠くなりましたら、遠慮せずに寝てください。ご無理だけはなさらないように」
「はい。分かりました」
気を利かせてくれたリリンに、クララは笑顔で答える。そこで、クララの頭にふと気になる事が湧いてきた。
「そういえば、さっきアークさんが、以前より魔力が上がっていると言っていましたよね?」
話の途中で、サーファが帰ってきた事によって、打ち切られたので、少し気になっていたのだ。
「嫌だったら答えなくてもいいんでけど、どうなのか気になってしまって」
リリンは、少し恥ずかしそうに、そして気まずそうにして目を逸らす。
(やっぱり、あまり言いたくないことなのかな)
クララが、別の話題に変えようと思ったのと同時に、リリンが口を開く。
「その……クララさんから、吸い取った精気なんです……」
「へ?」
リリンの答えに、クララは驚く。
「人族領にいた間は、クララさんの監視で、精気を集める余裕はなかったんです。さすがに、離れて行動するわけにもいきませんから。なので、こっちに戻ってきてから、ほんの少しだけ、クララさんから貰っていました」
クララは、自分が精気を吸われていた事に全く気付かなかった。それほどまでに、微量という事だろう。
クララへの申し訳なさと恥ずかしさで、リリンの顔は、ほんのりと赤い。
「そういえば、リリンさん達は、精気を吸わないとどうなるんですか?」
クララは、そもそも何故精気を吸うのかが分からないので、そこを質問してみた。
「単純に強くなれないというのと、少し元気が無くなる程度です。精気を吸うというのは、私達サキュバスやインキュバスにとって、食事に近いものになります。食事と違う部分は、必ずしも摂取しないといけないものではないという点です。イメージ的には、デザートといった感じでしょうか」
「デザートですか?」
「はい。クララさんもお好きなデザートです。あれば嬉しいですが、必ずしも必要なものとはいえないと思います。実は、人族領から魔族領へと運ぶ際にしたキスで思わず、少しだけ精気を吸ってしまったのですが、その時の味が……その……本当に美味しくて……」
リリンは、さらに顔を赤らめながら、美味しいものを食べたときのような顔をする。少し色っぽくもなっているその顔に、クララは、ぽかんとしてしまう。
リリンは、要らないことまで言ってしまったと思い、少し恥ずかしそうにしていた。
サーファは、この会話に入っていく事が出来ないので、少し遠い目をしていた。
「私って、そんなに美味しいんですか?」
「そうですね。私は、あまり精気を吸わないので、確かな事は言えませんが、クララさんの精気は本当に美味しかったです。今まで、女性魔族の友人から貰ったりしていましたが、比べ物になりません」
リリンは、女性魔族の友人から精気を貰っていただけで、男性からは、一度も精気を吸い取った事はなかった。そのため、サキュバスの中では、異端者となっている。
それでも、そこら辺の魔族よりも強いので、周りから何かを言われることは、かなり少なかった。
「もしかしたら、聖女の精気だから、かなり美味しかったのかもしれないですね」
「ああ、なるほど。私は、他の人とは全く違いますからね。必要でしたら、私から、じゃんじゃん吸ってくれても良いですよ。死なない程度でお願いしたいですけど」
クララは、自分の胸を叩きながらそう言った。リリンには、色々と世話になりすぎているので、そのくらい渡さないと申し訳ないと思ったのだ。
「リリンさんに吸われるのなら、私は、全く抵抗ありませんよ」
クララがそう言うと、リリンはホッと安堵した。これで、クララから嫌われたら、自業自得とは言え、悲しく感じてしまうからだ。
「でも、せめて、吸っていることは、教えて欲しかったです」
「それはすみませんでした。ちょっと、教えるのに抵抗がありまして……」
「良いですよ。許してあげます」
クララは、胸を張ってそう言った。その姿を見て可愛いと感じたリリンは、クララの頭を撫でてあげる。クララは、嬉しそうにしていた。
そんな二人の会話が終わったところで、クララとリリンは、話に入っていけずそわそわとしているサーファに気が付いた。
クララは、サーファと話しやすいように正面にいるサーファの横に移動しようとする。
そのタイミングで、馬車が大きく揺れてしまい、クララがバランスを崩してしまった。リリンとサーファが、支えようと動くが揺れが酷くなり、クララを支えるところまでいけない。
クララは、そのまま目の前にいるサーファの豊かな胸に顔を突っ込んだ。
「もぶっ……」
サーファは、そのままクララを受け止めて揺れが大人しくなるまで、抱きしめておく。サーファの胸に突っ込んだおかげで、クララ自身に怪我は無かった。
揺れが落ち着いたところで、サーファは、クララを隣に座らせる。
「馬車の中で、急に立ち上がると危険です。気を付けてください」
リリンは、真剣な顔でクララを叱る。本当に危ないことなので、ここは注意しないといけないのだ。叱られたクララは、シュンとなって落ち込んでしまう。
「ごめんなさい」
クララは、さすがに、自分でも迂闊なことをしたと思ったので、二人に謝る。ちゃんと反省している事が分かるので、リリンは優しく微笑み、サーファは、クララを抱きしめる。
サーファに抱きしめられているクララは、身長差のせいで、顔に胸を押しつけられている。そこで、クララは気になる事があった。
「そういえば、サーファさんって、何で胸が大きいんですか?」
「え?」
唐突なクララの疑問に、さすがのサーファも戸惑ってしまう。クララの視線は、押しつけられているサーファの胸に釘付けだった。
「えっと、十分な食事と運動かな? 私がやっている事と言ったら、それくらいしかないけど」
「……どっちも私に足りなかったものですね……じゃあ、これから成長するんでしょうか?」
「どうだろう? 魔族だと、基本的に種族によって変わってくるから、私と人族とでは、同じとは言えないんじゃないかな」
「そうですね。人族の成長範囲と同じくらいの種族は、私達サキュバスやインキュバスだと思いますよ? 元々は、魔族だけじゃなく、人族をも魅了していたと言いますから」
サーファの答えに、リリンが補足を加えた。
「へぇ~、じゃあ、リリンさんより大きい人も小さい人もいるんですね」
「はい。私は、小さい方ですので、大きい人が多いですね」
「ちなみに、私は、犬族の中でも大きい方だよ」
「私も、サーファさんくらいになりますかね……」
クララが、自分の胸を触りながらそう言う。リリンとサーファは、目を逸らして黙り込んでしまう。
「そんなに、成長しなさそうですか?」
心配になったクララが、二人に訊く。これに対して口を開いたのは、リリンの方だった。
「いえ、まだ、成長の余地はあります。なので、希望を捨てずにいきましょう。それに、胸が大きくても小さくても、クララさんはクララさんですので、お気になさらないでも良いと思います」
「そうだよ。もし、気になるなら、今度触らせてあげるから」
「本当ですか!?」
クララが、この会話で一番の食いつきを示した。サーファは、一瞬驚いていたが、
「うん。本当だよ」
と言って、クララを抱きしめた。リリンは、
(そもそも、抱きしめられている時点で、胸にも触っているはずですが……)
と思ったが、クララには言わないでおいた。それは、
(きっと、自分の手で触りたいのでしょうね)
と思ったためだった。
魔力不足で、ぼーっとしてしまっていたクララだったが、二人と話す事で、その感じもなくなっていた。
こうして、クララは、戦場からいつもの日常へと帰り始めた。
1
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説
AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
山田 武
ファンタジー
All Free Online──通称AFOは、あらゆる自由が約束された世界。
主人公である少年は、チュートリアルを経て最速LvMAXを成しえた。
Q.有り余る力を何に使う? A.偽善の為に使います!
これは、偽善を行いたい自称モブが、秘密だらけの電脳(異)世界を巻き込む騒動を起こす物語。
[現在修正中、改訂版にはナンバリングがされています]
現在ハーレム40人超え! 更新ノンストップ 最近は毎日2000文字の更新を保証
当作品は作者のネタが続く限り終わりません。
累計PV400万突破!
レビュー・感想・評価絶賛募集中です。
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~
鐘ケ江 しのぶ
ファンタジー
第15回ファンタジー大賞、奨励賞頂きました。
投票していただいた皆さん、ありがとうございます。
励みになりましたので、感想欄は受け付けのままにします。基本的には返信しませんので、ご了承ください。
「あんたいいかげんにせんねっ」
異世界にある大国ディレナスの王子が聖女召喚を行った。呼ばれたのは聖女の称号をもつ華憐と、派手な母親と、華憐の弟と妹。テンプレートのように巻き込まれたのは、聖女華憐に散々迷惑をかけられてきた、水澤一家。
ディレナスの大臣の1人が申し訳ないからと、世話をしてくれるが、絶対にあの華憐が何かやらかすに決まっている。一番の被害者である水澤家長女優衣には、新種のスキルが異世界転移特典のようにあった。『ルーム』だ。
一緒に巻き込まれた両親と弟にもそれぞれスキルがあるが、優衣のスキルだけ異質に思えた。だが、当人はこれでどうにかして、家族と溺愛している愛犬花を守れないかと思う。
まずは、聖女となった華憐から逃げることだ。
聖女召喚に巻き込まれた4人家族+愛犬の、のんびりで、もふもふな生活のつもりが……………
ゆるっと設定、方言がちらほら出ますので、読みにくい解釈しにくい箇所があるかと思いますが、ご了承頂けたら幸いです。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
利己的な聖人候補~とりあえず異世界でワガママさせてもらいます
やまなぎ
ファンタジー
9/11 コミカライズ再スタート!
神様は私を殉教者と認め〝聖人〟にならないかと誘ってきた。
だけど、私はどうしても生きたかった。小幡初子(おばた・はつこ)22歳。
渋々OKした神様の嫌がらせか、なかなかヒドイ目に遭いながらも転生。
でも、そこにいた〝ワタシ〟は6歳児。しかも孤児。そして、そこは魔法のある不思議な世界。
ここで、どうやって生活するの!?
とりあえず村の人は優しいし、祖父の雑貨店が遺されたので何とか居場所は確保できたし、
どうやら、私をリクルートした神様から2つの不思議な力と魔法力も貰ったようだ。
これがあれば生き抜けるかもしれない。
ならば〝やりたい放題でワガママに生きる〟を目標に、新生活始めます!!
ーーーーーー
ちょっとアブナイ従者や人使いの荒い後見人など、多くの出会いを重ねながら、つい人の世話を焼いてしまう〝オバちゃん度〟高めの美少女の物語。
幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~
桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。
そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。
頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります!
エメルロ一族には重大な秘密があり……。
そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる