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白虎の神様
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◇◇◇
「……るのか、人間だろ。この女」
「仕方ないよ、白哉様がお決めになったことなんだから」
すぐ近くから聞こえてきた、何やら言い合いをする声に、私の意識は浮上していった。ゆっくりと目を開けると、見知らぬ天井が目に入る。重い体。頭が痛い。一体、ここはどこなのだろう……。
「あ、起きたみたいだよ、紫苑」
少し高い声と同時に、ひょいと覗き込むようにこちらを見つめる丸い瞳と目が合った。水色の髪を一つに束ねた水干姿の子ども……?
「起きたっつっても目ぇ開いてるだけで動かねぇぞ、天音」
今度は、肩より短い赤髪にキッと意志の強そうな瞳、そして同じ水干を身にまとった子どもがこちらを覗き込んでいた。まだ目覚めたばかりで頭が働かず、状況が飲み込めない私。だけど、何より驚いたのは、彼らの顔の後ろにもふもふとした尻尾のようなものが見えたことだった。あと獣耳。
「あなた、たち……誰なの……」
掠れた声でそう尋ねれば、私が喋ったことに驚いたのか、二人の尻尾がピンと動いた。けれど、それぞれ顔を見合わせたあと、また私の方を見る。
「初めまして、僕は天音と言います」
「俺は、紫苑だ」
にこやかな笑みを浮かべ礼儀正しく自己紹介をする少年と、ぶっきらぼうに自己紹介をする少年。その後ろには、やっぱりもふもふとした尻尾のようなものが見えていた。
まさか、ここは死後の世界……?
「その、尻尾……」
疑問に思って尋ねると、二人は「ああ」と私が不思議そうな瞳を向けていることに得心した様子。そして、「天音」と名乗った少年がこう言った。
「僕らは狛犬のあやかしなので」
「あや、かし……?」
「ちなみに、俺と天音は兄弟だぜ」
言われた言葉が瞬時に理解できず、おうむ返しをしてしまった。ちょっと、待って。今、「あやかし」って言ったわよね?
「……るのか、人間だろ。この女」
「仕方ないよ、白哉様がお決めになったことなんだから」
すぐ近くから聞こえてきた、何やら言い合いをする声に、私の意識は浮上していった。ゆっくりと目を開けると、見知らぬ天井が目に入る。重い体。頭が痛い。一体、ここはどこなのだろう……。
「あ、起きたみたいだよ、紫苑」
少し高い声と同時に、ひょいと覗き込むようにこちらを見つめる丸い瞳と目が合った。水色の髪を一つに束ねた水干姿の子ども……?
「起きたっつっても目ぇ開いてるだけで動かねぇぞ、天音」
今度は、肩より短い赤髪にキッと意志の強そうな瞳、そして同じ水干を身にまとった子どもがこちらを覗き込んでいた。まだ目覚めたばかりで頭が働かず、状況が飲み込めない私。だけど、何より驚いたのは、彼らの顔の後ろにもふもふとした尻尾のようなものが見えたことだった。あと獣耳。
「あなた、たち……誰なの……」
掠れた声でそう尋ねれば、私が喋ったことに驚いたのか、二人の尻尾がピンと動いた。けれど、それぞれ顔を見合わせたあと、また私の方を見る。
「初めまして、僕は天音と言います」
「俺は、紫苑だ」
にこやかな笑みを浮かべ礼儀正しく自己紹介をする少年と、ぶっきらぼうに自己紹介をする少年。その後ろには、やっぱりもふもふとした尻尾のようなものが見えていた。
まさか、ここは死後の世界……?
「その、尻尾……」
疑問に思って尋ねると、二人は「ああ」と私が不思議そうな瞳を向けていることに得心した様子。そして、「天音」と名乗った少年がこう言った。
「僕らは狛犬のあやかしなので」
「あや、かし……?」
「ちなみに、俺と天音は兄弟だぜ」
言われた言葉が瞬時に理解できず、おうむ返しをしてしまった。ちょっと、待って。今、「あやかし」って言ったわよね?
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