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ギルド依頼 10
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さっきより凶暴化してるせいか、周りにいる騎士達も振り回される蜘蛛の長い足と糸に苦戦して次々倒れていってる。
「ぐぁっ!!」
「くそっ……、魔法が、効かないぞ……」
「うぅ……! 強いっ……」
走りながら無属性魔法剣を造りだして、そのままデュランダルを構えて変異種の脚を次々斬っていく。
「ガッ、ガッギュア!!」
――ドシィィン!!
ほとんど脚を斬り終えて動きが取れなくなった変異種。今度は口から糸を無数に吐いて逃げようとしてた。
糸で逃げる変異種から距離を取り、一旦デュランダルの柄を持ちながら鞘に仕舞って構え深く深呼してる。
周りで倒れてる騎士達も固唾を呑んで見守ってくれた。
緊迫した空気が辺りを包み込み、みんな微動だにせず誰かの息を呑む音すら耳に響いてる。
柄を握ってそのまま最高速で踏み込んで、空中にいる変異種を一気に斬りつけた。
私と変異種以外、時が止まったみたいに誰も動かなかった。
――――ザンッ!
一瞬、斬撃音が辺りに響いて、周りがシーン……と静まり返ってる。
真っ二つになった変異種が絶命して地面へと音を立てて倒れた。
剣をヒュンッと振って付着した体液を落とす。
よしっ! 殲滅完了。
静まり返ってた庭園内から煩いくらいワァーと歓声が上がった。
「うおぉぉお!! すげぇぇ!!」
「あの、大蜘蛛を一撃で……」
「流石はSS級! 凄いっ!!」
「俺、鳥肌が止まらねぇ……」
周りにいた騎士達がワイワイ騒いでて、収集がつかない感じになってる。
いや、ちょっと恥ずかしいな……
考えてみればこんなふうに人前で戦うことって今まであんまりなかったから、何か妙にこそばゆくていたたまれない気分。
もう任務完了したから帰っていいかな。とりあえず帰って寝たいし。
周りを見渡すけど、結構重症者もいて騒いでる人も手当を受けてる人もいる。
「シリウス卿。貴殿には重ね重ね助けられました。魔法騎士団を代表して深く感謝致します」
アケルナー父が私に近づいてきて胸に手を当てて頭を下げてる。
うっ……、無理やり回復させて怒ってるのかと思ったけど、一応お礼は言ってくれるんだね。
とりあえず庭園の真ん中で立ちながらコクリと頷いた。
「しかし……素晴らしい剣技でした。貴殿の持っておられるその剣も恐らく、伝説級のオメガニウム合金製と視ました。素晴らしい遣い手に相応しい美しい一刀です。伝説級の業物になると剣が使い手を選ぶと言いますが、その通りでしたね」
すっかり元気になったのかアケルナー父は片手に持ってたデュランダルを見て、うっとりしながら滑舌良く話してる。
怖っ……、少し見ただけでそこまで判るなんて、
やっぱりアケルナー父は油断ならない人だ。もう用事も済んだし、帰ろう。
そのままデュランダルを鞘に戻して、足に身体強化をかけた。
「あ、お待ち下さい! シリウス卿っ!」
私が帰ろうとしてるのを察したのか、アケルナー父が慌てて止めてる。
ん? なに? もう帰りたいんだけど……
振り返ってアケルナー父を見ると、また胸に手を当てて腰を折りながら恭しく手を差し伸べてる。
「命を助けて頂いてお礼もまだしていません。ぜひ今度、我が家へ招待致します」
いやあぁぁ!! 無理っ!! 絶対無理ぃ!!
懐から紙とペンを急いで取り出して、殴り書きするとまだ手を差し伸べてるアケルナー父にそれを渡した。
「これは……」
アケルナー父が姿勢を戻して紙を読んでる。
『エンリョする』
一言だけ書いたけど、わかるでしょ?
ホント、いらないから!!
「シリウス卿っ! お待ちっ――」
アケルナー父が何か言おうとしてるけど今度こそ足に強化かけてその場を飛び上がって、皇宮の屋根伝いに出口の門まで向かった。
さっきより凶暴化してるせいか、周りにいる騎士達も振り回される蜘蛛の長い足と糸に苦戦して次々倒れていってる。
「ぐぁっ!!」
「くそっ……、魔法が、効かないぞ……」
「うぅ……! 強いっ……」
走りながら無属性魔法剣を造りだして、そのままデュランダルを構えて変異種の脚を次々斬っていく。
「ガッ、ガッギュア!!」
――ドシィィン!!
ほとんど脚を斬り終えて動きが取れなくなった変異種。今度は口から糸を無数に吐いて逃げようとしてた。
糸で逃げる変異種から距離を取り、一旦デュランダルの柄を持ちながら鞘に仕舞って構え深く深呼してる。
周りで倒れてる騎士達も固唾を呑んで見守ってくれた。
緊迫した空気が辺りを包み込み、みんな微動だにせず誰かの息を呑む音すら耳に響いてる。
柄を握ってそのまま最高速で踏み込んで、空中にいる変異種を一気に斬りつけた。
私と変異種以外、時が止まったみたいに誰も動かなかった。
――――ザンッ!
一瞬、斬撃音が辺りに響いて、周りがシーン……と静まり返ってる。
真っ二つになった変異種が絶命して地面へと音を立てて倒れた。
剣をヒュンッと振って付着した体液を落とす。
よしっ! 殲滅完了。
静まり返ってた庭園内から煩いくらいワァーと歓声が上がった。
「うおぉぉお!! すげぇぇ!!」
「あの、大蜘蛛を一撃で……」
「流石はSS級! 凄いっ!!」
「俺、鳥肌が止まらねぇ……」
周りにいた騎士達がワイワイ騒いでて、収集がつかない感じになってる。
いや、ちょっと恥ずかしいな……
考えてみればこんなふうに人前で戦うことって今まであんまりなかったから、何か妙にこそばゆくていたたまれない気分。
もう任務完了したから帰っていいかな。とりあえず帰って寝たいし。
周りを見渡すけど、結構重症者もいて騒いでる人も手当を受けてる人もいる。
「シリウス卿。貴殿には重ね重ね助けられました。魔法騎士団を代表して深く感謝致します」
アケルナー父が私に近づいてきて胸に手を当てて頭を下げてる。
うっ……、無理やり回復させて怒ってるのかと思ったけど、一応お礼は言ってくれるんだね。
とりあえず庭園の真ん中で立ちながらコクリと頷いた。
「しかし……素晴らしい剣技でした。貴殿の持っておられるその剣も恐らく、伝説級のオメガニウム合金製と視ました。素晴らしい遣い手に相応しい美しい一刀です。伝説級の業物になると剣が使い手を選ぶと言いますが、その通りでしたね」
すっかり元気になったのかアケルナー父は片手に持ってたデュランダルを見て、うっとりしながら滑舌良く話してる。
怖っ……、少し見ただけでそこまで判るなんて、
やっぱりアケルナー父は油断ならない人だ。もう用事も済んだし、帰ろう。
そのままデュランダルを鞘に戻して、足に身体強化をかけた。
「あ、お待ち下さい! シリウス卿っ!」
私が帰ろうとしてるのを察したのか、アケルナー父が慌てて止めてる。
ん? なに? もう帰りたいんだけど……
振り返ってアケルナー父を見ると、また胸に手を当てて腰を折りながら恭しく手を差し伸べてる。
「命を助けて頂いてお礼もまだしていません。ぜひ今度、我が家へ招待致します」
いやあぁぁ!! 無理っ!! 絶対無理ぃ!!
懐から紙とペンを急いで取り出して、殴り書きするとまだ手を差し伸べてるアケルナー父にそれを渡した。
「これは……」
アケルナー父が姿勢を戻して紙を読んでる。
『エンリョする』
一言だけ書いたけど、わかるでしょ?
ホント、いらないから!!
「シリウス卿っ! お待ちっ――」
アケルナー父が何か言おうとしてるけど今度こそ足に強化かけてその場を飛び上がって、皇宮の屋根伝いに出口の門まで向かった。
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