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アルファルドがイケメンだった件 1

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 休みも終わって、一通り役目を終えた私はそろそろアルファルドとの距離を適正なものへ変えようと心に決めてた。

 公爵家の借金も返せたし、これからポーション収益で莫大な財産が公爵家に舞い込んでくる。

 アルファルドの貴族社会での立ち位置は変わらないかもしれないけど、今より苦労しないで生活は送れると思うから。
 私の役目はアルファルドを闇堕ちさせないこと。
 そしてアルファルドを幸せに導くこと。
 友達として親友として一緒にいてあげられるのは、アカデミアを卒業するまでだから。

 もう二学年だし、卒業まで今の状態を保たないと。
 男として近づいた以上、無用な恋心を捨てる覚悟はできてるし、私が積極的に動かなきゃ進展することもないと思うから。
 
 そう……心を入れ替えて、講堂へと向かった。

 隣にオクタンも着いてきてて、一緒に並んで歩きながら他愛もない会話をしてる。

「そういえば、オクタンはペア誰と組むか決まったのか?」
「あ…んと、まだハッキリ、決まってないかな?」
 
 オクタンとの友人関係みたいなのが、私の理想なんだよね。
 そのつもりで近づいたのに、どうしてこうなったんだろう?

 オクタンを可愛いと思うし癒やしだなとも思うけど、じゃあ抱きしめたいとか、ベタベタ触れたいかって言われれるとそうじゃない。
 そういう感情は一切湧いてこないもん。
 でもさ、それが普通の友達なんだよね~。

 ハァ……、私が始めっから距離感を間違えてたんだよね。元々推しとしての好きさが度を越しちゃってて、好意の塊しかなかったから。
 好き好き言いすぎて、距離は詰められたのに行きすぎたことばっかりしてたからさ。
 自分の気持ちを自覚してからようやく気づいたんじゃ遅いよね……

 自己嫌悪と反省を繰り返して講堂へと入った。
 
 中に入ったらなんだか変な違和感に襲われた。
 いつになく講堂内の雰囲気がいつもと違う。

 ん……、なんだろう……?

 生徒の……特に女生徒の視線が講堂の隅に集まってて、なんていうか色めき立ってる。
 でも、その視線の先にいるのはアルファルドしかいないのに。
 不思議に思ったけど、いつも通りアルファルドの方に向かった。
 アルファルドは頬杖ついていつも通り窓の外見てる。
  
 んん??
 あれ? なんか、アルファルドがいつもと違う……?
 アルファルドが……アルファルドの髪が、すごく短くなってる??

 驚きを隠せなくてもっと近くで確認したくて、足早にアルファルドの側まで歩いていっま。

「おい、アルファルド? お前……」

 私の声に気づいたアルファルドが振り返ってこっちを見た。

 アルファルドを見た私は、言葉を失った。
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