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ポーション作り 8
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また日々が過ぎ、そろそろ秋も半ばで冬へと移り変わりそう。
もう冬になるのか…早いなー…。
もし、魔界王デネボラが復活するなら、それは2学年の冬。あと一年ちょっとてことだよね。
ゲームのアルファルドが自分の魔力と生命を引き換えに、魔界王デネボラを復活させたのが。
でも、この世界のアルファルドはポラリスとの接触もないし、今のところ闇落ちする気配もない。
この結果がどう出るのか…今はまだわからないけど、自分なりにやれることは全力でやってきた。
私とアルファルドの関係も友達って呼べるものに変わって来てる。まだ油断出来ないけどさ。
ようやくだよ!?…まず大前提の友達になるっていうのに、まさかここまで時間がかかるとは思ってもみなかった…。
現実のアルファルドって本っ当に手強い!
◇
「よしっ、今日はハイポーションを作るぞ!オクタン…」
「んと、水」
自分でわかってるのか言われなくても鍋に水を入れていく。微細な魔力操作も完璧になって、溢れることなくすんなりと鍋に水を注いでく。
「次、アルファルド!」
「…ほら」
こっちも言われなくても燭台に火がついてる。
私が魔力を流しながら手慣れた手付きで薬草、毒草を順番に投入して、あっという間にハイポーションが完成。
「んと…すごい…ね」
「うんうん、いい感じ!綺麗なピンク色で、ハイポーションも品質ともに問題ないな!」
「……信じられん」
光に透かして確認するけど、ダンジョン産のハイポーションと遜色はない。
小瓶を口に付けてグイッと中身を飲み干すけど、効果はダンジョン産の物と全く同じ。
私は特に愚者の輪をつけてるから常に魔力が消費してて、だからこそハイポーションを使って体力魔力ともに回復すると、微々たるものでも身体が軽くなるのがわかる。
「万能薬も作れるけど、これは追々かな。アカデミアには材料が無いし、何よりこれを製造するのは危険過ぎる…」
万能薬とは人間の身体の全ての状態異常を回復する特効薬。ポーションとかハイポーションて怪我の治癒とか体力、魔力の回復だけだけど、万能薬はどんな病気も不治の病さえも治せる物凄い薬だってことだよね。
これってポーションやハイポーションなんかよりさらにレアな薬で、近年ではダンジョン産でも発見されていない。
ポーションの取引価格はおよそ50万G…五千万円だとして、万能薬は一本でもう数十億超えの代物。
今の段階ではやめとこ。
未知の領域に踏み込むとろくな事ないし、ポーション製造だけでも十分採算は取れる。
「アルファルド…」
「…なんだ」
「近々学長室へ行くから、その時はついて来てくれないか?」
出来上がったハイポーション片手に、ニコリと笑って窓際にいたアルファルドにお願いする。
色んな意味でアルファルドがいないと意味がないんだ。私としても隣にいてくれるだけで心強いし。
窓際にいたアルファルドは、少し離れた私の近くまで歩み寄ってくる。
「…アトリクス、無茶はするな」
「ハハッ、心配してくれてるのか?」
「……あぁ」
「っ……マジか…、すげぇ嬉しい…」
予想外の言葉に驚いたけど、嬉しすぎて思わず笑みが溢れる。
アルファルドはまたまたふいっとそっぽを向いてる。
だいぶ心を開いてくれてるのか、アルファルドがちゃんと話してくれるし、こんなふうに私を気遣ってくれてる!
今までが今までだったから、現実味がまるでなくて…やっぱまだ夢見てるみたい。
見下ろしてるアルファルドの表情は前髪が邪魔してよく見えない。
うーん、もう少しちゃんとアルファルドの顔見てみたいな…。
「アヴィオール学長はかなり厄介なんだ。だから、お前がいてくれるとすごく頼もしい…」
「…俺は構わないが」
「本当かっ…じゃあ、よろしくな!アルファルド」
すぐ側にいるアルファルドは、今度はちゃんとこっちを見て頷いてくれた。
「あ…んと…んと、あの…これも…移す?」
なぜか気まずそうに私に話しかけてきたオクタン。
あ、オクタンの存在を忘れてた。
机に置いてあった冷めた鍋を持って、右往左往してる。
「あっ、悪ぃなオクタン。それも全部その小瓶に移してくれ。さて、まだまだ作るぞ~!」
「…まだ作るのか?」
「あぁ、もちろんだ!これからの事も考えると全然足りない。数は作っておかないとな」
「んと…たくさん?」
発注した小瓶の製造も順調だし、数は多ければ多いほどいいからね。売ることを視野に考えてるし、もし販売するってなったときに注文が殺到すると思うから。
「うん、そうなんだ。ただ、置いとく場所がないんだよな…」
チラッとアルファルドを見ると、気づいてくれたのか少し考えてから口を開いた。
「…うちに置いといてもいいが…」
「いいのか?!助かるぜっ」
にっこりと笑って答える。
よしっ、かかった!これで大体の下準備は整ったかな。
あとはひたすら私がポーション、ハイポーションを作れば準備オッケー!
さて、これで始められるね!
また日々が過ぎ、そろそろ秋も半ばで冬へと移り変わりそう。
もう冬になるのか…早いなー…。
もし、魔界王デネボラが復活するなら、それは2学年の冬。あと一年ちょっとてことだよね。
ゲームのアルファルドが自分の魔力と生命を引き換えに、魔界王デネボラを復活させたのが。
でも、この世界のアルファルドはポラリスとの接触もないし、今のところ闇落ちする気配もない。
この結果がどう出るのか…今はまだわからないけど、自分なりにやれることは全力でやってきた。
私とアルファルドの関係も友達って呼べるものに変わって来てる。まだ油断出来ないけどさ。
ようやくだよ!?…まず大前提の友達になるっていうのに、まさかここまで時間がかかるとは思ってもみなかった…。
現実のアルファルドって本っ当に手強い!
◇
「よしっ、今日はハイポーションを作るぞ!オクタン…」
「んと、水」
自分でわかってるのか言われなくても鍋に水を入れていく。微細な魔力操作も完璧になって、溢れることなくすんなりと鍋に水を注いでく。
「次、アルファルド!」
「…ほら」
こっちも言われなくても燭台に火がついてる。
私が魔力を流しながら手慣れた手付きで薬草、毒草を順番に投入して、あっという間にハイポーションが完成。
「んと…すごい…ね」
「うんうん、いい感じ!綺麗なピンク色で、ハイポーションも品質ともに問題ないな!」
「……信じられん」
光に透かして確認するけど、ダンジョン産のハイポーションと遜色はない。
小瓶を口に付けてグイッと中身を飲み干すけど、効果はダンジョン産の物と全く同じ。
私は特に愚者の輪をつけてるから常に魔力が消費してて、だからこそハイポーションを使って体力魔力ともに回復すると、微々たるものでも身体が軽くなるのがわかる。
「万能薬も作れるけど、これは追々かな。アカデミアには材料が無いし、何よりこれを製造するのは危険過ぎる…」
万能薬とは人間の身体の全ての状態異常を回復する特効薬。ポーションとかハイポーションて怪我の治癒とか体力、魔力の回復だけだけど、万能薬はどんな病気も不治の病さえも治せる物凄い薬だってことだよね。
これってポーションやハイポーションなんかよりさらにレアな薬で、近年ではダンジョン産でも発見されていない。
ポーションの取引価格はおよそ50万G…五千万円だとして、万能薬は一本でもう数十億超えの代物。
今の段階ではやめとこ。
未知の領域に踏み込むとろくな事ないし、ポーション製造だけでも十分採算は取れる。
「アルファルド…」
「…なんだ」
「近々学長室へ行くから、その時はついて来てくれないか?」
出来上がったハイポーション片手に、ニコリと笑って窓際にいたアルファルドにお願いする。
色んな意味でアルファルドがいないと意味がないんだ。私としても隣にいてくれるだけで心強いし。
窓際にいたアルファルドは、少し離れた私の近くまで歩み寄ってくる。
「…アトリクス、無茶はするな」
「ハハッ、心配してくれてるのか?」
「……あぁ」
「っ……マジか…、すげぇ嬉しい…」
予想外の言葉に驚いたけど、嬉しすぎて思わず笑みが溢れる。
アルファルドはまたまたふいっとそっぽを向いてる。
だいぶ心を開いてくれてるのか、アルファルドがちゃんと話してくれるし、こんなふうに私を気遣ってくれてる!
今までが今までだったから、現実味がまるでなくて…やっぱまだ夢見てるみたい。
見下ろしてるアルファルドの表情は前髪が邪魔してよく見えない。
うーん、もう少しちゃんとアルファルドの顔見てみたいな…。
「アヴィオール学長はかなり厄介なんだ。だから、お前がいてくれるとすごく頼もしい…」
「…俺は構わないが」
「本当かっ…じゃあ、よろしくな!アルファルド」
すぐ側にいるアルファルドは、今度はちゃんとこっちを見て頷いてくれた。
「あ…んと…んと、あの…これも…移す?」
なぜか気まずそうに私に話しかけてきたオクタン。
あ、オクタンの存在を忘れてた。
机に置いてあった冷めた鍋を持って、右往左往してる。
「あっ、悪ぃなオクタン。それも全部その小瓶に移してくれ。さて、まだまだ作るぞ~!」
「…まだ作るのか?」
「あぁ、もちろんだ!これからの事も考えると全然足りない。数は作っておかないとな」
「んと…たくさん?」
発注した小瓶の製造も順調だし、数は多ければ多いほどいいからね。売ることを視野に考えてるし、もし販売するってなったときに注文が殺到すると思うから。
「うん、そうなんだ。ただ、置いとく場所がないんだよな…」
チラッとアルファルドを見ると、気づいてくれたのか少し考えてから口を開いた。
「…うちに置いといてもいいが…」
「いいのか?!助かるぜっ」
にっこりと笑って答える。
よしっ、かかった!これで大体の下準備は整ったかな。
あとはひたすら私がポーション、ハイポーションを作れば準備オッケー!
さて、これで始められるね!
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