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入学準備編 3
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「では、場所を移動しますか」
徐ろにエルナト先生が椅子から立ち上がった。そのままフードを被り、まだ座ってる私の方を見てる。
私も訳がわからないまま立ち上がった。
「先生どこか行くんですか?」
「えぇ、ここでは危険でしょうから、外まで出ましょう」
「危険?…外って…?」
「私はまだあなたの魔法を見ておりません。凱旋授与式の後すぐに帝都へ移ってしまいましたから」
ニコッと笑うエルナト先生。
あー…そういえばそうだっけ。魔力枯渇でしばらく魔法使うの止めてたから、その間に色々あり過ぎちゃってすっかり忘れてたよ。
「わかりました。とりあえず平原辺りに行きますか」
「ようやく新たな属性魔法が見れるのですね!」
部屋の入り口へ移動する間も、先生はすごく楽しそうで本当に魔法好きなんだなぁ…と関心する。
上機嫌の先生と一緒に宿屋を出ると町へと繰り出した。
帝都から出ると、私が歩いてきた誰もいないような何もない平原へと移動してきた。
周りに木も生えてないくらい草だらけの場所で、かなり見渡しはいい。
遠くには帝都を守る白亜の壁が見えてる。
私はエルナト先生から数メートル程の距離を取ると、先生と向かい合った。
「じゃあエルナト先生!風属性でも土属性でもいいので、上級魔法ばんばん撃ってきて下さい」
少し離れた場所にいるから声を張り上げて話した。フードを脱いだエルナト先生は不安そうな顔をしてる。
「…本当に大丈夫なのですか?一歩間違えれば大怪我へと繋がりますが…」
「ハハッ、大丈夫ですって。最悪避けますから」
「わかりました。では、いきますよ!」
先生の不安を余所に、片手を腰に当てて平原に余裕で立って構えてる私。
先生が私に向かい手を翳してる。
『アースレイン』
これは土属性の上級魔法。
握り拳程の土の塊が何個も浮かび上がり、次第に大きさを増していく。
それらが一斉に私目掛けて降り注いだ。
エルナト先生は構えたまま、固唾をのんで見守ってる。
『魔法無力化』
片手を上げ唱えると、大量に降り注いでいた土の塊がスゥーッと跡形もなく消えてなくなった。
エルナト先生はそれを見て、時が止まったみたいに目を見開いたまま呆然としてる。
そのまま私はエルナト先生の方まで歩み寄った。
「どうでした?俺の魔法」
「…し…信じられません……本当に、魔法が消えてしまいました。しかも魔法を唱える時の発音は聞いたことがありませんね…」
これ日本語発音だからこっちの帝国語と全く違うし、誰にもわからないと思う。
ギクッとして、ここは曖昧にしとかないとね。
「あぁ…それは俺にもよく分からなくて。…ただ欠点は、相手の魔法規模が強すぎると、相殺するこちら側の魔力消費が大きくなる点ですね」
「となると、最上位種を仕留めたあなたの魔力量は相当なものですね」
「んー…まぁ、そうなりますかね?」
確かに私の魔力量はかなり多い。
しかも今回魔力枯渇を経験したことと、レベルが上がったこともあってまたさらに増えたしね。
強くなるのは嬉しいけど、あんまり平均値を上回りすぎるのもなぁ。
「もう一度試させて下さい!」
「…え?またですか?」
「えぇ!次は風属性で試しましょう!」
先生は私の正面に立って目をきらきらさせながら拳を握ってる。新しい魔法に触れてワクワクを止められない感じ。
本当エルナト先生って魔法大好きだよね~。
その後も何度か同じ事を試して、エルナト先生はすごく満足そうにしてた。
一通り試せて落ち着いたのか、ようやく帝都へ戻る帰り道。
「うむ…しかしあなたの属性は何に分類されるのでしょう…」
二人で帝都へ続く道を歩きながら、顎に指を当て考えてたエルナト先生がふいに切り出す。
「そうですねぇ……俺はこれを無属性と呼んでます」
「無属性…?」
「属性が無い、無力化する…からきて無属性です」
「なるほど…それで無属性。納得ですね」
また歩きながら考えてる。
「本来ならこの驚異的な魔法を魔法学会で発表し、あなたの稀少性を世に知らしめたいところなのですが…」
「俺は望んでません」
「えぇ、あなたならそういうと思いました」
「…先生だからこそ、この力の存在を告げました。それに、厄介事は御免ですよ」
「…重々承知しております」
「先生、ありがとうございます!」
やっぱりエルナト先生は私のことわかってくれてるね。
二人で帝都へ戻りながら、スタンピードで発現した時の話に花を咲かせた。
「では、場所を移動しますか」
徐ろにエルナト先生が椅子から立ち上がった。そのままフードを被り、まだ座ってる私の方を見てる。
私も訳がわからないまま立ち上がった。
「先生どこか行くんですか?」
「えぇ、ここでは危険でしょうから、外まで出ましょう」
「危険?…外って…?」
「私はまだあなたの魔法を見ておりません。凱旋授与式の後すぐに帝都へ移ってしまいましたから」
ニコッと笑うエルナト先生。
あー…そういえばそうだっけ。魔力枯渇でしばらく魔法使うの止めてたから、その間に色々あり過ぎちゃってすっかり忘れてたよ。
「わかりました。とりあえず平原辺りに行きますか」
「ようやく新たな属性魔法が見れるのですね!」
部屋の入り口へ移動する間も、先生はすごく楽しそうで本当に魔法好きなんだなぁ…と関心する。
上機嫌の先生と一緒に宿屋を出ると町へと繰り出した。
帝都から出ると、私が歩いてきた誰もいないような何もない平原へと移動してきた。
周りに木も生えてないくらい草だらけの場所で、かなり見渡しはいい。
遠くには帝都を守る白亜の壁が見えてる。
私はエルナト先生から数メートル程の距離を取ると、先生と向かい合った。
「じゃあエルナト先生!風属性でも土属性でもいいので、上級魔法ばんばん撃ってきて下さい」
少し離れた場所にいるから声を張り上げて話した。フードを脱いだエルナト先生は不安そうな顔をしてる。
「…本当に大丈夫なのですか?一歩間違えれば大怪我へと繋がりますが…」
「ハハッ、大丈夫ですって。最悪避けますから」
「わかりました。では、いきますよ!」
先生の不安を余所に、片手を腰に当てて平原に余裕で立って構えてる私。
先生が私に向かい手を翳してる。
『アースレイン』
これは土属性の上級魔法。
握り拳程の土の塊が何個も浮かび上がり、次第に大きさを増していく。
それらが一斉に私目掛けて降り注いだ。
エルナト先生は構えたまま、固唾をのんで見守ってる。
『魔法無力化』
片手を上げ唱えると、大量に降り注いでいた土の塊がスゥーッと跡形もなく消えてなくなった。
エルナト先生はそれを見て、時が止まったみたいに目を見開いたまま呆然としてる。
そのまま私はエルナト先生の方まで歩み寄った。
「どうでした?俺の魔法」
「…し…信じられません……本当に、魔法が消えてしまいました。しかも魔法を唱える時の発音は聞いたことがありませんね…」
これ日本語発音だからこっちの帝国語と全く違うし、誰にもわからないと思う。
ギクッとして、ここは曖昧にしとかないとね。
「あぁ…それは俺にもよく分からなくて。…ただ欠点は、相手の魔法規模が強すぎると、相殺するこちら側の魔力消費が大きくなる点ですね」
「となると、最上位種を仕留めたあなたの魔力量は相当なものですね」
「んー…まぁ、そうなりますかね?」
確かに私の魔力量はかなり多い。
しかも今回魔力枯渇を経験したことと、レベルが上がったこともあってまたさらに増えたしね。
強くなるのは嬉しいけど、あんまり平均値を上回りすぎるのもなぁ。
「もう一度試させて下さい!」
「…え?またですか?」
「えぇ!次は風属性で試しましょう!」
先生は私の正面に立って目をきらきらさせながら拳を握ってる。新しい魔法に触れてワクワクを止められない感じ。
本当エルナト先生って魔法大好きだよね~。
その後も何度か同じ事を試して、エルナト先生はすごく満足そうにしてた。
一通り試せて落ち着いたのか、ようやく帝都へ戻る帰り道。
「うむ…しかしあなたの属性は何に分類されるのでしょう…」
二人で帝都へ続く道を歩きながら、顎に指を当て考えてたエルナト先生がふいに切り出す。
「そうですねぇ……俺はこれを無属性と呼んでます」
「無属性…?」
「属性が無い、無力化する…からきて無属性です」
「なるほど…それで無属性。納得ですね」
また歩きながら考えてる。
「本来ならこの驚異的な魔法を魔法学会で発表し、あなたの稀少性を世に知らしめたいところなのですが…」
「俺は望んでません」
「えぇ、あなたならそういうと思いました」
「…先生だからこそ、この力の存在を告げました。それに、厄介事は御免ですよ」
「…重々承知しております」
「先生、ありがとうございます!」
やっぱりエルナト先生は私のことわかってくれてるね。
二人で帝都へ戻りながら、スタンピードで発現した時の話に花を咲かせた。
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