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ドラコニス公爵家 3
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しかも、話しながらアカデミアの制服を次々脱いでいくから、目のやり場にも困っちゃうよ!
そう思いながらも、しっかり目に焼き付けてるんだけどさ。
「…外では、他人と関わりを持たないよう努めている」
アルファルドはなんの躊躇いもなく詰め襟外して、制服を脱いでシャツ姿になって、ボタンも器用にプチプチ外してて…悪いけど、話しに集中できないからっ!
「………何度も言うが、見すぎだ…」
赤くなりながらじーっとアルファルドの着替え見てたら、視線に気付いたアルファルドが呆れたように声かけてきた。
「え…!だ、だって仕方ないだろ!?」
「…何が仕方ないか、わからない」
「アルファルドが、急に…ぬ、脱いでくからッ!」
「はっ…、借りてきた猫みたいだ」
あっ、笑った!!
口角が少し上がってて、全体的にはわからないけど雰囲気と口調でわかる。
あ、あ、うそ!アルファルドが笑ったの初めて見たっ!!
ゲームだとポラリスといるときでさえ笑ってなかったのに。
最後に嫉妬で狂って笑いながら死んでいく時くらいしか…。
その場面を思い出して、ベッドに座りながらグッと拳を握った。
「あぁ、もぉっ~!」
頭の中がパンクしそう。こんなに余裕がないのも全部アルファルドのせいだよ!
「…なんだ?」
ついにシャツも全部脱ぎ終わって、上半身裸のアルファルドが不思議そうにこっちを向いてる。
「わっ、わっ!」
うわっ!!ちょ、ちょっとぉ!!何なのっ、このサービスショットはっ!?
顔を赤くしながらも、それでも視線は一向に外さない私。
しかもアルファルドってなんかすっごく綺麗に筋肉がついてて、見惚れちゃいそうなくらい良い身体してる!
でも、背中の傷痕が凄かったな…。すぐ着替えのシャツ着ちゃったから一瞬しか見れなかったけど、全体的に浅いのや深いのがたくさんあった。
やっぱり外で仕事してるせいなのかな…。
そんなこと考えてるうちに今度は制服のズボンにまで手が伸びてて、もう目が離せない!
こんなの男同士じゃないとない特典だよね!
ゲームと全然違って、背も高いし手足も長くてこんなふうに肉体美まで見せつけられたら抑えが効かないよっ。
襲いたいけど男同士で絡むわけにもいかないし、しょうがないから自分の欲望を抑えてグッと我慢してた。
「ハァ…、いいから早く着替えろよ」
「……急になんだ」
「襲われたくなかったら早く着替えろってば!」
「……そう言いながら、見てるのはお前だろ。イヤなら後ろ向いてろ」
確かにその通りなんだけど…。
アルファルドのベッドの上に座って、ベルト外していよいよズボンを脱ぎ始めたアルファルドをまじまじと見てる。
「い、嫌じゃないし!めちゃくちゃ見たいけど、見てると自分を抑えられなくなるからッ!!」
「…男に襲われる程、ヤワじゃない」
「そんなこと言って!押し倒されても文句言うなよ!」
私が本気出して襲ったら、アルファルドなんてひとたまりもないんだからっ!!
あやしい会話のやり取りをしてると、いつの間にか入って来てたベッテルさんが、お茶のお盆を持ったままこっちを見て固まってた。
「…コホン…し、失礼致します。お、お茶をお持ち致しました」
「あ……べ、ベッテルさん……」
「…そこに置いてくれ」
「はい。畏まりました…」
やばっ…アルファルドの裸に興奮し過ぎて、全然気づかなかった。いつから聞かれてたんだろう…。
静かに入って来たベッテルさんは、お盆からお茶を机に置いてから扉まで戻ってた。
「では、ごゆっくりお過ごし下さい。晩餐が出来ましたらお呼び致します」
「…あぁ」
一礼してベッテルさんは出ていっちゃった…。
ベッテルさんに気を取られてたら、アルファルドの着替えが終っちゃったよ。
安心したけど、もっと見てたかったような残念な気持ち。
「…ここ数年来客なんてなかったからな。それ用の道具もないし、屋敷中の家具類も全て売ってしまった…」
着替え終えて白いシンプルなシャツと黒のズボン姿になったアルファルドが、自分の机に置かれたお茶を私の前まで持ってきて渡してくれる。
手を伸ばして受け取ると、ベッドの上で悪いけど一口お茶を飲ませてもらった。
ポツリと呟いたアルファルドに、私は何の気なしにサラッと話す。
「サンキュ。……なぁ、公爵家の借金てそんなにスゴイのか?」
正確な数字まで把握してないけど、情報ギルドでかなり事細かくアルファルドに関する全ての事を調べ上げた。
ここまですると私がストーカーみたいだよね…。
本当は知ってるんだけど、そこはあえて聞いてみる。
「…そうだな。…俺が一生働いても返しきれない」
アルファルドは自分の机に寄りかかって、手に持ってたお茶を見てるみたいだった。
「そっか…。でもさ、それでもお前はちゃんと働いて少しずつでも返してるんだろ?」
そう…詳しく調べてわかったことが沢山あった。
ドラコニス公爵家側の親族は財産を食い潰して多額の借金だけ作ってめちゃくちゃにした後、制裁を受けて全員処罰された。
爵位はアルファルドが取り戻したけど、借金返済が無くなるわけじゃなく、何もしてないアルファルドがその全てを返す事になる。母方の親族である皇家側はこの件では一切ノータッチ。ドラコニス公爵家側の問題だと言って門前払いしてる。
アルファルドがいる限り手助けするつもりもないみたいだね。
あの皇帝はどうしてもアルファルドが許せないみたいで、じわじわ苦しめて追い詰めないと気が済まないらしい。
アカデミアに入学させたのも計らいなんかじゃなくて、自分の立ち位置を改めて確認させる為の嫌がらせだった。
机に寄りかかってお茶を持ってたアルファルドはカップに口を付けて一口飲み込んでる。
「…それが俺の義務であり、責任だからな。俺が全てを放棄してしまえばしわ寄せが他へといってしまう…」
ものすごく苦労してるのに…、それを感じさせないくらい至って普通に静かに話してるアルファルド。
でもだからこそ、その言葉がすごく重く感じる。
もしアルファルドがいなくなれば、そのシワ寄せが公爵領の領民へと飛び火する。
しかもアルファルドって領地民から僅かしか税を取り立ててなくて…残ってるほとんどが老人だから。
若い世代は外に出てっちゃって…それを補う為にアカデミア終わってから出稼ぎに出てる。
アルファルドが公爵位を手放せば、残ってる領地民達は別の領主に代わってきっと高い税を搾取されちゃうから。
ベッドに座りながら、飲んでたお茶のカップを自分の膝に置いてギュッと両手で握りしめた。
あぁ…やっぱりダメだ…、アルファルドが好きすぎる。
こんなにも立派で殊勝な人を窮地に立たせて、あそこまで狂わせて追い詰めるなんて…。
色々考えてたら胸が熱くなって、思い出しただけでポロッと涙が出てきた。
「……」
何も知らない筈の私が泣くなんて、アルファルドは不愉快に思うだろうな…。
思わず下を向いて誤魔化すけど。
「……お前、泣いてるのか?」
急に黙って下を向いた私の変化に気付いたのか、アルファルドが不思議そうに聞いてくる。
私は慌てて頭を横にブンブン振って誤魔化した。
「っ、……違っ」
「…それは同情か?」
「……わからない」
私が座ってたベッドへ近づいてきたアルファルドが、片膝ついてしゃがんで私の顔を覗いてる。
その鬱陶しい前髪で見えてるのかは謎だけど。
意外な行動に慌てて片手でカップを持って、グイッと制服の袖口で涙に濡れた目を擦った。
「バカッ、見んなよ!」
「…お前も泣くんだな」
「当たり前だろ!?」
「…いつもはあんなに図太いのに」
「お前はいつももっと寡黙だ!!」
「…フハッ」
あ、また笑った!
アルファルドの口角が綺麗に上がって、口元しかわからないけど笑ってるのがはっきりとわかった。
ベッドに腰掛けながらすごく心臓がドキドキして、アルファルドから目が離せない。
ハァ…どうしよう…、だんだん気持ちが誤魔化せなくなってきた。
初めはアイドルの追っかけ的な憧れと、最推しに会えたって喜び要素が強かったのに。
近くにいて知れば知るほど、それらとは違う感情にちょっとずつ呑まれちゃって…どうしていいのかわからなくなる。
自分の感情を振り払うように、勢いよく手に持ってたお茶を口に当ててぐいっと飲み干した。
それからベッドから降りて、片膝ついてるアルファルドの前に立ち上がった。
「…?」
「さ、お茶も飲んだし、せっかくだから屋敷の案内でもしてくれよ」
「…屋敷か…、…何もないが」
「別にいいんだよ!平民の俺にとっては豪邸に違いないしな!」
「…」
しかも、話しながらアカデミアの制服を次々脱いでいくから、目のやり場にも困っちゃうよ!
そう思いながらも、しっかり目に焼き付けてるんだけどさ。
「…外では、他人と関わりを持たないよう努めている」
アルファルドはなんの躊躇いもなく詰め襟外して、制服を脱いでシャツ姿になって、ボタンも器用にプチプチ外してて…悪いけど、話しに集中できないからっ!
「………何度も言うが、見すぎだ…」
赤くなりながらじーっとアルファルドの着替え見てたら、視線に気付いたアルファルドが呆れたように声かけてきた。
「え…!だ、だって仕方ないだろ!?」
「…何が仕方ないか、わからない」
「アルファルドが、急に…ぬ、脱いでくからッ!」
「はっ…、借りてきた猫みたいだ」
あっ、笑った!!
口角が少し上がってて、全体的にはわからないけど雰囲気と口調でわかる。
あ、あ、うそ!アルファルドが笑ったの初めて見たっ!!
ゲームだとポラリスといるときでさえ笑ってなかったのに。
最後に嫉妬で狂って笑いながら死んでいく時くらいしか…。
その場面を思い出して、ベッドに座りながらグッと拳を握った。
「あぁ、もぉっ~!」
頭の中がパンクしそう。こんなに余裕がないのも全部アルファルドのせいだよ!
「…なんだ?」
ついにシャツも全部脱ぎ終わって、上半身裸のアルファルドが不思議そうにこっちを向いてる。
「わっ、わっ!」
うわっ!!ちょ、ちょっとぉ!!何なのっ、このサービスショットはっ!?
顔を赤くしながらも、それでも視線は一向に外さない私。
しかもアルファルドってなんかすっごく綺麗に筋肉がついてて、見惚れちゃいそうなくらい良い身体してる!
でも、背中の傷痕が凄かったな…。すぐ着替えのシャツ着ちゃったから一瞬しか見れなかったけど、全体的に浅いのや深いのがたくさんあった。
やっぱり外で仕事してるせいなのかな…。
そんなこと考えてるうちに今度は制服のズボンにまで手が伸びてて、もう目が離せない!
こんなの男同士じゃないとない特典だよね!
ゲームと全然違って、背も高いし手足も長くてこんなふうに肉体美まで見せつけられたら抑えが効かないよっ。
襲いたいけど男同士で絡むわけにもいかないし、しょうがないから自分の欲望を抑えてグッと我慢してた。
「ハァ…、いいから早く着替えろよ」
「……急になんだ」
「襲われたくなかったら早く着替えろってば!」
「……そう言いながら、見てるのはお前だろ。イヤなら後ろ向いてろ」
確かにその通りなんだけど…。
アルファルドのベッドの上に座って、ベルト外していよいよズボンを脱ぎ始めたアルファルドをまじまじと見てる。
「い、嫌じゃないし!めちゃくちゃ見たいけど、見てると自分を抑えられなくなるからッ!!」
「…男に襲われる程、ヤワじゃない」
「そんなこと言って!押し倒されても文句言うなよ!」
私が本気出して襲ったら、アルファルドなんてひとたまりもないんだからっ!!
あやしい会話のやり取りをしてると、いつの間にか入って来てたベッテルさんが、お茶のお盆を持ったままこっちを見て固まってた。
「…コホン…し、失礼致します。お、お茶をお持ち致しました」
「あ……べ、ベッテルさん……」
「…そこに置いてくれ」
「はい。畏まりました…」
やばっ…アルファルドの裸に興奮し過ぎて、全然気づかなかった。いつから聞かれてたんだろう…。
静かに入って来たベッテルさんは、お盆からお茶を机に置いてから扉まで戻ってた。
「では、ごゆっくりお過ごし下さい。晩餐が出来ましたらお呼び致します」
「…あぁ」
一礼してベッテルさんは出ていっちゃった…。
ベッテルさんに気を取られてたら、アルファルドの着替えが終っちゃったよ。
安心したけど、もっと見てたかったような残念な気持ち。
「…ここ数年来客なんてなかったからな。それ用の道具もないし、屋敷中の家具類も全て売ってしまった…」
着替え終えて白いシンプルなシャツと黒のズボン姿になったアルファルドが、自分の机に置かれたお茶を私の前まで持ってきて渡してくれる。
手を伸ばして受け取ると、ベッドの上で悪いけど一口お茶を飲ませてもらった。
ポツリと呟いたアルファルドに、私は何の気なしにサラッと話す。
「サンキュ。……なぁ、公爵家の借金てそんなにスゴイのか?」
正確な数字まで把握してないけど、情報ギルドでかなり事細かくアルファルドに関する全ての事を調べ上げた。
ここまですると私がストーカーみたいだよね…。
本当は知ってるんだけど、そこはあえて聞いてみる。
「…そうだな。…俺が一生働いても返しきれない」
アルファルドは自分の机に寄りかかって、手に持ってたお茶を見てるみたいだった。
「そっか…。でもさ、それでもお前はちゃんと働いて少しずつでも返してるんだろ?」
そう…詳しく調べてわかったことが沢山あった。
ドラコニス公爵家側の親族は財産を食い潰して多額の借金だけ作ってめちゃくちゃにした後、制裁を受けて全員処罰された。
爵位はアルファルドが取り戻したけど、借金返済が無くなるわけじゃなく、何もしてないアルファルドがその全てを返す事になる。母方の親族である皇家側はこの件では一切ノータッチ。ドラコニス公爵家側の問題だと言って門前払いしてる。
アルファルドがいる限り手助けするつもりもないみたいだね。
あの皇帝はどうしてもアルファルドが許せないみたいで、じわじわ苦しめて追い詰めないと気が済まないらしい。
アカデミアに入学させたのも計らいなんかじゃなくて、自分の立ち位置を改めて確認させる為の嫌がらせだった。
机に寄りかかってお茶を持ってたアルファルドはカップに口を付けて一口飲み込んでる。
「…それが俺の義務であり、責任だからな。俺が全てを放棄してしまえばしわ寄せが他へといってしまう…」
ものすごく苦労してるのに…、それを感じさせないくらい至って普通に静かに話してるアルファルド。
でもだからこそ、その言葉がすごく重く感じる。
もしアルファルドがいなくなれば、そのシワ寄せが公爵領の領民へと飛び火する。
しかもアルファルドって領地民から僅かしか税を取り立ててなくて…残ってるほとんどが老人だから。
若い世代は外に出てっちゃって…それを補う為にアカデミア終わってから出稼ぎに出てる。
アルファルドが公爵位を手放せば、残ってる領地民達は別の領主に代わってきっと高い税を搾取されちゃうから。
ベッドに座りながら、飲んでたお茶のカップを自分の膝に置いてギュッと両手で握りしめた。
あぁ…やっぱりダメだ…、アルファルドが好きすぎる。
こんなにも立派で殊勝な人を窮地に立たせて、あそこまで狂わせて追い詰めるなんて…。
色々考えてたら胸が熱くなって、思い出しただけでポロッと涙が出てきた。
「……」
何も知らない筈の私が泣くなんて、アルファルドは不愉快に思うだろうな…。
思わず下を向いて誤魔化すけど。
「……お前、泣いてるのか?」
急に黙って下を向いた私の変化に気付いたのか、アルファルドが不思議そうに聞いてくる。
私は慌てて頭を横にブンブン振って誤魔化した。
「っ、……違っ」
「…それは同情か?」
「……わからない」
私が座ってたベッドへ近づいてきたアルファルドが、片膝ついてしゃがんで私の顔を覗いてる。
その鬱陶しい前髪で見えてるのかは謎だけど。
意外な行動に慌てて片手でカップを持って、グイッと制服の袖口で涙に濡れた目を擦った。
「バカッ、見んなよ!」
「…お前も泣くんだな」
「当たり前だろ!?」
「…いつもはあんなに図太いのに」
「お前はいつももっと寡黙だ!!」
「…フハッ」
あ、また笑った!
アルファルドの口角が綺麗に上がって、口元しかわからないけど笑ってるのがはっきりとわかった。
ベッドに腰掛けながらすごく心臓がドキドキして、アルファルドから目が離せない。
ハァ…どうしよう…、だんだん気持ちが誤魔化せなくなってきた。
初めはアイドルの追っかけ的な憧れと、最推しに会えたって喜び要素が強かったのに。
近くにいて知れば知るほど、それらとは違う感情にちょっとずつ呑まれちゃって…どうしていいのかわからなくなる。
自分の感情を振り払うように、勢いよく手に持ってたお茶を口に当ててぐいっと飲み干した。
それからベッドから降りて、片膝ついてるアルファルドの前に立ち上がった。
「…?」
「さ、お茶も飲んだし、せっかくだから屋敷の案内でもしてくれよ」
「…屋敷か…、…何もないが」
「別にいいんだよ!平民の俺にとっては豪邸に違いないしな!」
「…」
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