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ギルド要請 3
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次の日。
この日の午前中は新商品について考えてた。
色々な物作ってきたけど、なんかもっとスゴイもの作りたいなー。こういう時は籠もってるより外に出ないとだねー。
またまた気晴らしを兼ねて帝都を散策してる。
大通りを歩いてるとたくさんのお店が軒を並べてるけど、よく見るとまだ復旧途中の場所もあって、ボロボロになった空き家とかも見かける。
あれから1年以上経ってるのに、まだスタンピードの爪痕が残ってるんだ。
当たり前か。この世界には重機とかの技術もないし、全部手作業であるのは魔法くらいだけど、その魔法使いすら数が少ないんだからね。
「ふぃ~、まだ終わらんさね」
「いつまでかかるかわからんよ」
「年寄りにはキツイんさ」
そこで瓦礫を集めてたのは腰の曲がったご老人たち。
大通りを小道に曲がった場所に入って、長屋みたいな造りで何軒も並んでる。
結構家が大破してて、他の場所よりも造りが脆かったのか周りにも色んな物が散乱してる。
この齢でこれ全部片付けるのは大変だね…。
可愛い子とお年寄りには弱い私は見て見ぬ振りができなかった。
「あのー、良かったら俺手伝うよ?」
壊れた石の塀に腰掛けて休んでいたご老人たちに声をかける。
布巾で汗を拭いてたご老人たちは揃ってこっちを振り向いた。
「あんたぁ、今なんて言ったんさ?」
「鉄なんぞ売っとらんぞー」
耳が遠いのか伝わってないみたい。座ってたおじいちゃんとおばあちゃんに近づくと大きな声で話した。
「お手伝いしようか!?って」
「……あぁ、おめぇさん、手伝ってくれんのか?」
「ホントか?」
うんうんと頷くとぱぁーっと明るい顔になって手を握られた。
「ありがとよぉ。若い衆はみなケガしちまってよぉ」
「ありがたやありがたや~」
いや、拝まれてもなあ。
とりあえず手っ取り早く済ませよう。
「とりあえずそこから離れててくれよ。危ないから」
「…あ?」
「何するんさ?」
ゆっくり立ち上がったご老人たちを自分の後ろに下がらせて、ボロボロになった家の前に立つ。
「まぁ見ててよ。すぐ終わるからさっ」
家の前で両手を広げて風魔法を発生させる。ふわりとした風が巻き起こり、散らばっていた物が次々浮かんでいく。
これは部分操作しないと家も傷つけちゃうから気をつけないと。
風魔法で瓦礫や散乱したものを浮き上がらせ、空中に一箇所に集める。
「うおぁ!!おめぇさん魔法使いか!?」
「すんげぇな!」
「なぁ、コレはどこに置けばいい?」
目を剥いて驚いてるご老人たち。口開けてぽかんとしてるけど、置き場を指定してほしい。
「あ、あぁ…そこさ…置いてくれ」
「珍しいな。久しぶりに見たんさ、魔法使い」
指さした方へどんどん物を積んでいく。
「ふぅ~。なっ、すぐ終わっただろ?」
額の汗を拭って得意げに笑う。攻撃魔法は使えないけど、補助魔法は意外と便利。
いつもなら跳躍距離延ばす時とか、落下のスピード軽減くらいにしか使わないけど、極めればこんなこともできちゃう。ものは使いようだね!
「ありがたやありがたや~」
「いやぁ…おったまげたわ。こりゃすげぇさな…初めて見ただぁ」
また手を合わせて拝まれてるし。
ま、とりあえず用事も済んだし散策に戻ろうーっと。
「これで少しは楽だろ?じゃあなー」
手を振ってその場を離れようとすると、慌ててご老人たちに止められる。
「待て待て~、まだお礼もしとらんぞ」
「そうさね。大したもんもないが…」
「何もいらないよっ。それより長生きしてくれ」
ご老人たちはまたまた拝んでたけど。
苦笑しながら今度こそ手を振ってその場を離れた。それからも脇道を歩くけど、やっぱり大通りより復旧が遅く感じる。
私がシリウスとして復興に回してもらったお金はここまで届いてないのかな?
疑問に思いながら歩いてて、魔法学校の前まで来た。
午前を回り、午後になったからラムに会いにやってきた。
まだ合格発表まで時間ある時期で良かった。
そうじゃなきゃこんなにゆっくり行方不明者なんて探してられないし。
「あ、お前…昨日の」
「いたいたー、また来たぞ!ラム」
ちょうど学校が終わって出てきたのか、手には教材を持ってた。これは帝国から支給されてるもの。
門から出てきたラムは手を振ってる私のとこまで来てくれた。
「えっと、アートだっけ?」
「そうだよ!俺はアート、本当はアトリクスって名前だけどな」
「ずいぶんな名前だなあ」
「長いからアートでいいんだよ」
私もすっかり男が板についてきたのか、この状態の方がすごく自然になってきてる。
慣れって怖いよね。たまにはミラに戻ってるけど、宿屋で一人の時とかだけだし。
「それで今日はなんの用だよ?」
「んー、お前と話したくて来たんだ」
「また居なくなったヤツのことか?」
ラムの家へ向かい並んで歩いてると、少し離れたラムの家の中から母親らしき女の人が出てきた。
「ラムー!遊んでないで、手伝いだよー!」
「ちぇっ、わかったよー!」
面倒そうな顔をしてるラムだけど、手に持ってた教材を頭に乗せて遊んでる。
「悪ぃな。手伝いだってさ」
「大変だな」
「別に普通さ。この辺じゃ人手も足りてないし」
「なぁ、復興金とかは配られてないのか?」
気になってたから聞いてみた。ラムじゃわからないかもしれないけどさ。
頭に乗せてた教材をまた手元に戻して、今度はクルクルと回している。
「復興金…?あぁ…なんかスタンピードの後にこの辺にも100Gずつ配給されたヤツかな?」
「支給されてるんだ」
「一応な。…そうそう、英雄シリウスが配ってくれたんだぜ!さすがだよな!俺も絶対冒険者になってシリウスみたく強く偉くなるんだ!」
「……そ、そっか…頑張れよ」
くるくる回してた教材をまた脇に抱えると、急にシリウスの話になって態度が変わった。
シリウスはどうでもいいんだよ…。
でも、一応支給はされてるんだ…100Gっことは大体一万円くらいか…。
帝国民が何人いるのかわからないけど、まぁそんなもんなのかな。それでも1.2月分の生活費くらいにはなるか。
「ラムんちは何に使ったんだ?」
「…さぁな。うちさ、妹がその時に大ケガしてさ。その治療費で無くなったと思うよ?」
「ケガ…か」
「だから俺も学校終わってから手伝いしたり、仕事したりで大忙しさっ」
スタンピードで怪我か…。まぁ怪我した人ならたくさんいるよね。この世界には光魔法もないし、回復薬も法外に高い。医療も発達してないから怪我が原因で亡くなる人も、以前の私みたいに一生動けないで終わる人もいる。
教材を家の前に置いて、ラムは土魔法を見せてくれた。
「ほら、凄いだろ?俺はまだ初級魔法しか使えないけど、訓練すれば中級レベルまでいけるかもしれないってさ」
得意げに土魔法を見せてくれた。
『サンドストーン』
両手を前に出すと地面がボコボコと歪んで、近くにあった壁に向かって土の塊が飛び出す。
当たった箇所は陥没してた。
「ラム、スゲーじゃんっ!」
「へへっ!俺ってば魔法学校でも結構すげぇんだぜ!冒険者になったら大金稼いで、母ちゃん達を楽させてやるんだ!」
笑顔で話してるラムの瞳はきらきら輝いてる。
目標がある子っていいね。家族の為なんて本当に偉いよ…応援したくなっちゃう。
「お前ならできるよ」
「へへっ、当たり前だろ!」
二人で顔見合わせて笑いあった。
そしたらバンッと家の扉が急に開いて、ラムの母親が出てきて怒鳴る。
「ラーム!いい加減手伝いしなっ!」
「わかったってば!もう行くよ、またなアート」
「悪かったな。じゃあ、また来るよ」
「じゃあなっ!」
地面に置いた教材を拾って急いで家の中に入るラムに、手を振って見送る。
でもまさか、これが…ラムを見た最後の姿になるなんて夢にも思わなかった──。
次の日。
この日の午前中は新商品について考えてた。
色々な物作ってきたけど、なんかもっとスゴイもの作りたいなー。こういう時は籠もってるより外に出ないとだねー。
またまた気晴らしを兼ねて帝都を散策してる。
大通りを歩いてるとたくさんのお店が軒を並べてるけど、よく見るとまだ復旧途中の場所もあって、ボロボロになった空き家とかも見かける。
あれから1年以上経ってるのに、まだスタンピードの爪痕が残ってるんだ。
当たり前か。この世界には重機とかの技術もないし、全部手作業であるのは魔法くらいだけど、その魔法使いすら数が少ないんだからね。
「ふぃ~、まだ終わらんさね」
「いつまでかかるかわからんよ」
「年寄りにはキツイんさ」
そこで瓦礫を集めてたのは腰の曲がったご老人たち。
大通りを小道に曲がった場所に入って、長屋みたいな造りで何軒も並んでる。
結構家が大破してて、他の場所よりも造りが脆かったのか周りにも色んな物が散乱してる。
この齢でこれ全部片付けるのは大変だね…。
可愛い子とお年寄りには弱い私は見て見ぬ振りができなかった。
「あのー、良かったら俺手伝うよ?」
壊れた石の塀に腰掛けて休んでいたご老人たちに声をかける。
布巾で汗を拭いてたご老人たちは揃ってこっちを振り向いた。
「あんたぁ、今なんて言ったんさ?」
「鉄なんぞ売っとらんぞー」
耳が遠いのか伝わってないみたい。座ってたおじいちゃんとおばあちゃんに近づくと大きな声で話した。
「お手伝いしようか!?って」
「……あぁ、おめぇさん、手伝ってくれんのか?」
「ホントか?」
うんうんと頷くとぱぁーっと明るい顔になって手を握られた。
「ありがとよぉ。若い衆はみなケガしちまってよぉ」
「ありがたやありがたや~」
いや、拝まれてもなあ。
とりあえず手っ取り早く済ませよう。
「とりあえずそこから離れててくれよ。危ないから」
「…あ?」
「何するんさ?」
ゆっくり立ち上がったご老人たちを自分の後ろに下がらせて、ボロボロになった家の前に立つ。
「まぁ見ててよ。すぐ終わるからさっ」
家の前で両手を広げて風魔法を発生させる。ふわりとした風が巻き起こり、散らばっていた物が次々浮かんでいく。
これは部分操作しないと家も傷つけちゃうから気をつけないと。
風魔法で瓦礫や散乱したものを浮き上がらせ、空中に一箇所に集める。
「うおぁ!!おめぇさん魔法使いか!?」
「すんげぇな!」
「なぁ、コレはどこに置けばいい?」
目を剥いて驚いてるご老人たち。口開けてぽかんとしてるけど、置き場を指定してほしい。
「あ、あぁ…そこさ…置いてくれ」
「珍しいな。久しぶりに見たんさ、魔法使い」
指さした方へどんどん物を積んでいく。
「ふぅ~。なっ、すぐ終わっただろ?」
額の汗を拭って得意げに笑う。攻撃魔法は使えないけど、補助魔法は意外と便利。
いつもなら跳躍距離延ばす時とか、落下のスピード軽減くらいにしか使わないけど、極めればこんなこともできちゃう。ものは使いようだね!
「ありがたやありがたや~」
「いやぁ…おったまげたわ。こりゃすげぇさな…初めて見ただぁ」
また手を合わせて拝まれてるし。
ま、とりあえず用事も済んだし散策に戻ろうーっと。
「これで少しは楽だろ?じゃあなー」
手を振ってその場を離れようとすると、慌ててご老人たちに止められる。
「待て待て~、まだお礼もしとらんぞ」
「そうさね。大したもんもないが…」
「何もいらないよっ。それより長生きしてくれ」
ご老人たちはまたまた拝んでたけど。
苦笑しながら今度こそ手を振ってその場を離れた。それからも脇道を歩くけど、やっぱり大通りより復旧が遅く感じる。
私がシリウスとして復興に回してもらったお金はここまで届いてないのかな?
疑問に思いながら歩いてて、魔法学校の前まで来た。
午前を回り、午後になったからラムに会いにやってきた。
まだ合格発表まで時間ある時期で良かった。
そうじゃなきゃこんなにゆっくり行方不明者なんて探してられないし。
「あ、お前…昨日の」
「いたいたー、また来たぞ!ラム」
ちょうど学校が終わって出てきたのか、手には教材を持ってた。これは帝国から支給されてるもの。
門から出てきたラムは手を振ってる私のとこまで来てくれた。
「えっと、アートだっけ?」
「そうだよ!俺はアート、本当はアトリクスって名前だけどな」
「ずいぶんな名前だなあ」
「長いからアートでいいんだよ」
私もすっかり男が板についてきたのか、この状態の方がすごく自然になってきてる。
慣れって怖いよね。たまにはミラに戻ってるけど、宿屋で一人の時とかだけだし。
「それで今日はなんの用だよ?」
「んー、お前と話したくて来たんだ」
「また居なくなったヤツのことか?」
ラムの家へ向かい並んで歩いてると、少し離れたラムの家の中から母親らしき女の人が出てきた。
「ラムー!遊んでないで、手伝いだよー!」
「ちぇっ、わかったよー!」
面倒そうな顔をしてるラムだけど、手に持ってた教材を頭に乗せて遊んでる。
「悪ぃな。手伝いだってさ」
「大変だな」
「別に普通さ。この辺じゃ人手も足りてないし」
「なぁ、復興金とかは配られてないのか?」
気になってたから聞いてみた。ラムじゃわからないかもしれないけどさ。
頭に乗せてた教材をまた手元に戻して、今度はクルクルと回している。
「復興金…?あぁ…なんかスタンピードの後にこの辺にも100Gずつ配給されたヤツかな?」
「支給されてるんだ」
「一応な。…そうそう、英雄シリウスが配ってくれたんだぜ!さすがだよな!俺も絶対冒険者になってシリウスみたく強く偉くなるんだ!」
「……そ、そっか…頑張れよ」
くるくる回してた教材をまた脇に抱えると、急にシリウスの話になって態度が変わった。
シリウスはどうでもいいんだよ…。
でも、一応支給はされてるんだ…100Gっことは大体一万円くらいか…。
帝国民が何人いるのかわからないけど、まぁそんなもんなのかな。それでも1.2月分の生活費くらいにはなるか。
「ラムんちは何に使ったんだ?」
「…さぁな。うちさ、妹がその時に大ケガしてさ。その治療費で無くなったと思うよ?」
「ケガ…か」
「だから俺も学校終わってから手伝いしたり、仕事したりで大忙しさっ」
スタンピードで怪我か…。まぁ怪我した人ならたくさんいるよね。この世界には光魔法もないし、回復薬も法外に高い。医療も発達してないから怪我が原因で亡くなる人も、以前の私みたいに一生動けないで終わる人もいる。
教材を家の前に置いて、ラムは土魔法を見せてくれた。
「ほら、凄いだろ?俺はまだ初級魔法しか使えないけど、訓練すれば中級レベルまでいけるかもしれないってさ」
得意げに土魔法を見せてくれた。
『サンドストーン』
両手を前に出すと地面がボコボコと歪んで、近くにあった壁に向かって土の塊が飛び出す。
当たった箇所は陥没してた。
「ラム、スゲーじゃんっ!」
「へへっ!俺ってば魔法学校でも結構すげぇんだぜ!冒険者になったら大金稼いで、母ちゃん達を楽させてやるんだ!」
笑顔で話してるラムの瞳はきらきら輝いてる。
目標がある子っていいね。家族の為なんて本当に偉いよ…応援したくなっちゃう。
「お前ならできるよ」
「へへっ、当たり前だろ!」
二人で顔見合わせて笑いあった。
そしたらバンッと家の扉が急に開いて、ラムの母親が出てきて怒鳴る。
「ラーム!いい加減手伝いしなっ!」
「わかったってば!もう行くよ、またなアート」
「悪かったな。じゃあ、また来るよ」
「じゃあなっ!」
地面に置いた教材を拾って急いで家の中に入るラムに、手を振って見送る。
でもまさか、これが…ラムを見た最後の姿になるなんて夢にも思わなかった──。
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