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ギルド要請 4
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私がいながら、こんなことになるなんてッ!!
次の日、また魔法学校近くのラムの家まで訪ねた。ラムの母親が出てきて…ラムが行方不明になったって。
「昨日から戻ってないんだよっ…危ないから外へ出るなって言ったのに!」
「何で外に出たんですか?!」
「あの子には妹のアンがいるの…でもこの前のスタンピードの時に酷い怪我を負って寝たきりなっててねぇ…昨日の夜中に急に悪化したから、自分が町医者を呼びに行くって飛び出していったの…」
「そんな…」
「まさか、ラムまで…こんなことに…なるなんて!」
もう、目を腫らして意気消沈してる顔が痛々しくて、思わず顔を反らしてしまった。
許せない!…こんなことっ!
その日の夜、私はシリウスへと姿を変えて自分が自ら囮となって夜の町を歩いた。
真っ暗闇の中。
この世界に街灯なんてなくて、夜は月明かりくらいしか頼るものはない。
ほとんどのお店も早い時間に閉まるから、ほんとに外は静寂に包まれてる。
(他の人から聞いた統計だと、このくらいの時間に連れ去り事件が起きるはず…)
どんな奴がわからないけど体の魔力を放出して、魔法使いだというエサを撒いてる。
その状態で宛もなく街路を歩いてると、足元が急に真っ黒く映ってる。
「…?」
自分の影が大きくなるように地面が影に覆われる。それから真っ黒な世界がいっぱいになって、地面の下へと引きずられた。
「っ!…く」
地獄にでも引きずられるような気分を味わった後、たぶんたけど地下室のような空間へと辿り着いた。
「なんだ?…ここは…」
自分の声が嫌なほど反響する。
恐ろしく広い空間に真っ暗闇が永遠と広がっているみたいで、心の中は漠然とした恐怖でいっぱいになってしまう。
嗅いだことのある嫌な臭いが鼻につく。スタンピードの時に嗅いだ、死臭に似てた。
ピチャーン、ピチャーン…と水滴が落ちる音がやけに耳について、暗闇で周りがわからない恐怖で頭がおかしくなりそうだった。
こんな時火属性の魔法が使えれば、辺りを照らすことができるのに。
<マタ…キタ……>
頭に重く響くこの声は聞き覚えがある。
これは…、魔物の声だ。
<イケ、ニエ…、マダ…タリ…ナイ…?>
離れた場所から聞こえてた声が…どんどん近くまで近づいてきてる。
私は震える手で隠しナイフを手に取って、目を閉じてチャンスを伺った。
<…ジョウトウ…ナ……マリョク………ツギ、ハ…オマエダ!>
すぐ耳元で声が聞こえ感覚を研ぎしまして目標を定めると、ナイフを瞬時に声の主へと思い切り突き刺した。
「グギャアァァ!!」
位置は肩辺り。手応えありだ!
気配を感じるままにナイフを抜いてから、もう一度思い切り目標物に向かって突き立てる。
「グッ、ガア…ァ……」
魔物の声が消えて、気配も消えた……。
…倒したの?
目を閉じ周りの気配を探ってみる。この空間で生命を感じるものはない。
風魔法を使い周りに向かって放つと割と直ぐに跳ね返ってきた。
思ってたより、この空間はそこまで広くないってことか…。
とにかく気持ち悪くて暗くて不安になる。
懐を探ると念の為用意したローソクと火打ち石があった。
ゴソゴソ探って何とか火を点けた。
アルファ商会でマッチの製造を急がないとな…。
こんな時に商品開発のこと考えてるなんてまだ余裕があるのかな。
なんとかローソクに火を点けて、周りを見渡した。
「こ…れは……」
思わず仮面の口元を手で塞いだ。
真っ暗闇の空間はやっぱりそこまで広くはなくて…まるで蜘蛛の糸のようなものでぐるぐる巻きにされた、人の形のようなものが周りに何体もあって……。
ローソクを置いて、急いでその糸を薄くナイフで裂いていく。
「うっ…!」
中には…すでに事切れた人が入ってた。まだ若い男の子の亡骸。
身体がガクガクと震える。身体中の力が抜けてしまいそうだった。
たぶん…これがタラゼドの言ってた被害者達だ。
話に聞いてた人数と同じで…あと一体はまだ半分しか巻かれてなくて、急いで糸を切った。
「しっかりしろっ!」
シリウスなのも忘れるくらいこっちも必死で、頬を叩くとわずかだけどピクリと動いた。
ラムだ!
「ぅ……」
良かった……まだ生きてる!とにかくココから出ないと!
そのまま一旦ラムを横たえて、自分の持てる探査能力を最大限まで引き上げた。
周りの空間の中で一部に薄い場所がある。
身体強化を全開にして、薄そうな周りの壁を思い切り蹴り上げた。
ドゴォッッ!!!
何度か蹴りを繰り返すと、僅かに明かりが見えきた。
止めを刺すように跳躍と風魔法を使い壁を破壊した。
パラパラと石が飛び散って、ようやく地上へと出ることが出来た。
え…!?ここは!
地獄だと思っていた場所は全く違って…私が出た場所は、魔法学校の裏側だった……。
魔物はこの魔法学校の地面に空間を作っていたらしかった。
明かりに曝された空間を見ると、見たこともない巨大な蜘蛛に似たモンスターが死に絶えてた。
どういうこと…?スパイダー系の魔物にしては大きすぎる。しかも喋ってたってことは上位種だったってこと?いやもしくは変異種?
腑に落ちないことが多すぎて意味がわからない。
まさか犯人が魔物だったなんて…どうして魔法使いを狙っていたの?
生け贄……そう言ってた。
こんなことが本当にミティストで起きてたの?スタンピードも終わったのに…おかしいよ、こんなのッ!!
私の知らない出来事が、私の周りで起き始めてる。
私が内容をめちゃくちゃにしているから?何かわからない力が作用して、色々なことを修正してるの?
怖いっ……どうして…?
この言いようのない不安と恐怖。
それを振り払うように、私はタラゼドの元へと急いだ。
私がいながら、こんなことになるなんてッ!!
次の日、また魔法学校近くのラムの家まで訪ねた。ラムの母親が出てきて…ラムが行方不明になったって。
「昨日から戻ってないんだよっ…危ないから外へ出るなって言ったのに!」
「何で外に出たんですか?!」
「あの子には妹のアンがいるの…でもこの前のスタンピードの時に酷い怪我を負って寝たきりなっててねぇ…昨日の夜中に急に悪化したから、自分が町医者を呼びに行くって飛び出していったの…」
「そんな…」
「まさか、ラムまで…こんなことに…なるなんて!」
もう、目を腫らして意気消沈してる顔が痛々しくて、思わず顔を反らしてしまった。
許せない!…こんなことっ!
その日の夜、私はシリウスへと姿を変えて自分が自ら囮となって夜の町を歩いた。
真っ暗闇の中。
この世界に街灯なんてなくて、夜は月明かりくらいしか頼るものはない。
ほとんどのお店も早い時間に閉まるから、ほんとに外は静寂に包まれてる。
(他の人から聞いた統計だと、このくらいの時間に連れ去り事件が起きるはず…)
どんな奴がわからないけど体の魔力を放出して、魔法使いだというエサを撒いてる。
その状態で宛もなく街路を歩いてると、足元が急に真っ黒く映ってる。
「…?」
自分の影が大きくなるように地面が影に覆われる。それから真っ黒な世界がいっぱいになって、地面の下へと引きずられた。
「っ!…く」
地獄にでも引きずられるような気分を味わった後、たぶんたけど地下室のような空間へと辿り着いた。
「なんだ?…ここは…」
自分の声が嫌なほど反響する。
恐ろしく広い空間に真っ暗闇が永遠と広がっているみたいで、心の中は漠然とした恐怖でいっぱいになってしまう。
嗅いだことのある嫌な臭いが鼻につく。スタンピードの時に嗅いだ、死臭に似てた。
ピチャーン、ピチャーン…と水滴が落ちる音がやけに耳について、暗闇で周りがわからない恐怖で頭がおかしくなりそうだった。
こんな時火属性の魔法が使えれば、辺りを照らすことができるのに。
<マタ…キタ……>
頭に重く響くこの声は聞き覚えがある。
これは…、魔物の声だ。
<イケ、ニエ…、マダ…タリ…ナイ…?>
離れた場所から聞こえてた声が…どんどん近くまで近づいてきてる。
私は震える手で隠しナイフを手に取って、目を閉じてチャンスを伺った。
<…ジョウトウ…ナ……マリョク………ツギ、ハ…オマエダ!>
すぐ耳元で声が聞こえ感覚を研ぎしまして目標を定めると、ナイフを瞬時に声の主へと思い切り突き刺した。
「グギャアァァ!!」
位置は肩辺り。手応えありだ!
気配を感じるままにナイフを抜いてから、もう一度思い切り目標物に向かって突き立てる。
「グッ、ガア…ァ……」
魔物の声が消えて、気配も消えた……。
…倒したの?
目を閉じ周りの気配を探ってみる。この空間で生命を感じるものはない。
風魔法を使い周りに向かって放つと割と直ぐに跳ね返ってきた。
思ってたより、この空間はそこまで広くないってことか…。
とにかく気持ち悪くて暗くて不安になる。
懐を探ると念の為用意したローソクと火打ち石があった。
ゴソゴソ探って何とか火を点けた。
アルファ商会でマッチの製造を急がないとな…。
こんな時に商品開発のこと考えてるなんてまだ余裕があるのかな。
なんとかローソクに火を点けて、周りを見渡した。
「こ…れは……」
思わず仮面の口元を手で塞いだ。
真っ暗闇の空間はやっぱりそこまで広くはなくて…まるで蜘蛛の糸のようなものでぐるぐる巻きにされた、人の形のようなものが周りに何体もあって……。
ローソクを置いて、急いでその糸を薄くナイフで裂いていく。
「うっ…!」
中には…すでに事切れた人が入ってた。まだ若い男の子の亡骸。
身体がガクガクと震える。身体中の力が抜けてしまいそうだった。
たぶん…これがタラゼドの言ってた被害者達だ。
話に聞いてた人数と同じで…あと一体はまだ半分しか巻かれてなくて、急いで糸を切った。
「しっかりしろっ!」
シリウスなのも忘れるくらいこっちも必死で、頬を叩くとわずかだけどピクリと動いた。
ラムだ!
「ぅ……」
良かった……まだ生きてる!とにかくココから出ないと!
そのまま一旦ラムを横たえて、自分の持てる探査能力を最大限まで引き上げた。
周りの空間の中で一部に薄い場所がある。
身体強化を全開にして、薄そうな周りの壁を思い切り蹴り上げた。
ドゴォッッ!!!
何度か蹴りを繰り返すと、僅かに明かりが見えきた。
止めを刺すように跳躍と風魔法を使い壁を破壊した。
パラパラと石が飛び散って、ようやく地上へと出ることが出来た。
え…!?ここは!
地獄だと思っていた場所は全く違って…私が出た場所は、魔法学校の裏側だった……。
魔物はこの魔法学校の地面に空間を作っていたらしかった。
明かりに曝された空間を見ると、見たこともない巨大な蜘蛛に似たモンスターが死に絶えてた。
どういうこと…?スパイダー系の魔物にしては大きすぎる。しかも喋ってたってことは上位種だったってこと?いやもしくは変異種?
腑に落ちないことが多すぎて意味がわからない。
まさか犯人が魔物だったなんて…どうして魔法使いを狙っていたの?
生け贄……そう言ってた。
こんなことが本当にミティストで起きてたの?スタンピードも終わったのに…おかしいよ、こんなのッ!!
私の知らない出来事が、私の周りで起き始めてる。
私が内容をめちゃくちゃにしているから?何かわからない力が作用して、色々なことを修正してるの?
怖いっ……どうして…?
この言いようのない不安と恐怖。
それを振り払うように、私はタラゼドの元へと急いだ。
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