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入学準備編 1
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宿屋のトレミ亭に連泊することになった私。お金はたんまりあるから、宿屋で一番良い部屋にしてもらった。
そうはいっても平民の宿屋だから他の部屋より広めでベッドが大きいこと、後、浴室が部屋の中に付いてることだった。
でも豪華じゃなくても、それだけで十分!
毎日美味しいとろとろのビーフシチューを食べることが出来てご満悦。
他の料理もとっても美味しいから、この宿屋はすごく人気店なんだ。
サジタリア魔法アカデミアに入学するために、宿屋の机で色々と計画を立ててた。
ゲーム内容が書いてある計画書に同じく、さらさらっと書いていく。
「うーんと…」
まずは、筆記で良い点取って……いや、ここは目立たないように平均点くらいの方がいいかな?
実技は魔法さえ使えてればオッケー。後はランク付けされるだけだけど…。
エルナト先生からよくよく話を聞くと、貴族なら誰でも入れると思ってたアカデミアなのに違ってた。
ちゃんと平均点とか落第点とかもあって、本当に成績の悪い人は落とされる。
筆記テストだと30点以上取れれば合格。
しかも問題自体が貴族なら誰でもわかるほど簡単なものらしいから、落ちた人は今までいないみたいなんだよね。
一応それ以下だと魔法学校に回される。
魔法学校は大体が平民の魔法使いが入る場所。
体裁を重んじる貴族としては、アカデミアに入れないと家門の矜持や威厳を失うことになりかねない。
逆に学力があれば平民でもアカデミアに入れる。けど、ほとんどいないみたいだね。勉強する平民なんてまずいない。子供でも家の手伝いや出稼ぎしなきゃいけないし、勉強する道具も教材も平民にはかなりの高額だから買うことすら出来ない。
もし居るとしても商売して儲けてる商家の娘や息子くらいなのかな?
ということで、下手に学力高くても注目浴びちゃうから、とりあえず平均点超えるくらいに留めておいて…。
実技はどうせ下の方だからそのままで、と。
ペンを走らせて、カリカリと紙に書く。
エルナト先生には男として入学しますって手紙で伝えた。まだ男の姿で先生に会ってないから驚くだろうな~。
ハハッ、面白そう。実際タウリはかなり驚いてたし。怒られもしたけど、まじまじと見られて不思議そうにしてた。
「あっ、そういえばアカデミアって全寮制だった!」
そうだ!!アルファルドと同じ部屋にしてもらおう!!!
いや…、でも色々まずいかな…興奮が抑えられないかも。また鼻血出したら…。
アルファルド→同室×って書いたけど、同室は捨てがたいな…。
無理だと思うけど、エルナト先生のコネで部屋割り替えてもらえばどうにかなる?
あれ?そういえばアルファルドって誰と同室だったっけ?
そんな細かいとこまで出てきてなかったからな…レグルス様とルリオン様が同室なのは出てた気がするなぁ。
またまたカリカリと修正して書き直す。
書いて書き直して…だんだん頭がこんがらがって、ベッドにドサッと仰向けで倒れた。
「ハァ…」
いよいよミティストが始まる…。
アルファルドはもちろん…主人公のポラリスも、エルナト先生も、マイアも、レグルス様も、ルリオン様も…そしてまだまだ出てきてない人達もみんな舞台に上がるときだ。
ゲーム通りなら、試験が終わった入学式からスタートする。
乙ゲーと違って、好感度で相手とラストが変わるとかはなかったから、会話での選択肢が出る事も少なかった。
ただ…ハッピーエンド迎えた後のウラ面では、皇太子ルート以外の相手ルートも発生してた。うん、そうそう!思い出した!
ポラリス視点でイケメン達に会って、ウラ面はどうだったか覚えてないなぁ…。
ただ、アルファルドのルートが無かったことしか記憶にない。
でもこの世界では関係ないことだよね。
ポラリスはまだ光魔法を発現してない。でも近々発現するはず。
あー…、確か…修道院に来た死にそうな怪我人を助けたくて、祈りを捧げてたら発現したんだったような?あれ?何か違うなぁ…。
ガバッと起き上がって立ってから、机にあったメモ紙をまたパラパラ捲る。
読み返すと全然違ってた!そうそう、天啓が下るんだ!
やっぱり時間が経つと全然忘れてる。書き置きしといて良かった…。
また紙の束をパタンと閉じた。
「主人公達は関係ない。わた…俺の目的は、アルファルドと友達になって、孤独なんて感じさせないくらい幸せにしてやるんだ!」
宿屋のトレミ亭に連泊することになった私。お金はたんまりあるから、宿屋で一番良い部屋にしてもらった。
そうはいっても平民の宿屋だから他の部屋より広めでベッドが大きいこと、後、浴室が部屋の中に付いてることだった。
でも豪華じゃなくても、それだけで十分!
毎日美味しいとろとろのビーフシチューを食べることが出来てご満悦。
他の料理もとっても美味しいから、この宿屋はすごく人気店なんだ。
サジタリア魔法アカデミアに入学するために、宿屋の机で色々と計画を立ててた。
ゲーム内容が書いてある計画書に同じく、さらさらっと書いていく。
「うーんと…」
まずは、筆記で良い点取って……いや、ここは目立たないように平均点くらいの方がいいかな?
実技は魔法さえ使えてればオッケー。後はランク付けされるだけだけど…。
エルナト先生からよくよく話を聞くと、貴族なら誰でも入れると思ってたアカデミアなのに違ってた。
ちゃんと平均点とか落第点とかもあって、本当に成績の悪い人は落とされる。
筆記テストだと30点以上取れれば合格。
しかも問題自体が貴族なら誰でもわかるほど簡単なものらしいから、落ちた人は今までいないみたいなんだよね。
一応それ以下だと魔法学校に回される。
魔法学校は大体が平民の魔法使いが入る場所。
体裁を重んじる貴族としては、アカデミアに入れないと家門の矜持や威厳を失うことになりかねない。
逆に学力があれば平民でもアカデミアに入れる。けど、ほとんどいないみたいだね。勉強する平民なんてまずいない。子供でも家の手伝いや出稼ぎしなきゃいけないし、勉強する道具も教材も平民にはかなりの高額だから買うことすら出来ない。
もし居るとしても商売して儲けてる商家の娘や息子くらいなのかな?
ということで、下手に学力高くても注目浴びちゃうから、とりあえず平均点超えるくらいに留めておいて…。
実技はどうせ下の方だからそのままで、と。
ペンを走らせて、カリカリと紙に書く。
エルナト先生には男として入学しますって手紙で伝えた。まだ男の姿で先生に会ってないから驚くだろうな~。
ハハッ、面白そう。実際タウリはかなり驚いてたし。怒られもしたけど、まじまじと見られて不思議そうにしてた。
「あっ、そういえばアカデミアって全寮制だった!」
そうだ!!アルファルドと同じ部屋にしてもらおう!!!
いや…、でも色々まずいかな…興奮が抑えられないかも。また鼻血出したら…。
アルファルド→同室×って書いたけど、同室は捨てがたいな…。
無理だと思うけど、エルナト先生のコネで部屋割り替えてもらえばどうにかなる?
あれ?そういえばアルファルドって誰と同室だったっけ?
そんな細かいとこまで出てきてなかったからな…レグルス様とルリオン様が同室なのは出てた気がするなぁ。
またまたカリカリと修正して書き直す。
書いて書き直して…だんだん頭がこんがらがって、ベッドにドサッと仰向けで倒れた。
「ハァ…」
いよいよミティストが始まる…。
アルファルドはもちろん…主人公のポラリスも、エルナト先生も、マイアも、レグルス様も、ルリオン様も…そしてまだまだ出てきてない人達もみんな舞台に上がるときだ。
ゲーム通りなら、試験が終わった入学式からスタートする。
乙ゲーと違って、好感度で相手とラストが変わるとかはなかったから、会話での選択肢が出る事も少なかった。
ただ…ハッピーエンド迎えた後のウラ面では、皇太子ルート以外の相手ルートも発生してた。うん、そうそう!思い出した!
ポラリス視点でイケメン達に会って、ウラ面はどうだったか覚えてないなぁ…。
ただ、アルファルドのルートが無かったことしか記憶にない。
でもこの世界では関係ないことだよね。
ポラリスはまだ光魔法を発現してない。でも近々発現するはず。
あー…、確か…修道院に来た死にそうな怪我人を助けたくて、祈りを捧げてたら発現したんだったような?あれ?何か違うなぁ…。
ガバッと起き上がって立ってから、机にあったメモ紙をまたパラパラ捲る。
読み返すと全然違ってた!そうそう、天啓が下るんだ!
やっぱり時間が経つと全然忘れてる。書き置きしといて良かった…。
また紙の束をパタンと閉じた。
「主人公達は関係ない。わた…俺の目的は、アルファルドと友達になって、孤独なんて感じさせないくらい幸せにしてやるんだ!」
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