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子供編 12
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アルファ商会の経営は順調だった。
私が前世を元に考えた商品が大ヒットして面白いように売れた。
ここからかなり離れた場所にある帝都アルタイル(このゲームの舞台になる、サジタリア魔法アカデミアがある場所)にまで進出することに。
ここでも様々な商品が爆発的に売れ、ついには皇室御用達にまでなってしまった。
なので皇室にも呼ばれたが、この先の事を考え絶対目立ちたくない私はこのお役目をケイドに譲った。
いつも通りの朝食の席。
豪華な朝ご飯が次々運ばれ、優雅に食べていた私に父は不満の声を上げてる。
「ミィ~ラァ~!これは遊びじゃないんだ!大変な名誉なのに何故嫌がるんだ!?しかも皇帝陛下を欺くなど、もしバレたら処刑されても仕方ないことだぞ!!」
11歳になった私は背も高くなって、母譲りの美人になってた。
表向き頭取はケイドになっているから公式的にも問題ない。
父よ、むしろ成人も社交界デビューも公にもしていない子供の私が単身皇宮に赴く方が、世間的にはかっこうのスキャンダルになるんだよ。わかってくれ。
「絶っっ対、嫌です!!お父様は、私が皇太子様に言い寄られて、無理矢理婚約でもさせられたらどうするんですか!?」
「はっ?はあぁ??どうしてそうなるんだ??」
朝食の席で言い合う私達に構うことなく、他の三人はもくもくとご飯を口に運んでる。
「こんっな可愛くて美人になった私を、年頃の皇太子殿下が口説かない訳がありませんっ!私はまだ婚約も結婚もしたくないんです!!」
「いや……ミラ、ちょっと待て。話がおかしい方にズレてるぞ。そもそも今回はアルファ商会の総頭取として皇宮に出向き、新商品を后妃様に紹介す……」
少々はしたないけど、机をバンと両手で叩いて勢い良く立ち上がった。
「それが落とし穴なのです!!考えてみてください。世間を震撼させる商品を次々と開発する天才的な美少女!身分もそこそこで容姿はピカイチ、皇室にとってこんな優良物件を逃さない手はないでしょう!!」
「…はあぁぁぁ?!?」
父は頭の上に??を何個も出し、困惑した顔をしてる。
これはもうひと押しと、今度はうるうると泣き落としにかかった。
「ぐすっ…私はお父様と結婚するって決めているんです。ですから、他の誰にも見初めてほしくはないのです……」
「なっっ…!!」
もちろん父と結婚できるわけもなく、無理だから一生独り身でいるよー、と宣言している。
うちの父は私を嫁にはやらん!と豪語しているだけに、これは効いたようだ。
「そうか…いや!しかし…まぁ、お父様もまだまだミラと一緒にいたいしな…」
よぉしゃあっ、掛かったぞ!
机の下でグッと拳を握り締めた。
「そうです…幸いにも危険防止の為、私がアルファ商会の総頭取だと世間には伏せております。なので、ケイドを頭取として顔を出しても誰も疑う事はありません!!」
目に涙を溜めて、演技を続ける。
お母様はニコニコと私達のやり取りをながめ、弟達はとっくに食べ終えて遊びに出掛けてしまった。
「そう…だな…。仕方ない……まぁ確かに頭取が出向けば問題ないだろう。…そう全く問題ない!偶然の出会いを装って、皇太子なんぞと婚約させんぞぉ!!」
拳を握り締めた父は怒りを天に向けてる。
いやいや父よ、それ聞かれたらアウトだからね~。
「ありがとうございますお父様!大好きっ!!」
椅子から立ち上がった状態で父ににっこりと笑顔を向けた。
これで面倒事から開放されて、私は皇室への謁見を回避できた!
ごめんなさいレグルス様!!本当は一目見たかったけど、ミラとして会うのは嫌なんです!!
心の中でメインキャラであり、皇太子殿下でもあるレグルス様に懺悔する。
しかもあの皇帝に会うなんて冗談じゃない!
変に目をつけられたくないし、子爵令嬢ミラが目立つつもりも全くないから。
とりあえず解決したので、私は椅子に座り直した。
「あっ、そういえばお父様、お母様…一つ言い忘れてましたが、私近いうちに失踪しますので探さないで下さい」
ちょうどよいタイミングだったから、普通の会話と同じ調子でついでのように話した。けど、私の一言で場の空気が固まった。
「はあぁ!?!?ミラっ!おまえっ、また突然!」
「…ですが今後のため、失踪届けは必ず出しておいて下さいませ。もし万が一他人に聞かれても、娘はある日突然居なくなったと言って下さい」
父は訳がわからないと目を白黒させて口をパクパクしてる。
その斜め右に座っていた母が静かに立ち上がった。
「そう…わかったわ。たまには手紙を出してね」
「お母様…ありがとう御座います!必ずお手紙書きますね!」
お互い納得して笑顔で話してたのに、当然のように父が割り込んできた。
「いやいや待て!どうしたら娘が失踪するのを了承できるんだぁ!?」
立ったまま頭を抱えて叫んでいる父。
「お父様。お父様にも、たまぁ~~~~にお手紙書きますからね」
にっこり笑った私に父はまた叫んでる。
「なんで俺だけ扱いが雑なんだぁぁー!!いや、その前に手紙うんぬんの問題じゃないだろぉ!!」
絶叫しながら天を仰ぐ父を、母と二人で微笑ましく笑った。
アルファ商会の経営は順調だった。
私が前世を元に考えた商品が大ヒットして面白いように売れた。
ここからかなり離れた場所にある帝都アルタイル(このゲームの舞台になる、サジタリア魔法アカデミアがある場所)にまで進出することに。
ここでも様々な商品が爆発的に売れ、ついには皇室御用達にまでなってしまった。
なので皇室にも呼ばれたが、この先の事を考え絶対目立ちたくない私はこのお役目をケイドに譲った。
いつも通りの朝食の席。
豪華な朝ご飯が次々運ばれ、優雅に食べていた私に父は不満の声を上げてる。
「ミィ~ラァ~!これは遊びじゃないんだ!大変な名誉なのに何故嫌がるんだ!?しかも皇帝陛下を欺くなど、もしバレたら処刑されても仕方ないことだぞ!!」
11歳になった私は背も高くなって、母譲りの美人になってた。
表向き頭取はケイドになっているから公式的にも問題ない。
父よ、むしろ成人も社交界デビューも公にもしていない子供の私が単身皇宮に赴く方が、世間的にはかっこうのスキャンダルになるんだよ。わかってくれ。
「絶っっ対、嫌です!!お父様は、私が皇太子様に言い寄られて、無理矢理婚約でもさせられたらどうするんですか!?」
「はっ?はあぁ??どうしてそうなるんだ??」
朝食の席で言い合う私達に構うことなく、他の三人はもくもくとご飯を口に運んでる。
「こんっな可愛くて美人になった私を、年頃の皇太子殿下が口説かない訳がありませんっ!私はまだ婚約も結婚もしたくないんです!!」
「いや……ミラ、ちょっと待て。話がおかしい方にズレてるぞ。そもそも今回はアルファ商会の総頭取として皇宮に出向き、新商品を后妃様に紹介す……」
少々はしたないけど、机をバンと両手で叩いて勢い良く立ち上がった。
「それが落とし穴なのです!!考えてみてください。世間を震撼させる商品を次々と開発する天才的な美少女!身分もそこそこで容姿はピカイチ、皇室にとってこんな優良物件を逃さない手はないでしょう!!」
「…はあぁぁぁ?!?」
父は頭の上に??を何個も出し、困惑した顔をしてる。
これはもうひと押しと、今度はうるうると泣き落としにかかった。
「ぐすっ…私はお父様と結婚するって決めているんです。ですから、他の誰にも見初めてほしくはないのです……」
「なっっ…!!」
もちろん父と結婚できるわけもなく、無理だから一生独り身でいるよー、と宣言している。
うちの父は私を嫁にはやらん!と豪語しているだけに、これは効いたようだ。
「そうか…いや!しかし…まぁ、お父様もまだまだミラと一緒にいたいしな…」
よぉしゃあっ、掛かったぞ!
机の下でグッと拳を握り締めた。
「そうです…幸いにも危険防止の為、私がアルファ商会の総頭取だと世間には伏せております。なので、ケイドを頭取として顔を出しても誰も疑う事はありません!!」
目に涙を溜めて、演技を続ける。
お母様はニコニコと私達のやり取りをながめ、弟達はとっくに食べ終えて遊びに出掛けてしまった。
「そう…だな…。仕方ない……まぁ確かに頭取が出向けば問題ないだろう。…そう全く問題ない!偶然の出会いを装って、皇太子なんぞと婚約させんぞぉ!!」
拳を握り締めた父は怒りを天に向けてる。
いやいや父よ、それ聞かれたらアウトだからね~。
「ありがとうございますお父様!大好きっ!!」
椅子から立ち上がった状態で父ににっこりと笑顔を向けた。
これで面倒事から開放されて、私は皇室への謁見を回避できた!
ごめんなさいレグルス様!!本当は一目見たかったけど、ミラとして会うのは嫌なんです!!
心の中でメインキャラであり、皇太子殿下でもあるレグルス様に懺悔する。
しかもあの皇帝に会うなんて冗談じゃない!
変に目をつけられたくないし、子爵令嬢ミラが目立つつもりも全くないから。
とりあえず解決したので、私は椅子に座り直した。
「あっ、そういえばお父様、お母様…一つ言い忘れてましたが、私近いうちに失踪しますので探さないで下さい」
ちょうどよいタイミングだったから、普通の会話と同じ調子でついでのように話した。けど、私の一言で場の空気が固まった。
「はあぁ!?!?ミラっ!おまえっ、また突然!」
「…ですが今後のため、失踪届けは必ず出しておいて下さいませ。もし万が一他人に聞かれても、娘はある日突然居なくなったと言って下さい」
父は訳がわからないと目を白黒させて口をパクパクしてる。
その斜め右に座っていた母が静かに立ち上がった。
「そう…わかったわ。たまには手紙を出してね」
「お母様…ありがとう御座います!必ずお手紙書きますね!」
お互い納得して笑顔で話してたのに、当然のように父が割り込んできた。
「いやいや待て!どうしたら娘が失踪するのを了承できるんだぁ!?」
立ったまま頭を抱えて叫んでいる父。
「お父様。お父様にも、たまぁ~~~~にお手紙書きますからね」
にっこり笑った私に父はまた叫んでる。
「なんで俺だけ扱いが雑なんだぁぁー!!いや、その前に手紙うんぬんの問題じゃないだろぉ!!」
絶叫しながら天を仰ぐ父を、母と二人で微笑ましく笑った。
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