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子供編 2
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朝の準備と支度を終えて朝食も取り、エルナト先生の授業の時間になった。
授業をする場所はもちろん私の部屋。
我が家はお金持ちだから子供部屋の家具も結構贅沢な物を使ってる。
今使っている机や椅子なんかもピカピカの重い造りで宝石なんかも埋め込まれてて一人では座れない。
エルナト先生の授業内容は主にこの国、この世界の全てについてだね。
歴史や地理、お金の単位や物の価値観、物流や流行…と、学ぶことは数え切れないほどある。
この数ヶ月である程度最低限の知識を詰め込んできたけど、まだまだ知ることが沢山あり過ぎて全然足りない。
何が何でも魔法を発現させ、サジタリア魔法アカデミアに入学すること。
それが一番の私の目標!
ただゲームが始まるまで後9年しか時間が残されていない…。
今こうして時間がある内に詰め込むだけ詰め込んで、エルナト先生から知識を吸収していかないと。
ノックの後にエルナト先生が部屋に入って来て授業が始まる。
自分の机の上で挙手をして元気いっぱいに主張する。
「先生!!旧世界の魔法について知りたいです!」
ゲームではちょくちょく出ていたエルナト先生。
初めて紹介されて本人を見た時には感激して涙とニヤニヤが止まらなかったな…。
それに実物はゲームよりさらに美男子だった!
飴を溶かしたような綺麗な鼈甲色の瞳に蜂蜜色の髪、甘めのマスクでゲーム女子からは結構人気があった。
メインキャラじゃないから仲間としては選べなくて残念だったんだけど。
でも今はこうして目の前で動いて私に話しかけてくれてる!もぉ~それだけで幸せだよ!
「おや。ミラさんは旧世界に興味がおありなのですか?」
ゆったりとした優雅な仕草に、線の細い華奢な身体がより一層彼を儚く感じさせる。
嵐でもくれば吹き飛んでしまいそうな容貌なのに、彼の実力や性格はそれに比例しない。
机に座り、エルナト先生の用意してくれた教材を開いている。
様々な題材の教材があるけど、その中の一つに旧世界に関する物もあった。
何を隠そう私は旧世界の話が大好物なんだ!
「はい!旧世界の、特にプレアデス帝国のことを教えて下さい」
「おぉ、かなりマニアックな所をついてきますねぇ」
椅子に座っている私の前に立ち、教鞭を取っていた。
私が初めて来たときに隣に並んで教えてくれてたんだけど、良い匂いがするし距離が近すぎて落ち着かなかったから適当な理由を言って、前に立って教えてもらうことにした。
じゃないと興奮しちゃって教えてもらっていることが全然頭に入ってこなかったから。
クスクス笑いながら旧世界の教材を手に取ったエルナト先生。
顔を下に傾けると蜂蜜色の短い髪がさらりと垂れ、私の目を楽しませてくれる。
そして綺麗な細長い指で深緑色の古びた本をパラパラと開いていく。
「それでは、プレアデス帝国についてお話しましょう」
朝の準備と支度を終えて朝食も取り、エルナト先生の授業の時間になった。
授業をする場所はもちろん私の部屋。
我が家はお金持ちだから子供部屋の家具も結構贅沢な物を使ってる。
今使っている机や椅子なんかもピカピカの重い造りで宝石なんかも埋め込まれてて一人では座れない。
エルナト先生の授業内容は主にこの国、この世界の全てについてだね。
歴史や地理、お金の単位や物の価値観、物流や流行…と、学ぶことは数え切れないほどある。
この数ヶ月である程度最低限の知識を詰め込んできたけど、まだまだ知ることが沢山あり過ぎて全然足りない。
何が何でも魔法を発現させ、サジタリア魔法アカデミアに入学すること。
それが一番の私の目標!
ただゲームが始まるまで後9年しか時間が残されていない…。
今こうして時間がある内に詰め込むだけ詰め込んで、エルナト先生から知識を吸収していかないと。
ノックの後にエルナト先生が部屋に入って来て授業が始まる。
自分の机の上で挙手をして元気いっぱいに主張する。
「先生!!旧世界の魔法について知りたいです!」
ゲームではちょくちょく出ていたエルナト先生。
初めて紹介されて本人を見た時には感激して涙とニヤニヤが止まらなかったな…。
それに実物はゲームよりさらに美男子だった!
飴を溶かしたような綺麗な鼈甲色の瞳に蜂蜜色の髪、甘めのマスクでゲーム女子からは結構人気があった。
メインキャラじゃないから仲間としては選べなくて残念だったんだけど。
でも今はこうして目の前で動いて私に話しかけてくれてる!もぉ~それだけで幸せだよ!
「おや。ミラさんは旧世界に興味がおありなのですか?」
ゆったりとした優雅な仕草に、線の細い華奢な身体がより一層彼を儚く感じさせる。
嵐でもくれば吹き飛んでしまいそうな容貌なのに、彼の実力や性格はそれに比例しない。
机に座り、エルナト先生の用意してくれた教材を開いている。
様々な題材の教材があるけど、その中の一つに旧世界に関する物もあった。
何を隠そう私は旧世界の話が大好物なんだ!
「はい!旧世界の、特にプレアデス帝国のことを教えて下さい」
「おぉ、かなりマニアックな所をついてきますねぇ」
椅子に座っている私の前に立ち、教鞭を取っていた。
私が初めて来たときに隣に並んで教えてくれてたんだけど、良い匂いがするし距離が近すぎて落ち着かなかったから適当な理由を言って、前に立って教えてもらうことにした。
じゃないと興奮しちゃって教えてもらっていることが全然頭に入ってこなかったから。
クスクス笑いながら旧世界の教材を手に取ったエルナト先生。
顔を下に傾けると蜂蜜色の短い髪がさらりと垂れ、私の目を楽しませてくれる。
そして綺麗な細長い指で深緑色の古びた本をパラパラと開いていく。
「それでは、プレアデス帝国についてお話しましょう」
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