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旅行編

最終日 1

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 今日は最終日なので何時までもダラダラしていられない。ベッドから出るとサッと湯あみをして軽く食事を取ると、動きやすいワンピースと砂浜を歩きたいので底の低い靴を用意してもらった。
 
 ルーシェの世話役としてハンナが同行してくれる。
 
 相変わらずウィルソンが痕を付けてくるので、服は自分で着ることに。侍女が気を利かせて首元まで隠れるタイプの空色のワンピースが置いてあり、ルーシェは申し訳無さと軽い羞恥心に見舞われる。
 支度を整え日射しが強いからとツバの広い帽子も揃えてくれた。
 
 今思ったが、こういった洋服や小物はどうしたんだろう?ウィルソンがわざわざルーシェの為に用意してくれたんだとは思うが、服のサイズまでピッタリなのには驚きを隠せない。
 
 支度を終えウィルソンの待つホールまでハンナと共に移動途中、侍女達に声を掛けられる。

「奥様、おはようございます!昨日は美味しいクッキーをありがとうございました!」

「本当に美味しく頂かせて貰いました!奥様がお作りになられたんですよね!?お店の物よりずっと美味しかったです!」

 年上の侍女達に囲まれお礼を言われるが、こういうのは大体がおべっかだ。
 喜んで貰えたのは素直に嬉しいが、ルーシェも全て本気にはしていない。
 沢山作り余った物をお礼としてお屋敷の使用人達にも配った。いつもしている事だったのですっかり忘れていた。

「いえいえ、そんな大袈裟ですよ」

(また奥様って言われてる…)

 今日までだからと苦笑しながら聞いていると、反対側からウィルソンが訝しげな表情で歩いてくる。
 ルーシェを囲んでいた侍女達もサッと顔色を変え、後ろに控えると直ぐに頭を下げ一礼する。

「ルー、どうした?何かあったのか」

「いえ…昨日作ったクッキーを配ったので、感想を聞かせてもらっていました。喜んで貰えた様で良かったです」

 笑顔で話すとウィルソンも表情を崩す。

「…あぁ、君の作る物はどれも絶品だ。……しかしここでも君は同じ事をしているんだな」

 ルーシェの腰に手を回し、話しながら歩き出す。後ろからハンナも着いてくる。

「お世話になったので、皆さんに少しでもお礼がしたくて。大した物じゃないので申し訳ないですが」

「それが仕事なのだから当然だ。君は気を使い過ぎる」

「わかっていますが、私の感謝の気持ちです」

 ルーシェの言った言葉に、固くなって控えていた侍女達の表情が和らいだのをウィルソンは見逃さなかった。

 ルーシェとしては自分の好きでやっている事だ。誰かに何かをしてもらったなら少しでもお返ししたい。
 前世の癖は中々抜けないが、ルーシェはそれでいいと思っている。相手にどう思われようが、自分が満足して納得したいからだ。
 
 隣で歩くウィルソンがルーシェの身体を引き寄せ、密着した形になる。

「あっ…ウィル様!?どうしました?」

 突然の奇行に、驚いてウィルソンを見上げる。

「人をたらし込む癖は天性のものなのか…」

「え…?」

 特段変わった表情もなく、小声でポツリと呟いて直ぐに離される。

「あの?今、何か言いましたか?」

「いや…」

 言葉を濁し歩くウィルソンに腰を引かれ、不思議に思いながらルーシェも歩き出した。
 

 
 




 馬車に揺られやって来た砂浜は遠浅の海岸らしく、透明度の高い青く透き通った海水が遠くまで続いた。
 天気も気持ち良く、波も静かで凪いでいる。
 この場所はクロスフォード伯爵のプライベートビーチらしい。
 目の前に広がる久々の海に、ルーシェは靴を脱ぎ捨て裸足で砂浜を走り出す。
 
 サラサラな砂を踏む感覚が懐かし過ぎて、満面の笑みになる。足が汚れることなんか気にならない。潮風が心地良く身体をすり抜け、波打ち際までくると躊躇いもせず脚を海水に着ける。

「冷たっ」
 
 思っていたよりも海水は冷たく、ヒンヤリする水の感触にまた笑顔が溢れる。

「そんなに海が恋しかったのか?」

 ルーシェのはしゃぎように、ウィルソンは笑いながら波打ち際近くまで歩み寄る。

「ウィル様、海が凄く綺麗で冷たいです!」

 スカートの裾を手で巻くりながら楽しそうにバシャバシャと水面を踏みしめるルーシェに、ウィルソンは思わず破顔する。
 ルーシェはしばらくそうして海の感触を楽しんだ。
 
 こうしていると過去前世を思い出す。
 もちろんこちらの海の方が何倍も綺麗だし、景色も全く違う。
 だが海は身近にあるものだったから前の世界の両親、親しかった友人のことが思い浮かぶ。
 もう記憶自体は薄れて来ているが、何年経ってもこの想いだけは消えない。 
 自分を心配していた家族は、自分が死んでしまった後どうしたのだろうか。
 先に死んで行った自分を親不孝者だと思っているのかもしれない。
 結局心配ばかりかけ結婚もせず、孫の顔も見せることのないまま人生を終えてしまった。生きていたとしても無理だったとは思うが。

 急に遠くを見たまま大人しくなったルーシェを心配したウィルソンが、ルーシェの側まで近づく。

「ルー?どうした?」

 服の裾が濡れることなど全く気にしないウィルソン。
 
「ウィル様!濡れていますよ」

「関係ない。君はまた昔を思い出しているのか?」

 鋭いウィルソンはそう言ってルーシェを抱きしめ、自分の腕の中に閉じ込める。

「…すみません、気にしないで下さい」

「君の過去に干渉するつもりは無いが、何か思う事があるなら話してくれ。話せる人間も限られているだろ?」

 顔を上げるとウィルソンは心配そうに覗き込んでいる。その心遣いがすごく嬉しくて何故だか泣きそうになる。
 
「大した事ではないんです。ただ私がいなくなった後、みんな元気にしているのか気になってしまって…」

「…他には?」

 そう言われてグッと言葉に詰まる。
 
「それだけです。他にはありません……」

 自分の考えを見透かされるのが嫌で笑顔を作り、少し強引にウィルソンから身体を離す。無理に身体を押した勢いでルーシェは砂に脚を取られバランスを崩してしまう。

「ルー!」
「あっ!」

 ウィルソンが咄嗟に受け止めようと手を伸ばしたが間に合わず、バシャンと大きな音を立て海にダイブし、結局2人してビショビショになる。
 
 受け止めたウィルソンの上に乗るような形でルーシェも海に浸かっている。

「ウィル様!大丈夫ですか!?申し訳ありません!」

 自分の上で平謝りをしているルーシェに、ウィルソンは上半身を起こし濡れた前髪を手で掻き上げる。
 その仕草にルーシェの胸がドキドキと早くなる。

「くくくっ、君は予想外な行動ばかりだな」

 可笑しそうに笑う笑顔と、海水に濡れた姿が色っぽくて自分が濡れている事も忘れて魅入ってしまう。水も滴るいい男とはまさにこの事だ。
 その視線に気付いたのか、ウィルソンもルーシェを見つめ両肩を掴み顔を近づける。

「そんなに見つめて…誘っているのか?」

「へっ!?いや、違っ!」

 抗議の言葉を遮られ、唇が重なる。

「んッ…」

 深い口付けから舌が入り、海水のしょっぱい味を感じるがすぐ気にならなくなる。
 舌を絡めるように舐められ吸われると、濡れた冷たさも忘れ身体が熱く燻る。
 ルーシェもウィルソンの背中に腕を回し、されるがまま快楽を受け入れる。
 
「はぁ……ん……っ……」

 唇を離し触れるだけの軽いキスを何度も繰り返す。
 
「ルー…」

 肩から腰に手が移動し、より密着するように引き寄せられる。
 ウィルソンの吐息を耳元で感じ、耳朶を軽く噛まれ身体が跳ねる。

「やっ…ぁ、ウィル様っ」

 妖しい流れになってきたので堪らずウィルソンの胸を押して牽制する。

「拒むな。煽っているのは君の方だ」

「わ、私は何もっ!」

 ウィルソンは話を遮り、身体に触れてくる。
 海水に濡れた服がピタリと張り付き、身体の線がくっきりと浮かんでいる。

「これが煽っていないとでも?」

「!!」

 ウィルソンの手がルーシェの乳房に触れる。そこも形がわかるほど張り付き、尖端の突起が立っているのがよくわかる。
 指先でキュッと摘むと、ピリッとした淡い快楽が身体を走る。

「あっ…!」

 その反応に気を良くしたウィルソンは、さらに指先に緩急をつけ愛撫を施す。

「あっ、やぁ!」

 巧みに動く指先に合わせ、身体もビクビクと震える。
 
「んっ…ぁ……、ダメです…あっ!このままじゃ、風邪引きますよ!」

 ルーシェは思い切ってウィルソンの胸を押し身体を離す。

 浜辺にはハンナも控えているのに、こんなに堂々とイチャイチャするなんて恥ずかし過ぎる。
 ちょうどウィルソンの身体が盾になって、見えていないとは思うが、何をしているのかくらいはわかるだろう。
 こんな風になる筈じゃないのに、どうしてウィルソンと一緒にいると流れがいつもソッチ方向に行ってしまうのか謎だ。

 ウィルソンは残念そうにしていたが、上着を脱いでルーシェの身体に掛けてくれた。

「確かに身体が冷えたな。そこに別邸がある。移動するか」

 潔く諦めて貰えた様で安心した。
 立ち上がり浜辺まで移動する。
 ハンナがタオルを持ちながら心配そうに待ち構えていた。

「お二人共お怪我はございませんか!?」

「…はい、大丈夫です。ご心配なさらずに……」

 あの光景を見られていたのかと思うと羞恥心が沸いてくる。
 ウィルソンは別段気にした風でもなくタオルで髪を拭いている。
 こんなに気にしている自分の方がおかしいのかと思ってしまう。
 渡されたタオルで濡れた身体を拭きながら、すぐ側にある別邸へと移動した。









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