5 / 65
四 (手直し)
しおりを挟む
書庫で王子とのデートが始まった。王子は読書の邪魔になるのからと、中で働く人を全て下がるよう指示した。
まぁ、書庫の外には警備騎士がいるのだけど。
書庫の奥の机に王子が座り、離れた位置に私は座った。
「リチャード王子殿下、私はここで、時間になるまで大人しく寝ていますので……」
「……あぁ、分かった」
ふうっと、王子に何度めかのため息をつかれても、見て見ぬ振りをして、ゴロリと椅子の上で横になり眠った。一つ、わがままを言えば。ふかふかオフトゥンが欲しいけど、そんなこと言える雰囲気でない。
もし言えば、王子の呆れた視線が飛んでくるだろう……ここは辛抱します。
では、おやすみなさいませ。
? もふ……もふん?
もふもふ……と顔がもふもふで気持ち良い。
これは、お家のオフトゥンよりもふかふかで、触り心地もいい、憧れの高級オフトゥンた。
なにより毛並みのいい、もふもふな毛皮まである。
ん? 毛皮? ちょっと待て。このもふ、もふ?
「これって、本物にゃん?」
目を覚まして驚く、私の頭上から大きなため息が聞こえた。
「やっと目が覚めたかミタリア嬢。君は先ほどから――なんて、大胆な寝相なんだ。この狼の僕に襲えと誘っているのかな?」
「にゃ? 大胆な寝相? 狼を、私が誘うにゃ?」
「この状態で、襲わなかった僕を褒めろよ」
天蓋付きの高級ベッドでへそ天な私と、シルバー色の毛並み、大きなもふもふ狼が仲良く寝そべっていた。
狼? ……王子はどこ? だと、辺りをキョロキョロしだした私に。
「どうした、ミタリア嬢?」
と隣の銀色狼が聞いた。
「あ、あなた様はどちらの狼様にゃ?」
首を傾げてそう聞いた私に、狼は目を細めて大きなため息を吐くと、私のもふもふへそ天のお腹に、もふんと自分の顔を乗せた。
(くばっ、重い!)
「あのさ、ミタリア嬢は忘れたのかな? 僕は狼族の王子なんだけど」
「にゃ!」
狼族――そうだ、すっかり忘れていた! 王子はゲームの中でも獣化していた。私が忘れていたことに王子はへそを曲げたらしく、長い鼻でぐいぐいと、私のもちもちなお腹を押した。
「にゃぁ⁉︎ すみません! リ、リチャード王子殿下にゃ? あの、えーっと、その、王子殿下も獣化するのですね……」
適当な切り返しを、した私に。
今度は馬鹿にした様に、お腹の上でじとーっと王子に睨まれた。
「その言葉を君に返すよ。僕は原種の血が濃い狼王族だからな。それより寝ることに夢中で、油断して、大切な魔石ペンダントを外すな! 君だって誘拐されたくはないだろう!」
――誘拐!
「あっ、魔石ペンダントがないにゃ?」
私が獣化しているということは、いつも身に付けているペンダントが、何かの拍子に外れたということ。
この状態からして……私は王子に何かしてしまったようだし、気軽に「何かしました?」ても聞けない。
獣化した王子と私の体の大きさの違い。そして、王子の大きな顔で押さえつけられていて……動けない。
でも、へそ天は恥ずかしい。
「リチャード殿下、お腹から、どいてくださいませんかにゃん?」
「はぁ? 僕に命令をするのか!」
「……!」
――こ、ごもっともです!
「……獣化する君が、僕のつがう相手か?」
その言葉にドキッとした。
違う、王子の番いは私じゃない、それは断言できる。
悪役令嬢の私では……番になれない。
「違いますにゃ、私は獣化しますが……殿下のつがう相手ではありませんにゃ!」
王子には可愛いヒロインがいるもの。
「そう、かってに決めつけるな!」
強めに声を上げたて、ぐりぐりお腹に顔を埋められた。
うぎゃっ!
ここから逃げるにはケリケリっと足爪で、王子の顔を引っ掻けばいい……のだけど。
それをやってしまったら私の生涯がいま終わる。
不敬罪で捕まるし、怒った王子に噛まれでもしたら……と、思うと怖いすぎる。
グリグリ、グリグリ。
「ふっ、にゃ~ん! 殿下それ、やめてください。私は殿下の番にはなれないにゃ」
「なんで、そう言い切れる?」
「訳は言えないけど……私ではありませんにゃ」
だって、あなたには……
『白兎?』
『えっ、わ、私、兎の姿になってる?』
『お前は自分が獣化するって、知らなかったのか?』
『獣化って何?』
『知らないのか? ここにいては危ない、私の休憩室に行こう』
学園にある王子の休憩室に行くんだ。
私の好きなイベントの一つだった。
それから王子がヒロインが気になり出し始めて――いつしか、恋に変わっていくんだ。
獣化が二人のきっかけを作る。……って、今の私はその状態じゃない?
でも、私は悪役令嬢……だけど。
変なフラグを立てる前に逃げよう!
「あの、殿下? そろそろデートの終わる時間では、ありませんかにゃ?」
「いや、まだ終わるまで一時間はあるぞ。デート時間が終わるまで、ミタリアは俺のふかふか枕な」
「うにゃ? まくらって、殿下! へそ天に顔を乗っけられるのも恥ずかしいのに、一時間もこの格好ですにゃん~!」
慌てる私に王子はクッククと、低く笑い、意地悪な笑みをして、
「なんだよ俺に足を向けて、ぱかーんと見せ付けるように、へそ天してたくせにか?」
「俺? えっ、殿下がいま俺と言ったにゃ? それに私の名前を呼び捨てしたにゃ? ……それにへそ天したって! 嘘、私って殿下に足を向けて、へそ天したのですかにゃぁ!」
私の目を見て、コクリと頷く王子。
「あぁ、したな。ミタリアはどれだけ俺に安心と、信頼を寄せたんだ……お陰で色々と見てしまったぞ。それにお前は他の令嬢よりベタベタしてこないし。面白いから――明日から毎日、俺に会いに来い」
(そりゃ、ベタベタはしませんけど。面白いからって、明日から毎日ここに来るの⁉︎)
「にゃっ⁉︎ あの殿下、毎日、登城はちょっと無理じゃないですかにゃ? 殿下も執務お忙しいでしょ?」
「確かに忙しいが――ミタリアに会う時間くらい作れる。そうだ、言うの忘れていた。今日付けにより、ミタリアは俺の婚約者となった。既に父上にも知らせたから光栄に思え」
「婚約にゃ⁉︎」
父上に報告って、ことは国王陛下だ?
「(まじ)にゃぁぁあぁぁ――ん!」
「ミタリア、そんなに喜ぶな」
し、知らないうちに(寝ているうちに)何かフラグが立った、思いっきり立った!
「いや、嫌にゃぁ~、殿下との婚約はご辞退申し上げますので、それでお願いしますにゃ!」
「無理だな。既に話はついている諦めろ」
「諦めろって、言われても。無理、無理、無理にゃん!」
「そう言うなって、ミタリアが婚約者で俺は優しいぞ」
「嬉しいにゃ?」
「あぁ、嬉しい」
(嘘だ、ぜったに嘘! 面白いって言ったもん!)
王子は楽しそうに笑い、私のお腹を更にぐりぐりした。
まぁ、書庫の外には警備騎士がいるのだけど。
書庫の奥の机に王子が座り、離れた位置に私は座った。
「リチャード王子殿下、私はここで、時間になるまで大人しく寝ていますので……」
「……あぁ、分かった」
ふうっと、王子に何度めかのため息をつかれても、見て見ぬ振りをして、ゴロリと椅子の上で横になり眠った。一つ、わがままを言えば。ふかふかオフトゥンが欲しいけど、そんなこと言える雰囲気でない。
もし言えば、王子の呆れた視線が飛んでくるだろう……ここは辛抱します。
では、おやすみなさいませ。
? もふ……もふん?
もふもふ……と顔がもふもふで気持ち良い。
これは、お家のオフトゥンよりもふかふかで、触り心地もいい、憧れの高級オフトゥンた。
なにより毛並みのいい、もふもふな毛皮まである。
ん? 毛皮? ちょっと待て。このもふ、もふ?
「これって、本物にゃん?」
目を覚まして驚く、私の頭上から大きなため息が聞こえた。
「やっと目が覚めたかミタリア嬢。君は先ほどから――なんて、大胆な寝相なんだ。この狼の僕に襲えと誘っているのかな?」
「にゃ? 大胆な寝相? 狼を、私が誘うにゃ?」
「この状態で、襲わなかった僕を褒めろよ」
天蓋付きの高級ベッドでへそ天な私と、シルバー色の毛並み、大きなもふもふ狼が仲良く寝そべっていた。
狼? ……王子はどこ? だと、辺りをキョロキョロしだした私に。
「どうした、ミタリア嬢?」
と隣の銀色狼が聞いた。
「あ、あなた様はどちらの狼様にゃ?」
首を傾げてそう聞いた私に、狼は目を細めて大きなため息を吐くと、私のもふもふへそ天のお腹に、もふんと自分の顔を乗せた。
(くばっ、重い!)
「あのさ、ミタリア嬢は忘れたのかな? 僕は狼族の王子なんだけど」
「にゃ!」
狼族――そうだ、すっかり忘れていた! 王子はゲームの中でも獣化していた。私が忘れていたことに王子はへそを曲げたらしく、長い鼻でぐいぐいと、私のもちもちなお腹を押した。
「にゃぁ⁉︎ すみません! リ、リチャード王子殿下にゃ? あの、えーっと、その、王子殿下も獣化するのですね……」
適当な切り返しを、した私に。
今度は馬鹿にした様に、お腹の上でじとーっと王子に睨まれた。
「その言葉を君に返すよ。僕は原種の血が濃い狼王族だからな。それより寝ることに夢中で、油断して、大切な魔石ペンダントを外すな! 君だって誘拐されたくはないだろう!」
――誘拐!
「あっ、魔石ペンダントがないにゃ?」
私が獣化しているということは、いつも身に付けているペンダントが、何かの拍子に外れたということ。
この状態からして……私は王子に何かしてしまったようだし、気軽に「何かしました?」ても聞けない。
獣化した王子と私の体の大きさの違い。そして、王子の大きな顔で押さえつけられていて……動けない。
でも、へそ天は恥ずかしい。
「リチャード殿下、お腹から、どいてくださいませんかにゃん?」
「はぁ? 僕に命令をするのか!」
「……!」
――こ、ごもっともです!
「……獣化する君が、僕のつがう相手か?」
その言葉にドキッとした。
違う、王子の番いは私じゃない、それは断言できる。
悪役令嬢の私では……番になれない。
「違いますにゃ、私は獣化しますが……殿下のつがう相手ではありませんにゃ!」
王子には可愛いヒロインがいるもの。
「そう、かってに決めつけるな!」
強めに声を上げたて、ぐりぐりお腹に顔を埋められた。
うぎゃっ!
ここから逃げるにはケリケリっと足爪で、王子の顔を引っ掻けばいい……のだけど。
それをやってしまったら私の生涯がいま終わる。
不敬罪で捕まるし、怒った王子に噛まれでもしたら……と、思うと怖いすぎる。
グリグリ、グリグリ。
「ふっ、にゃ~ん! 殿下それ、やめてください。私は殿下の番にはなれないにゃ」
「なんで、そう言い切れる?」
「訳は言えないけど……私ではありませんにゃ」
だって、あなたには……
『白兎?』
『えっ、わ、私、兎の姿になってる?』
『お前は自分が獣化するって、知らなかったのか?』
『獣化って何?』
『知らないのか? ここにいては危ない、私の休憩室に行こう』
学園にある王子の休憩室に行くんだ。
私の好きなイベントの一つだった。
それから王子がヒロインが気になり出し始めて――いつしか、恋に変わっていくんだ。
獣化が二人のきっかけを作る。……って、今の私はその状態じゃない?
でも、私は悪役令嬢……だけど。
変なフラグを立てる前に逃げよう!
「あの、殿下? そろそろデートの終わる時間では、ありませんかにゃ?」
「いや、まだ終わるまで一時間はあるぞ。デート時間が終わるまで、ミタリアは俺のふかふか枕な」
「うにゃ? まくらって、殿下! へそ天に顔を乗っけられるのも恥ずかしいのに、一時間もこの格好ですにゃん~!」
慌てる私に王子はクッククと、低く笑い、意地悪な笑みをして、
「なんだよ俺に足を向けて、ぱかーんと見せ付けるように、へそ天してたくせにか?」
「俺? えっ、殿下がいま俺と言ったにゃ? それに私の名前を呼び捨てしたにゃ? ……それにへそ天したって! 嘘、私って殿下に足を向けて、へそ天したのですかにゃぁ!」
私の目を見て、コクリと頷く王子。
「あぁ、したな。ミタリアはどれだけ俺に安心と、信頼を寄せたんだ……お陰で色々と見てしまったぞ。それにお前は他の令嬢よりベタベタしてこないし。面白いから――明日から毎日、俺に会いに来い」
(そりゃ、ベタベタはしませんけど。面白いからって、明日から毎日ここに来るの⁉︎)
「にゃっ⁉︎ あの殿下、毎日、登城はちょっと無理じゃないですかにゃ? 殿下も執務お忙しいでしょ?」
「確かに忙しいが――ミタリアに会う時間くらい作れる。そうだ、言うの忘れていた。今日付けにより、ミタリアは俺の婚約者となった。既に父上にも知らせたから光栄に思え」
「婚約にゃ⁉︎」
父上に報告って、ことは国王陛下だ?
「(まじ)にゃぁぁあぁぁ――ん!」
「ミタリア、そんなに喜ぶな」
し、知らないうちに(寝ているうちに)何かフラグが立った、思いっきり立った!
「いや、嫌にゃぁ~、殿下との婚約はご辞退申し上げますので、それでお願いしますにゃ!」
「無理だな。既に話はついている諦めろ」
「諦めろって、言われても。無理、無理、無理にゃん!」
「そう言うなって、ミタリアが婚約者で俺は優しいぞ」
「嬉しいにゃ?」
「あぁ、嬉しい」
(嘘だ、ぜったに嘘! 面白いって言ったもん!)
王子は楽しそうに笑い、私のお腹を更にぐりぐりした。
0
お気に入りに追加
351
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?
榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した
しかも、悪役令嬢に。
いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。
だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど......
※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて
ここは乙女ゲームの世界でわたくしは悪役令嬢。卒業式で断罪される予定だけど……何故わたくしがヒロインを待たなきゃいけないの?
ラララキヲ
恋愛
乙女ゲームを始めたヒロイン。その悪役令嬢の立場のわたくし。
学園に入学してからの3年間、ヒロインとわたくしの婚約者の第一王子は愛を育んで卒業式の日にわたくしを断罪する。
でも、ねぇ……?
何故それをわたくしが待たなきゃいけないの?
※細かい描写は一切無いけど一応『R15』指定に。
◇テンプレ乙女ゲームモノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
悪役令嬢に転生かと思ったら違ったので定食屋開いたら第一王子が常連に名乗りを上げてきた
咲桜りおな
恋愛
サズレア王国第二王子のクリス殿下から婚約解消をされたアリエッタ・ネリネは、前世の記憶持ちの侯爵令嬢。王子の婚約者で侯爵令嬢……という自身の状況からここが乙女ゲームか小説の中で、悪役令嬢に転生したのかと思ったけど、どうやらヒロインも見当たらないし違ったみたい。
好きでも嫌いでも無かった第二王子との婚約も破棄されて、面倒な王子妃にならなくて済んだと喜ぶアリエッタ。我が侯爵家もお姉様が婿養子を貰って継ぐ事は決まっている。本来なら新たに婚約者を用意されてしまうところだが、傷心の振り(?)をしたら暫くは自由にして良いと許可を貰っちゃった。
それならと侯爵家の事業の手伝いと称して前世で好きだった料理をしたくて、王都で小さな定食屋をオープンしてみたら何故か初日から第一王子が来客? お店も大繁盛で、いつの間にか元婚約者だった第二王子まで来る様になっちゃった。まさかの王家御用達のお店になりそうで、ちょっと困ってます。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
※料理に関しては家庭料理を作るのが好きな素人ですので、厳しい突っ込みはご遠慮いただけると助かります。
そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑)
本編は完結しています。時々、番外編を追加更新あり。
「小説家になろう」でも公開しています。
目が覚めたらクソ小説の世界のモブに転生していました。~悪役令嬢・その他救済計画!~
ましゅぺちーの
恋愛
目が覚めたら小説の中の世界に転生していた。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブ中のモブに。
だけどこの小説、ストーリーがクソすぎると批判が殺到した作品で!?
それならば悪役令嬢をはじめとした不幸になる小説の登場人物を救済しよう!と主人公は意気込むのだった―
タイトルを少し変更しました。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】
ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。
彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」
お嬢様はご不満の様です。
海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。
名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。
使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。
王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる