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グロッサ国
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私は屋敷中を探し歩きましたが、リチャードさんの姿が見当たりません。
──おかしいですね……この時間は屋敷にいるはずなんですが。
しかし、何度屋敷を往復してもおりません。
そんな時、あの小屋の存在を思い出しました。
──ここまで探していないとなると、残る場所は小屋ですかね。
すぐさま膝を返し屋敷の裏に回ると、相変わらず人がいるとは思えない小屋がポツンと建っています。
気配を消して小屋に近づき、割れた窓から中の様子を伺いました。
すると……──いました。
この間の侍女も一緒です。
「──このままでは、まずい。レニの方は?」
「私の方はダメ。全く掴めない」
二人は何やら神妙な面持ちで話をしておりますが、何の話なのか分かりません。
「──……奴らの狙いは、私だ。私が此処を去れば片がつく……」
「……私は嫌よ……折角、居場所が見つかったのに……」
レニと呼ばれる侍女の方が泣きそうになりながら俯いております。
私達がリチャードさんを疑っているのがバレたのでしょうか?
「レニは此処に残りなさい。いつまでも私といると、レニにも危険が及ぶ」
リチャードさんがレニさんの肩に手を置き、優しく諭すように仰っております。
しかし、その手を払い除け「嫌よ!!」とレニさんが叫びました。
「私はどんなに危険が付き纏っても、離れたくない!!」
そう言うなり、レニさんはリチャードさんに抱きつきました。
この場にルイスさんが居たらさぞ大喜びの場面でありましょう。
リチャードさんは抱きついたレニさんを払い除ける様子もなく、優しく頭を撫でていました。
「……レニの為なんだ。……いや、私の為かもな。私の為に、レニの命が危ぶまれるなんて耐えられないんだ」
レニさんはリチャードさんの腕の中で泣きじゃくっています。
リチャードさんは困惑の表情をしながらも、レニさんを抱きしめております。
──やはり、このお二人は恋仲……
「絶対嫌よ!!絶対離れないから!!私も連れてって!!ねぇ、お義父さん!!」
──っっっ!!!!???
ガンッ!!!
──しまった!!!
あまりの衝撃的な事実に思わず立ち上がった瞬間、足元にあったバケツを蹴り飛ばしてしまいました。
その音に気づいたリチャードさんが素早く外に出て来ました。
「──……おや、これはこれは……こんな所でどうしました?」
リチャードさんは何事も無かったように、笑顔で私に話しかけてきました。
対してレニさんは、私を鋭い目つきで睨んでおります。
──私とした事が、ルイスさんと同じミスを……
もうこうなってしまっては、誤魔化しようがありません。
私は観念して一息つき、ゆっくりリチャードさんと向き合いました。
「――……盗み聞きしたのは、申し訳ありません。しかし、これが私の仕事ですのでご了承下さい」
私はそう言いながら、深々と頭を下げました。
すると……
「……黙っているのもここまでですね……」
と、リチャードさんがポツリと仰いました。
「は!?本気!?こんなどこの馬の骨かも分からない女に話すの!?」
リチャードさんの言葉を聞いたレニさんが声を荒上げました。
確かに、どこの馬の骨か分からない女ですけど、仮にも当主に招待された人間ですよ?
リチャードさんの様に執事クラスの方なら許されるでしょうが、ただの侍女がお客様にその口ぶりはアウトです。
その証拠にリチャードさんがキッとレニさんを睨みつけ黙らせました。
「すみません。教育がなっていませんで……」
はぁーと溜息を吐きながら、自分の教育不足だと謝罪されました。
まぁ、レニさんの教育は今後頑張っていただくという事で……
それよりも私は、貴方がたの事を知りたいのですが?
──おかしいですね……この時間は屋敷にいるはずなんですが。
しかし、何度屋敷を往復してもおりません。
そんな時、あの小屋の存在を思い出しました。
──ここまで探していないとなると、残る場所は小屋ですかね。
すぐさま膝を返し屋敷の裏に回ると、相変わらず人がいるとは思えない小屋がポツンと建っています。
気配を消して小屋に近づき、割れた窓から中の様子を伺いました。
すると……──いました。
この間の侍女も一緒です。
「──このままでは、まずい。レニの方は?」
「私の方はダメ。全く掴めない」
二人は何やら神妙な面持ちで話をしておりますが、何の話なのか分かりません。
「──……奴らの狙いは、私だ。私が此処を去れば片がつく……」
「……私は嫌よ……折角、居場所が見つかったのに……」
レニと呼ばれる侍女の方が泣きそうになりながら俯いております。
私達がリチャードさんを疑っているのがバレたのでしょうか?
「レニは此処に残りなさい。いつまでも私といると、レニにも危険が及ぶ」
リチャードさんがレニさんの肩に手を置き、優しく諭すように仰っております。
しかし、その手を払い除け「嫌よ!!」とレニさんが叫びました。
「私はどんなに危険が付き纏っても、離れたくない!!」
そう言うなり、レニさんはリチャードさんに抱きつきました。
この場にルイスさんが居たらさぞ大喜びの場面でありましょう。
リチャードさんは抱きついたレニさんを払い除ける様子もなく、優しく頭を撫でていました。
「……レニの為なんだ。……いや、私の為かもな。私の為に、レニの命が危ぶまれるなんて耐えられないんだ」
レニさんはリチャードさんの腕の中で泣きじゃくっています。
リチャードさんは困惑の表情をしながらも、レニさんを抱きしめております。
──やはり、このお二人は恋仲……
「絶対嫌よ!!絶対離れないから!!私も連れてって!!ねぇ、お義父さん!!」
──っっっ!!!!???
ガンッ!!!
──しまった!!!
あまりの衝撃的な事実に思わず立ち上がった瞬間、足元にあったバケツを蹴り飛ばしてしまいました。
その音に気づいたリチャードさんが素早く外に出て来ました。
「──……おや、これはこれは……こんな所でどうしました?」
リチャードさんは何事も無かったように、笑顔で私に話しかけてきました。
対してレニさんは、私を鋭い目つきで睨んでおります。
──私とした事が、ルイスさんと同じミスを……
もうこうなってしまっては、誤魔化しようがありません。
私は観念して一息つき、ゆっくりリチャードさんと向き合いました。
「――……盗み聞きしたのは、申し訳ありません。しかし、これが私の仕事ですのでご了承下さい」
私はそう言いながら、深々と頭を下げました。
すると……
「……黙っているのもここまでですね……」
と、リチャードさんがポツリと仰いました。
「は!?本気!?こんなどこの馬の骨かも分からない女に話すの!?」
リチャードさんの言葉を聞いたレニさんが声を荒上げました。
確かに、どこの馬の骨か分からない女ですけど、仮にも当主に招待された人間ですよ?
リチャードさんの様に執事クラスの方なら許されるでしょうが、ただの侍女がお客様にその口ぶりはアウトです。
その証拠にリチャードさんがキッとレニさんを睨みつけ黙らせました。
「すみません。教育がなっていませんで……」
はぁーと溜息を吐きながら、自分の教育不足だと謝罪されました。
まぁ、レニさんの教育は今後頑張っていただくという事で……
それよりも私は、貴方がたの事を知りたいのですが?
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