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侍女兼便利屋
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さて、やるからには隅々まで綺麗にしてさし上げましょう。
そう意気込み、箒を片手にどの部屋から周ろうか思案しました。
まあ、順当に行けば一階にある方々の部屋からですね。
手始めに、一番手前にある方の部屋から参りましょう。
因みに、私は団員の方のお名前をあまり知りません。
あまり騎士の方とお話する機会がありませんし、騎士の方にこれといって興味もありませんので。
団長様クラスになれば嫌でも耳に入ってくるので覚えれるのですが……。
コンコン
「失礼します。掃除に参りました、マリアンネと申します」
ノックをしドアを開けると、部屋の中には4人の騎士の方々がおりました。
──なるほど、この部屋は4人部屋なんですね。
流石男性の4人部屋。服が床に散乱し、騎士の命である剣も無造作に置いてありました。
剣を無闇に扱うなど、騎士の風上にも置けません。
「あれ~、テレザさんじゃないじゃん」
「へぇ、可愛い子寄越したなぁ」
早速、2人の方が私の側へ寄ってまいりました。
どちらの方も見た目はそこそこの年若い方ですが、頭はあまり宜しくない感じですね。
「おい、折角掃除しに来てくれたんだ。邪魔すんなよ」
「そうだよ。もう、僕こんな汚いの嫌だったんだから」
残りのお2人はお利口さんですね。
黙ってそこにいてくださいね。……すぐ終わらせますから。
「ねぇ、君いくつ?今度の休み──って、いてててて!!!」
早速一人の方が私の手に触れようとして来たので、その手を素早くひねりあげました。
「──お前!!侍女の癖に騎士に楯突くとどうなるか分かってんだろうな!?」
分かっております。しっかり団長のフリード様から死ななければ何をしてもいいと許可が下りています。
怒鳴っていた、もう一人の方が私に殴りかかってきました。
残りのお2人が止めに入ろうとしてくれますが、寧ろ止めなくて結構。
ここでしっかり上下関係をハッキリしておけば、狂犬も吠えなくなりますから。
私は素早く拳を避け、思いっきり腹部に拳を食い込ませました。
騎士の方は、その場に倒れ込み悶絶しております。
「──くそっ!!!」
更に先程手をひねりあげていた方も襲いかかってきましたが、こちらは方には横腹に蹴りをお見舞いします。
すると、壁まで吹っ飛びそのまま気を失ってしまいました。
──騎士の方がこの程度で、へたばるのですか?情けないですね……
「……えっ?あの、貴方は侍女……だよね?」
「ええ、そうですよ?」
大人しく見ていたお一人の方が、ビクビクしながら私に訊ねてきました。
──掃除に参ったと先程、お伝えしたばかりですが?
気付けば部屋の外には沢山の騎士の方々が、ドア越しにこちらを観覧しておりました。
──これは丁度いいです。
「私はフリード様から依頼を受けて、この寮の掃除に参った侍女のマリアンネと申します。順次部屋に伺わせて頂きますので、今の内に捨てられては困る物の分別お願いします。残っていた物は問答無用で処分させて頂きます。抵抗しても結構!!その際は本気で相手になりましょう。──では、解散!!」
そう伝えると、蜘蛛の子を散らした様に急いで部屋に向かって行く、騎士の方々の姿がありました。
「……すげぇ、騎士を一瞬で纏めちまったよ……」
「本当、何者……?」
いや、だから侍女です。
それより、貴方々も早く分別しなければ、そこら辺にある物全て処分対象となりますがよいのでしょうか?
お二人は私が言いたいことが分かったようで「はっ!」として、急いで部屋の物を分別し始めました。
……倒れているお二人方は罰として、全て処分です。
そうして一部屋終わり、二部屋目に向かうと既に騎士の方々がご自分で掃除をしておりました。
「ここは大丈夫だから次に行ってくれ」「俺らが掃除しといたから!!」と、行く先々で言われ、一階の部屋はあっという間に終了してしまいました。
──これでは、私が来た意味が無くなってしまいます。
二階からは少々手加減しましょう。
そう意気込み、箒を片手にどの部屋から周ろうか思案しました。
まあ、順当に行けば一階にある方々の部屋からですね。
手始めに、一番手前にある方の部屋から参りましょう。
因みに、私は団員の方のお名前をあまり知りません。
あまり騎士の方とお話する機会がありませんし、騎士の方にこれといって興味もありませんので。
団長様クラスになれば嫌でも耳に入ってくるので覚えれるのですが……。
コンコン
「失礼します。掃除に参りました、マリアンネと申します」
ノックをしドアを開けると、部屋の中には4人の騎士の方々がおりました。
──なるほど、この部屋は4人部屋なんですね。
流石男性の4人部屋。服が床に散乱し、騎士の命である剣も無造作に置いてありました。
剣を無闇に扱うなど、騎士の風上にも置けません。
「あれ~、テレザさんじゃないじゃん」
「へぇ、可愛い子寄越したなぁ」
早速、2人の方が私の側へ寄ってまいりました。
どちらの方も見た目はそこそこの年若い方ですが、頭はあまり宜しくない感じですね。
「おい、折角掃除しに来てくれたんだ。邪魔すんなよ」
「そうだよ。もう、僕こんな汚いの嫌だったんだから」
残りのお2人はお利口さんですね。
黙ってそこにいてくださいね。……すぐ終わらせますから。
「ねぇ、君いくつ?今度の休み──って、いてててて!!!」
早速一人の方が私の手に触れようとして来たので、その手を素早くひねりあげました。
「──お前!!侍女の癖に騎士に楯突くとどうなるか分かってんだろうな!?」
分かっております。しっかり団長のフリード様から死ななければ何をしてもいいと許可が下りています。
怒鳴っていた、もう一人の方が私に殴りかかってきました。
残りのお2人が止めに入ろうとしてくれますが、寧ろ止めなくて結構。
ここでしっかり上下関係をハッキリしておけば、狂犬も吠えなくなりますから。
私は素早く拳を避け、思いっきり腹部に拳を食い込ませました。
騎士の方は、その場に倒れ込み悶絶しております。
「──くそっ!!!」
更に先程手をひねりあげていた方も襲いかかってきましたが、こちらは方には横腹に蹴りをお見舞いします。
すると、壁まで吹っ飛びそのまま気を失ってしまいました。
──騎士の方がこの程度で、へたばるのですか?情けないですね……
「……えっ?あの、貴方は侍女……だよね?」
「ええ、そうですよ?」
大人しく見ていたお一人の方が、ビクビクしながら私に訊ねてきました。
──掃除に参ったと先程、お伝えしたばかりですが?
気付けば部屋の外には沢山の騎士の方々が、ドア越しにこちらを観覧しておりました。
──これは丁度いいです。
「私はフリード様から依頼を受けて、この寮の掃除に参った侍女のマリアンネと申します。順次部屋に伺わせて頂きますので、今の内に捨てられては困る物の分別お願いします。残っていた物は問答無用で処分させて頂きます。抵抗しても結構!!その際は本気で相手になりましょう。──では、解散!!」
そう伝えると、蜘蛛の子を散らした様に急いで部屋に向かって行く、騎士の方々の姿がありました。
「……すげぇ、騎士を一瞬で纏めちまったよ……」
「本当、何者……?」
いや、だから侍女です。
それより、貴方々も早く分別しなければ、そこら辺にある物全て処分対象となりますがよいのでしょうか?
お二人は私が言いたいことが分かったようで「はっ!」として、急いで部屋の物を分別し始めました。
……倒れているお二人方は罰として、全て処分です。
そうして一部屋終わり、二部屋目に向かうと既に騎士の方々がご自分で掃除をしておりました。
「ここは大丈夫だから次に行ってくれ」「俺らが掃除しといたから!!」と、行く先々で言われ、一階の部屋はあっという間に終了してしまいました。
──これでは、私が来た意味が無くなってしまいます。
二階からは少々手加減しましょう。
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