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侍女兼便利屋
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今日は侍女のお仕事はお休みですが、ゴリさんから召集がありました。
──これは、ゆっくりは出来そうにありませんね。
「おはようございます。マリー到着致しました」
「おお、マリー待ってたぞ!!」
いつものように、地下の扉を開けるとゴリさんと便利屋の仲間が待っておりました。
「皆さんお揃いで、どうしたんです?」
「ああ、今日は新人を紹介しようと思ってな」
ゴリさんが「おいっ」と呼ぶと、一人の男性がやって参りました。
──おや?どこかで見たような顔ですが……
「マリーは知っていると思うが、こいつはジェム・ブラッド。例の幽霊騒ぎの犯人だった奴だ」
あの時のご子息の方でしたか。
髪が短くなり、服装もちゃんとしていていたので誰だか分かりませんでした。
「おいおい、勘弁してくれよ。そいつが仲間か?」
そう言うのは、幽霊騒ぎで腰を抜かしたルイスさんです。
醜態を晒しているので、ジェムさんを見ると思い出すのでしょう。
「あら、私はいいと思うわよ。中々の美男子だし」
獲物を見るようにジェムさんを見つめるのは、お色気担当のシモーネさん。
「……………」
この無口な方はヤンさん。
ゴリさんに負けず劣らず怖い顔をしていますが、ゴリさんより数百倍優しい方です。
「……僕はどっちでもいいけど?マリーはどうなの?」
最後はティルさんです。
見た目は子供の様ですが、ちゃんと成人を迎えております。
因みに、「子供みたい」はティルさんの地雷です。
「私は邪魔にさえならなければ、どちらでも構いません」
足でまといは要りません。
「皆の意見は分かった。こいつは、親を殺した犯人を探しているらしい。それなら、ここで働いた方が情報は入りやすいと思ってな」
確かに、ここなら国に関わる様々な情報も入ってきますからね。
「──そこでだ、新人研修をしようと思う」
そうですね。私の時もありました。
私の時は、竜の鱗を取って来いでしたね。
鱗を剥ぐのは可哀想なので、竜をそのまま捕らえてきたらゴリさんに大目玉を喰らいました。
「……ジェムには、大蜘蛛の脚を取ってきてもらう」
「えっ!?大蜘蛛!?」
大蜘蛛と聞いて、ジェムさんの顔が青くなってます。
まあ、私の時より優しい研修内容ですね。
「安心しろ、研修と言ったろ?一人では行かせん」
するとゴリさんが、無言で私達を見渡しました。
──これは、誰が一緒に行くか選出してますね。
「俺はヤダね!!」
「私も嫌よ~。蜘蛛嫌いだもの」
ルイスさんとシモーネさんは抜けました。
「僕もパス」
「……………」
ティルさんも抜けました。
……ヤンさんは相変わらず喋りません。
「私も城の仕事がありますので……」
「──おかしいな。マリーは今日休みのはずだろ?」
……誰ですか?このゴリラに私の休みを喋ったのは。
「よしっ!マリーとヤン!!お前らが同伴だ」
「……休日手当出ます?」
「お前、ちゃっかりしてんなぁ」
当たり前です。折角の休みを棒にするんですよ?
それが嫌なら他を当たって下さい。
「はぁ~、分かった。手当付ける」
交渉成立ですね。
「じゃあ、ジェムさん。参りますよ」
「……本当に行くのか?」
「当たり前です。就職の為です!!頑張りましょう」
ブラッド侯爵家の事はお忘れなさい。
これはジェムさんの為です。
元とは言え、侯爵家の人間は就職するには大変です。
庶民の方の中には貴族を嫌う方が多くいます。
私も苦労しました。
ですから、どんなに蜘蛛が嫌いでも行かなければなりません。
今後の生活の為に……
──これは、ゆっくりは出来そうにありませんね。
「おはようございます。マリー到着致しました」
「おお、マリー待ってたぞ!!」
いつものように、地下の扉を開けるとゴリさんと便利屋の仲間が待っておりました。
「皆さんお揃いで、どうしたんです?」
「ああ、今日は新人を紹介しようと思ってな」
ゴリさんが「おいっ」と呼ぶと、一人の男性がやって参りました。
──おや?どこかで見たような顔ですが……
「マリーは知っていると思うが、こいつはジェム・ブラッド。例の幽霊騒ぎの犯人だった奴だ」
あの時のご子息の方でしたか。
髪が短くなり、服装もちゃんとしていていたので誰だか分かりませんでした。
「おいおい、勘弁してくれよ。そいつが仲間か?」
そう言うのは、幽霊騒ぎで腰を抜かしたルイスさんです。
醜態を晒しているので、ジェムさんを見ると思い出すのでしょう。
「あら、私はいいと思うわよ。中々の美男子だし」
獲物を見るようにジェムさんを見つめるのは、お色気担当のシモーネさん。
「……………」
この無口な方はヤンさん。
ゴリさんに負けず劣らず怖い顔をしていますが、ゴリさんより数百倍優しい方です。
「……僕はどっちでもいいけど?マリーはどうなの?」
最後はティルさんです。
見た目は子供の様ですが、ちゃんと成人を迎えております。
因みに、「子供みたい」はティルさんの地雷です。
「私は邪魔にさえならなければ、どちらでも構いません」
足でまといは要りません。
「皆の意見は分かった。こいつは、親を殺した犯人を探しているらしい。それなら、ここで働いた方が情報は入りやすいと思ってな」
確かに、ここなら国に関わる様々な情報も入ってきますからね。
「──そこでだ、新人研修をしようと思う」
そうですね。私の時もありました。
私の時は、竜の鱗を取って来いでしたね。
鱗を剥ぐのは可哀想なので、竜をそのまま捕らえてきたらゴリさんに大目玉を喰らいました。
「……ジェムには、大蜘蛛の脚を取ってきてもらう」
「えっ!?大蜘蛛!?」
大蜘蛛と聞いて、ジェムさんの顔が青くなってます。
まあ、私の時より優しい研修内容ですね。
「安心しろ、研修と言ったろ?一人では行かせん」
するとゴリさんが、無言で私達を見渡しました。
──これは、誰が一緒に行くか選出してますね。
「俺はヤダね!!」
「私も嫌よ~。蜘蛛嫌いだもの」
ルイスさんとシモーネさんは抜けました。
「僕もパス」
「……………」
ティルさんも抜けました。
……ヤンさんは相変わらず喋りません。
「私も城の仕事がありますので……」
「──おかしいな。マリーは今日休みのはずだろ?」
……誰ですか?このゴリラに私の休みを喋ったのは。
「よしっ!マリーとヤン!!お前らが同伴だ」
「……休日手当出ます?」
「お前、ちゃっかりしてんなぁ」
当たり前です。折角の休みを棒にするんですよ?
それが嫌なら他を当たって下さい。
「はぁ~、分かった。手当付ける」
交渉成立ですね。
「じゃあ、ジェムさん。参りますよ」
「……本当に行くのか?」
「当たり前です。就職の為です!!頑張りましょう」
ブラッド侯爵家の事はお忘れなさい。
これはジェムさんの為です。
元とは言え、侯爵家の人間は就職するには大変です。
庶民の方の中には貴族を嫌う方が多くいます。
私も苦労しました。
ですから、どんなに蜘蛛が嫌いでも行かなければなりません。
今後の生活の為に……
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