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41. 坑道

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 私たちはデルタ町の地下坑道で鉄鉱石などを狙って探検中だ。

 入り口から一番近い採取ポイントへ向かうことにする。

 最初のポイントは銅鉱石のようだ。
 ちょっと赤茶色に変色している場所に、慣れない動作でツルハシを振りかぶって壁を削る。
 普通なら相当の力が必要だろうけれど、ゲームだからかそこまで力は必要なかった。

 綺麗な赤茶の銅が採取できた。

「案外、簡単にできたね」
「たまに忘れそうになるけれど、ここはゲームなのですわ」
「そーだよー」

 銅鉱石を20個ぐらい、アイテム名「石ころ」を同じく20個ぐらい採掘して、その場所を後にする。
 それぞれ、レア度:1、ランク:2のノーマル品だった。
 スキル「採掘:Lv1」がめでたく取得できた。

 掘った場所はどうなるんだろう。
 プレイヤーが大挙して押し寄せて、どんどん削っていったら、穴がどんどん深くなってしまう。
 あと、町には井戸とか掘ってあるけど、坑道は水に沈んだりしないんだろうか。

 薄暗い坑道内を進むと、次のポイントに到着した。
 ここはすずが取れる。
 銅と錫をまぜて合金にすると青銅、ブロンズになるのだ。たぶん。

 ここでは錫を10個ほど、石ころを15個ほど確保した。
 石ころも、何かには使えるらしいのでストレージにしまっておく。
 別にストレージにしまった分だけ、魔法の袋が重くなったりはしない。

「あー。意外とめんどくさいわ~。これは、毎日やりたいとは思えない作業だわ~」

 クルミに同感だ。しかし生産職たるもの、単調作業に飽きたなんて言ってはいけない。

 次のポイントも銅だった。上層部は銅と錫、あと石ころぐらいしか取れないみたいだ。

 さらに進むと謎の部屋があった。
 地図によると、坑道内の雑貨屋兼休憩室のようだ。
 木の扉が設置されているので、開けて中に入る。

「いらっしゃい。こんにちは。休憩だけならタダだよ」

 真っ青髪のイケメン青年が出迎えてくれた。
 彼は、厚手のエプロンをしていて、長袖長ズボンを着ている。

 少し休憩していこう。
 坑道内で必要な雑貨をはじめ、携帯食料と水も売っていた。

「ここの携帯食料も不味いやつですか?」

「ああ、不味いと思うよ。それよりは、ここで出してるサラダサンドのほうがいいと思う」

 私たちはサラダサンドを2人分頼んだ。
 1つは私とサクラちゃんで分けて、もう1つはクルミが1人で食べる。

 ハーブみたいなのが少しに、タマネギ、レタス、キャベツ、キュウリみたいなものが入っていた。
 ハーブの香りと塩味ベースのドレッシングで美味しかった。
 小さく切ったウサギの干肉も入っていて、アクセントになっている。

「坑道内だからね。ウサギの串焼きという訳にはいかないけど、野菜とパンを切る位ならできるさ」

 さわやかに解説してくれた。
 結局、タダのという言葉に誘われて、サンドイッチまで買ってしまった。

 私たちは、次々とポイントを巡回して、かなりの数の石ころと銅、錫をゲットする。
 あと最後の方で鉄も採掘できたので、がっつり取ってきた。

 帰りは、道を地図を見ながらショートカットしつつ、最短ルートで地上に向かう。

 坑道から出たら、周りがまぶしい。
 やっぱり太陽の光の方が強いね。

 夕方になる少し手前ぐらいの時間であった。

 冒険者ギルドによって、銅鉱石を納品するクエストを受ける。
 銅鉱石60個を収めて6,000セシルと、経験値も少しもらえた。

 帰りに雑貨屋へ寄って、それぞれ小物など必要なものを買ったりする。
 具体的には紐とかだ。

 ニコライド夫婦の家に戻ってきて、夕ご飯を頂いて、夜の日課をしたら、あと寝るだけ。
 おやすみなさい。

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