9 / 28
【本編】〇〇までのカウントダウン
9・向き合うまでのカウントダウン (※)
しおりを挟むネットを彷徨い、迷子になった。
帰宅して、すぐにパソコンを立ち上げて、調べ物。
エッチなどっち界隈の動画などを漁る。
あー…。
オレ、タケシが好きなんだけど、できる気がしない。
こんな、アソコにアレが入ってます。
入ってるんだから、入るだろうけど、入っちゃうんだろうけど、オレのココに?!
実はシコった事はある。あの手で触られたらなんて、自分の手とアイツの手を重ねて、シコっちゃいました!
あの大きな手、長い指、綺麗に整えられた爪、節の太さが男を主張してて…エロ…。
ココを広げる?
開発ってのをしていけば入るんだろうな…。
初めはオモチャ入れるんだ…。
画面を突く。
でも、コレってさ……。
ケツに黒い円錐状のコロンとしたのツッコんで、ぷくぷく出し入れしたりしてる。
入るんだ…。
連なった玉をアウアウ言いながら、入れて、出してる……。
オレの穴…あんなの入るんだろうか?
絡んでる映像を観て、タケシに重ねてみても、なんかピンと来ない。
アレがヌチヌチと出入りしてる。
このアングル、女と同じだけど、組み敷かれてる人の股間にブツがありまして、しっかり勃ってる。
そもそも、画面のお兄さんたち気持ち良さそうな顔してるんだよなぁ。
気持ちいいのかなぁ。
そっと布越しにお尻の割れ目を触る。
ーーーーーやれる気がしない。
前はムックリしてきてる。
性的なのはOKって事は確かなんだけど。だって、嫌悪感ないもん。
パソコンを閉じる。
ベッドにひっくり返って、ぬいぐるみを抱き寄せた。
オレの半分はある大きさのソレを抱き枕のように抱えて、腰を揺らす。
画面のお兄さんたちの顔を思い出す。
ツキンと前が兆して来て、腹の奥が……タケシが一緒だったら、一つに成れたら、……たら……気持ちいいかも。
タケシだって、きっと気持ち良くなれるはず……。
オレの中にタケシが…。
腕の中のぬいぐるみを抱きしめる。
タケシに、こんな風に、抱きつきたい。
ぎゅっとされたい。
振動音で目が覚めた。
机の上でスマホがうるさく振動してる。
寝てしまってた。
涎が…。
じゅるっと拭う。
スマホに手を伸ばして、届かない事に、諦めて、起き上がり近づく。表示に一気に目が覚める。
「ぁ…」
出たはいいけど、先が続かない。
「約束」
タケシの声。めっちゃ低い。
「用事ができて……ごめん」
ちょっとウソ。調べたくって、落ち着かなくって。学校で、スマホで調べるにはハードルが高くて。だって、誰に覗かれてるか分かんねぇじゃん。
音が出た日には、死ねる。
時計を見ると……、帰り道だろうか。
ベッドに上がって、ぬいぐるみを抱える。
落ち着く。
「帰り?」
「うん。どうしてるかと思って」
ちょっと声が和らいだ。
怒ってる訳じゃなかったのかな?
「家にいる」
「そっか」
いつもの短い言葉。電話越しでもやっぱりいい声。
「約束、破って、悪かった。ーーーーでも、オレたちって放課後、忙しいじゃん。考え直さない?」
昼休みに勢いで交わした約束だった。見直しは必要。
「そうだな……今から出てこれる?」
「電話じゃぁ、無理?」
今のオレにタケシを真っ直ぐ見れる自信がない。
「会いたいって言っても?」
胸がきゅっと苦しくなる。
オレも会いたいっ。でも…。
「駅前のファミレスで待ってる」
学校の最寄りの駅のファミレス…。
「…分かった。すぐ行く」
外で友達と食べてくると告げて家を出た。
「お待たせ」
気まずい感じで合流した。
課題をしてたのかノートとかを片付けてる。
「何する?」
片付けながら訊いてきた。
「え…」
「ん?」
「ああ、そうだね」
慌ててメニューを掴んだ。
オレの頭、ピンク過ぎ!
最後のページまで来て戻る。
一向に決まらない。
やっぱり会うべきじゃなかった。今のオレ変すぎる。
「俺と同じにするか?」
「んー、カレー」
タケシの言葉も聞こえてなかったようだ。
「あ、そう」
その言葉にハッとした。
顔を上げた先にじっと見るタケシの目と合った。
暫く目が離せなくて、メニューを持ったまま見つめてしまった。
手が差し出されて、また、ハッとして渡す。
もぉおおおおおお! オレ! ちゃんとして!
「俺もカレーにしようかな」
コホンと咳。水を含んでる。
ポケットに手を突っ込んで、指が泳ぐ。
会うのに持って来てなかった。いつも忘れた事がなかったのに。
ぼんやり、タケシの手を見てた。
いつも見てる手。オレが好きなタケシの手。
「トオル?」
魅惑のボイスがオレを呼ぶ。
「ちゃんと見て?」
「え…」
あ…、オレ、タケシを見てなかった?
顔を上げて、目を見る。
「どうした?」
目が泳いだ。
呼び出しのベルを押した。
逃げました。
お姉さんがすぐに来てくれた。
ほっとしながら、注文を通す。
「ちゃんと話そ?」
お姉さんが行ったあと、いそいそとメニューを片付ける手を掴まれた。
「う、うん」
観念しました。
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話
タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。
「優成、お前明樹のこと好きだろ」
高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。
メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?
学校の脇の図書館
理科準備室
BL
図書係で本の好きな男の子の「ぼく」が授業中、学級文庫の本を貸し出している最中にうんこがしたくなります。でも学校でうんこするとからかわれるのが怖くて必死に我慢します。それで何とか終わりの会までは我慢できましたが、もう家までは我慢できそうもありません。そこで思いついたのは学校脇にある市立図書館でうんこすることでした。でも、学校と違って市立図書館には中高生のおにいさん・おねえさんやおじいさんなどいろいろな人が・・・・。「けしごむ」さんからいただいたイラスト入り。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
きみがすき
秋月みゅんと
BL
孝知《たかとも》には幼稚園に入る前、引っ越してしまった幼なじみがいた。
その幼なじみの一香《いちか》が高校入学目前に、また近所に戻って来ると知る。高校も一緒らしいので入学式に再会できるのを楽しみにしていた。だが、入学前に突然うちに一香がやって来た。
一緒に住むって……どういうことだ?
――――――
かなり前に別のサイトで投稿したお話です。禁則処理などの修正をして、アルファポリスの使い方練習用に投稿してみました。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる