音に浸る〜組曲〜

アキノナツ

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4.〜クーラント〜 ※

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美大生の青年がお相手。ナンパです。
結腸責め。


ーーーーーーーー



河原で練習。

川の流れを見ながら弓を滑らせる。
肘を張って腕ごとクッと引き、大きく滑らかに弦を抑える指を移動させる。

狭い防音ボックスよりは開放感はあるけど、音が広がり過ぎて少し浸れない。

んー、ちょっと不満。

風が気持ちいい。
楽器にはよろしくないので、もうやめよう。

あいつを呼ぼうか。
気分じゃないな。

外で弾きたくなってココに来たが、失敗だったな。
帰って相棒を手入れしてやろう。
すまなかった。


「もう終わりですか?」
片付けてたら声を掛けられた。

カチャっと留め金をかけて、声の方を見ると学生風の男が立っていた。

手にスケッチブック。肩にトート。
トートにスケッチブックが入らなかったのか。
美大生?

「ええ、気が済んだので」
「そうですか。……これ、さっきの曲聴きながら描いたんですが」
スケッチブックを渡された。

入らなかったのではなく、見せる為かい。
なんとも控え目に見えて自己主張の激しい人ですね。

風景画だね。

サッと見て返したら、ページを繰られ返された。
まだあるのね。
白くなるまで鑑賞しますか…。

スケッチブックを片手に相棒を肩にちょっと掛けると、さっきまでいた土手の階段に座る。
相棒は横。
隣に美大生が黙って座った。
油絵の独特なあの匂いがする。染み付いてるのか。

幾つもの川の風景。
そこに私が入り込んできた。
私だけのページが続く。
へー、こんな顔で弾いてたのか。

描き手にか、オレにか、どっちに欲情が孕んでる?
エロいな。
白くなった。

視線を上げると、美大生が近かった。
「ラブレターです」
「ほへ?」
いやー、びっくりすると変な声が出るのね。
閉じたスケッチブックの上に載ってた手に美大生の手が重なった。

どうも音で釣ってしまったらしい。

あーーーー、好みだから良いかな……?

川釣りなんてした事ないけど釣れちゃった。



ラブホテルです。
なかなかな展開です。
家とかに引き込まれるかと思ったら、連れて来られたのはココ。

あそこからちょっと行ったら、ホテル街ココだけどさ。
もしかして手慣れてる?
変なのに捕まっちゃたかな……。

あの直後、唇を奪われました。
唇が重なる軽いキスでしたがね、離れ際にチロリと舐めていった感触にゾクッとキタね。
我ながらチョロくて困る。


こんなつもりも無かったのでちょっと待ってもらう話をしたら快諾。

見られたくないので、浴室にカーテンを引く。レースで意味があるか分からんな。
ガラス張りの浴室で丸見え。
気分のいいものじゃないし、見せる趣味もない。
ふと見ると、衝立があった。
編み編みだけどこっちもしたら少しはマシだな。
設置して、浴室に。

鶴の恩返しだと覗かれるけど、流石にここまでされて覗きには来なかった。

薄い布のバスローブを羽織って出ると、入れ替わりに彼が入って行った。
ベッドに腰掛けた。

変な事されないよね?
ここまで来て不安になってきた。

出てきた彼は、腰にタオルを巻いただけで近寄ってくる。

美大生にしたら、均整のとれたいい身体をしてる。
腹筋、薄っすらだけど割れてるよね?

思わずお腹の盛り上がりをなぞっていた。

「くすぐったいです」
笑うとちょっと可愛い。
「いい感じに筋肉ついてて羨ましい」
素直な感想を伝える。

またあのキス。
リップ音で離れていく。
「指も脚も綺麗だーーー描きたくなる」
バスローブから覗く太腿を撫で上げられた。
右手の薬指にペン蛸がある。
不思議なところにあるものだ。

「描きます?」
なんとなく言って後悔した。


燻った状態でポージングしてます。

身体は準備をしたから、反応し出してるし、放置プレイになってしまっている。
漏れる息が熱い。

ああ、もうダメ。
舐めるように見られて、身体が余計に火照る。
ポージングを解くと、美大生に近づいて、彼の冷え切った身体に火照った身体を押し付ける。

「描いてばかりいないで、生身の方も堪能したら?」
スケッチブックを横に退けて、彼の膝に乗り上げる。

彼もオレも前はもう勃ち上がっていた。
若いのに我慢強い。
タオル越しにも立派な感触にこちらは当たりだ。

ソファの狭い空間で互いのモノを布越しに擦り合わせる。
我慢できない。吐息が漏れる。
彼の耳に吹き込みように漏れてしまった。

ガシリと尻を掴まれ動きを制限された。
薄布の上から揉みしだかれ、指が割れ目を辿る。
先走りが前の布にシミを作って切ない吐息が熱く漏れた。

「もう……もう…」
もう、の次の「ダメ」「触って」が吐息になって言葉にならない。
彼の肩から背に腕を回し、頬を首に擦り付け、縋りついて喘いだ。

ローブをたくし上げるように、手を差し込み腿裏を撫で上げる。
ふるふると小刻みに震え快感が駆け上がる。

ああ、そこに挿れて。
後孔がヒクヒクと蠢くのが自分でも分かった。

漸く触られた。
ピクンとイってしまった。
いやーん、彼より先にイっちゃった。
まだ指も挿れられてないのに。

「敏感なんですね」
含み笑い。
チキショウ余裕だな。
後で吠え面かくなよ。キュウキュウに締め上げてやるからな。

前の白濁を掬い取ると後ろに塗りつけて、揉み込み、ゆるゆると挿し込んできた。


もう膝が辛い。
ソファと彼に挟まれて身動きが出来なくなってから、後孔を弄り倒され、前立腺もいいように触られ、またイカされようとしてます。
まだ彼はイってません。

おい、大丈夫か。
タオルを押し上げて、ガチガチなのが見て取れますが。
先走りもタオルが吸ってるかも。吸ってるね。

「もう…ベッド、行こう」
息も絶え絶えにやっと訴えた。

「もうちょっと…」
コイツ、オレをもう一回イかせるつもりなのか?!
「君のコレでイかせて欲しい」
囁くようになんとか言葉を紡ぐ。
聞こえたよな?!

「煽った分は付き合って下さいよ」
溜め息混じりに言われた。

オレは彼に抱きついたまま運ばれた。
指が入ったまま。移動中も蠢いてる。
前が彼の身体とに挟まって、擦れて、もうダメかと思ったけど、なんとか耐えた。
頑張ったオレ!

横になって解放されると思ったけど、指は中に留まって、ばらばらに動いて、弄り倒されるのは変わらなかった。
もう十分解れてるから挿れて欲しい。

濡れた目で縋るように見つめたら、やっと抜いてくれた。
タオルを取ると、想像以上の綺麗な大きな陰茎が登場した。
言葉もなく見惚れていると、見せつけるように、ゴムを這わせていく。
無意識に舌が唇を舐めていた。

ホテルのゴムじゃ衛生はどうかと思ったが、そもそもサイズが合わんだろうと思ってたら、コツンと指に固い物が触る。横を向くと、箱が転がってる。ご持参の代物らしい。

血管が浮き上がってグロテスクだが、魅力的な逸物だ。
ローションを垂らして塗りこめ、テカテカしてる。
早く挿れて欲しく自ら脚を大きく開いて後孔を晒した。

十分解してくれたのも分かる気がする。

後孔に先端がめり込んでくると、全身にえも言われぬ快感に震え走った。

膝裏を押さえられて、結合部を見せつけられながらズブズブと這入り込んで、少し戻り、また埋め込まれていく。

「はぁぁぁぁあん!」
前立腺の何もかもを擦り抉られて、二度目の白濁を吐き出した。

「全部入りましたよ」
そうでしょうね。あらぬところまで到達してます。
その向こうは、未知の領域。
以前這入りかけた時はストップをかけさせて貰ったけど、コレ動いたら確実に這入っちゃう。
ストップは効きそうにない。

はぁー、いってみますか!

「ココ、もしかして初めてですか?」
馴染むまで中で待っててくれてる彼が、中の逸物を蠢かす。
先端が奥の奥を緩く撫でた。

「はぅぅん…は、初めて、ちょ、と…怖い」
本音が出ちゃう。

だって、さっきのあれだけでゾクゾクしちゃうんだよ?
この先どうなるの?

「大丈夫。僕だけ見てて。感じるままに感じてくれたらいいから」
優しくキスすると「掴まってて、爪立てていいよ」と手を導いてくれる。

再び唇が合わさる。今度は深いキス。

舌を絡ませて、広い背中に手を回せば、ゆるゆると中で動き出した。

引き出されていく感覚に恍惚となって感じてると、カリが孔の縁に引っ掛かって出て行く寸前、ググッと擦り上げて突き進んでくる。

はうっ!

奥にタッチすると、またズルズル出ていき、入って奥にタッチ。

クッチュン、クッチュンと何度もノックを繰り返されて、喘ぎでいっぱいになって、歓喜の涙で滲んだ視界に彼が見える。

フッと笑ったと思ったら、グリュンと押し這入られた。

「はぁあああ! あぁ? な、あ、あああぁ!」
クル! 何かキタ!

キュポッとそこから抜けると、再びグリュンと這入って。

もう翻弄されて、流されて、何かに縋り付きたくて、助けてと背中に手を回し、脚を絡めて、彼を押し止めようとしてるのか、深くまで導こうとしてるのか分からなくなって。兎に角しがみついて、爪を立てた。


ビクビクとイきっぱなしで、もう出すものもないのに、勃ちっぱなし。
何度も体位は変わって、翻弄されっぱなし。

今は後ろから突かれてる。

相変わらず、あそこを出入りして、痛いのか善いのか分からなくなっていた。

中は痙攣のように蠢いてるのを感じる。

脚がヒクヒクと痙攣が起きかけて支えられなくなってきた。
「もうちょっと」
軽い声が耳元でした。

グインと抱き起こされて、背面座位でグリグリと奥の奥、更にと押し込まれる。

「ひゃぁあぁぅん…あぅ…!」
前で腕をクロスして、両肩を掴まれ、抱き込まれる。
ダメぇぇ! それ以上這入らない!

「ーーーーーーッ」

口を閉じれない。肺の中の、腹の中の、全ての息を全て吐き切るように、声なき声を出して喘いだ。
手が空を掴む。
肉壁が全体で彼自身に絡みつき蠢いて締め付けている。

白濁でない何かが出る感覚があったが、確認する前に意識が落ちた。


***


目が覚めたら、気持ちよさそうに美大生が寝てた。満足気だな。

身体はサッパリしてて、使ってなかった方のバスローブを着せられてた。

ほぉー、事後処理してくれたのね。

まだ這入ってそうな感触にゾクゾクしながら、なんとか身体を起こす。

お泊まりコースになったらしい。

テーブルの上にコンビニのサンドイッチや飲み物が置かれていた。

確かにお腹すいた。

笑う膝をなんとか宥めて、移動するとありがたく頂く事にした。

眠ってる美大生を見ながら、夜食(?)を食べる。
そう言えば、最後までゴムしてくれてたな。
エライ、エライ。

食べ終わったら、帰るか。
起きたら面倒臭い感じがする。
若いと変に執着して来たりするからね。

おー、クワバラくわばら。

そっと着替えて、部屋代の半分を置いて相棒を担いで部屋を出た。

帰ったら、相棒のメンテナンスしてやらなきゃ。



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この美大生は、気になってるので、スピンオフ書くかも。要らない?ーーー「かも」ですから(笑
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