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結婚ってなにさ

1】招待状

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ぼちぼち書いて行こうかなぁ~と思ってます。


================

 
 クンティンが狙われてる?
 何故?
 彼は死んだ事になってる。この世にいない者のはずなのに、彼は探されてる?
 噂話レベルの情報をまとめ、導き出した俺の結論。
 俺の勘は正しいと囁く。とは言え、俄かに信じられない。

 何故、狙われてる? 探されてる?
 指名手配犯って昔言われた事でがあったが、本人は覚えが無いって言っていた。
 そもそも死んでる人間にまだ手配がかかってるものか? 死体の確認がされてないから?

 分からん事ばかりだ。

 彼が東の国を出たのは随分昔と言ってた。
 遠いその国がこんな遠方まで越境して探す価値があるのか?
 解せん。

 取り敢えず、クンティンには警告しておいた。
 それも、あそこから出ない事が前提だった。
 思惑が変わった。

 あそこから、もし出る事になっても俺がヨボヨボの爺さんになった頃かと思ってたが、こんなに早くなるとは、しかも俺が去ってから、あっちとこっちの差が大きくなったりしてたらしいが、今は1日=3日辺りで落ち着いてるらしい。

 ダロンとアリスンの結婚。これは彼らが出てくる理由。
 当然二人はクンティン達にも招待状を送るだろう。
 困った。
 勇者パーティーの生き残りは、二人だけとなってる。だが、万が一に生き残ってたとしたら、会場に現れると考えるよなぁ。俺も出席するつもりだし。
 ハレの日だからなぁ、祝ってやりたい。
 草葉の陰が相応しいのかねぇ。

 あーあ、結界から出る事はないと放置していたが、あちらを探るか…。目的を早急に調べなきゃならんな。クンティン達が出てくるまでには、なんとか形にせねば。俺自身も呑気に冒険者してられん。





「機嫌がいいのぉ~」

 エヴァンの呆れ声も今のオレには関係ない。
 今でも気持ちは色々思うところもあるにはあるけど、めでたい事に変わりない。

 結婚式ッ。招待状の打診きたッ!

 出席するよぉ~って返事は書いた。
 エヴァンも一緒に行きたい。誘ったらあっさり承諾された。
 エヴァンとデート。遠出だよ。公国側の干渉地は今はちょっとした街になってるらしい。お店も色々あるってアリスンが教えてくれた。

 懸念はあるんだ。師匠だよ。あの人に捕まったら色々検査と称してエヴァンを好きに扱いそうだ。なんとか守らねば。

 おしゃれはしたい。オレにとっては縁遠い分野だけど、やってみたい事だった。
 カタログを送って貰った。
 今の流行りは……。やっぱりズレて来てるな。オレの乏しいおしゃれ記憶と照らし合わせる。

 エヴァンに至っては、「式典なら騎士服でいいか?」ときた。300年前のデザインでもかっこいいけどさ。白いね。制服だからいいけど。騎士だし。でもどこの騎士って感じ出し。仮装になりかねない。

「これもあるぞ」って出てきたのは、王子様の式典の礼服。ああ…、紋章。もう色々と困る。主役のアリスンが可哀想になる煌びやかになりかねない。

 結論として、礼服を作るという選択になった。
 採寸は、リューリさんに手伝って貰って済ませた。伝書鳥で送る。
 結界を出て店でして貰えばいいんだけどね。

 そもそも、エヴァンの普段着がないんだよッ。
 あるにはあるけど。

 街人に紛れようにも容姿が整ってるが故に目立つ。服装に違和感ッ。

 もう詰む。色々と詰むッ!

 見た目が、王子様なんだよ。王子様なんだけどね。
 こんな事で悩むとは、引きこもってたから?
 好きで引きこもってた訳ではなく、ましてやタイムワープ的な事になってるのも王子の所為…ではないッ、では無いぞ…。

 瘴気を発生させた人類も問題で…。
 あー、スケールを大きくしたところで問題は解決せん。

 アリスンからサイズの合いそうなのを送ると返ってきた。普段着確保ッ。店の方にも手配しくれるとあった。下準備はオッケー。
 後は、髪かぁ~。
 リューリさんが器用だから、適当な長さに整えてくれてるが、ここは思い切ってヘアサロンに連れて行くか?

 服で決めるか…。

 あと何年か先だと思ってたのに、慌ただしく外界に出る事になったな…。

 でも、みんなに会えるのは嬉しい。エヴァンとお出掛け。どこに行こうかなぁ~。

「あらぁ~、ご機嫌ねぇ~」

 今日はこの言葉をよく聞く。そんなにご機嫌なのだろうか。

「んー、ご機嫌かなぁ。現在お悩み中なんだけど~」

 フィンさんに返す。今日のフィンさんはメイド服姿で雑事を熟してる模様ですね。感謝です。

「あらぁ~、それはなぁ~にぃ?」

 ふわふわフィンさんがさらにふぅわふぅわになった。オレの手元を見てる。オレの悩み事に興味は無いらしい。

「あー、外界のファンション誌とカタログです。…要ります?」

 ムフフ…と綺麗な指が魅惑的な唇に添えられてる。ハイハイ、分かりました。自分から「ちょうだい」は言いたくないんですね。

「差し上げます。参考になればいいんですが…」

「クンちゃん、ありがぁとぉん。うふふ、彼とペアの何か作って上げるねぇ~」

 嬉しそうに持って帰った。彼女たちは本当に器用だ。前職の前が色々だと思う。苦労もしてきただろう。そして、努力家。仲間内で自分達の知識と技術を共有しようとしている。

 エヴァンの普段着を彼の持ち物をリメイクして作ってる。ここにやってきた者たちに外界の事を聞き取りしてズレが無いように努力してる。

 彼女たちは、エヴァンが外界に出る時の為に、それを夢見てるのかもしれない。
 アリスンより先に普段着が手に入りそうだ。






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