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本編

10】これからの選択(中) 微※

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 机の地図にはクンティンが食らいついている。
 そっと手を離した。

「あとでクンティンに貰うから」とアリスンが地図を差し出してくる。

「モテモテだねぇ~」
 サムエルが茶化してきた。両の手の人差し指をこっちに向けてくるくる回してる。いつもの事だ。

「お前たちは付き合ってるのか?」
 魔王がアリスンと俺を見てくる。いつもの事じゃなくなった。

「あなたには渡さないんだからッ」
 アリスンが俺を庇うように魔王の視線の間に入った。

「んー、どうしようかのぉ~。時間も出来たし、裸にひん剥いてみるかのぉ~」
 楽しそうな魔王の声を背に部屋を出た。

 引っ掴んで来た装備を身につけながら、出口に向かう。

「待てって」
 サムエルまで楽しそうだ。





 ライド出来る魔獣を借りた。
 馬と牛が一緒になったようなずんぐりした生き物だった。気性は優しそうだ。

 農作がされてたりしてる。農地は瘴気の薄いところが主なようだ。

 森の中は馬では無理だったかもしれない。このずんぐりした生き物は、軽やかに倒木などを避けながら進んでくれた。スピードも速い。これなら森方面の領地境の確認が出来る。
 領地地図では境は森の中にあるようだ。昔の事だから、この辺りといった感じだろうが、この際きっちりさせて貰おう。

 サムエルと協力しながら地図にマーキングして行く。少し奥まで行って瘴気の広がりも確認する。
 俺の予想とほぼ合っていたが、違うところもある。
 瘴気の外の干渉地まで出たいが、俺たちとクンティンたちの時間が食い違うのが怖くて出れなかった。
 魔王の領地地図は正確だったので、これで大丈夫だろう。要は、領土から瘴気が漏れないようにする線引きだ。森だし、干渉地は作られるだろうから、これでいいだろう。

 調査は大体終わったところで、真っ暗になった。日が暮れたのだ。いきなり暗くなるのは山間では当たり前なのに、うっかりしていた。

 サムエルを見れば苦笑いしてる。彼も同じらしい。初期魔法のライトで辺りを明るくする。
 帰路についた。

 途中、肉になりそうな獣を狩った。

 城の人に獲物を渡した。
 魔獣の肉は黒ずんでる。少し臭いもする。持ち帰ったが大丈夫だろうか…。
 フィンたちが「きちんと処理したら食べれる」と言ってくれた。
 解体はこちらですると引き受けたが、念の為注意事項を訊いておく。

 内臓に毒素があるだけで、それさえ気をつければいいし、もし裂けたら、よく洗えばいいからと優しい。

 下働きに来ていた魔人の男と一緒に解体した。手際が良くてここで生活してるのがよく分かった。

 持ち帰った結果を机の地図に書き込む。

 サムエルと俺、サムエルの兄貴さんことゲアントさんと手分けして、クンティンの要求する物を集めたり、作業をする。

 クンティンのなんでも出てくる鞄でも出ない物があるようだ。

「簡易のものばかりですが、瘴気の中ではゆっくりと時間が流れてるようなので、後日しっかりした物に変更も考えますが、今はこれで十分です。さて、計画を話します」

 クンティンが目の下のクマもひどい状態で話し始めた。連日睡眠もほとんど取れず作業をしていた。俺たちも同様だが、クンティンは魔法も使って、細かい作業の連続だったようだ。
 顔色は最悪なのに、嬉々としている。ちょっと怖くもある…。なんだか色々、すまん。

「簡易の実験は済んでます。皆さんに設置していただいたので、障壁を作り瘴気を閉じ込め、浄化されないようにします。
 城にある浄化の魔法陣の使用は一度限りです。浄化範囲は森を通り越して、この辺りまでの効果が推定されます。これは小さくも積もってます。浄化が終わり次第、障壁が壊れて、瘴気が広がります。
 浄化で発生する大量の聖魔法に反応して領地沿いに撒いていただいた魔晶石の砕石が反応して、ここに設置した装置と接続します。これで結界が張られます。これによって、魔獣は外に出られなくなります。普通の生物は入ってきますけど。魔獣化したのは出れません。以上」

 地図上をクンティンの指が走り、怒涛の説明が終わった。

「決行は明日の夜。聖魔法の巨大な光の柱を見せ付けるにはいいでしょ? それまでご自由にどうぞ。オレは寝ますッ」

 そのまま床に倒れて寝た。
 魔晶石を魔法陣に置いて魔力を流しては、砕いていた。障壁用の杭に、魔法陣の付与。『複写』の能力を持っていても、装置も作ってたのだ。当たり前の結果だろう。
 コレだけの物を短期間で魔力も体力も限界だっただろう。感謝しかない。

 そのまま放置も可哀想なので、サムエルと二人でソファに運んだ。
 目が覚めたら風呂だなんだというだろうから、準備しておくか…。

「勇者殿、すまん。頼みがあるのだが…」

 魔王がこそっと俺に耳打ちした。リューリさんの事だろうか?
 よく分からないが頷き、ついて行く事にした。

 魔王の私室に入ると、ベッドの上に縛られた小柄な魔人がいた。

「彼を抱いてやってくれないか?」
 魔王が彼の頭を優しく撫でてる。

 ????

「彼の中の穢れが思いの外、定着してしまってな…。このままでは、変化が進んで、頭が…、思考が…、人として保てなくなる。処理するしかない」

 唸る魔人の口に布を咬ましているようだが、歯が鋭く尖ってる。

「俺がどうするって?」
 何をすればいいって?

「お前の戦い方は、剣に聖魔法を纏わせるとか」

「確かに」

「お前の、ホレ、その宝剣に纏わせて、彼にずっぷりと、ヤってくれぬか?」

 話はなんとなく理解した。魔王は真面目な顔で宣ってる。
 えーと…。

「無理、です。やった事ないですし。同意のない状態で…。俺、男との経験ないですし…」
 俺、何を言ってんだよぉ~。

「あー、初体験? 彼のいいよ~。癖になっちゃうかも」

 そういう事を言ってるんじゃないんですってッ! 真剣なのは分かるんですけど…。

「中から浄化してやらんと…。俺では空気中の瘴気は浄化できるが、出すのは穢れを含んでるのでな…。酷くなるしかない…」

「なら、教えます」

 俺、何を言ってんだよぉ~。

「ほぅ、やるコツでもあるのか?」

 魔王が下を脱いで、ベッドに上がる。筋肉質の形のいい尻だ。男の俺が見ても惚れ惚れする筋肉の尻。隣りをトントンしてる。俺がそこに座るらしい。

 仕方なくブーツ脱いで上がった。
 取り敢えず前を寛げて、勃たせてみる。見られては、やりにくい。サムエルと精液飛ばしをやって以来だ。バカやってたよ。サムエルが誘うから、やったんだけどね。あの時は楽しかったんだって。はい、言い訳です…。

 ベッドは大きい。小柄な魔人は足元に唸って転がってても十分な広さだ。裸の彼に見られながら、何をしてるんだか。

 見ないように目を閉じて扱く。なんとか勃たせて、剣に魔法を纏わす感覚を自分のに施してみる。
 なんとなく上手くいった感じがする。
 目を開いて、びっくりした。
 魔王が…ッ!

俺の陰茎の近くに顔がッ!
 綺麗な顔が息がかかる距離で俺のを見てる。

「ん? 大きくなったのう。綺麗な形じゃ。俺のは随分使ったからこんな色になったがな…」
 顔が離れてくれたのはいいのだが、肩が触れ合う距離でモノを見せてくる。
 黒光りする立派な逸物だった。顔同様綺麗な形と大きさ。




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